.
あなた「……(傷もすっかり癒え、軽く腕を振り回している) 」
エースバーン「…ト、ト、ト…!(射抜かれた右足の傷も、永琳が誇る万能薬のお陰でわずか数時間で完治している。手ごろな小石を何度もリフティングしながら軽いウォーミングアップを行っていた) 」
キャロット「ふぅ……みんなごめんね…ちょっと落ち込んじゃって… でも!もう大丈夫だよ!もっかい前線に復帰するからね…!(けろっとした表情で立ち直っている) 」
うどんげ(月戦型)「……みなさん、体調は戻ったみたいですね。物資も整え、奴隷たちも開放し、後は…奴らを追い払いこの都を奪還するだけです。
メディさん、次の目的地は…―――」
メディ「はい。最後の標的地点は、この月の都の中央にある巨大樹「月桂樹」…しかし、それは仮の姿。あれは樹木に見え、その中身は巨大なエレベーター施設となっています。鈴仙様曰く、あそこは「月待塔」…その高さは大気圏にも迫るほどですが、情報によると…敵はその塔を本拠地としているようです。また、天の聖杯と密接なかかわりがある起動兵器も、その頂上に眠るとのこと… おそらく、ホムラ様はそこに… 」
天王寺璃奈「月待塔……やっぱり、あそこに…(採掘場でホムラを連れ去っていった黒いフェイスが、その場所へ飛んでいったのを思い出す)…でも、今までは上手くいったけど…そこはきっと、簡単には突入できないかもしれない。ユリアナさんも言っていたように、強固なプロテクトがかかっている。だから、まずは…――― 」
メディ「ええ…今から現場へ突撃する前に、やるべきことがあります。ユリアナ様、例の準備はいかがですか? 」
ユリアナ「(十分な武装をした状態で現れて)……このプロテクトを完全に破ることは現状では不可能。だけど、メディや私が組み立てたこのバグウイルスさえあれば、セキュリティそのものを麻痺させることができる。だけどそれは時間の問題でしょうね。メインコンピューターの自己修復機能や、なによりプロフェッサーの迅速な対応で元に戻されてしまう。時間との勝負よ。……プロテクトを弱めたら私はメインコンピューターのある場所に侵入してメインコンピューターを破壊する。途中で分かれることになるだろうけど、心配しないで。 」
天王寺璃奈「…でも、メインコンピューターにアクセスしたとしても、二人だけだとその時間もかなり限られてくるはず… 月の都のセンターを牛耳るメインシステム…せめて、もう少し人手が足りたら―――(少しだけ俯きかけた、その時―――) 」
兄者&弟者『―――――― 人の手が欲しいんだってな。なら、「俺たち」の出番だな。 / 流石だよな俺ら。(ノートパソコンを脇に抱えた二人組が一行のもとへとやって来る)』
うどんげ(月戦型)「あ、あれは……!数日前から都に滞在していた伝説のオタk……いや、伝説のハッカー、「流石兄弟」では…!?(兄者&弟者に目を見張る)馬鹿な、あの時氏んだはずでは…!?(謎迫真顔(※しんでません) 」
天王寺璃奈「わっ……手伝って、くれるの…?ありがとう……一人でも二人でも、来てくれるだけでうれしい…〖*╹▿╹*〗(流石兄弟に) 」
兄者&弟者『おいおい、いったいいつから俺があぼーんしたと錯覚していた?/ おっと、二人だけじゃないぜ。言ったろう、「俺たち」の出番だって…―――』
流石兄弟の後に続くように、レジスタンキャンプに多くの足音が鳴り響いてくる。
それは月の民たちによる「増援」。多くの人たちが機材を運び込み、各々に設置・組立をはじめていく。
誰に言わるまでもなく、自分の意思で、レジスタンスに協力するかのように―――
ヲタク猫→ハッカー猫「ヨシ!ハッキングだ!(自前のPCを持ち寄ってくる) 」
橋田至「ここかお~、祭りの場所は~!?美少女の救世主「橋田至」、ただいま健在!……って、誰が変態だお!仮に変態だとしても…変態という名の紳士だお!(キリッ)……話は聞かせてもらったー。僕たちがそのミッションのカバーをする。その隙に君が攻めろ… くぅ~~~~~ッ!人生で言いたいことが言えた瞬間、ドキがムネムネするんだおー!(慣れた様子で機材にケーブルを次々と差し込んでシステムを起動する) 」
はらぺこあおむし「(パソコンを頭に乗せてハロウィンのアルバイトをしている) 」
ジェフ「ここは僕たちも加勢しますよ。(大きなレンタルサーバーに手を触れながら眼鏡をくいっと上げる) 」
ヒロ「……すごいな、あれだけいれば…いけるんじゃないか?(璃奈に) 」
天王寺璃奈「……みんな……!(駆けつけてきてくれた民たちに目が輝きだしていく)……そうだね。これは、私たちレジスタンスだけじゃない。月の都にいるすべてのみんなの戦いなんだ。……やろう。みんなでなら、きっとできる。(そう言うと自分も鞄から自前のノートパソコンを引っ張り出してくる)……メディ、ユリアナさん!DDoS攻撃を行おう…!(開くと同時にカタカタとプログラムを打ちはじめていく) 」
キャロット「…すごいや…月の民のみんなが、私たちに力を貸してくれるなんて…! ……?でぃーどす攻撃…ってなに…?(璃奈に傾げる) 」
メディ「ネットワーク上に分散した多数の端末が連携して、特定のネットワークやコンピューターへ一斉に接続要求を送信し、過剰な負荷をかけて機能不全に追い込むサイバー攻撃です。現在、こうして解放された月の民から、都を奪還するために多くのネットユーザーが集まってきています。彼らと連携し、月待塔にあるメインコンピューターへハッキング。セキュリティのロックを解除した後、現場へ直接突撃いたします。……了解しました、璃奈様。 」
天王寺璃奈「うんっ……攻撃が開始されると、標的のシステムには短時間に大量のアクセス要求が集中して、サーバー処理や通信回線の伝送容量などを使い尽くし、機能を停止へと追い込むことができる。同じ送信元から多数の接続要求を行う場合に比べ、一件一件のアクセス要求は通常のと見分けがつきにくく、攻撃のみを機械的に判別して遮断することが難しい… だから、セキュリティ対策だけで対応するのは限界があるんだ。この数なら、きっと…! 」
ユリアナ「(璃奈の提案に目を輝かせ)アッハッハッハッ!! なるほど、数の暴力ってやつね!! いいじゃん、気に入ったわ!!やりましょう!! 」
メディ「シュルリ…――― カ チ ッ (ヒューマギアモジュールから伸び出したケーブルを、璃奈のパソコンのUSBポートへ接続) ピ ィ ョ ン ッ ♪ (すると瞳孔から光が拡散され、空間にマルチウィンドウが投影展開される)―――各自、アクセスを開始してください。マルウェアを送信してセキュリティシステムの脆弱性を突き、その間隙をわたくしと璃奈様、ユリアナ様の三人で攻め込み、サーバーダウンを決行します。 」
ヒロ「…腕がなるぜ! 」
月光仮面「太陽ォォォォ—————!!(朝の挨拶)そういった作戦ならうってつけのエキスパートが知り合いにいる。及ばずながら力を貸そう(クソダサポーズ)オタ=コン、任せた 」
オタ=コン「(一部の端末に眼鏡をかけた白衣の男の三頭身マスコットが表示される)概念的存在だっていうのに人使いが荒いなぁ、まあいいや。事情は飲み込めたよ、それなら協力者の端末それぞれに、ユーザーの操作をそのまま模倣する仮装ユーザーAIを3つ付け足そう。これで効率は単純計算して4倍。物量作戦なら申し分ない数の暴力だろう 」
天王寺璃奈「みんな、ありがとう…―――カタカカタカタカタ…ッ……!(オタ=コンやユリアナたちに一度頷き、次第にキーボードをたたく指裁きが早くなっていく。打ち込んだプログラムが画面内を上下に高速スクロールしていく中、少女は淡々と、それでいてどこか熱が入ったような表情を浮かべ始める) 」
戦極凌馬「(その頃、月待塔にあるコンピューター室にて―――)……さて、主任のコアクリスタル移植手術は無事成功。あとは、天の聖杯からエネルギーを抽出し、コアクリスタルへ装填するだけだ……?(メインコンピューターを前に操作をしていたところ、画面に僅かなノイズが走ったのを見逃さなかった)…………まさか……っ…―――(訝しむように目を細める) 」
def phase_1(self)
,,,
2021/09/09 22:35 +0300 unknown
2021/09/09 22:37 +0300 restart
,,,
client = packmaker('mooncradle-serv-x',08150707)
self.collection = db[collection_name]
戦極凌馬「―――――ッ!(これは……っ…―――!) 」
ヴィーッ、ヴィーッ!―――プロフェッサー!塔のメインシステムにて不正アクセスを検出!尋常ではない数のアクセスが殺到しています!おそらく、サーバーダウンを狙った攻撃かと思われます!我々では手に負えられません…!(コンピューター室の連絡網にサイレンが鳴ると、部下と思わしき者からの連絡がかしましく聞こえてきた)
クラウス(音声)「―――ガガ、プロフェッサー、何事だ? なにが起きている? 」
戦極凌馬「………ほう…(部下からの伝令を耳にしながらウィンドウへ対し不敵な笑みを浮かべる)……外部からシステムに攻撃が仕掛けられている。大方、奴らの仕業だろう。だが心配いらない。主任は移植の副作用に備えて少し休んでいてくれよ。(クラウスからの通信へ冷静に応える)……面白いことをしてくれる、こちらとしても本気でお迎えするしかないだろう。「マスターインテリジェントシステム」、起動。(巨大モニターに複数のウィンドウを展開させ、たった一人で迎撃を試みようとキーを叩き始める) 」
クラウス(音声)「……わかった。あとは任せる(プツン) 」
def phase_2(self)
,,,
2021/09/09 22:37 +0300 add sabotage radio interface
,,,
client = doorinterface_salto('mooncradle-idc-x',08150707)
self.collection = db[collection_name]
self.unique_doors = [] # x,y
self.door_ids = []
cnt = 0
for data in list(self collection find())
―――インシンデント発生。セキリュティロックの強化を、実行シ…ま……(凌馬が操るコンピューターのデジタル音声にもノイズが発生する)
戦極凌馬「…カタカタカタカタカタッ…―――(マスターインテリジェントシステムは月の都の通信情報網を完全掌握するシステムだ。システム基幹部を私自身に接続し、ホストコンピュータとして運用し柔軟な指揮を執ることが可能だ。故に外部からのアクセス対応など造作もない…―――)――――!?(その、はずだった。だが、崇高なCPUを搭載したメインシステムに"僅かでも異常が発生していること自体が大きな異常である"ことに気づき、その顔色が歪みだす) 」
メディ「―――― プログラムコード:404、実行。侵入防衛システムの稼働停止を確認。続けてセキュリティシステムアンロックの後半シークエンスへ移行。(ホログラムパネルを手繰り、璃奈と同様にプログラムを生み続ける。ケーブルで繋がれた二人の動きはまさに一心同体であった) 」
ジッ、ジジッ……バジジジッ…―――(四方八方からの絶え間ないアクセスによって、メインコンピューターの画面に大幅な歪み《ノイズ》が発生していく)
兄者&弟者『へっ、こんなシステム…そうめんみたいなもんだぜ。 / 流石だよな、俺ら。(二人で背合わせながら胡坐をかいてノートパソコンのキーを叩き続けている)』 」
戦極凌馬「……ッ……!?(くそ…アクセス元の逆探知を行う暇もないだと…!?なんだ……なぜこれほど膨大なアクセスが殺到している…!?たかだか一市民の凡骨コンピュータ如きに、月の都が誇る最高峰のシステムが追い込まれるなど―――!!)(ズレかけた眼鏡をうざったく投げ捨て、負けじと対抗意思を示す) 」
うどんげ(月戦型)「…月の都…かつての先人たちが造り上げたシステムは素晴らしいものでした。ですが、彼らが後世に残したのはシステムではなく…――――それを生み出し、超えていく叡智だった。確かに私たちは当事者たちより退化したかもしれない。けれど、彼らの意思を継いで…そして目には見えない目まぐるしい速度で新たな進化を遂げつつある。システムの介在の余地などない…"不可能を可能に変える意志"の芽生えが、ここに…―――(一致団結するハッカー軍団を目にしながら呟く) 」
クラウス「……(デスクに肘をついて手を前でからめるようなポーズで事態を静観していたが、マイクを取り出しプロフェッサーに連絡を入れる)プロフェッサー、数が多すぎる。緊急事態だ。アイオーンの管理に使用しているデータ量の37%をそちらにまわせ。そうすれば対抗できるはずだ。 」
