戦国BASARA/エロパロ保管庫

吼えぬ孤狼その後2

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bsr_e

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今夜も冷え込む。
天主から外回りの兵達を眺める度に「ご苦労な事だ」とつくづく思う。
…自分だったらあっという間に風邪を引いて寝込んでしまうだろう。
脆弱な主君で、家臣たちには申し訳なく思う。

くしゅん

外気の冷たさに、くしゃみをしてしまう。
氏政はいそいそと戸を閉め、つっかえ棒で厳重に戸締りをした。

心配せずとも、あやつはもう来ぬ。
あれは間違いだったのじゃ。

そうは思ってみたが、確証はもてない。
…本当は、そう思いたくないだけなのかもしれない。
その方が良いと、思っているはずなのに。

氏政は、もやもやした気持ちをかき消すように頭を振ると、早々に床についた。


その頃、小太郎は氏政の閨がある天主の上にいた。
小太郎もうすうす気づいてはいたが、天主の戸にまでしっかりとつっかえ棒で
戸締りしている事から「自分を拒絶しているのだ」と確信した。

…けれども、ここで引き返す気はない。
いくら厳重に戸締りをしても、小太郎がその気になれば、幾らでも潜入できる。
小太郎は音もなく天井裏に潜り込み、あっさりと氏政の閨に忍び込んだ。


眠れぬ…
氏政は布団に横になりながら、ぼんやり天井を眺めていた。
不安が胸を焦がして、なかなか寝付けなかった。

このまま、風魔との事がうやむやになったとして…風魔はここに留まっていてくれるだろうか?
北条はもはや、風魔なしでは立ち行かん…
やはり、ここに留まってもらえるだけの、何か他に変わる恩賞でも考えた方が良いのじゃろうか…

ここまで考えて、氏政ははたと気づく。
わしは、何を考えておるんじゃろうか…これではまるで風魔が道具の様ではないか…

氏政は寝返りを打って横になった。
身体を許したのだって、そんなつもりではなかった。
確かに行為に抵抗はあったし、小太郎が恐ろしかった。本気で抗う気にはなれなかった。
…早く恐怖から逃れて楽になりたかった。

でも、小太郎の事は嫌いではない。
どちらかというと、好きな方なのではないかと思う。
優しくされて、求められて、まるで「お前は出来損ないなんかじゃない」と言われている様な気がして
内心とても嬉しかった。

利用してやろうとか、そんな事は一度も思わなかった。

――急に、身体が寒く感じた。
掛け布団が、風に引き剥がされた様に思った。
だが、ここは室内。戸締りもしっかりしている。風など吹くはずがない…。
氏政は、恐る恐る、掛け布団が飛んでいった方向に振り返った。

…風はそこに静かに佇んでいた。

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