「無論」
嫌味たっぷりに否定するかと思った毛利はあっさりと頷いた。
「こやつは入信手続きも済ませず逃げ出した上、我が友よりの頭巾も持ち逃げしたのだ。
追わぬ道理がない……が、それだけで来たのでもないぞ、伊達政宗」
冷たい眼差しが独眼を射る。
「ああ、小十郎から聞いた。そっちは家臣と審議の上数日中に返事をしよう。
……毛利、せっかくのpartyでそんな話は野暮だ」
さっくり答えさっくり流し、独眼竜は戦場のごとき凶悪な笑みを浮かべた。
そろそろ酔ってきたらしい。
「毛利、この長曾我部元馬鹿はこれでもオレの馴染みでね。
こいつの好みは解ってるつもりだ」
「……ふん」
鼻で笑いつつ、挑戦的に毛利は顔を上げた。独眼竜は口の端をひん曲げて笑う。
「元親に向かって、おにいちゃん、て言ってみな」
嫌味たっぷりに否定するかと思った毛利はあっさりと頷いた。
「こやつは入信手続きも済ませず逃げ出した上、我が友よりの頭巾も持ち逃げしたのだ。
追わぬ道理がない……が、それだけで来たのでもないぞ、伊達政宗」
冷たい眼差しが独眼を射る。
「ああ、小十郎から聞いた。そっちは家臣と審議の上数日中に返事をしよう。
……毛利、せっかくのpartyでそんな話は野暮だ」
さっくり答えさっくり流し、独眼竜は戦場のごとき凶悪な笑みを浮かべた。
そろそろ酔ってきたらしい。
「毛利、この長曾我部元馬鹿はこれでもオレの馴染みでね。
こいつの好みは解ってるつもりだ」
「……ふん」
鼻で笑いつつ、挑戦的に毛利は顔を上げた。独眼竜は口の端をひん曲げて笑う。
「元親に向かって、おにいちゃん、て言ってみな」
何。
元親の人形じみた顔、その眉根がぎゅっと寄る。
「何を馬鹿な……」
呆れかえる毛利の肩にばんっと手を置いた。
「っ!なんだそりゃスゲー聞きてぇな!言え、言え言え毛利ぃっ」
「なるほど、それで長曾我部殿は皆に兄貴と呼ばれているのでござるな」
「な、コイツはこーいう趣味だ。氷の面に浮かぶ表情も策のうち、
って噂だぜ毛利、ひとつ見せてみろよ」
にーやにや笑って独眼竜が人の背中をばんばん叩く。やっぱり酔っている。
「何という愚かな………元親、兄上」
吐き捨てて毛利がこちらを見やり、静かに言った。
「何を馬鹿な……」
呆れかえる毛利の肩にばんっと手を置いた。
「っ!なんだそりゃスゲー聞きてぇな!言え、言え言え毛利ぃっ」
「なるほど、それで長曾我部殿は皆に兄貴と呼ばれているのでござるな」
「な、コイツはこーいう趣味だ。氷の面に浮かぶ表情も策のうち、
って噂だぜ毛利、ひとつ見せてみろよ」
にーやにや笑って独眼竜が人の背中をばんばん叩く。やっぱり酔っている。
「何という愚かな………元親、兄上」
吐き捨てて毛利がこちらを見やり、静かに言った。
瞬間胸がきゅうんと締まった。
「ぎゃあぁぁ、なんだこりゃ、これがあの農民が言ってたもうええってヤツか!?
