俺が毛利をこっ酷く辱め深く傷つけ、絶望のドン底に突き落とし…って、
なっ…何馬鹿な事言ってやがる!??
そんな事した覚え無…
なっ…何馬鹿な事言ってやがる!??
そんな事した覚え無…
「………………」
…まさか。
元親はザビーの首元に宛がっていた碇槍を、ゆっくりと外す。
そしてそれを力なく地面に突き立てようとするが、刃の先が上手く地面に刺さらず
支えを失った碇槍は自らの重みにより容易に倒れた。
その碇槍を拾い直すことすら出来ずに元親は立ちすくみ…
ただ薄い雲に覆いつくされた空を見上げる。
そしてそれを力なく地面に突き立てようとするが、刃の先が上手く地面に刺さらず
支えを失った碇槍は自らの重みにより容易に倒れた。
その碇槍を拾い直すことすら出来ずに元親は立ちすくみ…
ただ薄い雲に覆いつくされた空を見上げる。
正確に言うと一年と三ヶ月ほど前…
あの日は空の青の他、晩秋の日の光に濃く淡く透ける赤が眩しかった。
-そう、厳島に群生している紅葉が真紅に色づいてたんだ-
あの日は空の青の他、晩秋の日の光に濃く淡く透ける赤が眩しかった。
-そう、厳島に群生している紅葉が真紅に色づいてたんだ-
事の発端は、偶然の産物。
厳島付近を航海していた俺達は偶然毛利軍と鉢合わせになり、瞬く間に船戦へと展開した。
だが毛利軍の撤退がいつもよりやけに早い。
それ自体が罠かもしれねぇし、普段は脅威が去ったのなら深追いせずそのまま航海を続けただろう。
だがあの日に限って…俺は毛利軍を追撃するよう野郎共に指示を出した。
何故なら久しぶりに-毛利と闘り合いたくなったからだ。
厳島付近を航海していた俺達は偶然毛利軍と鉢合わせになり、瞬く間に船戦へと展開した。
だが毛利軍の撤退がいつもよりやけに早い。
それ自体が罠かもしれねぇし、普段は脅威が去ったのなら深追いせずそのまま航海を続けただろう。
だがあの日に限って…俺は毛利軍を追撃するよう野郎共に指示を出した。
何故なら久しぶりに-毛利と闘り合いたくなったからだ。
同盟を結ぶ行為自体は未遂に終わったとは言え、
あの日以来四国と中国の間で大きな戦が起こった事は無い。
故に毛利とも刀を交える機会がめっきり減って、俺は心のどこかで物足りなさを感じていた。
そこにこの大義名分だ…今日を逃せば、今度いつまたこんな機会が訪れるか分からない。
俺はただそんな一心で、毛利軍の船を追って厳島に上陸した。
あの日以来四国と中国の間で大きな戦が起こった事は無い。
故に毛利とも刀を交える機会がめっきり減って、俺は心のどこかで物足りなさを感じていた。
そこにこの大義名分だ…今日を逃せば、今度いつまたこんな機会が訪れるか分からない。
俺はただそんな一心で、毛利軍の船を追って厳島に上陸した。
厳島に攻め込んだ俺達に対し、
迎え撃つ毛利軍の対応は何故か普段より数手ばかり遅いように感じた。
そしてそれがボタンの掛け違いのように作用し、
俺はいつもより随分早く毛利と対峙したような気がする。
その時点で、気づくべきだった。
迎え撃つ毛利軍の対応は何故か普段より数手ばかり遅いように感じた。
そしてそれがボタンの掛け違いのように作用し、
俺はいつもより随分早く毛利と対峙したような気がする。
その時点で、気づくべきだった。
本陣に居たのは毛利ただ一人…戦場にも関わらずあまりにも他の兵士達の気配が無かった。
だから俺は一瞬毛利の罠にハマッたかと勘ぐったが、どうもそうでも無いらしい。
-となれば、後は毛利との一騎打ちを満喫するのみ。
どんどん高揚していく心をブチ込めるようにして、俺は碇槍を振りかざした。
だから俺は一瞬毛利の罠にハマッたかと勘ぐったが、どうもそうでも無いらしい。
-となれば、後は毛利との一騎打ちを満喫するのみ。
どんどん高揚していく心をブチ込めるようにして、俺は碇槍を振りかざした。
「よぉ毛利、久しぶりだなぁ! 今日も俺を楽しませろよ!?」
けれど。
毛利は俺が打ち込んだ小手調べ程度の一太刀を、
あの日に限って避ける事も携えていた輪刀で弾く事も出来ずにまともに喰らった。
当然俺の目前で、毛利の太ももの辺りから鮮血の飛沫が散る。
毛利は俺が打ち込んだ小手調べ程度の一太刀を、
あの日に限って避ける事も携えていた輪刀で弾く事も出来ずにまともに喰らった。
当然俺の目前で、毛利の太ももの辺りから鮮血の飛沫が散る。
「あっ…アンタ何手ぇ抜いてやがるっ!! あのくらい避けられねぇ筈ねぇだろ!!」
手応えから言って、傷自体は出血の割にそんなに深くない筈だ。
それでも大将同士の一騎打ちにも関わらず、足を負傷してしまっては勝機は皆無。
だから崩れ落ちるように浜辺に倒れ込み、
それきり動かなくなった毛利は駆け寄った俺に告げたのだ。
それでも大将同士の一騎打ちにも関わらず、足を負傷してしまっては勝機は皆無。
だから崩れ落ちるように浜辺に倒れ込み、
それきり動かなくなった毛利は駆け寄った俺に告げたのだ。
「…この勝負、貴様の勝ちぞ」
「……!?」
「さぁ…我の首を刎ねるが良い」