戦極凌馬「それは賛同いたしかねるね…ッ…!いや、ダメだ…!私は見てみたいのだ…アイオーンの真の力を…!そのためには100%の起動を遂げなければならない…!こんな……こんな輩共の為に、その貴重なデータを消費するなど…ッ!!!(研究者としての矜持に憤りが炸裂。声を荒げながら尚も決死の対抗をし続けるが―――)」
メディ「月待塔のセキュリティに関連した各種プログラムの動作を低速化を確認。璃奈様へ改竄コードを送信。(1と0の数字が羅列する画面の中から、特定の文字数列が赤く発光したものを抜擢し、璃奈のPCへ送信する)――――璃奈様! 」
Enter repair code:1000101010110_ ―――― Transmit? Yes or NO
天王寺璃奈「――――― よ ろ し く お 願 い し ま す ! ――――― (Enterキーを勢いよく押した)」
――― "Complete" ―――
バ シ ュ ン ッ ―――― (凌馬が操るメインコンピューターが強制シャットダウンされ、画面が暗転する)
戦極凌馬「―――――!!?(強制シャットダウンされたメインコンピューターを前に唖然としてしまう)………許さん……――― 許 さ ん ぞ ォ ォ ッ! ! ! (男の怒りの叫びが無機質な機械室に残響する) 」
―――― ガ ゴ ォ ン ッ … … ! ! ! (その頃、月待塔の出入り口が自動的に開錠されていく―――)
クラウス「……――――すぐさまシステムの修復をしろ。各部隊は襲撃に備えろ。急げ、時間はない(難攻不落の要塞と化していたこの塔のセキュリティーが瓦解しても尚冷静な指示を出す)……直接対決は、避けられんか(天井を見上げ) 」
天王寺璃奈「……ふぅ……っ……(久々に本領を発揮したためか、忘れかけていた呼吸を取り戻すように深呼吸した)……やった…たぶん、これでセキュリティは解除できたはず。……みんなのおかげ…本当に、ありがとう…(ハッカー軍団に目を配らせながら) 」
メディ「みなさま…璃奈様、お疲れさまでした。(ケーブルを抜いた後、璃奈の傍へ近寄っていく)……皆様の助力を得たことで、標的地点の突撃が可能となりました。ご協力、感謝いたします。しかし、システムが修復されては水の泡… ハッカーの皆様はこのキャンプで待機しつつアンロックを維持。我々本体は現場へ突入し、ホムラ様の奪還に向かいます。 」
ヒロ「………お疲れさん(璃奈の肩をポンと叩き、ペットボトルのサイダーを差し出す)…よし!行くぜ! 」
うどんげ(月戦型)「いよいよ私たちの出番ですね。腕が鳴りますよ~。(フル装備した重火器を携えながらうさ耳を揺らす) 」
エースバーン「…俺も行くぜ。いつまでも寝てるわけにはいかねえからな。…それに…――――(密かに
「あなた」の背を一瞥し、目を瞑る) 」
あなた「……!(ダンボールチェアが立ち上がり、ホログラムウィンドウに映る月待塔を見据える) 」
月光仮面「はいだらー!!(皆さんどうぞよろしくお願いしますの意) 」
レオモン「どうやら、事が進んだようだな。 エース………頭は冷えたか。 」
ユリアナ「――――メディ(作業を終えて柔和な笑みをたたえて歩み寄りながら)…ありがとう。アナタのお陰で、ここまで来ることができた(そっと握手を求めるように手を差し出す) 」
エースバーン「…ああ、おかげさまでな…(レオモンに振り返ることなく、その言葉を背に受けて瞳を開ける)…なんだか知らねえが…心なしか、いつもより精神(こころ)は穏やかだ。…それに、今日は満月。きっと俺たちに力を貸してくれる。」
メディ「……(初めは彼女に対し半信半疑だったものの、ここまでの戦いを通じて彼女の姿勢を分析し、完全な味方として判断する)……礼を言うのはわたくしの方ですよ。(握手を交わし、笑顔を表現する) 」
キャロット「ぃよ~~~し……行こう、みんなっ!! 」
ユリアナ「ありだとう。――――あ、そうだ。ねぇアナタのこと、少佐と博士に紹介したいの!無線で会話できるはずだから、どう?きっとふたりもアナタのこと気に入ってくれるはずよ!(年相応のパァッとした明るさを見せながらメディに) 」
メディ「……!(先程の通信相手、でしょうか…―――)―――わかりました、ぜひお願いします。ですが時間も押しているので、現場へ向かいながら交信しますね。 」
ユリアナ「うん! で、少佐たちの周波数は……これね。じゃあ一緒に繋ぎましょ。(そう言って体内無線に切り替えながら) 」
レオモン「……そうか。……期待しているぞ。お前はもう、敗け続けの泥兎などではない。――――――『レジスタンス』の〝エース〟だ。」
エースバーン「――――! ……へっ…言ってくれんじゃねえか…(レオモンの励みに照れくさそうに顔を逸らす)―――…ああ、行くか…! 」
そして、レジスタンス一行は最後の標的である月待塔へと向かうのだった―――
― 月の都・市街地 ―
あなた「……!(レジスタンスたちと共に、前方先に見える大きな塔を見据えながら市街地の真ん中を走っていた) 」
メディ「(「あなた」の背後で走りながら、耳元のモジュールに手を這わせて周波数を合わせる)………はじめまして、わたくしはメディと申します。(通信先にいる見えない誰かに向かって挨拶し、その応答を待つ) 」
天王寺璃奈「………ヒロさん、ひとつ、いい…?(目的地へ走って向かう中、隣にいるヒロに突然問いかける) 」
無線『ザザザザ……―――ザザザザ…(本来繋がるはずのその無線。応えてくれるはずの人たちの声の代わりにノイズ音が響いている、まるで故障した機械のように延々と。勿論それはユリアナも聞いていた。彼女はひどく驚いたように、無線内で何度も少佐や博士の名を叫ぶ。『レーメ少佐』、『プルシュイ博士』と)
レオモン「―――――(先陣を切り、市街地の中を走っている) 」
ヒロ「…………ん…なんだ…?(璃奈の問いかけに応えるように彼女の方を向く) 」
メディ「……?(鳴り響くのノイズ音に対し応答を希うユリアナを他所目に不審に首を傾げる) 」
天王寺璃奈「……ヒロさんは、何か、大切にしていたものを壊したことって…ある?わざとじゃなくても、ちょっとした事故でとか… 」
月光仮面「レイセン・ウドンゲ・イナバ(レジスタンスと共に駆ける中、弾薬の予備ストック全てと思われる量のそれを彼女へパスする)使え、俺には必要ないものだ。状況によっては他の面々にも回してやるといい。あとお前、セーフティが外れていないぞ (他レジスタンスの面々とやりとりしつつ並走する中、ふとユリアナへ一瞥をやる) 」
無線『バチバチバチ(突如通信が戻ったように音が変化し、そして少佐の声が聞こえてくる。―――だが)ユリアナ!今すぐパソコンの電源を切れ!任務は失敗に終わった!!すぐにパソコンの電源を切るんだ!!/長時間ディスプレイを見ていると目が悪くなるわよ?/……ユリアナ、聞いてくれ。先週の木曜日のことだ。私は車で自宅に帰る途中だった。家まであと2マイル程の所でふと目を上げると、東の空にオレンジ色の光る物体が見えたんだ。とても不規則に動いていた。そして次の瞬間、あたり一面が強烈な光に包まれ、気が付くと私は家に着いていた。どう思う?(メディにも聞こえる不明瞭な発言。とても責任ある立場の台詞ではないとおもうのだが、本人達の言葉のそれから、冗談には聞こえない。それを聞いていたユリアナは酷くオロオロした状態で何が起こっているのか理解が追い付いていないようだった)』
ヒロ「………!(璃奈の問いかけを聞き)……ある、な。わざとではない…が…壊すつもりは‥なかったんだが… 」
ユリアナ「え、え、えっと……少佐、博士? なにいってんの? さ、作戦中だよ?もうすぐで天の聖杯を助けられるって言うのに何ふざけてるの!?(思わず声に出る。その表情には不安と怒りがあった) 」
うどんげ(月戦型)「ふぇっ―――わわっ…!(唐突にパスされた弾薬のストックを慌ててキャッチする)い、いいんですか…?ありがとうございます!私、光栄です…!憧れの月光仮面とこうして肩を並べて戦に出ることができて――――?(……あれ?そもそも月光仮面ってそんな銃撃戦が得意な一面あったっけ…?…まいっか☆)……あ…急いで飛び出してきたものだからついうっかりしてました…!うさぺろっっ☆(・ㅅ<) 」
メディ「……ユリアナ様…これはいったい……?(狼狽する彼女に対し、あまりの突然の状況に静かに困惑している) 」
ユリアナ「わ、わ、わかんないよ。さっきまで普通に喋ってたのに…… 」
天王寺璃奈「……そっか…(ヒロの答えに俯きかける)…「形あるものはいつか壊れていくもの」、それが諸行無常だって…しずくちゃんと古典のお勉強していた時、そう教えられた。どんなに大事に抱えていても…一生無くさないでいようって思いこんでいても、それでも、壊れてしまう… それはモノであっても、人間であっても、全部、同じこと…仕方のないことだって、わかってる。……大事なのは、そういうことに直面した時、自分はどう思うか…だと思う。…私……私は…何を、思うんだろうね……(どことなく伺わせる不安な顔色と共に零れる謎の弱音をヒロに吐露する) 」
無線『迫りくるUFOを撃ち落とせ!UFOに侵略されたら訓練中止だ/ごめんなさい。今まで黙っていたけど、私のお腹にはユリアナ・・・・・・アナタの赤ちゃんが……/俺以外スマブラをやるなッ!!(次々と発せられる不明瞭な発言。もはや文脈を破壊しながら単語を増殖させている壊れた機械そのもののようであった) 」
月光仮面「俺には無限バンダナがある。仲間の弾がなくなったらすぐに伝えろ(常にユリアナの動向を注視する。その異常に予測が付いていたと言わんばかりに、深めに被ったターバンの陰で眉をひそめた) 人間は継承し続ける。文化を、思想を、営みを……嘗ての時代にあった当たり前がそうやって時代を超えて残されていく。そういった事のために、デジタルという魔法がある(璃奈のやり取りにも耳を傾けていたのか、これは独り言だと言わんばかりに背を向けたまま) 」
無線副音声『盛るペコって言ってるんだ畜生おおおおおおお!!!!!!(割り込もうとしたけどだめだった害獣の音声です)』
レオモン「……………。(走りながら後ろで話しているヒロと璃奈の会話を聞いていて、心に何かを秘めていた…) 」
メディ「……―――― ピロリ、ピロリ…(不審に思い、衛星ゼアのデータベースにリンクする。そして、今通信をしている相手「レーメ」と「プルシュイ」なる人物の情報を検索するが…)――――!(情報を検知したその瞬間、目をカット開かせ驚愕の色を露わにする)………ユリアナ様。一つお聞きしたいことが。貴女様は、レーメ少佐とプルシュイ博士と直接お会いしたことはございますか?」
ユリアナ「ちょっと少佐!博士!一体全体どうしちゃったの!?(なおも叫び続けていたが、ここでメディの質問にピタリとそれはやみ)……え、あったこと?そりゃあ……(これまで過去のことを思い返してみる。VR訓練を行う施設においても、私生活の中においても、少佐の姿を見たことはない。そればかりか博士に至ってはこの作戦で出会ったばかりだ。彼女はふたりの顔を全く知らない)……ねぇメディ、それが、なんの関係があるの?ねぇ、教えてよ……なにが、起こってるの?(ワナワナと瞳を震わせながらも問う) 」
ヒロ「………(璃奈の様子を見て)……それはその時にならないとわからない。ただ………君は1人じゃない。もし君がその状況に直面したら、俺も力になる。だから、その時は…頼りにしてくれたら嬉しいな(璃奈に)…(何かを思うように一瞬目を閉じる) 」
メディ「……(心の底から仲間として判断したばかりの相手に、この事実を告げようか躊躇いの色を伺わせていたが…)…その、大変申し上げにくいのですが…冷静にお聞きください。たった今、衛星ゼアより「レーメ少佐」と「プルシュイ博士」の名前を検索したところ…真っ先に享年データにリンクしました。お二人方は――――"1511年11月5日に殉職された"とのことです。リューズ島の離れ小島にある「墓標島」に、今も尚お二人の墓が建てられているそうですが……(驚愕の事実を、静かにユリアナへと突きつける) 」
天王寺璃奈「……ヒロさん… ………うん、ありがとう……(ヒロの優しい言葉に少しだけ表情が柔らかくなったような気がした)……?(そんな中、メディたちの会話に耳を澄ませて傾げる) 」
ユリアナ「………――――――(メディの言葉を聞いた刹那の時、すべての音が掻き消えたような気がした。それはまさしく聖杯の暴走に関わる西暦であり、そこから500年という長い年月がある。事実を知った瞬間、彼女の表情は絶望のそれへと変わる。まるで得体の知れない気配に魂を鷲掴みにされたように)……嘘、えぇ、嘘よ。だって……だって私は、私は命令で……。そ、そ、そうよ。きっと同名の人なんだ……。ハハハ、そうに決まってる。いや~変な偶然もあるもんだね。(冷や汗を流しながら、カタカタと瞳を揺らしてぎこちない笑顔を作りながら)じ、じゃあ仮にさ、仮にそのふたりじゃないとしたら、私と話をしてたのは誰? 」
