戦国BASARA/エロパロ保管庫

佐助×幸村(♀)8

最終更新:

bsr_e

- view
だれでも歓迎! 編集
「まあよい。それより話というのはこれのことだ」
ようやく懐から取り出された巻紙が、ぽいと俺の前に放り出された。太い指が閉じ紐を解き、するすると
広げていく。
上質の紙面に、びっしりと墨文字が綴られている。割れているけど蝋封のあともある。どうやら手紙のようだ。
俺が見ちゃっていいのかね、こんな大事そうなもの。
それにしてもちょっと待てよ。この印の模様って。
「あれー、これってもしかして……」
首をひねる俺の頭上で、重々しく頷く気配がした。
「うむ。最上からのものよ」
あの伊達も属する奥州、最上はその中でも名家の一つだ。
「なにを言ってきたと思う」
「さあ?うちとは今まで全然関わりなかったですよね……」
薄闇を揺らし伝わる、低い響きに顔を上げる。笑いを含んでなお、鋭い視線とぶつかった。
「最上め。甲斐武田家預かりの真田の姫を、長子の正室に迎えたいと言ってきおった」

一瞬乱れかけた脈は、これも意思の力で抑え込んだ。

「へー……勇気ありますねえ」
「これまでの正室は離縁したらしい。よくやるものよ」
「まさか、受けるんですか?」
へらりと笑って問いかけた俺の言葉に、お館様もにやりと笑った。はだけた胸元をぼりぼり掻き、
馬鹿を申すな、とおかしそうに鼻を鳴らす。
「あのような落ち目の家と組んでも、武田には何の利益にもならん。大方、幸村を身内にすれば
武田も味方に引き入れられると考えたのじゃろう。小物の考えよ」
ですよねえ。
あそこんちは確か、伊達の旦那と確執があったはずだ。なるほど、これまた伊達と確執のある
真田幸村を巻き込んで、お家騒動にぶつけようって魂胆か。
要するにあっちが欲しいのは、嫁じゃなくて「日本一の兵」なんだろう。
じわりと、抑えがたい怒りがこみ上げる。政略結婚は戦国の習いとはいえ、馬鹿にした話じゃないの。
「そもそも盟友昌幸の忘れ形見を、おいそれと他家へやれるか。幸村は真田家の唯一の跡継ぎでも
あるし、わしにとっても息子同然だしのう」
「お館様、それを言うなら娘です」
「そうともいうな」
「……で?俺はなにをすればいいんですか?」
軽口めいて囁きながら、片膝立てて頭を垂れ、俺は命を待つ姿勢をとった。
忍びの習慣で、湧き上がった怒りや不快は瞬時に心の奥底に沈み込む。頭の中は冷静そのものだ。
それでも今、最上城主の首を獲れとでも命じられれば、俺はきっと笑ってしまうだろう。
「まあ、そう急くな。別に最上を撃てなどとは言わん」
そんな意味のないことはせん。
こっちはすぐにも鴉を呼び出せる状態だってのに、妙にのんびりとそういうとお館様は
脇息に寄りかかった。
そのままちょいちょいと指で招かれて、仕方ないので傍による。なんなのもー。
小さく傾げられたつるつるの頭に、薄明かりがまた反射した。同じ輝きで虎の目が光る。
「幸村に、婿をとらす」


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー