苦痛しかない期間が終わって数日。
開放感に任せ力の限り修練していたら、小十郎にものすごく叱られた。
伊達の男達は、雰囲気も話し方も見た目も何もかもが違うが、叱られていると何となく、昔を思い出して嬉しい。
丁寧な口調も近頃崩れてきて、それがまた嬉しい。
城主は一人。
ならば自分は『てめえら』の一人でいい。
ただ将として武勲をあげ、伊達の役に立とう。
真田幸村ここにあり、と名乗って見せようぞ。
しかし。
開放感に任せ力の限り修練していたら、小十郎にものすごく叱られた。
伊達の男達は、雰囲気も話し方も見た目も何もかもが違うが、叱られていると何となく、昔を思い出して嬉しい。
丁寧な口調も近頃崩れてきて、それがまた嬉しい。
城主は一人。
ならば自分は『てめえら』の一人でいい。
ただ将として武勲をあげ、伊達の役に立とう。
真田幸村ここにあり、と名乗って見せようぞ。
しかし。
「いいですか、障りがあってはなりません、侍医を付けますので大人しく、と申し上げたはずです。今からでも良い、室に戻って………」
走り出したい、叫びたい心持ちとは裏腹に軟禁されそうになっている。
「もう、なんともないでござるよ」
昨日は医者が席を外した隙を狙って素九倭っ登なる南蛮体操をしているのを見つかって怒られた。
連日医者詰めになるような事ではない、佐助が病ではないと判じたのだと訴えた挙げ句、医者にこの現象とは何なのか、と詳しく詳しく説明された。
それはある意味ありがたくはあったのだが、うっかり
『月に一度?某、半年ほど前に初めて血を流して以来、これまで何も起こらなかったでござる』
と言ったところ、嫁ぐ前からややこがいるのか相手は誰だ、いいや妊娠の兆候はない、
ならば血の道が重いことと関わりあってのことか、と城をひっくり返す大騒ぎになってしまったのだ。
走り出したい、叫びたい心持ちとは裏腹に軟禁されそうになっている。
「もう、なんともないでござるよ」
昨日は医者が席を外した隙を狙って素九倭っ登なる南蛮体操をしているのを見つかって怒られた。
連日医者詰めになるような事ではない、佐助が病ではないと判じたのだと訴えた挙げ句、医者にこの現象とは何なのか、と詳しく詳しく説明された。
それはある意味ありがたくはあったのだが、うっかり
『月に一度?某、半年ほど前に初めて血を流して以来、これまで何も起こらなかったでござる』
と言ったところ、嫁ぐ前からややこがいるのか相手は誰だ、いいや妊娠の兆候はない、
ならば血の道が重いことと関わりあってのことか、と城をひっくり返す大騒ぎになってしまったのだ。
政宗はどいつもこいつもcoolじゃないね、アンタも気にすんなよの一言を洩らしただけで、いつも通り飄々としていたのだが。
最終的な医者の見立ては環境が変わったこともございましょうが、あまりに男ぶりの生活を続けるあまり、体が女であることを拒んでいるのではないか、と言うものだった。
そして小十郎の幸村軟禁計画が発動したのである。
部屋の設えがあれよあれよと激変し、女中も顔ぶれが変わって一気になよなよとした雰囲気に拍車がかかった。
そうして黙認されていた修練が牽制される。
へこたれかけていると、小十郎はふっと動きを止めた。
部屋の設えがあれよあれよと激変し、女中も顔ぶれが変わって一気になよなよとした雰囲気に拍車がかかった。
そうして黙認されていた修練が牽制される。
へこたれかけていると、小十郎はふっと動きを止めた。
「Hey、その辺にしておけ小十郎。オレと幸村の決着はついちゃいねえ。幸村が修練するのはそのままオレへの思いの深さだと思っておけ」
城郭の窓から、声がする。
それはひょいと身を乗り出すと、そのまま身を空に踊らせて地上にどんと降り立った。
小十郎の額に青筋が浮かぶ。
「政宗様!」
それはひょいと身を乗り出すと、そのまま身を空に踊らせて地上にどんと降り立った。
小十郎の額に青筋が浮かぶ。
「政宗様!」