「…何だよ。ちゃんとそんな顔も出来るんじゃねぇか」
「未だそんな戯言をほざくか」
言いながら、元就は両手に力を込める。直後、「くぅ…」と短く呻く元親のメゾソ
プラノが、憎らしくなるほど耳に心地良く響いてきた。
「俺を…殺すの…か……?」
「……」
ここまでしても、やはり判っては貰えなかったのか。
悔しいような、哀しいような、もどかしい感情が、頸部への圧迫と一緒に、元親か
ら抵抗する力を奪っていく。
「…いいぜ。俺の命でよけりゃ、いくらでもくれてやる…でも、俺の部下は…あい
つらだけは、助けてやってくれ…頼む……」
「──!」
哀願の色を帯びた元親の双眸が、元就を捉えた瞬間、元就は己の内を、今まで味わ
った事のない激情が湧き上がってくるのを覚えた。
「未だそんな戯言をほざくか」
言いながら、元就は両手に力を込める。直後、「くぅ…」と短く呻く元親のメゾソ
プラノが、憎らしくなるほど耳に心地良く響いてきた。
「俺を…殺すの…か……?」
「……」
ここまでしても、やはり判っては貰えなかったのか。
悔しいような、哀しいような、もどかしい感情が、頸部への圧迫と一緒に、元親か
ら抵抗する力を奪っていく。
「…いいぜ。俺の命でよけりゃ、いくらでもくれてやる…でも、俺の部下は…あい
つらだけは、助けてやってくれ…頼む……」
「──!」
哀願の色を帯びた元親の双眸が、元就を捉えた瞬間、元就は己の内を、今まで味わ
った事のない激情が湧き上がってくるのを覚えた。
(この期に及んでも、貴様は我よりもあいつらの事が……!)
そんな理不尽な想いは、元就を本能の塊へと変貌させた。
元親の首から離した手を、既に乱れていた着物の合わせに伸ばすと、勢い良く肌蹴
る。
「…な…?」
咳き込みながらも、驚愕の声を出す元親を余所に、元就は元親の首筋に顔を寄せた。
白い首にくっきりと残った、己の指の痕を満足そうに眺めると、そこへ舌を這わせ
る。
「!?ひっ…や、やめっ!やめろよっ!」
「黙れ」
粟立つような感覚に、身を捩って抗う元親に構わず、今度は元就の片手が着物の裾
に移動した。
隙間から手を差し入れながら、先程ちらりとだけ垣間見た元親の太腿を撫で擦る。
「あっ!やっ!何…!?」
「まだ判らぬか」
地を這うような低い声で囁く元就に、元親はびくりと身体を竦ませる。
「『女を殺す』には、二通りある。ひとつは、文字通り命を奪う事。そして、もう
ひとつは…」
元就の言質を察知した元親は、明らかに怯えた表情を見せた。
「い…いや……イヤあぁぁ!」
二、三度弱々しく頭(かぶり)を振っていた元親だったが、恐怖が頂点に達したの
か、次の瞬間無防備な悲鳴を上げて元就の身体を押し除けると、部屋を飛び出そう
とした。
瀬戸内のカイとゲルダ18
元親の首から離した手を、既に乱れていた着物の合わせに伸ばすと、勢い良く肌蹴
る。
「…な…?」
咳き込みながらも、驚愕の声を出す元親を余所に、元就は元親の首筋に顔を寄せた。
白い首にくっきりと残った、己の指の痕を満足そうに眺めると、そこへ舌を這わせ
る。
「!?ひっ…や、やめっ!やめろよっ!」
「黙れ」
粟立つような感覚に、身を捩って抗う元親に構わず、今度は元就の片手が着物の裾
に移動した。
隙間から手を差し入れながら、先程ちらりとだけ垣間見た元親の太腿を撫で擦る。
「あっ!やっ!何…!?」
「まだ判らぬか」
地を這うような低い声で囁く元就に、元親はびくりと身体を竦ませる。
「『女を殺す』には、二通りある。ひとつは、文字通り命を奪う事。そして、もう
ひとつは…」
元就の言質を察知した元親は、明らかに怯えた表情を見せた。
「い…いや……イヤあぁぁ!」
二、三度弱々しく頭(かぶり)を振っていた元親だったが、恐怖が頂点に達したの
か、次の瞬間無防備な悲鳴を上げて元就の身体を押し除けると、部屋を飛び出そう
とした。
瀬戸内のカイとゲルダ18




