結論から言うと、
数々の戦場で数百、数千の敵を斬り伏せて来た政宗に取っては、
統率の取れてない10人にも満たない野盗など物の数にも入らなかった。
それに男にはどうしても腕力で劣る女の身であっても、
人間の身体に数十箇所存在する「急所」を確実に攻撃する事で、
相手を無力化する術を幼少の頃より小十郎を始めとする伊達の家臣達に
叩き込まれてもいた為、野盗達は抜刀すらしていない政宗に
指一本触れる事も敵わずに、叩き伏せられて地面に転がる有様だった。
数々の戦場で数百、数千の敵を斬り伏せて来た政宗に取っては、
統率の取れてない10人にも満たない野盗など物の数にも入らなかった。
それに男にはどうしても腕力で劣る女の身であっても、
人間の身体に数十箇所存在する「急所」を確実に攻撃する事で、
相手を無力化する術を幼少の頃より小十郎を始めとする伊達の家臣達に
叩き込まれてもいた為、野盗達は抜刀すらしていない政宗に
指一本触れる事も敵わずに、叩き伏せられて地面に転がる有様だった。
「とっとと失せな。いつまでも寝転がってやがると、ブチ殺すぜ?」
少女特有の澄んだ声が荒々しくそう告げると、
のびた仲間を引き摺りながら
野盗達は這うようにして森の奥に逃げて行った。
のびた仲間を引き摺りながら
野盗達は這うようにして森の奥に逃げて行った。
「…あの…」
「あぁ、待たせちまったな。立てるかい?」
「あぁ、待たせちまったな。立てるかい?」
娘の手を引いて立たせると、その身体がまだ震えているのが分かる。
間近で見る娘は政宗が思っていたよりも幼い顔立ちをしていて、
未遂とは言えこんな目に遭ってしまった心痛を思うと、僅かに胸が痛んだ。
間近で見る娘は政宗が思っていたよりも幼い顔立ちをしていて、
未遂とは言えこんな目に遭ってしまった心痛を思うと、僅かに胸が痛んだ。
辺りに垂れ籠めていた薄暗闇が徐々に本当の暗闇に色を変えて行く中、
政宗は娘を連れて繋いだ馬の元に戻った。
後は、この娘を載せて家まで送ればいい。
帰りが随分と遅くなったし、
城では小十郎が鬼のような形相で待ち構えているだろうが、仕方がない。
政宗は娘を連れて繋いだ馬の元に戻った。
後は、この娘を載せて家まで送ればいい。
帰りが随分と遅くなったし、
城では小十郎が鬼のような形相で待ち構えているだろうが、仕方がない。
「お武家さま…!」
娘の凍り付きそうな声に、森の奥に眼をやると、暗闇に無数の赤い灯が
不吉に揺らめいているのが見える。
…さっきの野盗達が、仲間を引き連れて戻って来たと考えるのが妥当だろう。
ざっと見て、まだ少し距離は有るようだ。馬で今すぐに駆け出せば
野盗共を振り切って逃げ切る事は可能だと判断するが、
政宗はそうはしなかった。
不吉に揺らめいているのが見える。
…さっきの野盗達が、仲間を引き連れて戻って来たと考えるのが妥当だろう。
ざっと見て、まだ少し距離は有るようだ。馬で今すぐに駆け出せば
野盗共を振り切って逃げ切る事は可能だと判断するが、
政宗はそうはしなかった。
「アンタ、馬には乗れるか?」
「…は、はい…少しなら」
「上等。じゃあ今すぐこれに乗って逃げな。」
「えっ?!あの、お武家様は…?」
「俺には、まだしなきゃならねえ事が有る。」
「…は、はい…少しなら」
「上等。じゃあ今すぐこれに乗って逃げな。」
「えっ?!あの、お武家様は…?」
「俺には、まだしなきゃならねえ事が有る。」
そう言い切ると、困惑する娘を馬に乗せ、手綱を握らせる。
「振り落とされないようにしっかり掴まりな。
家に着いたら馬はその辺に適当に離してくれりゃいい。Yousee?」
「は…い、いいえ!お武家様、一緒に逃げましょう!
だって無理です!あの松明の数…!」
「Thank you!でも俺は平気だから気にすんな。…じゃあな!」
家に着いたら馬はその辺に適当に離してくれりゃいい。Yousee?」
「は…い、いいえ!お武家様、一緒に逃げましょう!
だって無理です!あの松明の数…!」
「Thank you!でも俺は平気だから気にすんな。…じゃあな!」
政宗が馬の尻を鋭く張ると、いななきと共に馬は弾丸のように駆け出した。
悲鳴を上げながらも、しっかりと馬の首にしがみつく娘の背中が闇に溶けるまで見送ると、
政宗は間近に迫りつつある野盗の群れに悠然と向き合った。
数にして40人から50人…闇に紛れた者を加えれば
さらに多いのかも知れない。
悲鳴を上げながらも、しっかりと馬の首にしがみつく娘の背中が闇に溶けるまで見送ると、
政宗は間近に迫りつつある野盗の群れに悠然と向き合った。
数にして40人から50人…闇に紛れた者を加えれば
さらに多いのかも知れない。