メディ「最初にユリアナ様とお会いした時、貴女は「『天の聖杯の保護団体』に雇われたエージェント」だとおっしゃいましたね。その時点で私の中で疑念があったのですが…それはまた別の話として。…お二人の御遺体が眠る
リューズ島とは、天の聖杯であるヒカリ様が生み出され、長年封印されていた場所です。そして、500年前…その島では天の聖杯による暴走により、尋常ではない大被害が齎された。当然、当時の関係者にも大勢の死者が出ました。墓標島なるものが急遽無人島に設立されたくらいですからね。 」
メディ「……ユリアナ様から周波数を合わせていただき、通信源を確認したところ―――(ここで、今まさに向かっている月待塔へ視線を向ける)―――あの塔にあるメインコンピューターから発信されているのが確認できました。……これが彼らの仕業とするならば聊か矛盾点もあり、その動機も不明。いずれにしましても、ユリアナ様…貴女が慕っていたお二人はもう、この世には存在しない。今貴女が交信しているのは、お二人を装ったコンピューターでしかありません。 」
天王寺璃奈「……メディ…それって、どういう……じゃあ、ユリアナさんは…今まで……(驚愕の真実に、ほぼ無関係であった自分も他人事ではないように目を丸くし出した) 」
ユリアナ「え、え……え?(メディの視線の先の塔を見上げ呆然とする)……ちょっと待って、意味わかんない。は?メインコンピューターが?今から私が壊しに行くあれと? ……なによそれ。信じられない、信じないッ!! そんな、馬鹿な話があるっていうの!?(思わず声を張り上げる。酷く混乱しているようで頭を抱えている) 」
うどんげ(月戦型)「……ピク…(うさ耳を揺らし、メディとユリアナの会話を距離を取った箇所からバッチ聞き取っていた)……何やら不気味な予感がしますね。あの塔に行けば真相はすべて明かされるとは思いますが… 」
メディ「……(頭を抱えるユリアナの両肩へそっと手を伸ばして倒れないように支えながら駆けだす)百聞は一見に如かず…鈴仙様の言う通り、我々が目指す先に、真実は必ずあります。向かいましょう。 」
ヒロ「…………(璃奈の表情を見て安心したような表情を見せる)……君は、何者だ?(ユリアナに) 」
ユリアナ「……ッ!!(メディの手から伝わる心に、ほんの少しだが理性を取り戻す)――――月待塔。そこに……行けば。(迷いあれど、進むしかないと決意し歯を食いしばった)―――わかったわ、行きましょう。 」
~~~~♪(その時、風に乗ってサックスの音が聞こえてくる。誰が聞いても見事な音色で、それはまさしく一行を誘い込むような優美さを醸し出していた。)
ライラック・レイブン「(瓦礫の上で一行に背を向けるように座りながらの演奏)――――(サックスを吹き終わり、そっとしまう)随分と派手にやらかしやがったな。お陰で本部は大混乱。今も対応に追われているらしい。テメェらの執念深さ、ムカつきはするが嫌いじゃあない。いいね。叩き潰し甲斐があるぜ(すっと立ち上がり巨大な翼を目一杯開く))」
エースバーン「―――ッ…!?(聞き覚えのあるサックスの音色に足を止める。聞けば心地は良いかもしれないが、自分にとっては雑音以上に耳障りなその音色に表情を歪めた)……こいつ…まさか―――!(戦慄が流れてくる方角を見せる) 」
あなた「……!!(サックスの音色とともに姿を現わしたレイブン。彼との再会に自身も足を止めてその目に対峙の意を示す) 」
キャロット「あっ…!あいつ…私たちのことを待ち伏せしていたんだ……!(翼を広げるレイブンに拳を突き出すように身構える) 」
月光仮面「—————(ライラックレイヴンの姿を視認し足を止める。初対面ではあるが、『生前』に対峙した敵の面影を重ね小さく舌打ちした)『アーチャー』が世話になったな。仇討ちは好まない、潔く道を開けてもらおう 」
レオモン「……!む………何だ?(サックスの音を耳にし、同じく立ち止まる)―――――――! 貴様は……! 」
サイボーグ忍者「ザ——————(ライラック・レイヴンの参戦に合わせるように塔へ続く道に一体のサイボーグ忍者が立ちふさがる。奇しくも『エレンベーカー』が装着していた機体と同一のものであった)————この先には運命しか存在し得ぬ。偶発も必然も、貴様らを味方することはなく、月光を仰ぎ見堕ちゆくのみよ。尚も通りたくば、押し通る意志を示せ(背に携えた『長刀』に手をかけ、バイザーのメインカメラ部が怪しく光を灯した) 」
天王寺璃奈「……大丈夫。私たちが、ついてる。(因縁の敵と対峙する「あなた」へ、宥めるような優しい声音を送る) 」
メディ「…やはり、来ましたね。(迎撃隊の出現は予測していたものとして動じず、緩やかに武器を引き抜く)たとえ、運命というものが味方をしなくても…我々が主様の味方となる。ホムラ様を救出したいと願う主様の為…ここは身を引いていただきます。 」
ライラック・レイブン「(くるりと身を返し、一行を睨みつけながら)お前等が俺の相手、か。おっと以前ブッ飛ばした奴も見かけるなぁ(「あなた」とエースバーンの姿を見て)道を開ける?そいつぁ無理だ。なぜなら、お前らは俺を、倒せないッ!!(その掛け声と同時に無数のゾンビ鴉が一斉に上空へと飛ぶ)お前等は朝焼けの空を見たことがあるか?―――綺麗だよなぁ。だが、その中で死者の魂が鴉たちについばまれるのはどうだ? 見たことがないだろう? 俺は、ある。そのとき、俺は至高の痛みを覚えたッ!!―――痛み(ペイン)、そう痛み(ペイン)だッ!! 痛みを覚えろッ!! ――――朝焼けの空で、お前等の魂を鴉共の餌にしてやるッ! 」
うどんげ(月戦型)「 チ ャ キ リ … (敵の出現にマシンガンを構える)…―――欲しがりません、勝つまでは。 援護射撃はお任せを。(決意に瞳を輝かせる) 」
サイボーグ忍者「——————フッ 其方の決意は堅いものと見える。肉は雛のものにあっても、獅子の牙を内に秘めたるものか。言葉は不要なものと見える、よかろう。だがしかし——————『貴様はどうだ』(ユリアナへ『無線』が繋がる。延々亭で聞いた音声と同一のもの、目の前で敵として対峙する忍者が音声の主である事実を示していた)『天の聖杯はいざ知らず、貴様も大概よな。貴様は先に進むか、己の意思で、己の足で歩めるか』 」
レオモン「む……(立ち塞がるサイボーグ忍者を前に、身構える)その物腰……貴様が何者かなど、もはや問うまい。我らの行く手を阻むというのであれば………全力で押し通るまで!(腰に携えた「獅子王丸」という『妖刀』に手をかけ、サイボーグ忍者めがけて駆け出す) 」
あなた「……――――!(璃奈の言葉を背に受け、彼女に作ってもらった戦闘用のシューズで月面を強く踏み込み、月へ跳ぶ兎が如くレイブンへと跳びかかる。奪われた大切なものを取り戻すために、二度と奪われないために、強い"決意"を抱きながら―――) 」
これは、レジスタンスが月待塔へハッキングを仕掛けるより数分前の出来事―――
― 月待塔・三十夜「月宮殿」 ―
戦極凌馬「キュッキュッキュッ…(ペンを手にクリア板で小難しい計算式を羅列している)……ふむ…これならいける。 」
戦極凌馬「天の聖杯が使役できる大型機動兵器「僕」(デバイス)… 元々は扉〈ゲート〉を守る為にトリニティ・プロセッサーが開発した兵器であり、それ以前の人類が開発してきた兵器を遥かに凌駕する力を持っている。最大の特徴は駆動に必要なエネルギーを扉〈ゲート〉から直接取り出す事のできる「スレイブ・ジェネレーター」を搭載している点であり…これによって稼働時間の制約から解放され、兵器としての戦闘力も飛躍的に向上する…! 」
戦極凌馬「そして最大の懸念だった、天の聖杯の力を得た人間と僕(デバイス)の同調の可能性… だがこれも、月の都の科学力と私の才能をもってすれば、たとえ疑似的なコアクリスタルであっても何の問題もなく同調が可能となるはずだ…! 」
戦極凌馬「さぁ、こうしちゃあいられない…すぐに天の聖杯からエネルギーを抽出しなければ―――」
コ ツ … コ ツ … コ ツ … ―――― (興奮する研究者の男を鎮めるかのように、何者かの足音が空間に響き渡る)
サガラ「―――― よぉー、随分熱狂されてるじゃねえか。ええ、プロフェッサー?(そこにいたのは、今じゃ世界的に有名なDJの男。だが、普段のような軽快な服装ではなく、エスニックな民族衣装のようなものを纏い…その雰囲気はがらりと変わっていた) 」
戦極凌馬「――――!(見覚えのある男の登場に、意外そうに目を見開いた)……君は… 「DJサガラ」か…?まさか君もこの世界に誘(いざな)われてたとは…――――いや、君のことだ。誘われたのではなく…"自らこの世界に踏み込んだ"というのが正しいか…… いやそれよりも…君がここに来たということはまさか…彼女自身がこの世界における「黄金の果実」だとでも…?(真偽を確かめるように彼に指をさしながら詰め寄っていく) 」
サガラ「…さあなぁ。(はぐらかす様に軽やかな笑みを零す)…だが、果実による淘汰圧とは異なる可能性を、この世界に見出しただけだ。……そこの娘と少し話がしたい。……いいよな?(凌馬の疑問を一蹴するような真顔を浮かべて) 」
戦極凌馬「……んまあ…君ならば、いいだろう。(DJ…否、その姿を装った"超越者"であるサガラが余計なことはしないことを既に理解しているのか、大人しく身を引くようにその部屋を後にする) 」
サガラ「……よお、久しぶりだな。(踵を返し、囚われているホムラの方へ声をかける) 」
ホムラ「……あなたは……(閉じていた瞳を開け、目に映るサガラにゲームショウで出会ったことを思い出す) 」
サガラ「……お前さん、日記をつけたことはあるか?そいつは、明日の自分が、以前の自分を知る手段だ。肉体を失った魂は、生前の記憶を失い、再び新たな血肉を得て現世に生まれる。その生命(いのち)の流転により、魂とは永遠に存在し続けるもの…だが、"個"としていられる時間ははるかに短い。 」
サガラ「誰かさんのように、その時間を、以前の自分を書き留めておこうとする者も少なくはない。…無意味なことだと分かっていても、な。魂に戻った時、その所在は流転する。せっかく培った思い出も、記憶とともに失われていく。古からの遺産としてその所在が定まり、公式な記録も残るお前は…ある意味、幸せなのかもしれない。 」
ホムラ「……覚えているからこそ、つらいこと、苦しいことって、あると思います。私の場合は特に…そう… コアが存在する限り、寿命は永遠。その永遠の時間を、記憶のせいで苦しみ続けるとしたら……―――― 忘れることができるのも、幸せなんじゃないかって…(悲哀な眼差しを浮かべながら目を逸らす) 」
サガラ「…「あいつら」と過ごした記憶を忘れちまうのも、幸せだというのか?」
ホムラ「――――! ……それは……っ……(逸らした目をサガラに突き付ける。だが、その双眸は激しく揺れている) 」
サガラ「お前の本意がどこにあるのか、俺には想像することしかできない。だがな…お前は、「あいつら」の仲間だ。あいつらを認めるのならば、お前のすべてを話しておくといい。……それができないのなら、お前は…あいつらと一緒にいるべきではない。 」
ホムラ「…私は―――― 」
サガラ「…「あいつ」のことを大事に"想う"のなら尚更だ。真実を話せば拒絶されるかもしれない。それを恐れるのは分かる。だがな、真実を知らされないままそれを知った時の「あいつ」の悲しみも考えてやりな。 」
ホムラ「……何でもわかっちゃってるんですね…(自嘲気味に弱弱しい笑みを零す)…でも、私はやはり…「あの子」の傍にいたら… 」
サガラ「お前は、天の聖杯として大いなる力をもってこの世に生まれた。強大な力に自分自身さえも呑み込まれ、我を失い、再び何かを失う怖さを誰よりも知っている。だからこそ、お前はその身を捧げて塵芥に還ろうというのだろう。それが罪滅ぼしとして、当然であるかの如く。 」
サガラ「……だがな、いい加減に気付けよ。お前が憎んでいるのは自分自身でも、自分を生み出した存在でもない。 希望の対価に犠牲を要求する、この世界のルールそのものだ。…そんなルール、ぶっ壊せ。ぶっ壊して、世界を変えろ。力をもって示せるのは破壊だけだからな。 」
サガラ「それにな…ここまで共に過ごしてきた「あいつ」は…この世界の普遍に左右されない純粋な心を持っている。 あらゆる常識を覆すかのように…"不可能というものを破壊し、新たなる可能性"を導き出してきた。ああいう人間の末路は、二つに一つだな。その人生(みち)半ばでくたばってしまうか、あるいは…本当に世界を変えちまうのか… 」
サガラ「…「あいつ」なら、本当に連れてってくれるのかもしれないな――――― 『 楽園 』に。 」
ホムラ「……『 楽園 』…―――――― 」
私を…―――― 『 楽園 』に連れていって。
私の命を半分あげます。そうすれば、あなたは生き返る。私の…「天の聖杯」のパートナーとして―――…どうします?
