元就の吐息が首をくすぐって、
囁きかけられているだけだというのに、まるで吹きかけられているように慶次は感じる。
手を握ろうとして、元就が何かを掴んでいることに気が付いた。
それはりんごあめのようだった。
囁きかけられているだけだというのに、まるで吹きかけられているように慶次は感じる。
手を握ろうとして、元就が何かを掴んでいることに気が付いた。
それはりんごあめのようだった。
「我を浅ましいと思うか」
「どうして」
「どうして」
元就は目を伏せた。
「応えてくれなんだ」
慶次は、元就の背を軽く叩いた。
自分の心に邪な火がつかないように、子供の相手をするように。
自分の心に邪な火がつかないように、子供の相手をするように。
「そんなことをしたら、また、泣くだろ。
この間だって、本当は無理してたんだろ。
俺、調子に乗って、酷くして、あんたが止めろって言ったことを」
この間だって、本当は無理してたんだろ。
俺、調子に乗って、酷くして、あんたが止めろって言ったことを」
「気に、していたと言うか」
元就は力無く笑った。
元就の声はひどく憔悴しているように慶次には聞こえた。
暗がりでされていたのはやはりいたずらだろうな、と、慶次は思った。
今、この部屋に明かりは無かったが、元就の夜着の前がはだけられているのが感触で分かる。
嫉妬と心配でどろどろとしたものが湧き上がるのを感じ、慶次はそんな自分を、最低だ、と、思った。
同じようなことを自分もしたのだ。
慶次は遠慮がちに答えた。
元就の声はひどく憔悴しているように慶次には聞こえた。
暗がりでされていたのはやはりいたずらだろうな、と、慶次は思った。
今、この部屋に明かりは無かったが、元就の夜着の前がはだけられているのが感触で分かる。
嫉妬と心配でどろどろとしたものが湧き上がるのを感じ、慶次はそんな自分を、最低だ、と、思った。
同じようなことを自分もしたのだ。
慶次は遠慮がちに答えた。
「………そりゃあ、気にするだろ」
「何故」
「あんたが泣いてんのは、苦手だし」
「……それなら、この間は、何故途中で止めなかった」
「何故」
「あんたが泣いてんのは、苦手だし」
「……それなら、この間は、何故途中で止めなかった」
単純に、疑問に思って、元就は問う。
「あんたが泣いてんのは苦手だけど、…あんたのそういう顔が、凄くそそって」
「そそる?」
「最低だろ」
「そそる?」
「最低だろ」
慶次は、至近距離から顔を覗き込んでくる元就から目を逸らした。
「だから、きっと今あんたがしてる、そういう顔だよ」
「…………そそる、とは」
「…………そそる、とは」
慶次の頬に元就の手が添えられた。
「酷いことしたくなるってこと」
わざとそっけなく言い、添えられた元就の手を頬からはがす。
「だからもう……」
「我は」
「我は」
慶次の言葉はさえぎられた。
「そなたにならば
……酷くされてもよい」
……酷くされてもよい」
唇が合わさる。
慶次の目が驚きで見開かれた。
慶次の唇のすぐ上で、元就が吐息に言葉を混ぜる。
慶次の目が驚きで見開かれた。
慶次の唇のすぐ上で、元就が吐息に言葉を混ぜる。
「酷くされても構わぬ」
何かを言いかけた慶次の唇は、強く押しつけられた元就の唇によって塞がれた。
どれほどそうしていたろうか。
元就は、酒で力の入らぬ体を、くたり、と、慶次に預けた。
どれほどそうしていたろうか。
元就は、酒で力の入らぬ体を、くたり、と、慶次に預けた。
「だが、もう良い」
「何が」
「もう、分かった」
「何が」
「もう、分かった」




