『うんうん良く言えました。頑張って逃げてたら、絶対助けに行くからね』
びっくりしてうれしくて、その言葉を覚えなくちゃいけないんだと強く思った。
はれんち、 で、 ござ…ご、ます?
『あー、まだ難しいかな?破廉恥、で、ございます。はーい言ってみよう!』
ござ…ご、ざ、ます。
どうしても舌がもつれて、困って困ってそれでも何度も繰り返す。
ご、いま、ござ、ま?
『うううん、じゃあねー…ござる、なら言えるかな?
ゴザイマスをみじかーくつめると、ゴザル』
言えた。
『うわーお賢いねー!武将みたいだねえ、かっこいいよ、さっすが!これで俺様助けに行ける!大変なことになったら、頑張って呼ぶんだよ?世界中どこだって、■■が忍び込めない場所はないんだからねー』
うれしくてうれしくてなんども繰り返した。
ござる、ござる、はれんち、で、ござる。たすけて、■■。
きっと、■■が忍び込んでくるだけの間逃げ続けられて、この言葉を言い続けたら、それで大丈夫。
がんばる。逃げられるように、走るし、ずうっと叫ぶ。
しゅぎょうもするよ。
びっくりしてうれしくて、その言葉を覚えなくちゃいけないんだと強く思った。
はれんち、 で、 ござ…ご、ます?
『あー、まだ難しいかな?破廉恥、で、ございます。はーい言ってみよう!』
ござ…ご、ざ、ます。
どうしても舌がもつれて、困って困ってそれでも何度も繰り返す。
ご、いま、ござ、ま?
『うううん、じゃあねー…ござる、なら言えるかな?
ゴザイマスをみじかーくつめると、ゴザル』
言えた。
『うわーお賢いねー!武将みたいだねえ、かっこいいよ、さっすが!これで俺様助けに行ける!大変なことになったら、頑張って呼ぶんだよ?世界中どこだって、■■が忍び込めない場所はないんだからねー』
うれしくてうれしくてなんども繰り返した。
ござる、ござる、はれんち、で、ござる。たすけて、■■。
きっと、■■が忍び込んでくるだけの間逃げ続けられて、この言葉を言い続けたら、それで大丈夫。
がんばる。逃げられるように、走るし、ずうっと叫ぶ。
しゅぎょうもするよ。
はれんち で ござる
『そうそう、それで俺様の名前呼んだらどわーいじゃうぶー、むわーかせてーってもんですよ』
じゃあ、だいじょうぶ。まかせる。
『賢い■様には、ちゃあんと着替えたら、抱えて空飛んであげるからねー。あららら信用してよ、■様軽いんだから、暴れきゃ落さないって。空を飛んだら、すこーしだけお父上のお傍に近づけるんだよ、すごいでしょ?』
とっても凄い。
嘘も言わないし、傍にいるし、離れていても助けにきてくれるし、そらも一緒にとんでくれる。
だいすき。
『そっかー、俺様も大好き。もっとボンキュボーンになってもう一回言ってくれたら死んでもいいよー』
しんじゃだめだから、もう言わない。
びっくりして言うと、そうだねー、もう言わない方がいいよねー、と笑ってくれた。
ほんとうだからね。ぜったいに言わないんだからね。
『うんうんぜったいダメだよ、俺と■様だけのヒミツだよ』
ひみつ。
じゃあ、だいじょうぶ。まかせる。
『賢い■様には、ちゃあんと着替えたら、抱えて空飛んであげるからねー。あららら信用してよ、■様軽いんだから、暴れきゃ落さないって。空を飛んだら、すこーしだけお父上のお傍に近づけるんだよ、すごいでしょ?』
とっても凄い。
嘘も言わないし、傍にいるし、離れていても助けにきてくれるし、そらも一緒にとんでくれる。
だいすき。
『そっかー、俺様も大好き。もっとボンキュボーンになってもう一回言ってくれたら死んでもいいよー』
しんじゃだめだから、もう言わない。