"ここ"に来れば世界を…いつか滅びゆくその運命の呪縛から解き放たれる。
もう、未来に怯えなくても済む…そんな、誰もが幸せに暮らせる時へ…
聞こえます、あなたの「声」が。だから私も、その「声」に応えます。
成すべきこと、成したいこと…私たちで果たしましょう!!
ホムラ「――――(瞑目する中で蘇る「あなた」との出会いに、自分自身の存在を改めて確かめようと"想い"を綴らせる―――)………サガラさん、あなたは、いったい… 」
サガラ「…歴史と共に人は進化するのか、それとも退化するのか。俺はその時代の遷移を監視(み)てきただけだ。…時の変節と共に人は変わる。「あいつ」なら、世界の「 声 」が聞こえる。この朽ちていく世界を救える。…だからこそ、お前はその傍にいる必要があるんだよ。」
ホムラ「…「あの子」…が……? …私が…「あの子」の…傍に…―――(それは望みでもあり、躊躇いでもある。未だそのことに葛藤しているのか、声音は尻すぼみになっていく) 」
サガラ「お前と同調したということは、そういうことなんじゃないのか?(フッ、と軽やかな笑みだけを残して男の姿は瞬く間に消え去った―――) 」
ホムラ「…あっ……!?(ふと目を逸らした隙に忽然と姿を消した謎の男を目で追おうとするが、その気配を失うと再び項垂れてしまう)………私は……―――」
― 月の都・市街地 ―
――― Vs. ライラック・レイブン / サイボーグ忍者 ―――
あなた「……!(跳躍後、折りたたんだ足を振り抜こうとするとその運動に作用してシューズの踵部位からエアーが噴出。レイブンに向けて勢いの付けた爪先蹴りを見舞った) 」
エースバーン「――― 行くぜッ!!(意図せず「あなた」へ続くように地を蹴り上げて瞬く間に距離を詰め、レイブンへ灼熱を纏う足で跳び蹴りを繰り出す) 」
メディ「――― ジ ャ キ ン ッ ! (プログライズホッパブレードを片手に振り抜くと、サイボーグ忍者へ一目散に駆け出し)―――はっ!ザキィンッ、ザァンッ、ザキィンッ!!(上・中・下段と三度振り抜いて攻めていく) 」
ライラック・レイブン「はっ!!バカの一つ覚えが。やっぱりつっこんできやがったか!(翼をはばたかせながら)そぉらぁ!!(翼で強風を吹かせふたりの行く手を遮りつつ)ウィーン…カシャンカシャン……(体の各部位から銃器やら小型ミサイルが飛び出て)吹っ飛べッ!!――――ズドドドドドドドドドドドッ!!!(炎を司る近代兵器の粋が襲いかかる) 」
キャロット「“エレ爪(クロ)”…ッ!!(帯電したグローブから稲妻を放出しながら、メディと連携を組みながらサイボーグ忍者へ殴りかかる) 」
あなた / エースバーン『――――!?(二人の蹴りがレイブンへと届く寸でのところで吹き飛ばされるも、共に地面へと着地する)……! / とっ…!(熱を纏う重火器による攻撃を、「あなた」は右へ、エースバーンは左側へと駆け出すように避けていく。その軌跡に空ぶったミサイルが爆炎を上げるも、その爆風に吹き飛ばされることな悪、二人はレイブンを囲むように尚も駆けだし続ける)』
月光仮面「フォローする、思うように仕掛けろッ!(エースバーン、あなたの間をすり抜けるように前に出、『赤く発光する手榴弾の束』を左右両サイドへ投擲する) ガコンッッッ (赤い手榴弾は弾けず、真ん中がが二つに割れ、間から絶えず高温の熱、そして『生体反応』を発し) ギュ ン シュボボボボボ(ミサイルを引きつけるデコイの役目を担う 」
ユリアナ「―――!!(無線を受けとり、しかし今の彼女には答えられず)……『自分の意思で、ってなによ。自分の足でってなによ……そんなの、わかんないよ。私の信じたもの、全部嘘だった…じゃああの訓練所はなに? 私は何の為に軍人やってるの? 意味、わかんないよ!(半ばやけっぱちで自分の想いをぶつける)』 」
サイボーグ忍者「真に獅子が現れるとは奇優な縁もあったものよ。(単純な”腕力”、そして検圧はレオモンが遥かに勝る。加えて、その太刀筋は充分に一流の域に達するものであったが————)————— スル (予備動作なく長刀を抜いて水平に構え、レオモンの斬撃を峰の上で『滑らせる』ことで難なく受け流すどころか)では、技を返すとしよう。存分に受けられよ(レオモンの『魔剣』が纏う『冷気』『炎』を長刀に纏わせ、X字の交差斬りのみでメディ、キャロットの斬撃を払いのけてみせる) 」
ヒロ「………(土刀を構える)うらぁぁぁ!(土刀を生成しては投げてを繰り返し、弾幕を張るようにサイボーグ忍者に迫る) 」
ライラック・レイブン「相変わらずすばしっこい奴らめ。だがそれを捕らえられないほど俺は甘くない!!(両手を左右に。「あなた」やエースに向けるように広げ、掌から熱光線を発射する)……ッ!野郎、随分と火器に精通してやがる……なるほど、そういうエキスパートか。(月光仮面の適切な判断に感服する。鴉の瞳が白いターバンの奥を見据える) 」
メディ「っ……!(咄嗟に水平に構えた刀身で冷気を纏う斬撃を防御し、その反動に吹き飛ばされるも―――)――― ジ ャ キ ィ ン ッ! (浮かされた宙でスカートがふわりと広がると、その内側より無数の注射器を象ったミサイルが突出。)―――― ド ド ド ド ア ァ ッ !(掌を突きつけると、ミサイルは複雑起動を描きながら一斉にサイボーグ忍者へと飛んでいく) 」
キャロット「わわわっ、あちちっ…!!(火炎を纏う斬撃をグローブで受け止めるもその熱波に火傷しそうになる) 」
あなた / エースバーン『バチバチバチィッ…―――― ヒ ュ オ ッ ! / そぉらぁッ!!(仕込み装置によってエネルギーチャージされたシューズで大地を踏みしめて飛び上がり、熱光線を跳び越えると共に回し蹴りを繰り出そうとする「あなた」に対し、エースバーンは螺旋する火炎を脚部に纏いより高熱化した蹴りを炸裂させようと熱光線をスライディングで受け流し、二人同時に反撃の一手を見舞った)』 」
うどんげ(月戦型)「行きますよー! ガガガガガガッ! (マシンガンによる後衛からの援護射撃をサイボーグ忍者の背後へ見舞う) 」
レオモン「ぬっ……(斬撃を受け流され、バックステップにより後退)それほどまでに獅子たるものを希望するか。ならば………―――――――獣王拳!(再びサイボーグ忍者へと駆けながら強靭な拳を突き出し、獅子の顔をした衝撃波を放つ) 」
ライラック・レイブン「――――ッ!?(奇襲と言わんばかりに放った熱光線。しかしそれを初見で回避するふたりの姿に目を見開き)―――ズガアァアアアアア!!(瞬時に鋼鉄の翼を閉じて防御。ガチガチを音を立てながらも)―――行けぇ!!(突然の指示。すると宙を舞っていたゾンビ鴉たちが一斉にふたりに襲い掛かる。もはやつつくや斬るでは生温い。完全に捕食する為その血肉を喰らうように嘴と爪を突き立ててくる) 」
サイボーグ忍者「 『理由が欲しいか?他者にそれを求めるか。くだらぬとは笑わん、だが『弱い』な。貴様にとって他者とは『靴』に過ぎぬようだ。その有様、『特等席』で見ているがいい』(方に長刀の峰を乗せ、追撃は仕掛けずただ次の攻撃を待つ。徹底して己から『仕掛ける』つもりはないように見える。ただ、この状況下にあっても体内無線から声を発しない交信をユリアナと続け……) フォ ン (『一振り』に見える薙ぎ払いを空振りさせ、何事もなく納刀) 」
サイボーグ忍者「 キ イ ィ ン (刹那、世界は色を失ってブラックアウトし、唯一の光である『無数の斬光』が駆け抜ける。世界が色を取り戻した頃には、メディの放ったミサイルは悉く『周辺に並ぶビルごと』豆腐のように容易く解体されていた) さぁ、次だ。剣に身を捧げたこの命、私は誰の為でもなく『己の為』そのように生きて来た……さて、若人よ。重ねて意志を問おう。貴様は意志なき『公』か?林の中にあろうと歩む『私』か?心技体全てを尽くして答えよ。さもなくば先に待つ『あの男』には遠く及ばぬぞ 」
あなた / エースバーン『なっ…お前…! / ……♪(偶然にも息の合った攻撃を繰り出す「あなたに驚くエースバーンは、不覚にもフッと表情を綻ばすのだった―――)―――足手まといに何じゃねーぞ! / ……!(まだ互いのことを理解し得たわけではない。けれど、共通の敵を打破したい意志だけを理解し合った二人は大群のゾンビ鴉を前に大胆不敵な態度で身構える)』
あなた / エースバーン『 フ ォ ン ッ ―――! / ……!!(そんな大群の鴉を前に、二人は真っ向から突撃する。烏共をこちらという「ボール」を狙ってくる敵チームのように見立て、軽やかで抜群のフットワークを発揮しながら烏共の突撃を次々と掻い潜っていく、プロサッカー選手顔負けの神業を二人ともにやってのけていく)』
月光仮面「生者に集る烏などいない(アサルトライフルへ装備を瞬時に持ち替え、エース、あなたへ襲いかかる烏を撃ち落とすべく援護射撃を続ける)くっ……MF部隊以外にあのような精鋭が控えているなど聞いていない……このままで埒が開かない 」
ユリアナ「―――(サイボーグ忍者の声に無線内でも現実でも閉口するしかなかった。そればかりか――――)…(いっそこのまま……)(手に持っている銃を見る。これを手放し踵を返して一目散に逃げれば…) 」
メディ「 ス タ ン … ――――(優雅に地へ降り立つと同時にスカートを撫で払う)……ユリアナ様…(ユリアナと共有している無線から忍者とのやり取りを視聴しつつ、彼女の横顔を静かに伺う) 」
ユリアナ「―――(サイボーグ忍者の声に無線内でも現実でも閉口するしかなかった。そればかりか――――)…(いっそこのまま……)(手に持っている銃を見る。これを手放し踵を返して一目散に逃げれば…などという魔が差したような考えがよぎる。)でも、ダメ……それは出来ない。なんでか、わからない。それはやっちゃダメって。……進まなきゃいけないッ!私には、戦う理由がわからない。でもッ!それでも、この銃が、今こうして戦っている人たちの『未来』に繋がっているというのなら!!(ジャコン!と構え直し、彼女はサイボーグ忍者へとその銃口を向ける) 」
ライラック・レイブン「(前に戦った時より動きがいいだと?なぜだ。アイツ等は病み上がりなはず……だが)お前等がいくら足掻こうと、この鋼鉄の身体を砕くことは出来ないッ!!(ゾンビ鴉たちが巻き込まれてもかまわないというような、銃弾の雨をふたりや月光仮面に振らせていく) 」
メディ「ユリアナ様――――…それでこそ、です!(意を決した彼女へこくりと頷くと、ぐるんと武器を振り回しながら構え直し、再びサイボーグ忍者へと斬りかかっていく) 」
あなた / エースバーン『―――“フェイント”!!(エースバーンの目がカット開く。容赦なく降り注ぐ銃弾の雨が全身に被弾―――したように見せかけ、そのスローモーションの最中で銃弾さえも手玉に取るような軽いステップを刻みながら攻撃を退かせ―――)――――!!(そんな先陣切って"盾"を演じていたエースバーンの背後に潜んでいた「あなた」は自ら"剣"となるが如く彼女を跳び越え、距離を詰めたレイブンに不意打ちの踵落としを炸裂させた)』
サイボーグ忍者「ふむ、面妖な術よ。なれば術氏殿より借り受けたこの力……存分に使わせてもらおう(長刀に『ルーン文字』を浮かび上がらせ、レオモンの放った獅子面に切っ先を突きつけ)ふッ—————(獅子面の炎を先端に纏わせた横薙ぎを、半円を描くように振るい、うどんげの弾丸を悉く焼き溶かしながら彼女へ波状攻撃を行う) 」
サイボーグ忍者「未来か、面白い(ユリアナの交戦意志を確認するやようやく『一歩』前へ歩み出た)では重ねて問おう!『クラウス』は『善性』なる願いを持つものだと先に告げておこう。それが正道であろうと非道であろうと、彼もまた、悲しくも内に折れぬ剣の如き在り方であった。『未来』『仲間』『絆』結構なことだ。しかしそれなくして、貴様らはいかにして歩む。その在り方はもはや……————— 」
サイボーグ忍者「——————己の為の願いという熱を失ったまま、ただ他者の願いを踏みにじるだけの破壊者に見えるッ!!(残像を無数に残すような流麗、且つ複雑怪奇な動きでメディ→キャロット→レオモン→ユリアナの順で駆け抜け) ギュ オッッ!!!!(移動する際に残して来た『残像』がそれぞれ斬撃を放って来る) 」
キャロット「わっ…すごいや…!ラビーと「あの子」、いつの間にあんな息の合ったコンビネーションが取れるようになったんだろう…!?(数時間前にキャンプで仲たがいしていた二人とは思えない快進撃に仰天している) 」
メディ「(―――!)――― ギッ、ガッッギンィンッ!!(予測演算によって垣間見た斬撃の軌道を感知し、咄嗟に逆手に持ち替えた武器を振り抜きながら斬りかえしていく) 」
