-例の戦とその次の戦との間に存在した、空白の数ヶ月。
まさかその間に…毛利がザビー教に入信していたなんて。
まさかその間に…毛利がザビー教に入信していたなんて。
元親は、のろのろと海岸の波打ち際を歩いていた。
ハケで塗り伸ばしたかのように空や太陽を覆う薄い鈍色の雲の事や、
頬や銀髪を撫でるようにして柔らかく吹く潮風の事など気にも留めず…
ふいに寄せては返す大きな波に足が濡れようとも構いはしない。
元親にとっては、もう何もかもがどうでも良かった。
…そう、ただ一人の女性の事を除いては。
ハケで塗り伸ばしたかのように空や太陽を覆う薄い鈍色の雲の事や、
頬や銀髪を撫でるようにして柔らかく吹く潮風の事など気にも留めず…
ふいに寄せては返す大きな波に足が濡れようとも構いはしない。
元親にとっては、もう何もかもがどうでも良かった。
…そう、ただ一人の女性の事を除いては。
気持ちの整理をつけなきゃ、どうにもならねぇ。
まずは、俺の方のだ。
俺は毛利が壊滅的に気に喰わず、随分と反発もした。
…だがその一方で、何故か俺は毛利の事が逐一気になって仕方なかった。
まずは、俺の方のだ。
俺は毛利が壊滅的に気に喰わず、随分と反発もした。
…だがその一方で、何故か俺は毛利の事が逐一気になって仕方なかった。
始めは、毛利と戦っている時に心の底から湧いてくる高揚感…
あれを味わいたいが為なのだと思っていた。
だがいつしか、稀に毛利が笑うと何だか俺の方まで無性に嬉しくなっちまって、
出来る事ならもっともっとアイツの笑顔を見たいと思うようになった。
それに毛利が困っていると、おせっかいだと言われようとも口出ししたり手を差し伸べたくなったり。
毛利が危なっかしい事に手を染めようとしていると、
無性に腹立たしくなってぶつかり合ってでも止めさせたくなったり。
そして毛利が怒ったり悲しんでいると…俺の方までなんだか心が痛んで、
その原因を取り除いてやりたいと思ったり。
あれを味わいたいが為なのだと思っていた。
だがいつしか、稀に毛利が笑うと何だか俺の方まで無性に嬉しくなっちまって、
出来る事ならもっともっとアイツの笑顔を見たいと思うようになった。
それに毛利が困っていると、おせっかいだと言われようとも口出ししたり手を差し伸べたくなったり。
毛利が危なっかしい事に手を染めようとしていると、
無性に腹立たしくなってぶつかり合ってでも止めさせたくなったり。
そして毛利が怒ったり悲しんでいると…俺の方までなんだか心が痛んで、
その原因を取り除いてやりたいと思ったり。
何故毛利に対してだけそんな風に思うのか、ずっと分からなかった。
いや…むしろ敢えて考えないようにしていたのかもしれねぇ。
その理由について一度でも考え込んでしまうと、
俺はもう毛利に向かって刃を振るう事が出来なくなっちまう-そんな気がしていたからだ。
いや…むしろ敢えて考えないようにしていたのかもしれねぇ。
その理由について一度でも考え込んでしまうと、
俺はもう毛利に向かって刃を振るう事が出来なくなっちまう-そんな気がしていたからだ。
だがそのような感情を世間では『愛』と呼ぶのだと…
不覚にも俺はあのエセ教祖に無理矢理突きつけられた。
いや…思えば以前から慶次やみんなも手を変え品を変え遠まわしに示唆してくれていたのに、
俺は一切気づく事が出来なかった。
…だが、今ならはっきり分かる。
とどのつまり、俺は初めて出会った時から毛利に惚れ…ずっと毛利を好いていた。
不覚にも俺はあのエセ教祖に無理矢理突きつけられた。
いや…思えば以前から慶次やみんなも手を変え品を変え遠まわしに示唆してくれていたのに、
俺は一切気づく事が出来なかった。
…だが、今ならはっきり分かる。
とどのつまり、俺は初めて出会った時から毛利に惚れ…ずっと毛利を好いていた。
次に、毛利の方。
毛利も俺が壊滅的に気に喰わず、随分と反発もした。
そしてあの戦での一件があって以来-俺の事を更にこっ酷く嫌っている。
毛利も俺が壊滅的に気に喰わず、随分と反発もした。
そしてあの戦での一件があって以来-俺の事を更にこっ酷く嫌っている。
そこまで思考をめぐらせると、元親はピタリと歩みを止めた。
そして海を臨むようにして砂浜にどっかり腰を降ろし胡坐をかくと、
薄雲の衣で覆われた白い太陽を瞳に留めて、まるで真珠のように淡いその輝きに目を細める。
そして海を臨むようにして砂浜にどっかり腰を降ろし胡坐をかくと、
薄雲の衣で覆われた白い太陽を瞳に留めて、まるで真珠のように淡いその輝きに目を細める。
…そうか…俺、毛利に嫌われてたのか。
いや、無論互いに敵同士だし元々好かれてるとは思っちゃいねぇよ。
でも毛利は誰にだっていつもあんな感じだろ?
だから俺一人だけがそこまで嫌われてるとは、夢にも思わなかった。
いや、無論互いに敵同士だし元々好かれてるとは思っちゃいねぇよ。
でも毛利は誰にだっていつもあんな感じだろ?
だから俺一人だけがそこまで嫌われてるとは、夢にも思わなかった。
「………」
…馬鹿だよな、俺。
嫌われてる事に気づきもしねぇで、毛利の姿を見かけりゃ無神経にあれこれちょっかい出して。
しかも俺が良かれと思って毛利にしてやる事は何故かみんな仇となり、逐一毛利を酷く傷つけている。
それも一度だけじゃなく、何度も…。
嫌われてる事に気づきもしねぇで、毛利の姿を見かけりゃ無神経にあれこれちょっかい出して。
しかも俺が良かれと思って毛利にしてやる事は何故かみんな仇となり、逐一毛利を酷く傷つけている。
それも一度だけじゃなく、何度も…。
今回の事だってそうだ。
俺は日の本全土の人間に見られてるのを知らねぇまま、毛利があんな卑猥な事をしているのを、
黙って見ちゃ居られなかった。
なのにあのエセ教祖の所為で話がこじれ、いつしか俺は毛利にとって
「唯一の救いの神であるザビー様を、我から強奪した泥棒猫」
という事になっている。
しかも毛利はそれが原因で、すっかり元気を無くしちまった。
俺は日の本全土の人間に見られてるのを知らねぇまま、毛利があんな卑猥な事をしているのを、
黙って見ちゃ居られなかった。
なのにあのエセ教祖の所為で話がこじれ、いつしか俺は毛利にとって
「唯一の救いの神であるザビー様を、我から強奪した泥棒猫」
という事になっている。
しかも毛利はそれが原因で、すっかり元気を無くしちまった。




