次に来るだろう衝撃に備えて政宗はきゅっと目を瞑ったが、
なかなかそれは訪れなかった。何事かと恐る恐る目を開けようとしたその時、
強く腕を引かれ、抱き締められた。
なかなかそれは訪れなかった。何事かと恐る恐る目を開けようとしたその時、
強く腕を引かれ、抱き締められた。
「!!」
あまりの事に一瞬何が起きているのか分からなかった政宗だったが、
背中に回された強い腕の感触に
自分が小十郎の胸の中に抱き込まれているのだと気付くや、
白い頬をかぁっと紅潮させた。
背中に回された強い腕の感触に
自分が小十郎の胸の中に抱き込まれているのだと気付くや、
白い頬をかぁっと紅潮させた。
「こ、小十郎…?!」
「…全く…あなたと言う御方は…!」
「…全く…あなたと言う御方は…!」
鎧に覆われた厚い胸に顔を押し付けられる形になっているので、小十郎の表情は分からない。
しかし耳に響くその声がひどく切実で、背中を痛いほどの力で抱く腕が
ほんの僅かに震えている事に、政宗は気が付いた。
しかし耳に響くその声がひどく切実で、背中を痛いほどの力で抱く腕が
ほんの僅かに震えている事に、政宗は気が付いた。
「何故いつも、この様に無謀な事をされるのです…
何故もっと、家臣や民を労るように御自分を大事にしては下さらないのですか…!!」
「小十郎…」
「姫様の身に何か有ったなら、この小十郎に…
伊達家に仕える者達に如何にせよと申されるのか…」
「……」
「もうこの様な振る舞いは、これっ切りにしていただきたい…!!」
「…分かったよ…分かったから……」
何故もっと、家臣や民を労るように御自分を大事にしては下さらないのですか…!!」
「小十郎…」
「姫様の身に何か有ったなら、この小十郎に…
伊達家に仕える者達に如何にせよと申されるのか…」
「……」
「もうこの様な振る舞いは、これっ切りにしていただきたい…!!」
「…分かったよ…分かったから……」
泣くな。
そう言いかけて、やめた。その代りに自らの腕を小十郎の背中に回し、
出来るだけ優しくさすった。
そう言いかけて、やめた。その代りに自らの腕を小十郎の背中に回し、
出来るだけ優しくさすった。
「Sorry、小十郎。…俺が悪かった。もうこんな事はしねぇよ。」
「…本当でしょうな。」
「……たぶん」
「…本当でしょうな。」
「……たぶん」
煮え切らない政宗の言葉に、一瞬脱力したように小十郎の腕が緩んだが、
ひそやかに聞こえた「仕方のない御方だ」という呟きが
僅かに笑みを含んでいたので、政宗は安心した。
そして、小十郎に「姫様」と呼ばれたのも、こんな風に抱き締められるのも、
随分と久しぶりだとひっそり微笑んだ。
ひそやかに聞こえた「仕方のない御方だ」という呟きが
僅かに笑みを含んでいたので、政宗は安心した。
そして、小十郎に「姫様」と呼ばれたのも、こんな風に抱き締められるのも、
随分と久しぶりだとひっそり微笑んだ。




