戦国BASARA/エロパロ保管庫

三年目の浮気3

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徳川家康と本多忠勝が奥州を訪れる頃には、奥州の遅い桜はすっかり散ってあちこちに
吹き溜まり、代わりに若い色の葉が日差しを柔らかく遮るようになった。
「奥州はこれから若葉の季節だな。一献どうだ?」
「いらん」
不機嫌な調子を隠そうともせずに、政宗はすたすたと城の中に入っていく。忠勝の肩から
降りた家康は慌てて彼女の背中を追いかけるが、いかんせん足の幅が違いすぎて追いつけない。
「そういえばおめぇ、いつものやつはどうした」
「いつもの?」
足を止めて振り返る。家康はぜーはーと肩で息をしながら政宗の小袖の裾をつかんだ。
「ほらあいつだ。片倉こ」
「知るか!!」
家康が名前を全部言う前に遮る。片倉の「か」の字すら聞きたくない。家康は丸い目を
何度もしばたたかせ、政宗を見上げた。
政宗はむすっとした顔をして、家康から袖を振り払う。そして足音を立てて奥へと歩く。
家康は数瞬遅れて後を追いかけた。
「どうしたんだ? ケンカでもしたのか?」
「No。主君ほったらかしてるあいつが悪いんだよ」
「……何かあったか?」
「何にもねぇっつってるだろが!」
家康がきょとんと目を見開くのを見て、政宗は顔をしかめた。
家康にあたったところでどうにかなるものではない。
小十郎は政宗に一番近いところにいる家臣だ。様々な仕事を任し、彼を多忙にさせる。
そうなればいつも傍に侍ることはできない。
自分で作り出した状況が嫌になる。
体に溜まった息を吐き出し、髪に手を差し込んだ。
「……悪い。お前に当たったってしょうがねぇのに」
「何かあっただろ? 話してみろ」
「なんにもねぇよ。ちょっと……いらついてただけだ」
家康は目を細めて政宗を見上げるが、すぐににっと笑った。明るいけれど騒がしくない、
ほっとするような笑みに政宗もつられて笑う。
「話くらいなら聞くぞ?」
「いいよ。どうせただの愚痴だ」
「ただの愚痴だからこそ聞くんじゃねぇか。おめぇ、頭いいけど莫迦だなぁ」
家康はどんな愚痴でも聞くだろう。そして笑って受け止める。そういう度量の広さがある
ことを知っている。
(いいなぁ)
素直な感想だった。目の前でべそべそ泣いても、次の日にはそれを忘れてくれるだろう。
政宗だったら、そんなことをした奴を向こう二ヵ月半は笑ってしまう。
「ほんとに、ただの愚痴だぜ?」
「どんな愚痴でも、溜めたら体に毒になるからな。わしにでも吐き出せ」
「……thank you」
政宗は笑った。家康の顔がほんのり赤く染まる。初々しい色が可愛くて、政宗は思わず
手を伸ばして家康を抱きしめた。わわわわっ、という声が胸の辺りから聞こえた。
二人の体の間に腕が入り、家康は政宗から離れた。家康の顔が、赤を通り越して青く
なったような、変な色になっている。
「おめぇ、もっと慎みを持て!」
「んだよ。いいじゃねぇか、減るもんじゃねぇし」
「お、お、女がそんな科白吐くんじゃねぇ! いいか、俺は男でお前は女だ。それで、
そんなことをしたらどうなるかくれぇ、分かるだろが」
「……俺を襲うのか?」
政宗は笑った。髪をかき上げ、書房に入る。あらゆる書籍や地図類が散らばった床に、
二人は適当に腰を下ろす。
「わしは、そんな卑劣な真似はせん。だがなぁ、わしも男だ。理性を保てる保障はねぇぞ」
政宗は笑って城の付近を記した地図を広げた。
「お前だったら、別に構わねぇぜ」
「政宗!」
「jokeだよ、joke。本気にするな」
政宗は地図に描かれた川の線をなぞって笑う。家康はむむぅ、と唸って政宗を上目遣いに見る。
「そういえば、お前、俺に求婚してたよな」
今更な話題を政宗は口にした。家康は腕を組んで神妙に頷く。難しい顔をしているなぁ、と
ごろりと寝転がりながら家康を見た。
「隙あらば攫おうって魂胆か?」
「そのようなことはせん。ちゃんと手順を踏まえてお前を手に入れるぞ」
政宗は体を伸ばした。ふっくりとした頬に手を伸ばす。思ったとおりの柔らかい頬をしている。
「まさ」
そっと、指で唇に触れてみる。小十郎とはずいぶん違うんだな、というのが率直な感想だった。
家康は目を見張ったまま固まっている。瞬きすら忘れた家康が面白くて、書の海にゆっくりと
押し倒してみた。

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