幸村の夜着を脱がせると、幸村は嬉しそうに小十郎の夜着に手をかけた。
戦装束の形に焼けた肌は、いつ見ても愉快だ。顔も、しっかりと鉢巻の形に焼けている。
「何か?」
「いや。……痩せたな」
「冬は閉じこもっていた故。戦とあらばお供いたしまする」
「それは心強いが、信玄公が許すのか?」
信玄の名を出すと、幸村の手が止まった。俯き、緩く首を振る。
「お館様が許さずとも、俺は出る」
振り切るように夜着を放り投げ、唇を押し付けてきた。唇を離して瞳を見ると、物憂げに揺れている。
「……もし、」
「もし?」
「奥州と、甲斐が戦い、小十郎殿とお館様が戦ったら」
伊達と武田は、同盟を結んでいる。
しかし同盟などいつでも簡単に裏切られる。伊達と武田が戦になったとき、どう転んでも
幸村の立場は危ないものになるだろう。
「……どちらにつく」
意地が悪いと思いながらも、問わずにはいられなかった。幸村は顔を伏せた。
「最後まで迷うだろう。小十郎殿も、お館様も、どちらも死んで欲しくない。
だが、武人の命をかけた戦いを止められるとも思えぬ。どちらにも加担できぬ。
……故に、最後まで迷い、生き残った方につく。そして、もう片方を助けられなかった
ことを悔いて生きる。死を選ぶ事など、俺にはできぬ」
戦装束の形に焼けた肌は、いつ見ても愉快だ。顔も、しっかりと鉢巻の形に焼けている。
「何か?」
「いや。……痩せたな」
「冬は閉じこもっていた故。戦とあらばお供いたしまする」
「それは心強いが、信玄公が許すのか?」
信玄の名を出すと、幸村の手が止まった。俯き、緩く首を振る。
「お館様が許さずとも、俺は出る」
振り切るように夜着を放り投げ、唇を押し付けてきた。唇を離して瞳を見ると、物憂げに揺れている。
「……もし、」
「もし?」
「奥州と、甲斐が戦い、小十郎殿とお館様が戦ったら」
伊達と武田は、同盟を結んでいる。
しかし同盟などいつでも簡単に裏切られる。伊達と武田が戦になったとき、どう転んでも
幸村の立場は危ないものになるだろう。
「……どちらにつく」
意地が悪いと思いながらも、問わずにはいられなかった。幸村は顔を伏せた。
「最後まで迷うだろう。小十郎殿も、お館様も、どちらも死んで欲しくない。
だが、武人の命をかけた戦いを止められるとも思えぬ。どちらにも加担できぬ。
……故に、最後まで迷い、生き残った方につく。そして、もう片方を助けられなかった
ことを悔いて生きる。死を選ぶ事など、俺にはできぬ」
幸村は優しい。すべての命を救い、すべての人を助けようとする。
切り捨てる命があってはならない、と考えているところがある。それは綺麗事でしかない事は、
幸村も理解している。
そういう武人だからこそ、強くあろうとするのだろう。
皆を守れるように。救えるように。
政宗がいれば、奥州が栄えればいいと思っている小十郎とは、対極の考えだった。
「……俺が、信玄公を討つ事にならぬよう、お前が尽力すればいい」
「はい」
顔を上げ、にこりと笑う。もう紅がすっかり落ちてしまった唇を啄ばむと、
幸村の手が小十郎の首にかかった。
冷えることのない温かな指が、小十郎のうなじに絡む。もっととせがむ唇を思うままに
吸いながら褥に押し倒す。
褥に広がる茶色い髪を一房つまんだ。触ると柔らかで猫の毛のようだ。
髪にそっと唇を落としてから、幸村の体に覆い被さった。
耳朶を食めば幸村はきゅっと目を瞑った。声を堪えるために歯を食いしばる様子がおかしくて、
耳を食みながら唇に指を這わせた。
「可愛いヤツだな」
