戦国BASARA/エロパロ保管庫

花魁5

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「おやおや、鷹波屋の種馬が何か用?」
気怠げに煙を吐くと、この若い首代を皮肉たっぷりに揶揄する。
「そんな言い方しないでくれよ~姐さん方に手出した事ないよ、俺?」
苦笑いをしながら両の手を肩まで上げて降伏の姿勢を取ったって、他の見世に遊びに行ってるのを、俺は知っている。
「機嫌悪そうだね~早く湯に行ってくれって幸村がせっついてたよ」
幸村の名を出して、何か思い出したのか、そういえば、と慶次は話を続けた。
「幸村には呼び捨てにさせてるんだね」
他の姐さん達にしめしがつかないんじゃないのかい、といらぬ心配を施す。
確かに縦割社会の世界だから、禿に軽んじられているなんて、花魁の汚点ともなり得ない。
でも、
「俺以外だったら、どんな人間にでもあの堅っ苦しい敬語で接してんだから、良いんじゃないの?」
それに、と口の中で呟いてから言葉を続ける。
「気を許してんだろうね、俺だけに」
最初こそ警戒心丸出しで手負いの獣みたいだった幸村だけど、日を追うごとに俺だけに心を開いていく様子がよく分かった。
元が人懐っこい子だけど、友達みたいに接している胞輩にすら、愚痴や弱音を吐けないらしい。
やり方が分からないと言うよりは、他人に弱みを見せたくないと言った感じだった。
それが武士ってもんなのかどうかは知らないけど。
「で、用件はそれじゃないっしょ」
もう一度キセルを吸って、慶次をねめつけると、こいつは意にも介せず悠々とした動作であぐらをかき、
俺の手を取って、俺のキセルに口を付けた。
図々しい。
「幸村の、新造出しの話は聞いてるかい?」
正直、"もう"その話なのかと思った。
ついこの間俺様付きの禿になったばっかりだと思ってたのに、新造出しが済んだら新造となって見世に出て稼がなくちゃなんない。
俺様の代わりに客のお相手を務める事だってある。
「いーや。初耳だけど、何か問題でもあったの?」
例えば幸村が堅物すぎるとか初心すぎるとか熱血すぎるとか熱血すぎるとか。
「武田のお館様がさ、幸村の事お気に入りだよね」
あぁ、そういえば、熱血同士気があうのか、特別目をかけてもらっていた。
幸村も幸村でお館様に心酔していて、お館様がいらっしゃった日には、『某が膳をお運び致しまするぅぅ!!』ってうるさい。
お館様もお館様で、『褒美じゃ幸村ぁ!うけとれぃ!!』とか言って、菓子なり何なり与えてるから、幸村の崇拝ぶりはますます高まるばかりで。
「で?お館様がどうかしたの?」
新造出しの話題にお館様の名前が出てくるって事は、大方新造出しの面倒を見て下さるとかって話だろう。
お金がすっごく掛かる事だから、俺様とっても助かっちゃう。
って、うきうきしていたら、慶次は真面目な顔をして一言。
「お館様ってさぁ…幼女趣味かなぁ…」
ふざけた事を言うもんだから、右手のキセルて一発ぶん殴る。
「いてて!ごめんごめん!」
口で謝りつつ顔は笑顔だ。こいつこそ変な趣味持ってんじゃないだろな?
「いやね、聞いちまったんだよ、ほんとは新造出しどころか身請けしたいぐらいだって…」
「お館様が?」
それはちょっぴり聞き捨てならない。
まぁ、禿の身請けは禁止されてるから、それは出来ない相談なんだけど、
まさか、俺を、差し置いて…?
「ね、なんか不自然でしょ?」
眉間に皺でも寄っていたか、覗き込まれて額をぐりぐりとなぞられた。
「うかうかしてたら、お館様取られちゃうかもよ~?」
「…別に取られてもいーけどさ、俺の馴染みに変わりはないし」
遊郭では、一度遊女と馴染みになったら、他の遊女に手を出すことはご法度になっていた。
誰が決めたんだか、そんな夫婦みたいな契りを。
「佐助が良いならいーんだけどさ」
と、両の手を頭の後ろで組んで、慶次は軽く伸びをした。
「で、新造出しの打ち合わせをしたいから、顔出してくれって元親が呼んでた」
「用件はそんだけか。じゃあとっとと帰れ」
しっしっと手を振り追っ払う。
「そう邪険にすんなよ。これでも俺は、アンタが好きなんだ」
どの口がそう言うのか。
昔惚れた女の面影を追って、とっかえひっかえやってんのを、俺は知っている。
遊女相手だからって、軽い気持ちで惚れた腫れたと言う奴には我慢がならない。
反吐が出そう。
「そいつはどーも、俺はアンタが大嫌いだよ」
言ってカツンと、脇の火鉢へキセルを叩き付けた。

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