ふさぎ始めた様子を見かねて政宗が自由合戦に連れて行けば、戦の締めで恒例の言葉、
『小十郎、勝ち鬨あげろ』
を言い終えないうちに、うぉぉぉぉぉむぁさむね殿ぉぉぉぉ、と熱く叫んでいる。
気晴らしにはなったのだろうが、伊達勢はドン引いていた。
気を取り直してそのまま最北端一揆を鎮めに行けば、政宗と先陣争いをはじめ、挙句の果てに敵大将を放置して二人の決着をつけ始める。
伊達軍は慣れているからいい。
が、何も知らない農民達がうかつにも近づき、技の衝撃波で吹っ飛んでいった。
終いには敵総大将のちびっ子ががおめえさんらもう帰ってけろ、とわんわん泣き出すに至り、小十郎は嬢ちゃん泣くな悪かった壊れた家は直してやるし年貢も減らすから泣き止め、とひたすら宥めていたのだ。
顔が怖いせいで余計に泣かれたが。
『小十郎、勝ち鬨あげろ』
を言い終えないうちに、うぉぉぉぉぉむぁさむね殿ぉぉぉぉ、と熱く叫んでいる。
気晴らしにはなったのだろうが、伊達勢はドン引いていた。
気を取り直してそのまま最北端一揆を鎮めに行けば、政宗と先陣争いをはじめ、挙句の果てに敵大将を放置して二人の決着をつけ始める。
伊達軍は慣れているからいい。
が、何も知らない農民達がうかつにも近づき、技の衝撃波で吹っ飛んでいった。
終いには敵総大将のちびっ子ががおめえさんらもう帰ってけろ、とわんわん泣き出すに至り、小十郎は嬢ちゃん泣くな悪かった壊れた家は直してやるし年貢も減らすから泣き止め、とひたすら宥めていたのだ。
顔が怖いせいで余計に泣かれたが。
その待遇改善でほどなく一揆集は伊達に恭順したが、それを功績と言っていいのかどうかは微妙なところだった。
「いや…忙しいところを邪魔したでござる」
南蛮言葉を使わない小十郎に断られ、幸村はしょんぼりと肩を落とした。
「お待ちください奥方さん。話がない、って顔じゃあありませんぜ」
小十郎は頬かむりを取って乱暴に手をぬぐう。
奥方は、困ったような顔をしていた。
南蛮言葉を使わない小十郎に断られ、幸村はしょんぼりと肩を落とした。
「お待ちください奥方さん。話がない、って顔じゃあありませんぜ」
小十郎は頬かむりを取って乱暴に手をぬぐう。
奥方は、困ったような顔をしていた。
「某、上手くはいえぬが…どことなし、政宗殿に距離を置かれている気がするのでござる」
小十郎はただ片眉をはね上げた。
確かにその辺り、噂にもなっている。
一つ布団で寝ているわりにコトの痕跡がないだの、部屋の中から爆笑している声ばかりが聞こえるだの、男装の麗人にしてはあんまりにも男らしすぎる、本当は男なんじゃあないかだの、と。
確かに男友達じみてはいる。
だが、小十郎はそれなりに幸村を歓迎していた。
あの政宗様が明るくなった、と。
「政宗様は奥方さんを嫌っちゃおりませんぜ」
小十郎はただ片眉をはね上げた。
確かにその辺り、噂にもなっている。
一つ布団で寝ているわりにコトの痕跡がないだの、部屋の中から爆笑している声ばかりが聞こえるだの、男装の麗人にしてはあんまりにも男らしすぎる、本当は男なんじゃあないかだの、と。
確かに男友達じみてはいる。
だが、小十郎はそれなりに幸村を歓迎していた。
あの政宗様が明るくなった、と。
「政宗様は奥方さんを嫌っちゃおりませんぜ」




