戦国BASARA/エロパロ保管庫

ある湯治場の話2

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bsr_e

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館の裏から細い道を降りていくと、竹垣に囲まれた一角が木々の合間から見えた。
「足元が滑りやすい故、気をつけて下され」
山間にあるので日が落ちるのも早く、周囲は薄暗い。
幸村が手にしている提灯がゆらゆらと足場を照らし出す。
下駄を揃えて置き、脱衣所の隅にある燭台へと火を移した。
しゅるりと帯を解き、着物を脱ぐと、置かれていた籠へと畳んで入れる。
「この湯は肌に良いと言われておりまする」
女性にとっては美しさを保つ為、戦場に立つ者にとっては創傷の治癒に効果があると言われている。
白く濁った湯を濃い湯気が覆っている。
ふと空を見上げれば、山裾から白い月が昇っていた。
軽く汗を洗い流し、湯船に足をつける。
ちゃぷん、と肩まで落とせば、体の芯から温まってくるのが分かる。
「いい湯だな」
ふう、と息とついて隣の家康を見れば、そわそわとどこか落ち着きが無い。
「おい、どうしたんだよ」
「政宗も幸村も、どうしたらそんな乳になるかと思ってな……」
こちらは深刻な溜め息とつくと、口元まで湯につかってぶくぶくと泡を立てる。
湯にぷかぷかと浮かぶ幸村の豊かな乳房と、それよりは小振りだが美乳と言って良い政宗の乳房を交互に眺め、再び溜め息をつく。
確かに、少女から女へと変わりつつある家康の体形はまだ幼い。
発展途上の胸の膨らみが可愛らしいと思うのだが、くびれよりもふくよかさが目立つ体の曲線を、彼女なりに気にしているらしい。
「体をよく動かしてみてはどうでござろう?」
「それもやっているが……はぁ」
「では牛の乳を飲むというのは?」
これは佐助からの受け売りだが、実際に大きくなったかどうかは定かではない。
「政宗殿は何かご存知か?」
家康の落ち込みっぷりに、まるで我が事のように心配する幸村の顔を見て、政宗は口角を上げるように薄く笑った。
「そうだな、とっておきの策があるが」
「本当でござるか!」
「ああ、しかも効果は実証済みだぜ?」
政宗の声を聞き、俯いていた家康もがばりと顔を上げた。
「それはどんな方法だ、教えてくれ政宗!」
ざぶざぶと湯をかいて政宗の両手を取る。
「胸を揉んでもらうのさ」
恋人にやってもらえば効果抜群、と付け加え、政宗は家康の大きな瞳を覗き込む。
「も、も、揉むって……」
「これをやったら元就も乳がでかくなったって聞いたぜ?」
どういう経路で聞き出したのか分からないが、家康にとってはあの元就にそのような相手が居るというのが少し衝撃であった。
「相手が居ないっていうなら俺が揉んでやっても良いんだが」
ぐい、と家康の手を引いて寄せると、政宗はその腰へと手を添えた。
「え、遠慮する、それだけはいらねえ!」
ひぃ、と喉の奥で泣きそうな声を上げながら、家康は政宗の所から離れる。
「政宗殿、そんなに揶揄っては」
「Jokeなんかじゃねえよ」
今度安芸に行ったら聞いてみろ、と政宗は言うが、とてもじゃないがあの鉄面皮と向かい合う自信はない。
「……なあ、本当に効くんだな?」
「ああ、俺を信用しろよ」
にやりと笑う彼女の顔を見上げながら、家康は本日何度目になるか分からない溜め息を吐いた。

(終わりたい…)


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