「ひいっ!」
あまりの事に、氏政は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
「ふ、風魔……どうした?見回りか?ああ、暗くてよくわからんのう。
ちょっと待て、今明かりをつける。」
ちょっと待て、今明かりをつける。」
なるべく平静に、妙な空気を作らないように振舞った。
だが、小太郎はそれさえも無視して、行灯に火をつけるために背を向けていた氏政をぎゅっと抱きすくめた。
氏政の身体がびくりと震える。氏政の首筋に、小太郎の唇が這う。
だが、小太郎はそれさえも無視して、行灯に火をつけるために背を向けていた氏政をぎゅっと抱きすくめた。
氏政の身体がびくりと震える。氏政の首筋に、小太郎の唇が這う。
「あ…」
氏政の脳裏に、あの恐怖に苛まされた日々の記憶がよみがえる。
孕んだらどうしよう…
孕んだらどうしよう…
「いや…いやじゃ…風魔…やめてくれ…」
首を振って、涙をぽろぽろ零して、氏政は哀願した。
しかし、小太郎は氏政を抱き締めて離さない。
しかし、小太郎は氏政を抱き締めて離さない。
…小太郎にしてみれば、何故自分が拒絶されるのかわからない。
前回、色んな意味でやりすぎたからだろうか。…と心当たりのあり過ぎる事由を思い起こした。
でもここは、殊勝な態度を装いつつ、氏政を押し切ってしまおうかとも思っている。
氏政は根の優しい娘だ。こちらが悲しげな素振りのひとつも見せれば、拒否出来なくなるだろう。
こういうのは最低な男というのではないだろうか、とも頭の片隅で思ってはいたが、どうしても欲には勝てそうもない。
それに、こういう氏政も可愛らしくて、嗜虐心が煽られる。
前回、色んな意味でやりすぎたからだろうか。…と心当たりのあり過ぎる事由を思い起こした。
でもここは、殊勝な態度を装いつつ、氏政を押し切ってしまおうかとも思っている。
氏政は根の優しい娘だ。こちらが悲しげな素振りのひとつも見せれば、拒否出来なくなるだろう。
こういうのは最低な男というのではないだろうか、とも頭の片隅で思ってはいたが、どうしても欲には勝てそうもない。
それに、こういう氏政も可愛らしくて、嗜虐心が煽られる。
小太郎がそんな不届きな事を考えているとは露知らず、氏政は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
理由もいわずに拒絶するなど、わしは何と酷い事をしているのだろうか。
でも、理由が理由なだけに、言っても意味がない事だと思っている。
でもきっと、言わないと退いてくれないだろう…。
理由もいわずに拒絶するなど、わしは何と酷い事をしているのだろうか。
でも、理由が理由なだけに、言っても意味がない事だと思っている。
でもきっと、言わないと退いてくれないだろう…。
思い悩む氏政を他所に、小太郎の手が、するりと氏政の懐に潜り込む。
「あっ!も…もう…いやじゃというとろうに!」
泣き喚く氏政を無視して、小太郎は氏政の身体を好きに弄り出す。
「ひっ…や…あっ」
乳房をやわやわと揉まれ、耳たぶを甘噛みされて、氏政は切なげな声を漏らした。
頭では拒絶しても、身体は小太郎をなかなか忘れてはくれない。
身体は既に、甘い疼きを感じ始めている。
小太郎はそのまま氏政の身体を布団に押し付け、寝巻きを脱がし始めた。
白雪のような背中が、暗闇に浮き上がる。
頭では拒絶しても、身体は小太郎をなかなか忘れてはくれない。
身体は既に、甘い疼きを感じ始めている。
小太郎はそのまま氏政の身体を布団に押し付け、寝巻きを脱がし始めた。
白雪のような背中が、暗闇に浮き上がる。
「あ…」
後ろで衣擦れの音が聞こえる。…小太郎が、忍装束を脱いでいる。
このままだと、きっと無理矢理にでも抱かれる…
このままだと、きっと無理矢理にでも抱かれる…
「いやじゃ……孕むのはいやじゃ…」
堪りかねて、氏政は遂に本音を洩らした。
ああ、そういう事か。小太郎は納得した。
――子を孕むのが怖いのか。
確かにあの時みたいに交わり続けていれば、いつかは孕むかもしれない。
――子を孕むのが怖いのか。
確かにあの時みたいに交わり続けていれば、いつかは孕むかもしれない。
小太郎は、うつ伏せにうずくまる氏政の寝巻きを取り払って裸にし、仰向けに寝かせると
氏政の脚を割って身体を割り込ませた。
氏政の脚を割って身体を割り込ませた。
「ややこ…」
「……」
「子を孕んだらどうする…」
「……」
「孕める身体かどうかもわからんが……お前だって、わしが産んだ子など要らんじゃろう?」
「……」
「子を孕んだらどうする…」
「……」
「孕める身体かどうかもわからんが……お前だって、わしが産んだ子など要らんじゃろう?」
小太郎は頭を横に振った。涙に濡れた氏政の瞳がしばたく。
「…いや…ではないのか?」
小太郎が頷く。
「……そうか…」
氏政は暫く押し黙って考え込んでいたが、小太郎にぎゅっと抱きつき、恐る恐る訊ねた。
「子を孕んでも…わしを嫌いになったり、見捨てたりしないでくれるか…?」
返事の変わりに、小太郎も氏政の身体を抱きしめた。