ライラック・レイブン「――――なにぃ!?(本来こんな短い期間でのコンビネーションはありえないものとし、度外視していた。その虚をつかれ、レイブンは不意打ちとなる踵落としを受けてしまった)バカなッ!―――あれだけの弾丸を、あんなにも簡単に(バチバチバチッと彼の中で怒りの感情が沸き上がるも……)カッァァアアアアアアアアアア!!(大声を発することでそれを跳ねのける)あぁ認めるよ。お前等は本当に奇妙な奴だ。そして"強い"。だからこそ、だからこその手段として、俺もこれを使う。お前等が陰でこそこそやってたように、俺もまた陰でコソコソやってたのさッ!!(そう言うや飛び上ると、クルンと背中を向けて) 」
月光仮面「 フッッ—————(レイヴンの攻撃が肩、太腿を抉る。呼吸法で痛みを紛らわせつつ物陰へスライディングし、武器を狙撃銃へ切り替え構え直す。スコープにレイヴンの姿を捉えるつもりだったが、抜群のコンビネーションを発揮するあなた/エースバーンの姿に目を見張った)これもまた戦場における一つの在り方ということか 」
ユリアナ「―――なッ!(その卓越した剣、その証である残像に目を見張った直後)ザシュウウウウッ!(脇腹を深く斬る)あぐぅうう!?(焼けるような痛みに顔を歪めるも)ズドドドドドドドド(サイボーグ忍者に向けて連射を行う) 」
ライラック・レイブン「――――(そのまま戦場を離れるように遠くへと飛んで行ってしまった。逃げたのかと一見思えるがあの執念深い男がそんなことをするはずがないと、誰もがそう直感できる) 」
キャロット「きゃあぁっ!?(交差したグローブで辛うじて斬撃を受け止めるも圧倒されてしまい、後方へと吹き飛ばされる)……難しいことは分かんないよ…でも…っ!どんな理由であっても私たちの故郷(ふるさと)を傷つけるような奴は許さない…!(ぴょんっと高く跳び跳ね身に纏うマントが夜空にはためく中、グローブの爪を振りかぶって稲妻の斬撃波を飛ばし、忍者にその爪痕を残さんとする) 」
あなた / エースバーン『へっ……人間のくせにやるじゃん… / ……!(憎まれ口を叩くエースバーンに「あなた」は陽気に手を上げる)……!?(突然戦線離脱して飛び去っていくレイブンに、二人は違和感を感じて硬直する)』
ライラック・レイブン「――――(現戦場より遥かに離れたビルの上)やっぱりコイツを使う羽目になるたぁな(屋上に用意していたのはレイブン専用の兵器。身体の部位に装着することにより一層破壊力のあるミサイルや光化学兵器を使用可能。さながらそれはモビルアーマーのよう。しかしそればかりではなく)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!(そのビルそのものが変形し始め、巨大な要塞のような形状となり、ミサイル砲、ガトリング砲等の戦略武器が装填されていた)―――――発射(ファイヤアアアアアアアアアアアアアアアア)ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!(掛け声と共に巨大レーザーやミサイル、ガトリング弾が降り注いでいく) 」
サイボーグ忍者「我々は人だ。国家や軍隊、思想……ましてや『他者』の為尽くすべく生まれたのではない(再び残影を残しつつ、メディの所持する剣の同じ部位へ寸分の狂いなく斬撃を浴びせ武器破壊を試み)意志なきものが束なったところでそれは延々とゼロを重ね合わせるだけの混沌とした虚無だ————(キャロットの放った電撃を初めて『刃を立て防御』する。細かい傷こそ残る代償として、『雷』を刀に纏わせる) 」
サイボーグ忍者「——————そうした『自我なき者達』が戦火の薪となり『M.F部隊』を生み出してきた。あの男の、クラウスの願いを捩じ伏せるだけの己があるか(雷鳴が月の都へ轟く。ただ一振りの横薙ぎ、それだけで輪状に斬撃波が広がりユリアナを除く敵対者を吹き飛ばす。 天候は『雨』へ代わり、地には『白い彼岸花』が咲き乱れた。戦場に出現した静粛の中、サイボーグ忍者とユリアナの両者のみが残される) 」
あなた / エースバーン『んなッ―――!! / ……!!?(レイブンの「切り札」に驚愕を隠せない二人はつい呆気取られてしまい、降りかかるすさまじい攻撃の嵐に咄嗟の対応ができずの見込まれてしまった)』
ヒロ「……!あれは…危ない!v攻撃の嵐を見て、璃奈をかばおうと飛び込む) 」
うどんげ(月戦型)「ちょっ……なんなんですかあれは!!?(レイブンと同期し変形する謎の起動兵器に愕然)ひいいいいぃっ無理無理無理!!!ちょーーーむりいいいいいい!!!(きゃー!と涙目に悲鳴を上げながら岩陰に隠れて重火器兵器による怒涛の連続砲撃をやりすごそうとする) 」
月光仮面「—————!!(要塞……爆撃機など生ぬるい、あれは空を制する要塞、デススターか……!?)出し惜しみをしている場合ではない……間に合え……ッ!!(レイヴンの姿を見るや、矢の如く前へ駆け出しエースバーン、あなたの前へ打って出、全身に雷が迸る)———————【宝具】——————…… 」
天王寺璃奈「……!?で、でかい……かすみちゃんの巨大かすみんボックスの数十倍はある…!(ぇ わっ――――!(ヒロさん…!?)(ヒロに庇われたことで二人ともに物陰に逃げ込み、レイブンの一斉射撃から何とか免れる)……あ、ありがとう、ヒロさん…今のは、とっても危なかった……っ…〖 ゜o゜ 〗 」
メディ&キャロット『うっ…! / ひゃぁんっ…!!(サイボーグ忍者の一寸の隙も無い反撃にあしらわれる様に吹き飛ぶ)』 」
┣¨ ォ ン (それは『インドラの矢の雨』地上を灰燼に帰す、文明が生んだ神の矢が如き兵器。 戦場において、それを受けて初見で生き残る術はない—————ただしそれは)
月光仮面「 —————【宝具 魔弾導きし鋼龍の咆吼<メタルギアレックス>】 (核をも耐える『盾』がある場合を除く。 レジスタンス一行の上には、『鉄の恐竜』が如き『二足歩行戦車』が覆いかぶさるようにして彼らの盾となっていた。被弾を受け見るも無残に焼け焦げ、装甲はただれ落ちていた) 」
ユリアナ「―――ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……(風が吹き、雨が降る。そして地には白い彼岸花。さらに異界めいた戦場にて、ユリアナはサイボーグ忍者の言葉を聞く)クラウスって奴が、何を考えてるかはわからない……きっと私なんかよりもずっと崇高な目的もあるんじゃあないかって。そう思えてくる。いや、もうこれは確信ね。きっとそう。命という意味でなら、死ぬべきは私の方なのかもしれない。だけど……(痛みを抑えるために医療パックより注射を取り出し部位に突き刺す)それでも運命に立ち向かおうとしている人達がいる。私は守りたい、そんな人達を。楽しんだり笑うのを、守れる『歓喜(ジョイ)』を感じたい。それが、私の…『使命』だ! 」
ライラック・レイブン「――――ハッ!!随分とデカいのやって来たな!だが……この空に爬虫類は及びじゃあねぇッ!落ちろ!!(さらに火力を強めた攻撃)――――ガシャン、ガシャンッ!!(装備の一部を取り外し、新たな装備があるビルへと移動し)――――ジャコンッ!!(巨大なビーム砲。それこそ宇宙で使われるような代物だ)ロックオン……、エネルギー装填、50%、75…85……98、100%!! 吹っ飛べぇぇえええええええ!!(極太の熱光線がレックスとその足元の一行にむけて撃ち放たれる。空間そのものを焼き切るように異様な音をたててそれは向かって行く) 」
サイボーグ忍者「—————先に小娘から受けた傷が思いの外深い……私が『忍』として戦えるのも僅かな時だろう。フッ、私は故郷に思い入れなどなかったが……なるほど、良いものなのであろうな(暴風雨に煽られる彼岸花の畑の中、火花を散らし軋む機体に構わず刃を水平に構える)————— 一撃で終わらせる、良いな(ユリアナの解を得て『満足』したように和らいだ声でそう告げる) 」
ヒロ「確かにな…ありゃあ、大きな要塞レベルだ。あんなものを個人で出されちゃあ、な…(額の汗を拭う)なんとか君を助けられてよかった(ほっとした表情で) 」
エースバーン「はぁ……はぁ……っ…―――あっぶねぇ…(月光仮面が咄嗟に展開してくれた大きな戦車のお陰で難を逃れ、止まりかけていた呼吸を取り戻す。そんなとき、ふと横にいた「あなた」へ静かに視線を向ける)……お前、ほんと馬鹿だよな……聖杯とやらの力も奪われてんのに、そんなもん(シューズ)に頼ってまであいつと戦おうとして… なんでだよ…お前はあんな奴と違ってサイボーグってわけでもないのに…下手すりゃあ冗談抜きで死んでしまうかもしれねえのに…なんで…っ…―――」
あなた「………(エースバーンの疑問に応える様子はない。だが、璃奈が自分の"想い"を汲み取って作ってくれたシューズにそっと触れながら、ただエースバーンの瞳を見つめ返す。その胸ポケットに、一輪の花「月の涙」が淡い光を零しながら揺れていた) 」
ユリアナ「―――――(覚悟を決めたように、彼女はおもむろに装備を脱ぎ始める。そして野戦服も脱いでタンクトップ一枚に。身軽になったぶん一撃でもいいのを貰えば危うい)……チャキ(しかしその表情に死を恐れるそれはない。取り出したのは大口径の拳銃)……来なさい、撃ち抜いてやる。 」
月光仮面「 ┣¨ ォンン…… ┣¨ ォ ン…… (音だけで骨に痛みを残す爆撃の暴風の中、レックスは得意のレールガンによる反撃をしなかった。否)…… ガク ン ッ(できなかった。操縦席に該当する恐竜の口が開かれ、中では搭乗者である月光仮面がターバンを赤く濡らし首をがっくりと垂らしていた) ズ ズル……(ターバンがずり落ちる。仮面の素顔は『月の都のヒーロー』なでおではない。ここではないどこかの『伝説の傭兵』うつまり、この場所における『無銘の男』でしかなかった) 」
サイボーグ忍者「———————(雨が瞬く間に止む。静粛した数刻に感ぜられる刹那の沈黙が流れる)——————————— ポツ (それを彼岸花から滴り落ちた一滴の雫が引き裂いた) ——————————— さ ら ば (ユリアナとサイボーグ忍者との間合いにある一切が『無』となった。彼岸花は消失し、ゼロ距離で、今まさに頚動脈を狙った袈裟斬りを仕掛けようとしている) 」
エースバーン「………(そんな「あなた」と月の涙を交互に視線を配り、先程涙の園で語り合っていた二人のことが過った―――)………仲間《パートナー》のためだって…そういうのか…… 」
あなた「……(静かに、強かに、小さく頷いてみせる) 」
エースバーン「……―――――!(「あなた」の素顔に、ある出来事が脳裏を過る――――) 」
―――……大丈夫…私が、みんなを守るから……っ…―――
エースバーン「――――(採掘場での戦い。ゾンビ鴉に襲われていた重症の自分――見ず知らずの他人であるはずの自分――を躊躇いもせず庇ってくれた、ホムラのあの母性的な微笑みが、「あなた」に重なった―――)――― ……へ…へへっ……ほんと、不思議だな…人間ってのはさ… どいつもこいつも自分勝手で…周りのことなんか見もしねえしよ…―――」
人間のエゴで捨てられた子兎《あの頃の自分》が泣いている。
そしてあの日の満月に誓った。誰の力にも頼らず強くなると―――
エースバーン「――― ……なのに…っ……俺は…(そう呟く中、懐からひとつのモンスターボールを取り出す。もうずいぶんと使い古されたのか、経年劣化でボロボロになっている丸いソレを見つめて、夜空へ浮かぶ満月へと仰いだ。いつか見た満月によく似た満月に、兎は自らの"想い"を馳せる―――)――― まだ、心の何処かで期待していたのかな……いつか、いつか…本当に心の底から信頼できる人間(やつ)に会える日を… 」
あなた「………(光沢を失ったモンスターボールに視線を落とす。けれど、満月の光に照らされたそのボールには、まだ輝きがあったことを「あなた」は気づく)……(まだ想いを捨てきれない兎にそっと手を差し伸べ…そのまま、彼女が手にしているモンスターボールに触れた) 」
ユリアナ「――――ッ!!(まさしくそれは達人領域。まだまだ未熟さを残す彼女にとって、そこは完全な生き残ることを許されない死地でしかない。だが、そんなときだった)スゥ……ッ(それは彼女の背中を押すように、「よく狙え」と言わんばかりに幻霊(なにか)が乗り移った)グァアアッ!!(突如、肩の力が抜けて完全な脱力状態に、そしてホルスターから一瞬にして先ほどの拳銃を取り出す。それはさながら早撃ちのガンマン。だが、リボルバーではないオートマチックでの早撃ちは向いていない。そこで……)ジャコ、ガシャン!(瞬時に銃を地面と水平に、そして初弾を手動で排莢。排莢しスライドがもとに戻った直後、――数発の銃声) 」
エースバーン「―――!(ボールに触れる「あなた」に、兎はその耳をぴくりと揺らした)……お前……――――(遠くから微かに聞こえる懐かしい声。まだ、外の世界を知らなかったあの頃――――) 」
じっくり考えても 良い!ヒラメキに頼っても いい!大切な『パートナー』を 選ぶんだ!そこの少年!君は誰を選ぶのかな!?
