伊達食傷気味なところにょ伊達×小十郎でごめん。
- 伊達はツンデレなんてもんじゃない横暴女王様。しかしツンデレだと言い張ってみる
- 小十郎は主人にSであることを強要するタイプのM。ポジションは参謀というより執事
- ブラックジョークな一文だけとはいえ北条と上杉の扱いが悪い。
- 残酷な刑罰方法が話題に出てくるので、文字を見るだけでもいやな人は華麗にスルーしてください
あと、ちょっと某キリンさんと女王様入ってるかも。見直して気がついた。
捕らえた農民を冷たい目で見下ろしてから、政宗は要塞と化した農村を見渡した。
「小十郎」
傍に控えた男の名を呼び、顎で農村を示す。
「何日あれば、元に戻せる」
「は。……三月ほどで田植えの季節となります。その時期までに田を整え、それから岩を崩し、
道に作られた罠を潰すとなると……一年はかかるかと」
「フン」
小十郎の的確な回答に、政宗は鼻を鳴らした。薄く笑みを浮かべ、農民たちに視線を戻す。
「おっかねぇ侍だべ」
「おらたち、殺されるっだか……」
「なんの! おらたち、いっき団結してるだ! 怖かねぇべ!」
「小十郎、二、三人見繕って牛裂きにしろ」
農民たちはいっせいに黙り、目を伏せた。政宗は面白くなさそうに目を細め、鼻を鳴らしてせせら笑う。
「政宗様、牛が用意できません」
「じゃあ車で裂け。怖くねぇっつってるんだ。ご希望通り殺してやる。――ああ、鋸引きでもいいな」
政宗はじつに楽しそうに笑うと、できるか? と小十郎に尋ねる。小十郎は生真面目に考え込む。
牛裂きも車裂き鋸引きも、残酷な刑罰の代表格である。見ていて気持ちいいものではない。
「だったら、おらを裂け!」
一際甲高い声が、農民の中から上がった。いつきちゃん、と鋭い声で窘められても、甲高い声は止まらない。
立ち上がり、頭頂で二つに括られた髪をぴょこぴょこ振りながら、後ろ手に縄で縛られた娘が叫ぶ。
政宗は腕を組み、斜に構えて娘を見る。
「お前が、裂かれるのか?」
「やれっつったらやれ! おらたち、田の神様に守られてるだ! 怖くなんかねぇべ!」
いつきと呼ばれた娘は丸い目を精一杯吊り上げ、小さな口をきゅっと引き結んで政宗を見上げる。
その目の端に涙が滲んでいる。
政宗は顎に手をやり、伊達と農民が争い、結果荒れた田を見回した。
「田の神の庇護を受けておきながら、田で戦をしかけるか。それが農民のやり方か」
「――それは」
「てめぇらが引いたから、俺らは田に入っててめぇらを追いかけた。国を富まし、栄えさせるために、
俺らは戦ってる。――てめぇらはどうだ。年貢が重い、暮らしが苦しい。それだけで、てめぇらの都合だけで
俺らに戦いをしかけた。違うか!」
「おらたちだって苦しいだ! おめぇさんたち食わすために、毎日毎日田畑さ出て、折角実った田畑を戦で焼いて。
なして、なしておらたちをいじめるだ! おめぇさんたちだけで戦してりゃいいだ!」
政宗の目が怒りに燃えた。手が振り上げられる。
あんたの奴隷のままでいい2
「小十郎」
傍に控えた男の名を呼び、顎で農村を示す。
「何日あれば、元に戻せる」
「は。……三月ほどで田植えの季節となります。その時期までに田を整え、それから岩を崩し、
道に作られた罠を潰すとなると……一年はかかるかと」
「フン」
小十郎の的確な回答に、政宗は鼻を鳴らした。薄く笑みを浮かべ、農民たちに視線を戻す。
「おっかねぇ侍だべ」
「おらたち、殺されるっだか……」
「なんの! おらたち、いっき団結してるだ! 怖かねぇべ!」
「小十郎、二、三人見繕って牛裂きにしろ」
農民たちはいっせいに黙り、目を伏せた。政宗は面白くなさそうに目を細め、鼻を鳴らしてせせら笑う。
「政宗様、牛が用意できません」
「じゃあ車で裂け。怖くねぇっつってるんだ。ご希望通り殺してやる。――ああ、鋸引きでもいいな」
政宗はじつに楽しそうに笑うと、できるか? と小十郎に尋ねる。小十郎は生真面目に考え込む。
牛裂きも車裂き鋸引きも、残酷な刑罰の代表格である。見ていて気持ちいいものではない。
「だったら、おらを裂け!」
一際甲高い声が、農民の中から上がった。いつきちゃん、と鋭い声で窘められても、甲高い声は止まらない。
立ち上がり、頭頂で二つに括られた髪をぴょこぴょこ振りながら、後ろ手に縄で縛られた娘が叫ぶ。
政宗は腕を組み、斜に構えて娘を見る。
「お前が、裂かれるのか?」
「やれっつったらやれ! おらたち、田の神様に守られてるだ! 怖くなんかねぇべ!」
いつきと呼ばれた娘は丸い目を精一杯吊り上げ、小さな口をきゅっと引き結んで政宗を見上げる。
その目の端に涙が滲んでいる。
政宗は顎に手をやり、伊達と農民が争い、結果荒れた田を見回した。
「田の神の庇護を受けておきながら、田で戦をしかけるか。それが農民のやり方か」
「――それは」
「てめぇらが引いたから、俺らは田に入っててめぇらを追いかけた。国を富まし、栄えさせるために、
俺らは戦ってる。――てめぇらはどうだ。年貢が重い、暮らしが苦しい。それだけで、てめぇらの都合だけで
俺らに戦いをしかけた。違うか!」
「おらたちだって苦しいだ! おめぇさんたち食わすために、毎日毎日田畑さ出て、折角実った田畑を戦で焼いて。
なして、なしておらたちをいじめるだ! おめぇさんたちだけで戦してりゃいいだ!」
政宗の目が怒りに燃えた。手が振り上げられる。
あんたの奴隷のままでいい2