びっくりして言うと、そうだねー、もう言わない方がいいよねー、と笑ってくれた。
ほんとうだからね。ぜったいに言わないんだからね。
『うんうんぜったいダメだよ、俺と■様だけのヒミツだよ』
ひみつ。
喉奥に何かが流れ込む。味がわからない。とろりとしている。
後を追うように清水が流れ込んで、幸村はほう、とため息をついた。
後を追うように清水が流れ込んで、幸村はほう、とため息をついた。
ぅうああああぁぁぁっ、と幼い頃からあまり変わらない声音が、ごうごうと燃える火を貫き、耳をつんざく。
■■。火の向こうにいるのか。
■■。火の向こうにいるのか。
『ああああああもうっ。自分の技で死にかける人ってはじめて見たよ俺っ』
身をちぢこめ、なかなかの強敵で、と言いかけると余計に怒った。
『そりゃそうでしょーよ、どうでもいい相手で髪燃やしてたら見捨てますよ俺。だからね、手ごわかったら味方呼んで、それまで時間稼ぎしなさいって言ってるの!』
そうだな、呼べばすぐにきてくれるな、と怒る相手を盗み見て言う。
『ぁあったりまえでしょ、あのねえ、間に合わなかったら旦那どうなってたと思うの、丸コゲですよカリカリの!あーもー、髪もこんなに燃えちゃって、あああああぁぁぁ…第一髪纏めてたのにどうして解けてんのかなあぁぁぁあぁ…』
髪は、燃えても痛くない。
『だからほんとに!この旦那は!そういう問題なら、こっちもあー髪でよかったねー怪我ないもんねーで済ませたましたよ!……戦場になんか』
小さくくぐもる、最後の一言。凶暴な声と丁寧な手。
鏡の中、小さな刃を操る手が器用に動いて、動いて、やっと止まる。
辺りは切られた髪だらけだ。
『残ったの、これだけかあ…もっと傍にいたら』
ひと房の髪が、■■の手の中にある。
うむ、頭が軽くていいぞ。
そこだけ長くても不恰好ではないか。切って――
『だからねえええええ!切らないからね、絶対切らないからね!あのね旦那、このバカみたいに不恰好な髪見るたびに今日のこと思い出してくださいね!
俺も見るたび自分の事戒めますから!自分で切ったらキンピラゴボウ責めにするからねっ?』
身をちぢこめ、なかなかの強敵で、と言いかけると余計に怒った。
『そりゃそうでしょーよ、どうでもいい相手で髪燃やしてたら見捨てますよ俺。だからね、手ごわかったら味方呼んで、それまで時間稼ぎしなさいって言ってるの!』
そうだな、呼べばすぐにきてくれるな、と怒る相手を盗み見て言う。
『ぁあったりまえでしょ、あのねえ、間に合わなかったら旦那どうなってたと思うの、丸コゲですよカリカリの!あーもー、髪もこんなに燃えちゃって、あああああぁぁぁ…第一髪纏めてたのにどうして解けてんのかなあぁぁぁあぁ…』
髪は、燃えても痛くない。
『だからほんとに!この旦那は!そういう問題なら、こっちもあー髪でよかったねー怪我ないもんねーで済ませたましたよ!……戦場になんか』
小さくくぐもる、最後の一言。凶暴な声と丁寧な手。
鏡の中、小さな刃を操る手が器用に動いて、動いて、やっと止まる。
辺りは切られた髪だらけだ。
『残ったの、これだけかあ…もっと傍にいたら』
ひと房の髪が、■■の手の中にある。
うむ、頭が軽くていいぞ。
そこだけ長くても不恰好ではないか。切って――
『だからねえええええ!切らないからね、絶対切らないからね!あのね旦那、このバカみたいに不恰好な髪見るたびに今日のこと思い出してくださいね!
俺も見るたび自分の事戒めますから!自分で切ったらキンピラゴボウ責めにするからねっ?』
もう、にんじんもごぼうも食べられる。きんぴらごぼうは苦手ではないのに。
だけど口に出さずに頷いた。
だけど口に出さずに頷いた。