エースバーン「―――――――― 」
――――― キミは ボクと いこう ―――――
エースバーン「―――― ………お前が、俺を選んでくれるのなら………―――― 」
―――― キ ュ ガ ア ア ァ ァ ァ ァ … ッ … ! ! ! (ひとつのモンスターボールを取り合った二人が、みるみると眩い光に包まれていく)
サイボーグ忍者「———————————————— (銃声こそが最後の雷鳴であった。そう告げているかのように、雨雲に大穴が開き、彼岸花は風に煽られ異界の戦場は再び訛りの床を晒していく。ユリアナと背を合わせ、刃を振るい駆け抜けたままの状態で男は微動だにしない) カラン… カラン…… (折れて朽ち、床へ突き刺さる長刀の刃先、砕けたバイザーの残骸。それらは彼が『演じた』忍という枠割の終わりと敗北を示していた。 その『感慨』を噛みしめるように、ヘルメットを破壊され青の長髪を靡かせたその男は空を仰ぎ見薄く微笑んだ)————どうだ。大根役者の割には、よい演目であっただろう」
天王寺璃奈「―――――!(光包まれていく「あなた」とエースバーンに、目を眩ませることなく釘付けになってしまう) 」
ヒロ「……おっ………!!(光に包まれていく2人を見て)なんの光!? 」
ユリアナ「――――カシャン(最後の一発でジャムを起こし撃てなくなった銃を落とす)そうね。お互い『名前がない者』同士、初舞台にしては上出来だったんじゃあない……?(こちらも優しく語り掛けるように、柔和でどこか悲し気な笑みを以て) 」
あなた「――――(光が消失すると、傍にいたはずのエースバーンの姿は消えた。だが、その手にしていたモンスターボールは、かつての光沢を取り戻したように初々しい輝きを帯びていた)――――………!!!(そして、「あなた」はそのボールを満月に向かって勢いよく投げ飛ばしたのだった) 」
エースバーン(キョダイマックス)「 ド オ ォ ゥ ン ッ ! ! (「あなた」が投げ飛ばしたモンスターボールが次第に巨大化を始める。そして、その巨大なボールから飛び出したのは―――――レイブンが手繰る起動兵器にも匹敵するほどの巨大な火球に乗った、長いうさ耳を持つ大兎。夜に包まれた都に、今―――大いなる太陽が顕現された)」
キャロット「いたたっ……――――!?(立ち上がる最中、突如暮明の街を照らす昼間のような明るさに驚いて咄嗟に頭上を見上げた)……ラビー……っ…!!?(満月を背にする焔の大兎に驚きながらも、その奇跡の再誕を岩様な嬉々たる瞳を浮かべるのだった) 」
サイボーグ忍者 → 佐々木小次郎「——————ふ、推しの役者にお褒めに預かるとはな。『ファンの一人』としてはこれ以上にない誉れというものよ(装備がひび割れ風に乗って砂塵に帰る。普段の侍然とした和装で男は満更でもなさそうに苦笑した)—————忘れるな。其方の心が定めた使命は、其方が果たさねばならぬ。この私が剣にしか生きられなかったように、な…… 」
うどんげ(月戦型)「……ふふっ…ようやく、見つけたみたいですね。自分のいるべき本当の居場所が…――――(覚悟を超え、限界を超え、新たな力に覚醒した仲間の晴れ舞台に白い歯を見せる) 」
ライラック・レイブン「――――何、……だとぉ!?(巨大な太陽。その威厳に君臨する、かつて退けたポケモンが一匹)なんだ、これは……なにが起きている!? 」
月光仮面「なんだ……朝か…… (『陽はまた昇る』下手な目玉焼きを作っていた小さな少女の言葉が児玉した。 レックスの操縦席から見上げれば、そこには月野うさぎならぬ多様のウサギが、その巨体で満遍なく夜を照らしていた)—————。二度寝、させてくれないな…… 」
ユリアナ「―――――わかってる。もう、逃げないから。……それにしても、『ファン』か。フフフ、いつからそうなったのか聞いてもいい? 」
ヒロ「…すっげぇ、あれが…あの子の本当の…!(キョダイマックスとなったエースバーンを見て) 」
佐々木小次郎「(『たった今だ』————そう答えかけたが、どこか無粋のように感ぜられ)『生きて会えたなら答えを教えてやる』(憎らしい爽やかな笑みでそう告げると、一陣の風の如く瞬きの間に姿を消していた) 」
エースバーン(キョダイマックス)「(……いつか「お前」を見つけた時に、「お前」に俺も見つけてもらったんだな。感じるよ…「お前」に見つめてもらうだけで、傍にいてもらうだけで…魂(こころ)はこんなにも揺れている。こんなにわくわくしたのは…あの旅立ちの日以来だ―――)――― 決めるぜゴールを。俺と「お前」で! 」
あなた「―――――!!!(エースバーンの意思を汲み取り、「あなた」はその場でサッカーボールを蹴り飛ばすような動作で足を大きく振り抜く) 」
エースバーン(キョダイマックス)「 グ ォ ン ッ ―――――!(「あなた」の動きにリンクするように、大兎もまた蹴りの挙動に入り――――) 」
あなた / エースバーン(キョダイマックス)『―――― ! ! ! / ――――“ キ ョ ダ イ カ キ ュ ウ ” ッ ! ! ! (虚空を蹴り上げた「あなた」に合わせて、大兎はその"太陽"を目いっぱい蹴り飛ばした。大気をも焼き焦がす大きな業火球は疾風怒濤に突き進み、核を担うレイブン諸共、その大型兵器を焦がし屠る――――ッ!!)』
レオモン「ふ…… ……あらゆる柵〔しがらみ〕から解き放たれ、ついに、究極進化を果たした。そこにはもう、一切の邪念など存在しない。(キョダイマックスを果たしたエースバーンを見届けていた) 」
ユリアナ「――――(ふと、風が吹いた。振り向いてもう一度彼の姿を見ようとしたが、すでにそこにはいなかった。聞きたいことがあったような、だがそれを聞くのもなにか違うような…)……置いて行かれちゃった。ほんと……私の周りの人って、勝手な人ばかり(その柔和な笑みは崩れず、それでもちょっとスパイスの利いた憎まれ口。――また風が吹くと、彼女は花びらが舞い、鳥がこの月の都の上を飛んだような気がして、涙がひとしずく流れた) 」
ライラック・レイブン「――――こ、こんなものぉおお!!(兵器諸共焼き尽くされても尚、自身の耐熱性を活かし、その業火球を素手で受け止める)こ、こ、こんな、……こんなもの……こんなものぉお!(しかし徐々に押されていき、自身の身体も業火の中に沈んでいっている)チクショオォオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!) 」
ライラック・レイブン「ぐわぁああああああああ!!!!?(業火球の中で焼き尽くされていく。腕や足がもげ、翼も溶け落ちていく。ここまでくればもうダミーシステムもへったくれもあったものではない。作動しようにもすでに機能が耐熱限界を迎え故障)ぬぉおおおおおおお!!この、俺が!この俺がァアアアア!!!(バキバキバキバキッメギギギッ!!)俺様はぁあああああMF部隊のライラック・レイブンだぁあああああああああああああ!!!(朝焼けの鴉、それはその文字の通り、太陽によって跡形もなく消えていく) 」
エースバーン(キョダイマックス)→エースバーン「……へ…へへっ……(大いなる一撃を炸裂させたい兎はその姿が光に覆われて元の姿へと戻ると、力尽きたように大の字に肢体を広げて月面の地へと落ちていく) 」
あなた「―――― ズ ザ ザ ァ ー ッ … ! ( ガ バ ッ ! )(再び夜に戻った月の都の空から落ちてきた一羽の兎を、「あなた」は決死に受け止めた)……(腕に抱いた彼女に労いの眼差しを浮かべる) 」
エースバーン「―――――!(己を受け止めた「あなた」を虚ろ気な瞳で見つめる。かつて、共に旅立ちを誓った人間の姿が一瞬重なるも、すぐに現実の「あなた」としてその目にはっきりと映し出された)………兎は寂しいと死んじまうって…どっかの人間がそんな迷信を言ってたっけな… 今も昔も、そんなものを信じるつもりはねえよ。…けど……ようやく、わかったよ…―――― 「お前」も、俺も、ほんとは寂しかったんだろうな…(「あなた」の腕の中で満月を静かに仰ぎ見る) 」
あなた「……!(エースバーンの言葉に心理を突かれてしまったのか、照れ隠すように自分も満月を見上げる) 」
エースバーン「……天の聖杯…いや…あのホムラって奴に救われたお陰だ。…俺も、あいつを助けてやりたい。(「あなた」の腕から離れる様に立ちあがる)……行こう。今度は、「俺たち」が助ける番だ。 」
あなた「………!(ようやく理解し合えた喜びに、強かに頷いてみせた) 」
「あなた」たちの傍らにはレイブンの遺品であろうピカピカのサックスが置いてあった。
あれだけの規模の戦闘でありながら、まったくの無傷で置いてあったのだ。
あの演奏を聴く限り、きっと以前は優れたサックス奏者だったのだろう。
だが希望を絶望に変えられたことによって、すべてが歪められてしまった。
けして戻ることない日々、そして機械の怪物と化した自分を繋ぎとめる楔。
―――『思い出』の印だ。
― 月待塔・三十夜「月宮殿」 ―
ホムラ「………(十字架状に拘束された少女は、その瞳を閉ざしながら、クラウスやサガラとの交わしたことを思い返していた)………(そして、前方から聞こえてくる足音を聞き付け、ゆっくりとその瞼を開ける) 」
クラウス「(薄暗闇から現れるこの件の張本人。どこまでも冷淡な表情とバイザーからは以前のような感情の高ぶりは見られない)―――もうすぐで時間となる。覚悟はついたか?(静かに語り掛けながらバイザーを少し光らせる) 」
ホムラ「………その前に、一つだけ…聞きたい… 貴方は今も、この世界に絶望しているのでしょうか…?一縷の希望にも…その可能性にも…そんなものはどこにもないと、思い込んでいるのですか…? 」
クラウス「勘違いをして貰っては困るな。希望などこの世には無いなどというニヒリズムを持っているのではない。―――希望は確かにある。だがそれは次の絶望の為にしかない、ということだ。絶望も同じく、希望もまた人を裏切り続ける。政府の体制、時代の流れで人間の運命はまるで風向きのように変わる。こんな馬鹿な話はない。時流によって希望は絶望へ、絶望は希望へと変移する。その中で生きる者達は弄ばれるのだ(ホムラから離れるように横の壁に掛けられている絵画の方へ歩き)お前はまだ私に改心して欲しいなどと思っているのか?そんな願いが叶うとでも? 」
ホムラ「……そうではありません。ただ…(クラウスが自分に見てくれたペンダント、そこに映る自分にそっくりな女性の姿が脳裏を過り―――)――― 貴方には、「人」であってほしかった。神を食らい、悪魔になり下がり、人であることを忘れてしまった、貴方に… 」
ホムラ「……私の仲間に、すべてを失ってしまった子がいます。「その子」は…記憶も、言葉も、感情もなくて…人間として大事な機能の一切を、無くしてしまった。…けれど、「その子」と旅をして、気づきました。たとえ、何かを失っているように見えても…その根底には「心」があった…人が持ち得る大切な心を。そんな子を見ると…感情が読めなくても、言葉を介さなくても…何を想い、何を言いたくて、何をしたいのか…なんとなくでも…わかってしまうのです。失ってはならないものを、「その子」はまだ失ってはいなかった。 」
ホムラ「…クラウス…以前の貴方がどんな人であったのか、私には当然知る由もありません。けれど、絶望も希望も等しく感じる貴方だからこそ、気づいてほしかった。それが、「人」として生まれた貴方に残っている心そのものだと。それを…この世界諸共捨てようというのなら、私は―――(ここで言いかけるが…) 」
戦極凌馬(無線)「 ピ ピ ッ ―――― 主任、準備が整った。いつでも合図をよろしく。 」
クラウス「……―――――!(ホムラの言葉に耳を傾けていたが)……わかった。では早速始めるとしよう。 」
彼はバイザーを外し、ホムラにも見えるように振り向く。
その下には驚くべくことに、人の目をしていなかった。
横長に十字に割れるように開いた奥底には煌々と光るエネルギーのようなものがある。
さしずめサイクロプスを彷彿とさせる異形の顔。
そのほかにも体をいじくっているようで、彼はもうすでに人間ではなくなっていた。
