「謙信、おヌシの前では正直であらねばいかんな」
「…こころのままに、したがいましょう…おたがいに」
互いに見栄を張って気持ちを抑えるのはやめる。
「…こころのままに、したがいましょう…おたがいに」
互いに見栄を張って気持ちを抑えるのはやめる。
謙信は膝立ちになって信玄の太い首に腕を巻き付け、信玄は謙信の細い腰と
尻に腕をまわしてふらつく体を支える。
「んん、謙信…おヌシと離れる前に、また交われた事、嬉しかったぞ」
「そのことば、あなたさまにもおかえししますよ……ですが、いささか…
かげきすぎて…」
足腰が立たない。力を入れると震えてしまう腰や腿を、信玄は強くさすってやる。
「無理するな。ワシが、こうやって支えておるから…力を抜け」
「ん…」
信玄の言葉に甘えて下半身の力を抜く。
尻に腕をまわしてふらつく体を支える。
「んん、謙信…おヌシと離れる前に、また交われた事、嬉しかったぞ」
「そのことば、あなたさまにもおかえししますよ……ですが、いささか…
かげきすぎて…」
足腰が立たない。力を入れると震えてしまう腰や腿を、信玄は強くさすってやる。
「無理するな。ワシが、こうやって支えておるから…力を抜け」
「ん…」
信玄の言葉に甘えて下半身の力を抜く。
調子に乗って、もうちょっとだけ甘えてみたくなる。
「しんげん…もうすこし…よりかかっても…?」
「いいぞ、謙信…少しなどと言わずに」
「…では…ふふ、このくらい」
腕にできる限りの力を込めて、信玄にくっつこうとする。信玄はそれに応えるように
力いっぱい謙信の華奢な体を引き寄せる。目を閉じて強く抱きしめ合ってから唇を
交互に重ね、互いの体の心地よさを確かめる。
「しんげん…もうすこし…よりかかっても…?」
「いいぞ、謙信…少しなどと言わずに」
「…では…ふふ、このくらい」
腕にできる限りの力を込めて、信玄にくっつこうとする。信玄はそれに応えるように
力いっぱい謙信の華奢な体を引き寄せる。目を閉じて強く抱きしめ合ってから唇を
交互に重ね、互いの体の心地よさを確かめる。
しばらく抱き合っているうちに
「…しんげん」
信玄の怪しい動きに気付いた謙信が、いたずらっ子を咎めるような顔をする。
「どうした?」
「もう…あなたときたら…」
謙信の腰にまわしていたはずの信玄の手が、尻を通って股の間に向かおうとしている。
「はっはっ、バレたか」
「きづきますよ、そのくらい」
「…駄目か、触っては?」
まだ中に痺れが残っているので首を縦に振る。すると、信玄が少しだけ残念そうな
顔をしたので、謙信の方が譲歩して付きあってやる。
「…そぉっと…なら、かまいませんけれど」
と言って反応を窺う。
「そうか、じゃ…そぉっと…」
躊躇なく助平心を丸出しにする信玄に、謙信がくっくっと可笑しそうに笑む。
「…んっ…もう、くすぐったいですよ…」
「おお、いかんいかん…そぉっと、だったかの?」
「そうそう……そぉっと…」
と言いながら信玄の首から片腕を外し、乳首をつんつん、と人差し指でつつく。
「んん、何しとる、謙信」
「おや、ばれましたか」
「気付くわ、そのくらい」
「…ふふっ、おかえし」
うりうり、と指をこねまわして反撃する。
「やめんか、こそばゆい…ふははっ…」
「…しんげん」
信玄の怪しい動きに気付いた謙信が、いたずらっ子を咎めるような顔をする。
「どうした?」
「もう…あなたときたら…」
謙信の腰にまわしていたはずの信玄の手が、尻を通って股の間に向かおうとしている。
「はっはっ、バレたか」
「きづきますよ、そのくらい」
「…駄目か、触っては?」
まだ中に痺れが残っているので首を縦に振る。すると、信玄が少しだけ残念そうな
顔をしたので、謙信の方が譲歩して付きあってやる。
「…そぉっと…なら、かまいませんけれど」
と言って反応を窺う。
「そうか、じゃ…そぉっと…」
躊躇なく助平心を丸出しにする信玄に、謙信がくっくっと可笑しそうに笑む。
「…んっ…もう、くすぐったいですよ…」
「おお、いかんいかん…そぉっと、だったかの?」
「そうそう……そぉっと…」
と言いながら信玄の首から片腕を外し、乳首をつんつん、と人差し指でつつく。
「んん、何しとる、謙信」
「おや、ばれましたか」
「気付くわ、そのくらい」
「…ふふっ、おかえし」
うりうり、と指をこねまわして反撃する。
「やめんか、こそばゆい…ふははっ…」
そうやっていちゃついているうち、謙信がはたと思い出したように
(ああそうだ、おかえし………かれらへのおかえしがまだでしたね…)
邪な心をよみがえらせる。謙信の瞳に射貫くような鋭い眼光がかがやき、先程まで
纏っていた柔和な雰囲気は影をひそめる。
(ああそうだ、おかえし………かれらへのおかえしがまだでしたね…)
邪な心をよみがえらせる。謙信の瞳に射貫くような鋭い眼光がかがやき、先程まで
纏っていた柔和な雰囲気は影をひそめる。
お役目が終わったと油断しているであろう忍び達にわからぬように、信玄に抱きつく
格好のまま、自分の企みを耳打ちで伝える。
(はっ……やはりおヌシは、ただでは終わらんヤツじゃな…面白い)
格好のまま、自分の企みを耳打ちで伝える。
(はっ……やはりおヌシは、ただでは終わらんヤツじゃな…面白い)




