「軽いな、あんた」
嘲るようにそう言って、元親はまた蝋を垂らした。
ぼたぼたと、熱いものが落ちてくる。
もがくほどに隙間から、まだ熱を持ったままのゆるい蝋が体の奥に潜り込もうとするようで、
しかしおとなしくなすがままにされているのも業腹であり、
元親の足に爪を立てるが、びくともしない。
狙いを外れて尻や太腿にたれた蝋が、下に向かおうとする。
それは例えるならば生暖かい小さななめくじが肌の上を這うようで、不快感に元就は身じろぎした。
ぼたぼたと、熱いものが落ちてくる。
もがくほどに隙間から、まだ熱を持ったままのゆるい蝋が体の奥に潜り込もうとするようで、
しかしおとなしくなすがままにされているのも業腹であり、
元親の足に爪を立てるが、びくともしない。
狙いを外れて尻や太腿にたれた蝋が、下に向かおうとする。
それは例えるならば生暖かい小さななめくじが肌の上を這うようで、不快感に元就は身じろぎした。
「見ろよ」
元親は蝋燭の灯を、蝋で半分固まった元就の割れ目に近づけた。
蝋燭の光に、ぼうと照らし出されたそこを見て、元就は目を見開き、端正な顔を歪める。
冷えて固まりかけた白い蝋がこびりつく肌は、まるで精をかけられたようだった。
元就は、首に掛かっていた元親の足に噛みついた。
慌てた元親の手から蝋の飛沫が跳んで、至近距離にあった元就の足の付け根にかかった。
刺すような痛みに構わず、床に手をつき、振り返る。
入口の板戸を確認するが、まだ、閉じているようだった。
元親が元就を再び押さえつけようと、元就のはだけた夜着の襟を掴む。
元就は元親が持ったままだった蝋燭の、炎を払った。
炎が消える瞬間、りんごあめの乗った皿が、悪気ない元親の足に蹴られそうになるのが元就の目に入る。
焦ってその方向に飛びつき、りんごあめの柄を掴んだ。
元親は元就の腰を捕らえ、小脇に抱える。
元就の尻が元親の視界に入った。
蝋燭の光に、ぼうと照らし出されたそこを見て、元就は目を見開き、端正な顔を歪める。
冷えて固まりかけた白い蝋がこびりつく肌は、まるで精をかけられたようだった。
元就は、首に掛かっていた元親の足に噛みついた。
慌てた元親の手から蝋の飛沫が跳んで、至近距離にあった元就の足の付け根にかかった。
刺すような痛みに構わず、床に手をつき、振り返る。
入口の板戸を確認するが、まだ、閉じているようだった。
元親が元就を再び押さえつけようと、元就のはだけた夜着の襟を掴む。
元就は元親が持ったままだった蝋燭の、炎を払った。
炎が消える瞬間、りんごあめの乗った皿が、悪気ない元親の足に蹴られそうになるのが元就の目に入る。
焦ってその方向に飛びつき、りんごあめの柄を掴んだ。
元親は元就の腰を捕らえ、小脇に抱える。
元就の尻が元親の視界に入った。
「本当にあんたは強情だな…酔わせちまうか」
元親の言葉にまぶされた物騒な色に、元就は気付かない。
元就は手探りで、自分が掴んだものが本当にりんごあめなのかどうかを、確かめている。
もはや袖を通しただけの形となった夜着の裾がまくり上げられるのを感じ、元就は振り返ろうとするが、
閉まっている板戸が、かた、と、音を立てるのを聞いて、その方向に向かって鋭く叫んだ。
元就は手探りで、自分が掴んだものが本当にりんごあめなのかどうかを、確かめている。
もはや袖を通しただけの形となった夜着の裾がまくり上げられるのを感じ、元就は振り返ろうとするが、
閉まっている板戸が、かた、と、音を立てるのを聞いて、その方向に向かって鋭く叫んだ。
「開けるでない!」
直後、菊座に異物が突き立てられるのを感じ、元就はのけぞる。
ぐりぐりとねじこむようにして、指が内部へと侵入し、入口を広げようとしている。
ぐりぐりとねじこむようにして、指が内部へと侵入し、入口を広げようとしている。
「何を」
声が震えた。
「あんたを正直者にしてやろうって言ってんだよ。
知ってるか?
下から飲んだ方が、酔いが早く回るんだぜ」
知ってるか?
下から飲んだ方が、酔いが早く回るんだぜ」
元親は、菊座をほじる指を止めると、手探りで何かを探し始めた。
「止めよ」
その言葉を元親は無視した。
どぶろくが入ったままの銚子を探し当て、手に取ると、ためらいもせずにその口を元就の尻に埋める。
そのままそれを傾け、直腸の中に濁り酒を流し込んだ。
冷たく、どろりとしたものが入ってくるのを元就は感じた。
板戸が鳴った。
どぶろくが入ったままの銚子を探し当て、手に取ると、ためらいもせずにその口を元就の尻に埋める。
そのままそれを傾け、直腸の中に濁り酒を流し込んだ。
冷たく、どろりとしたものが入ってくるのを元就は感じた。
板戸が鳴った。
「開けるな!」
元就の制止は聞き入れられなかった。
半分ほど開けられた板戸の向こうに、慶次が立っているのが見えた。
半分ほど開けられた板戸の向こうに、慶次が立っているのが見えた。
「何、やってるんだ」
声音が硬い。
元就は顔を背けることもできず、唇をわななかせながら、暗くてよく見えない慶次の顔を凝視している。
元親が答えた。
元就は顔を背けることもできず、唇をわななかせながら、暗くてよく見えない慶次の顔を凝視している。
元親が答えた。
「愉しんでる最中なんだ、邪魔すんなよ」
「嫌がってるだろ」
「あんたに関係ねえだろ」
「俺のいい人だ、関係ない? 何がだ」
「いい人だ?」
「嫌がってるだろ」
「あんたに関係ねえだろ」
「俺のいい人だ、関係ない? 何がだ」
「いい人だ?」
元親は元就から手を離し、立ち上がった。
「ほったらかしにしといて今更だな、釣った魚に餌やらなかったのはあんただろ。
こいつはあんたにどうしようもねえくらいはまっちまってるっていうのによ。
だから気持ち良くしてあんたのことを忘れさせてやろうって…」
こいつはあんたにどうしようもねえくらいはまっちまってるっていうのによ。
だから気持ち良くしてあんたのことを忘れさせてやろうって…」
「長曾我部」
制止した声の方を向けば、へたり込んだ元就が居た。
震える声で、うつむいて、呟く。
震える声で、うつむいて、呟く。
「よい」
「はん、」
「言うな」
「はん、」
「言うな」