ホムラ「―――― クラウス!私は…貴方が、「あの子」が、そしてこの世界のすべてが、幸せになれるのなら、この身を捧げても構わない!…けれど…それで本当に貴方が掲げていた理想に近づけるなんて思えない…!いえ…むしろ遠ざかっていく気がします…『楽園』とは程遠い、『失楽園』にへと……!(声を荒げる少女。それは、命乞いでも泣き言でもない。天の聖杯ではなく、純粋な一人の少女としての、切実な願いであった―――)―――ッ…!?(そんな中、彼の明かされた素顔に言葉を失う) 」
クラウス「もう遅い。すべての準備は整えてあるのだ天の聖杯。(コォォォォと微妙に空気が吹き抜ける音がする目の部分を輝かせながらも、彼女の方には振り向かない)お前のエネルギーは必要だが、グレートオールドヘブンには私の存在が必要だ。……プロフェッサーは別のことを期待しているようで悪いが、真の天の聖杯の力と私のこの『力』で――――『世界を塗り替える』。そうして完成した世界ではすべての生者達が真の希望を享受できる。誰も奪われず、誰からも奪わぬ真の理想の世界。私は自らの命と引き換えに楽園を作る。無論、お前も例外ではない。例外は私1人……。そして楽園以前に死んだ者の魂もまた救済する。かつての妻も転生すれば楽園で穏やかな人生を歩める。」
クラウス「―――――生まれ出づる全ての者を、私は救う。私を憎む者も憐れむ者も全て余さずだ。 」
――― 肉体を失った魂は、生前の記憶を失い、再び新たな血肉を得て現世に生まれる。
その生命(いのち)の流転により、魂とは永遠に存在し続けるもの…
だが、"個"としていられる時間ははるかに短い ―――
――― 魂に戻った時、その所在は流転する。せっかく培った思い出も、記憶とともに失われていく ―――
――― 「あいつら」と過ごした記憶を忘れちまうのも、幸せだというのか? ―――
ホムラ「……違う……っ…… そんなのは、違う…っ…!!そんなことをしたら、貴方は―――― 」
戦極凌馬(無線)「天の聖杯のエネルギー抽出 ――― 開 始 」
―――― ビ リ バ リ バ リ バ リ ィ ッ … ! ! ! (ホムラを拘束する装置が不気味な光を発して起動する、彼女の全身に強烈な電流が迸る。彼女の全身に血管のような光の導線が浮かび上がると、その光は彼女の核を成すコアクリスタルへと還元され、そこから漏れ出した粒子が、クラウスに移植された疑似コアクリスタルへと注がれていく)
ホムラ「――― ひ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ぁ゛ ぁ゛ っ゛ … ! ! (全身に走る電撃に痛み、苦しみ悶える)…ぁ……あぁ…っ゛……!!(だがそれ以上に、彼女にはもっと恐れているものがあった。それは―――自らのエネルギーの奔流と共に、これまで過ごしてきた日々の記憶までもが一緒に吸い出されていくことだった) 」
「あなた」との出会い、頼れる仲間たち、
見たこともない外の世界、個性豊かな住人たち、
その旅立ちで培った記憶が、思い出が、
彼女の中から消えかけようとしている――――
ホムラ「…やめて…っ… 私の「思い出」を奪わないで…っ……!! い や あ゛ あ゛ あ゛ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ ――――――― 」
やがて、少女の叫びはその残響と共に消えていく。
拘束された彼女はもはや天の聖杯ではなく、人の形をした抜殻同然。
物言わぬ少女は事切れたようにその顔が項垂れ、
発光していた胸のコアクリスタルの光も完全に消失した―――
クラウス「……(作業終了後特有の静寂の中、クラウスは項垂れるホムラを見る。そして歩み寄り、そっとその顔を優しく包み込むようにして、自分と視線を合わさせた)……今は眠るといい。今だけだ。安心しろ。必ずお前も救済する。楽園で仲間達に会いたいだろう?(そしてゆっくりバイザーをかけ直した) 」
あなた「……――――!?(月待塔へ向かう最中、急に胸を押さえつけて挫けてしまう) 」
メディ「大丈夫ですか、主様!?(急変する「あなた」へ慌てて駆け寄り、その両肩を支える) 」
あなた「……(「大丈夫」と首を振る。しかし、その胸元にあるコアクリスタル――かつてホムラと命を分け合った証――の光が消失しかかっていた) 」
メディ「その様子…もしかすると、ホムラ様に何か…… 」
天王寺璃奈「……(メディと共に「あなた」の体を起こす)…急ごう…なんだか、嫌な予感がする…―――」
「あなた」の身に起きた異変から事態の深刻さを察する一同は、
急いで目的の地「月待塔」へと向かうのだった――――
「あなた」一行が『月待塔』へ向かっていた、ちょうどそんな頃…… ―――
――――月の都の真実が知れ渡り、解放された奴隷達はいろいろとざわついていた…。
巴マミ「みんな ないじゃない!!! 」
たけし「お、おい、もう帰ろうぜ… 」
卓郎「なんだよたけし、びびってんのか? 」
花京院典明「やはり『月待塔』か……いつ出撃する?私も応戦する。 」
マルス「1人で10階ぐらい上がれればいけるか? 」
ゼルダ「ここまで来たら行くしかないでしょう! 」
ピット「ボクたちならきっと逝ける! 」
キルケー「アイオーンお食べ!!!!!! 」
(パラガスがポッドに乗る)ウィーン… チャキッ チャキッ (ブロリーの足音)
ブロリー「―――――― ど こ へ 行 く ん だ ぁ ? 」
パラガス「お、お前と一緒にぃ……避難する準備だぁ! 」
ブロリー「 一 人 用 の ポ ッ ド で か ぁ ? 」
デ デ ー ー ー ー ー ン ☆
ヒデノリ「今日は………(追い)風が騒がしいな……… 」
水上麻衣「でも、少し……この(追い)風……泣いてる。 」
ヒデノリ「それは悲しくて泣いてるんじゃない……嬉しい時だって泣くだろう… 」
水上麻衣「え…… 」
ヒデノリ「急ごう……(追い)風が止む前に…… 」
― 月の都・月待塔・一夜 ―
あなた「……!(レジスタンスのメンバーたちと共に塔内へと踏み込み、辺りを見渡し始める) 」
天王寺璃奈「……この建物の上に、ホムラちゃんが………?あれ、ユリアナさんは…? 」
メディ「ユリアナ様は現在、本人の希望で別行動をとっております。おそらく後程合流できるかと… それよりも、我々は奥部にあるエレベーターから上層へ向かいましょう。 」
スカイブルー・マンティス「(塔内の中央、そこに胡坐をかきながら一同を待ち構えていた。どっしりとした図体はまさに戦前の鎧武者そのもの)……(だが喋ろうとはせずただじっと彼等の足元を見るような遠い目をしている)」
ヒロ「よっしゃ、行こうぜ!(メディの言葉に答えるように歩き出す) 」
キャロット「上を目指すんだね!よーし、それならさっさく――――!(一人颯爽と足を伸ばしかけた瞬間、マンティスの存在に気づいて制止する)あ、あいつって…確か、採掘場で会った…! 」
うどんげ(月戦型)「……気を付けてください。彼はMF部隊の中でも最上位クラスの戦闘力を持つ男です。今までの比ではありません…(険しい表情に重火器を構えながら) 」
エースバーン「……関係ねえ。邪魔するなら容赦なく…蹴っ飛ばすだけだ!! 」
スカイブルー・マンティス「(髭を撫でるようにしながらもずっしりと立ち上がる)…オクトパス、ウルフ、レイブン……馬鹿者共が夢の跡。しかし、儂と共に隊を組み同じ時を過ごしたことは事実。弔い合戦のひとつもしてやらねば不作法というもの。――――ゆえに、お主らを斬らねばならぬ。(腰の太刀に左手を沿えるも見るからにやる気がない。「さっさと終わらせてさっさと寝たい」というような怠惰が目に見えていた。――――"しかしこの剣圧である") 」
このフロアの壁や床がミシミシと軋み、剣気に当てられた者達の三半規管をそのまま乱すかのような謎の圧力。
マンティスはまるで本気ではない受け身の状態でこのレベルの域まで達していた。
メディ「そうとなれば…皆様、要警戒して挑みましょう。(武器を構えて対峙する) 」
エースバーン「…ッ……!(…なるほどな、鈴仙の言う通りだ。こいつは…さっきまでの奴らとは比べもんにならねえ…―――)―――だからって、怯んでいられっかよ…!もう立ち止まらねえぜ…俺たちは…!(「あなた」にコンタクトをを送った直後、一目散に跳び出した) 」
あなた「……!(エースバーンの視線に相槌を打ち、共にマンティスへ向かって果敢にも飛び出した) 」
―――― Vs. スカイブルー・マンティス ――――
うどんげ(月戦型)「ちょっ…ラビー!警戒してって言った傍から…(「はぁ…」と額に手を当てながら)―――本当に困った子ですよ、貴女は!(スナイパーライフルを構えるとそのスコープにマンティスを捕らえ、遠距離からの狙撃を開始する) 」
ヒロ「…………(土でショットガンを生成させ、マンティスに発砲) 」
月光仮面「(ターバンから紙袋へ装備を切り替え、負傷を負いながらも平然とM16アサルトライフルを両手に構える)加減ありでランs……巴御前の片腕を難なく持って行く程の手練れだ。参考になるかわからんがまず間違いなく重火器・飛び道具は弾かれると考えていいだろう。 後方からの支援攻撃は『陽動』を意識した陣取りを推奨する(そう告げるやマンティスを中心に円を描くように立ち回りつつ援護射撃を行う) 」
スカイブルー・マンティス「(すべてがスロー再生に見えるあまりに短い時間の中で)……やめておけ。お主らでは儂を傷つける事すら叶わぬ。(次の瞬間、彼の剣気が全員の本能に惨たらしい幻、ないし未来予知に近い物を見せる) 」
幻はこうだ。
迫りくるエースや「あなた」を抜刀一閃からの斬り下ろしの二段で首を落とし、
次に来たキャロットの心臓部に刃を突き立てるとそのまま弾丸の盾とする。
そのまま後衛組に突っ込み、一気に切り崩す。
誰も彼もが首なし胴と成り果て、このフロアが血の池地獄と化す。
――――そんな光景だった。
……そして、それはあと一歩でも踏み出せば"現実になりかねない"ほどの威圧を持っていた。
エースバーン「――――!(その検気に、野生の本能が働いて一瞬躊躇いの色を見せるが)――― ズザザァーーッ…! ボオオォォ…ッ…(繰り出そうとした飛び蹴りを止め、振りかぶったその脚を火炎に纏う)――― っ ら ぁ ! ! (練り上げた火球を中距離から放つ。火球はまっすぐにマンティスに向かって飛んでいくと思いきや、その最中に種火の様に分裂し、炸裂弾が如く彼に襲い掛かっていく) 」
あなた「……!(前方より迸る剣気から何かを察したエースバーンを傍目に「あなた」も本来の攻撃予定を変更するかのように急停止)バッ――――ガギィンッ!(ポケットから璃奈が作ってくれた球形のダイナマイトを取り出すと、それを宙へと放り投げマンティ目掛けて蹴り飛ばす遠距離攻撃へシフトする) 」
スカイブルー・マンティス「ほう、球遊びときたか。ふむ、たまには児戯もよかろう。(彼はまだ太刀を抜かない。まるで忍者のように両手で印を結びつつ予備動作なく一気に飛びあ上がる)――――そうら、返そうか。上手く広えっ!!(真下で分裂した火球が炸裂していく中、手に持っていたのは「あなた」が蹴った球形のダイナマイト。それを素早く上空から蹴り落とす。同時に――――)シュババババッ!!(炸裂弾を取り付けた苦無を投擲) 」
メディ「――― お任せを! \ Everybody Jump !! / \ Progrisekey confirmed. Ready to utilize. / (メタルクラスタホッパープログライズキーを取り出し、それをアタッシュカリバーへと装填。)―――― はッ! (剣を盛大に振るうと大きな鋼の斬撃波が「あなた」とエースバーンを庇うように飛び出し、ダイナマイトやクナイの爆撃を相殺する) 」
月光仮面「(すかさずライフルから援護射撃、苦無に取り付けられた炸裂弾を撃ち抜くが、全てを相殺は仕切れない)取りこぼした、避けろ1! 」
キャロット「――――ていッ!!(刹那、瞬時にマンティスの頭上背面へと跳び上がると、彼の脳天目掛けて稲妻を纏った脚で踵落としを繰り出し、地面へ蹴り落とそうとする) 」
ヒロ「…………そんな、まやかし!(マンティスに向けてショットガンを放つ) 」
スカイブルー・マンティス「(月光仮面やメディが苦無の対処を行っている中、キャロットの気配に気づく)――――チャキ(この時初めて柄に手をかけた。しかしこのまま抜いてもキャロットの攻撃には間に合わない。しかし、"居合は迎撃にこそ真価を持つ"。ただの居合でなければ十分に間に合うこと。即ち)――――カチン、ズドォンッ!!(太刀の鞘に取り付けられたトリガーを引くと内部の火薬が炸裂する。その勢いで音速を越えるほどの速さで太刀が飛び出た。それをタイミングよく握り、一気にキャロットの足目掛けて身を返しながら振り上げる) 」