なんかすげー胸が締め付けられたぜ!」
氷の面が引きつって、その体が僅か後退する。逃がすかこのやろ、と肩を掴んで揺さぶった。
毛利の体は波に翻弄されるモヤシのようにがっくんがっくん揺れ、慌てて動きを止めてやる。
「貴っ、貴様は馬鹿の上に変態か。救いようがない男もいたものよ。
……いや、それでもザビー様ならば……」
考え込みそうになる毛利の手を、割り込んだ幸村が握りしめる。
「か、可愛らしき御仁にござるな!某、故郷の妹を思い出しましたぞ!」
「貴様もか!」
手をふりほどこうにも二槍を操る幸村の握力に敵う訳もなく、
毛利は小さく体を捩ってふりほどこうとしているようだった。
どうも抵抗しているとも思えないようなモヤシぶりなので、良くは解らないが。
「見くびるなよ毛利ぃ?この俺様が実の妹に手を出すかよぅ!」
他のかまくら(子分のぶん)からアニキー!と返事が返る。
「義理や偽の妹ならば良いのか、どちらにせよ変態であろうが」
「家族の仲が良いことは変態ではござらぬぞ、毛利殿!」
毛利の両の手を包み込んだまま、幸村が妹に諭すように熱く優しく言葉をかける。
毛利は背を逸らしかかったが、あいにくその肩は元親が掴んだままだった。
「これがそう言う意味と思うてか。性愛の対象物としての言葉であろう!」
幸村は一気に赤くなった。
「はっ、はれんちでござるぅぅぁぁ!」
「痛いわ!手を握りしめるな貴様!万力か!」
何かもの凄い勢いで言葉を交わす毛利と幸村。
独眼竜が手慣れた様子で幸村の手を離させる。
「無視してんじゃねえぞ毛利!政宗も聞け、てめーのせいで誤解されただろうが!
俺の追い求める理想はなあ、本多忠勝と徳川家康だっ!怖カワイイ妹じゃねえっ」
また遠くアニキー!と応えが返った。
「それはまた面妖な。だいぶ印象の違うお二方にござるな」
「ふん。浮気者め」
「誰が浮気だ!」
「不潔ぞ」
聞き飽きているのか、政宗は一人杯を重ねながら言った。
なんかすげー胸が締め付けられたぜ!」
氷の面が引きつって、その体が僅か後退する。逃がすかこのやろ、と肩を掴んで揺さぶった。
毛利の体は波に翻弄されるモヤシのようにがっくんがっくん揺れ、慌てて動きを止めてやる。
「貴っ、貴様は馬鹿の上に変態か。救いようがない男もいたものよ。
……いや、それでもザビー様ならば……」
考え込みそうになる毛利の手を、割り込んだ幸村が握りしめる。
「か、可愛らしき御仁にござるな!某、故郷の妹を思い出しましたぞ!」
「貴様もか!」
手をふりほどこうにも二槍を操る幸村の握力に敵う訳もなく、
毛利は小さく体を捩ってふりほどこうとしているようだった。
どうも抵抗しているとも思えないようなモヤシぶりなので、良くは解らないが。
「見くびるなよ毛利ぃ?この俺様が実の妹に手を出すかよぅ!」
他のかまくら(子分のぶん)からアニキー!と返事が返る。
「義理や偽の妹ならば良いのか、どちらにせよ変態であろうが」
「家族の仲が良いことは変態ではござらぬぞ、毛利殿!」
毛利の両の手を包み込んだまま、幸村が妹に諭すように熱く優しく言葉をかける。
毛利は背を逸らしかかったが、あいにくその肩は元親が掴んだままだった。
「これがそう言う意味と思うてか。性愛の対象物としての言葉であろう!」
幸村は一気に赤くなった。
「はっ、はれんちでござるぅぅぁぁ!」
「痛いわ!手を握りしめるな貴様!万力か!」
何かもの凄い勢いで言葉を交わす毛利と幸村。
独眼竜が手慣れた様子で幸村の手を離させる。
「無視してんじゃねえぞ毛利!政宗も聞け、てめーのせいで誤解されただろうが!
俺の追い求める理想はなあ、本多忠勝と徳川家康だっ!怖カワイイ妹じゃねえっ」
また遠くアニキー!と応えが返った。
「それはまた面妖な。だいぶ印象の違うお二方にござるな」
「ふん。浮気者め」
「誰が浮気だ!」
「不潔ぞ」
聞き飽きているのか、政宗は一人杯を重ねながら言った。




