戦国BASARA/エロパロ保管庫

真田×伊達♀4

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日が傾きだした頃になって、幸村は朽ちた村に現れた。
遅れた、と幸村は顔をしかめた。
後をつけようとする真田の忍を撒くのに時間を使いすぎた。
政宗と会えるのは、昼から日暮れまでの数刻しかない。
お互い長く国を空けるわけにはいかず、かといって会わないのはもどかしい。
村に気配はない。
当たり前だ。
彼女は領主なのだ。
自分のような、ただの武将とは違う。
武を極めるだけでなく政を治め戦の指揮を執る。
休息を利用し、彼女はいつも駆け足で訪れ、そして去る。
肩を落とした。
(月に、一度……)
会おうと約束した。
戦場で、彼女の右の眼帯を奪った時に言われた。
そして少しずつ話を聞いた。
祝言を終えた直後に亡くなった兄のこと。
兄の代わりを自ら申し出たこと。内密に兄を埋葬したこと。
初陣を迎えたこと。
家督を継いだこと。
吐き出すような、胸の内をえぐるような言葉。
細い肩に背負われた奥州の筆頭という重圧。
少しでも軽くなれば、と思い、話を聞いた。
そのような事を聞かされ、彼女を哀れとは違う感情でとらえるようになったのはいつからか。
幸村自身知る由もない。
肉刺(まめ)や胼胝(たこ)をいくつもこしらえた小さな手。
あの手を取り、甲斐まで攫おうと何度考えただろう。
だが彼女が今奥州から消えるわけにはいかないのだと己に言い聞かせ、人知れず泣いた。
彼女はいつも最後に、また来月と言って己の内を傷つけるように笑う。
あの笑みに心をむしり取られていくというのに、不快ではなかった。
――人一人幸せに笑うことをさせず、何が虎の若子か。
とぼとぼと幸村はいつも使っている家の戸を開けた。
すでに火が消え、辺りに暖の名残が残っている。
その中で政宗が眠っていた。
戸を閉めてそっと近づき、側に腰を下ろす。
動物のように体を丸め、すうすうと寝息を漏らしている。
待っていてくれたのか。
幸村は手を伸ばした。
しかし触れる前に政宗は小さく唸り、体を抱きしめながらさらに丸くなった。
「政宗殿?」
声をかける。
しかし彼女は目覚める気配がない。
かたかたと小さく震えながら眠りに就いている。
幸村は上着を脱ぎ、政宗にかけた。
温かくなったからか、政宗の表情が和らぐ。
無防備な顔。
寝跡のついた白い頬。
わずかに開かれた、赤い唇。
赤い。よく熟れた果実のようだ。
唐突に佐助の言葉を思い出す。
白粉の匂いさせて帰ってくるの? やっだー。
何かが幸村の内部を突き動かした。
異様に体温が上がってく。
幸村は無言で駆けた。
乱暴に開け放たれた戸が、がきんばこん、と天寿をまっとうした。



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