「か、かわ、いい?」
ひっくり返った声もまた愛しい。
くつくつと喉の奥で笑いながら、幸村の体を抱き締め背を撫でる。
幸村はようやく目を開け、小十郎の頭をそっと抱いた。
感じる場所、弱い場所を攻めれば息が上がってくる。
まだ幼さを残した肌は、小十郎とは違う人生を生きていることを知らせてくる。
若く、幼く、素直な体。
この上なくいとおしい。
「ん……ぁっ……」
堪え切れずに漏れる声はまだまだうぶだ。反応も素直で、計算や媚びとは無縁だった。
胸に触れると恥ずかしそうに体を捻って顔を敷布に埋める。
「なんだ? 胸は嫌か?」
「な、なんと、いう、か、その」
背中に圧し掛かり、真っ赤になった耳を食めば言葉を繋ぐことができずに喘ぎ声が漏れた。
「このままでも俺はいいぜ?」
ふうっと耳に息を吹きかけ、うなじに唇を寄せた。幸村はきつく敷布を握り締め、
押し寄せる快楽に全身で立ち向かっている。
立ち向かうものじゃないだろう、とからかえば、見苦しい姿など見せられぬ、と
必死の答えが返ってくる。
背に舌を這わせ、単調にならないように跡を残した。
先日の情事の跡はもう残っていない。血の巡りがかなりいいらしく、傷が治るのも早い。
尻に指を這わせ、秘所の辺りを探った。びくり、と体が跳ねる。
切り捨てる命があってはならない、と考えているところがある。それは綺麗事でしかない事は、
幸村も理解している。
そういう武人だからこそ、強くあろうとするのだろう。
皆を守れるように。救えるように。
政宗がいれば、奥州が栄えればいいと思っている小十郎とは、対極の考えだった。
「……俺が、信玄公を討つ事にならぬよう、お前が尽力すればいい」
「はい」
顔を上げ、にこりと笑う。もう紅がすっかり落ちてしまった唇を啄ばむと、
幸村の手が小十郎の首にかかった。
冷えることのない温かな指が、小十郎のうなじに絡む。もっととせがむ唇を思うままに
吸いながら褥に押し倒す。
褥に広がる茶色い髪を一房つまんだ。触ると柔らかで猫の毛のようだ。
髪にそっと唇を落としてから、幸村の体に覆い被さった。
耳朶を食めば幸村はきゅっと目を瞑った。声を堪えるために歯を食いしばる様子がおかしくて、
耳を食みながら唇に指を這わせた。
「可愛いヤツだな」
「か、かわ、いい?」
ひっくり返った声もまた愛しい。
くつくつと喉の奥で笑いながら、幸村の体を抱き締め背を撫でる。
幸村はようやく目を開け、小十郎の頭をそっと抱いた。
感じる場所、弱い場所を攻めれば息が上がってくる。
まだ幼さを残した肌は、小十郎とは違う人生を生きていることを知らせてくる。
若く、幼く、素直な体。
この上なくいとおしい。
「ん……ぁっ……」
堪え切れずに漏れる声はまだまだうぶだ。反応も素直で、計算や媚びとは無縁だった。
胸に触れると恥ずかしそうに体を捻って顔を敷布に埋める。
「なんだ? 胸は嫌か?」
「な、なんと、いう、か、その」
背中に圧し掛かり、真っ赤になった耳を食めば言葉を繋ぐことができずに喘ぎ声が漏れた。
「このままでも俺はいいぜ?」
ふうっと耳に息を吹きかけ、うなじに唇を寄せた。幸村はきつく敷布を握り締め、
押し寄せる快楽に全身で立ち向かっている。
立ち向かうものじゃないだろう、とからかえば、見苦しい姿など見せられぬ、と
必死の答えが返ってくる。
背に舌を這わせ、単調にならないように跡を残した。
先日の情事の跡はもう残っていない。血の巡りがかなりいいらしく、傷が治るのも早い。
尻に指を這わせ、秘所の辺りを探った。びくり、と体が跳ねる。




