戦国BASARA/エロパロ保管庫

小十郎×いつき4

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nozomi

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「言ってやりたかっただ。吾作どんとオラは幼馴染みで、あんたと年だってかわらねえだって!」
以前から感じていた違和感。
それは歳や成長のそれとは別で話を聞く度に酷く気分が悪かったのを覚えている。

守るだの何だの叫びながら少女一人を総大将に祭り上げている村人達。
それは例え強さや求心力を備えた人間であっても、子供に全て背負わせるなどあってはいけないことではないのか。


「辛いか?」
「へ?」
「もし辛いなら、連れてってやってもいい。」

いつきは大きな瞳を瞬かせた。
「どういうことだべ?」
「もし、お前が言う通り、
 その天から授かったとか言う力のせいで成長が止まったって言うなら
 捨てちまえば良いんじゃねえのか?」
何の話だと言うようにいつきは眉を潜めた。

「いいか?おめえ達農民がそこまでしなきゃあいけねえ状況になったのは確に俺達にも責任がある。 
 だから、今はそれについちゃあ何も言わねえ。
 だが、だからって良い大人がお前みてえな子供を担ぎ上げてのうのうとしてるのが我慢ならねえんだよ。」
「オラを馬鹿にしてるだか。」
「いや、おめえさんは良くやってる。たいしたもんだ。
 だが、おめえ一人に全部背負わせてあぐらをかいてて良い訳がねえ。」
「それは……。」

胸の奥に迷いが起こる。
本当は分かっていた。
気付いていた。
村人の幾人かは間違いなく、共に戦う振りをしていつきに全てを委ねていた。
だけど、村の為だと、悪いのは全部悪いお侍なんだと気を奮い起たせていたのに。
先程と違う涙がいつきの瞳からぼとぼとと溢れてくる。

「やめてけろ……聞きたくないだ。」
いつきは耳を塞いで頭をぶんぶんと振った。
「そんな事、知りたくない。分かりたくないだよ!」
いつきはそのまま声を立てて、わあわあと泣き出した。

気付けばいつきは小十郎に抱き締められていた。
何も言わず頭を撫でる掌の優しさに涙が溢れて止まらない。
思えばこんな風に誰かに優しくされた事も、ただ泣かせてもらえた事も随分と久しぶりだった。
だからだろうか涙が止まってからも、小十郎の胸に埋めた顔を暫く離す事が出来なかった。

「落ち着いたか?」
「すまねえだ。着物、汚しちまっただな。」
「構わねえさ。」
乾き切らない涙を指で拭ってやるといつきは擽ったそうに目を細めた。

「どうする?お前が望むなら唯の娘としてウチの領内に住まわせてやってもいい。」
それは、とても甘美な誘いだった。だけど――


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