ドスドスと乱暴に廊下を歩く音が聞こえてくると共に、襖の向こうで何度も爆発音が鳴り響く。
辺りに居た者達を瞬く間に吹き飛ばし、元親の部屋の襖を完膚なきまでになぎ倒した後に、
その招かれざる客…ザビーは姿を表した。
元親はザビーをちらりと見ると、大きな溜息を吐き出す。
辺りに居た者達を瞬く間に吹き飛ばし、元親の部屋の襖を完膚なきまでになぎ倒した後に、
その招かれざる客…ザビーは姿を表した。
元親はザビーをちらりと見ると、大きな溜息を吐き出す。
「なんだ…エセ教祖じゃねぇか…」
「アニキ! テメェ、ウチの可愛いサンデーに何しやがっタ!!」
「何…って、その……」
「ナニ!? ナニシヤガッタのカ!!?」
憤怒に身を任せて、ザビーがバズーカーを乱射する。
元親はその砲撃を避ける為に慌てて庭へ飛び込んだが、振り返ったその目に映ったのは、
轟音と共に瞬時にして跡形も無く壊滅した己の部屋だ。
元親はその砲撃を避ける為に慌てて庭へ飛び込んだが、振り返ったその目に映ったのは、
轟音と共に瞬時にして跡形も無く壊滅した己の部屋だ。
「てめぇ…」
「テメェの所のコシャクなヤロー共を蹴散らシテようやくザビー城に戻ったら、
サンデー既に実家に帰らせてイタダキマシタ状態ダッタヨ!!
しかもせっかく安芸にまで迎えに行ってヤッタのにあのバカ女、
『今はザビー教どころではないのです!!』なんて逆ギレしヤガッタ!!
どうしてくれルのアニキ!テメェの所為で、サンデーがすっかりグレちまったジャネーカ!!
お願いダカラ、純情で従順だったアノ頃のサンデーをザビーに返してチョーダイヨ!!」
サンデー既に実家に帰らせてイタダキマシタ状態ダッタヨ!!
しかもせっかく安芸にまで迎えに行ってヤッタのにあのバカ女、
『今はザビー教どころではないのです!!』なんて逆ギレしヤガッタ!!
どうしてくれルのアニキ!テメェの所為で、サンデーがすっかりグレちまったジャネーカ!!
お願いダカラ、純情で従順だったアノ頃のサンデーをザビーに返してチョーダイヨ!!」
庭に向けて何発も発射されたバズーカーの砲撃と共に、
豪雨のように降り注ぐザビーの傲慢な言い分が、元親の積年の怒りに油を注ぐ。
元親は室内から飛びのいた際に反射的に手に取っていた碇槍を思い切り握り直すと、
ザビーに向かって斬りかかった。
豪雨のように降り注ぐザビーの傲慢な言い分が、元親の積年の怒りに油を注ぐ。
元親は室内から飛びのいた際に反射的に手に取っていた碇槍を思い切り握り直すと、
ザビーに向かって斬りかかった。
「っ!勝手な事ばっか言いやがってっ!!!!」
電光一閃。
元親の斬撃はザビーの持つ両のバズーカーの砲身を真っ二つに切断した。
程なくして暴発を始めたバズーカーを慌てて手離し、ザビーはギョッとする。
後ずさりする間も無く、煙の中から十飛で突進してきた元親の靴底がすぐ目前に現れたのだ。
元親の斬撃はザビーの持つ両のバズーカーの砲身を真っ二つに切断した。
程なくして暴発を始めたバズーカーを慌てて手離し、ザビーはギョッとする。
後ずさりする間も無く、煙の中から十飛で突進してきた元親の靴底がすぐ目前に現れたのだ。
「○※△×●◇◎~っ!!!!!」
渾身の力を込めて放った元親の蹴りをまともに顔面に喰らい、ザビーの巨体が宙に舞う。
しばらくしてその身体が床に弾んだ後で痛みに身悶えるザビーに歩み寄ると、
元親は無表情のまま静かに碇槍を突きつけた。
瓦解した部屋に差す日の光を浴びて、碇槍の凶刃がギラリと輝く。
しばらくしてその身体が床に弾んだ後で痛みに身悶えるザビーに歩み寄ると、
元親は無表情のまま静かに碇槍を突きつけた。
瓦解した部屋に差す日の光を浴びて、碇槍の凶刃がギラリと輝く。
「良いか!アンタもお察しの通り、毛利はもう俺の女だっ!!!
今後俺の女に指一本でも触れてみろ…
地獄の果てまで追い掛け回して、ぶっ殺してやる!!」
今後俺の女に指一本でも触れてみろ…
地獄の果てまで追い掛け回して、ぶっ殺してやる!!」
「ッ!!! チクショウ!! ザビー教の恐ろしさ、思い知るが良いヨ!!」
ギリギリと歯軋りしながらもその巨躯と捨て台詞に見合わず、
脱兎の如く逃げ出したザビーの後姿を見て、元親は少しだけ肩を落とす。
脱兎の如く逃げ出したザビーの後姿を見て、元親は少しだけ肩を落とす。
『俺の女』…か。
まだそうと決まった訳じゃねぇのに、思わず口をついて出ちまった。
だが、これだけこっ酷く懲らしめて脅したんだ。
毛利が本当に俺の女になろうがなるまいが、
少なくとももうあのエセ教祖が毛利に無体を働く事はねぇだろ。
そう…毛利が本当に俺の女になろうがなるまいが、だ。
まだそうと決まった訳じゃねぇのに、思わず口をついて出ちまった。
だが、これだけこっ酷く懲らしめて脅したんだ。
毛利が本当に俺の女になろうがなるまいが、
少なくとももうあのエセ教祖が毛利に無体を働く事はねぇだろ。
そう…毛利が本当に俺の女になろうがなるまいが、だ。
「あのエセ教祖を一撃で仕留めるなんて、アニキ凄ぇッス!!!」
「しかもエセ教祖に言い放ったあの台詞!!やっぱ男はああでなくちゃよ!!」
「「「アニキ!!アニキっ!!」」」
首尾は上々。
なのに何故か今日だけは野郎共の大歓声が、やけに目に染みるぜ…。
なのに何故か今日だけは野郎共の大歓声が、やけに目に染みるぜ…。