キャロット「 ド ッ ギ ャ ア ァ ン ッ ! ! ! ( !! ) (マンティスの咄嗟の居合斬りとキャロットの踵落としが空中にて炸裂、大気中に電流纏う衝撃が迸る。マンティスの刀身を足で抑えつけてそのまま意地でも蹴り落とそうと気張るが…)――――ふきゃぁんっ!!(その剣圧に耐えられず盛大に吹き飛ばされ、壁に激突してしまった) 」
レオモン「―――――――――――――獣王拳ッ!!(キャロットの吹き飛びとすれ違うように飛び出し、強靭な拳とそして獅子顔の衝撃波を繰り出す) 」
スカイブルー・マンティス「(振り抜いた状態で着地し、刀身を眺める。それはまさしく多くの血を吸いこんだように赤く染まっていた)……ふむ、足は切れなんだか。酒のつまみにはいいと思ったのだが。月の兎は丈夫だのう。(そしてゆっくりと一行へと向き直る)さぁ参れ。斬れるだけ斬って進ぜよう 」
うどんげ(月戦型)「キャロット!……っ……ついに刀を抜きましたか。並々ならぬ強者のオーラを感じます…! 」
月光仮面「—————!!(人の皮を被った化け物……とは聞いていたが予想以上だ。どうする、五感すべてで行動予測することも考えられる。となるとスタングレネードの類はスタンドプレーになりかねない……) キンッ (味方が前線にいるにも関わらず『手榴弾に類似した球体』を取り出す。それをばら撒くようにマンティスへ投げつけ)ドドドドドドッッッ(ライフルを掃射、誘爆による被害を恐れていないように見える) 」
スカイブルー・マンティス「おう、次は獅子か!獅子は…食うたことがないのう。(迫りくる獣王の圧に目を細めながら)かぁぁああっつ!!!(気合と共に唐竹割)ガガガガガッドゴォオオオオオオオオオオオオオオオ!!(刀身とぶつかり合ったのち、一気に刀身が圧の奥までめり込み真っ二つにした) 」
あなた / エースバーン『……!(メディと月光仮面のバックアップを受けクナイの雨から免れる)……おい、さっきの奴、まだあるか? / ……?……!(球形ダイナマイトをエースバーンへ見せる)…よし、一個貰うぜ。(「あなた」からその一個を奪い取ると、真っすぐにマンティスへ向かって駆け出していく。その最中、ダイナマイトを足の爪先へと落とし、リフティングを始めながら接近していく)』
スカイブルー・マンティス「―――ほう、"鉄の者"よ。随分と粋な事をしてくれるなぁ(月光仮面を見て髭の下の口をにんまりとさせる)ほう、爺にまた球で挑んでくるか。よかろ、よかろ……ヒヒヒヒヒ(あなたやエースバーンを見て) 」
レオモン「―――――ふんっ! はあっ!!(獣王拳の衝撃が打ち破られ、すかさず素早い蹴り、続いて回し蹴りを繰り出す) 」
月光仮面「(手榴弾はブラフ、ただの鉄の玉を投げつつそれを返そうとする隙を狙って弾丸を撃ち続け) ヒュ オ (大本命、身動きを封じる『粘着玉』を弾丸、ブラフの手榴弾に紛れ込ませるように投げつけ、マンティスの動きを封じエースバーン、レオモンのサポートに打って出る) 」
エースバーン「俺のシュートを見せてやるぜ。(殺菌の最中に不敵な笑みを一つ見せつけると、マンティスの眼前まで迫り蹴り―――)―――― フ ォ ン ッ (と見せかけて陽動を誘い横切っていく)グ ゥ ォ ン ッ ―――(すると今度は背後からの回し蹴り―――)――― フ ォ ン ッ (のフェイクを行い、マンティスの周囲を描くように駆けながら翻弄していく) 」
スカイブルー・マンティス「―――ぬ!?(レオモンに挑もうとしたとき、粘着玉で足が取られていることに気付く)ほう、これは……まんまと術にはまったというワケか。だが……――――ぬぅん!!(レオモンの蹴り技が迫るも落ち着いた様子で)―――――ヒュバッ!!(剣士において剣のみが戦う術ではない。時には素手が必要になることもある。十分に刀がふれないときにこその武。『柔術』。レオモンの猛々しい勢いを利用し、後方へとひっくり返すように投げ飛ばす) 」
ヒロ「……こいつは分が悪い(ショットガンを土と化し、刀を取り出す)…斬れるものなら斬ってみろ! 」
レオモン「ぬぉっ…! ――――――ズザーーッ(投げ飛ばされ、地に足つけ) ぬう……(片膝つく) 」
スカイブルー・マンティス「ギチギチギチ、ズポ(粘着玉から解放され、ようやく動けるようになるもエースの動きを注視している) 」
エースバーン「トン、トン、トン…――――(リフティングしていたものが次第に炎の玉のように包まれていくと)――― そぉらッ!!(その火炎弾をマンティスへと蹴り飛ばした) 」
月光仮面「そこだッ!!(エースバーンの攻撃にタイミングを合わせ手元に電流を収縮。対戦車ライフルを生成し、挟み撃ちにする形でマンティス目掛け銃口から火を吹く) 」
スカイブルー・マンティス「……はっ!(弾丸と火炎弾を交互に見て)舐めるなよ小僧共。鉛も炎も、地獄の底でとっくの昔に喰い飽きとるわッ!!(まず最初に斬り裂いたのは火炎弾。だがたた斬り裂いたのではない。真っ二つにした断面を刀身に吸い付かせるようにしてまとわせたのだ。達人ならではの芸当に炎が文字通り舞う。炎をまとった太刀は素早くライフル弾の方に返され、一直線に振り抜かれる。)チュドッ!!(横一閃に振り抜いた刀身は弾丸を切り裂き、炎をそのまま振り払った。この動作をわずかな秒の中で行った) 」
月光仮面「(神がかりな技、正しく術理のみで辿り着いた魔術に絶句し、首筋に冷たいものが伝う)……ッ 対戦車ライフルの弾丸を、高周波ブレードならまだしもただの鉄の刃で両断すると来たか……いよいよ現代兵装では打つ手がないな…… 」
エースバーン「―――そいつはただの炎でも鉛でもねーぜ?(そう、マンティスが断裂したのは実体のないただの火球"フェイク"。吸われた炎が消え去った途端、その陰に隠れていた球形ダイナマイトが顕現し―――)―――食らいやがれッ!!(強い蹴りでダイナマイトをマンティスへ押し付ける様にその腹部にねじ込ませると、足裏の火炎でダイナマイトに着火。持ち前の脚力で急いで飛び跳ねると同時に発火したダイナマイトが起爆し、零距離でマンティスの全身が爆炎に包まれる) 」
スカイブルー・マンティス「…―――ッ!!!(エースの機知に目を見開くも、爆炎で全てが赤く染まる。ボウボウと燃えるその中心でしばらく佇んでいたが……)なるほど、兎に化かされたか。(のそのそと炎の中から現れる。腹部には爆発の後はあるも、他のMF部隊とはまた違う装甲をしているためか少々焦げている程度)見事よ。一太刀入れられたは儂の不足。これが致命の一撃なら死んでおったわ(呼吸が変わっていくと同時に雰囲気も変わる。その瞳に一種の捕食者めいた色が宿り始める)血が滾って来たわ……。(怠惰な雰囲気は消し飛び、太刀を正眼に構える) 」
月光仮面「いいセンスだ(エースバーンへ短く、惜しげなく賛辞を送りつつも『白兵戦に持ち込まれる』前提でコンバットナイフとベレッタを片手で重ねるようにして持ちCQCの予備動作に入る)ここまでが"ウォームアップ"という訳だ。本気を出す前にくたばって欲しかったものだ 」
あなた / エースバーン『……! / いいトリックシュートだっただろ?(エースバーンへサムズアップする)……!? / ……野郎…やっとやる気になった感じか…(その声音、立ち振る舞い、雰囲気から、大きな変化を感じ取った二人はすぐに距離を取って構え直す)』
レオモン「奴め……やはり、手を抜いていたか…。(立ち上がり、腰に携えた刀に手をかけ、そっと腰を低くする) 」
スカイブルー・マンティス「(あまりに静かな空気だった。まるで爆発を待つ時限式の爆弾のように。機械の身体でありがならもその魂には剣士としての心技体すべてが宿っている。銃や異能が蔓延るこの世界で、たった一振りの太刀でこの歳まで生き残った、いわば猛者。その禅的な雰囲気の中で今尚死神が渦巻いている) 」
うどんげ(月戦型)「……っ……(緊迫した空気の中、幾ら距離が離れているとはいえ迂闊に手が出せないほど体は迸る緊張によって硬直している) 」
キャロット「うぅっ……こんなところで足踏みしてちゃ、ダメなのに…っ……(片腕を押さえつけながら立ち往生している)) 」
―――― ヴ ウ ン ……(張り詰めた空気の最中、空中に光源が現れフロア一帯が赤く照らされる。 一文字のルーン『炎』が刻み付けられ『火炎弾』が隕石の如くマンティスへ降り注ごうとしていた)
スカイブルー・マンティス「――――ッ!(降り注ぐ火炎弾を飛び退くように躱しつつ)シュババババッ(太刀をプロペラのように回転させて弾いていく)この技は……。(この炎には確かな覚えがあった。見間違うことはない。練達ともいえる術師の成しえる業。その人物が脳裏に浮かびふと口元をゆるめた) 」
クーフーリン「—————いつまで油を売ってやがる。アンタらの目的は死に損ないの爺さんを介錯してやることかよ(一行が通って来た通路から杖を担ぎ、悠々と歩を進め戦場へゆったりと現れる。小首を傾げ、”片目”を開けぐるりと一帯を見渡し小さく舌打ちした)頼みの『バーサーカー』が遅刻と来たよまったく……。時間がねえ、さっさと天の聖杯……ああいや、アンタらの『お仲間』を取り戻しに行け。アレが相手となるとどの道誰かが十中八九死ぬ、要は俺をここに配置するのが最適解だ 」
天王寺璃奈「……!(この感じ…何処かで見覚えが―――)―――あ!(赤く照らされるフロアに飛んできた火炎弾に何かを思い出したように顔を上げると、そこにいた青髪の青年に目を見開く) 」
メディ「……行きましょう、皆様…!(クーフーリンの言葉をそのまま受け取るように頷くと、彼を除く一同へ先へ急ぐように促し突き進む) 」
あなた「……! ……… (数時間前に対峙したはずのクーフーリンの登場に思わず硬直するも、その敵意が自分たちではなく、マンティスに向けられたものと悟ると納得したように頷く。メディの催促のままに、奥部にあるエレベーターへと急いで向かった) 」
ヒロ「……おう!(メディの催促に従うように走り出す) 」
クーフーリン「おっと—————おいそこの落とし子!(去り際あなたへ声をかけ) ヒュ ン (何かしらの印が甲に刻まれた手袋を投げ渡す)選別だ、何かと俺らがすべき仕事をあんたらに押し付けちまったからな。『助っ人』が必要な時に役立てな、何が出るかは知らねーがよ(ジェスチャーで『達者でな』と気前のいい笑顔で伝える) 」
レオモン「お前は……!いったい、どういうつもりだ…… ……などと、もはや問うている暇もないか。 ………(エレベーターへ駆けていく) 」
あなた「―――!(クーフーリンより投げ渡されたその特殊な手袋を受け取ると、それと青年を交互に見比べる)………(彼の笑顔に「手袋を嵌めること」で応えて、その手を軽く振りながら、本来の役目を果たすべきかの地へと向かった) 」
月光仮面「(キャスター……。 そうか、最早俺とバーサーカーのみ、ということか)—————苦労をかけたな(短くそう告げ、『敬礼』を送りエレベーターへ続く) 」
スカイブルー・マンティス「……(そんな中、一行を邪魔するわけでもなく見送るわけでもない。眼前に立つ男に終始視線を送っていた)……随分と遅かったな。どこで道草を食っておったのやら。(雰囲気はそのままに肩をすくめて笑って見せる) 」
クーフーリン「—————ああ、随分待たせちまったな(杖を後方へ投げ捨てる。続けざまに取り出したるは『小次郎』の扱っていた長刀。持ち主がここに在らず、という状況から彼の生死は語るまでもない)キャスターとしても、ランサーとしてもあんたの一生に報いるには足らねえ。礼を尽くし、送るにはどうするのが最善か考えに考えた……結果がこいつだ——————— ゾ ブ (腹切、切腹ともいう。なんら迷いなく腹部へ長刀を突き立て、自らの霊格を容易く砕く) ブ ン … …(滴り落ちる血が魔法陣を展開する。死にかけの男と、新たな戦士の気配が、クーフーリンの中に重なっていた) 」
スカイブルー・マンティス「ほう?(長刀を差すという一見暴挙にも見えるその中にある、待ち焦がれていたかのような気配に興味を示し) 」
クーフーリン「—————『急所』がないジジイをどうやって『ゲイボルグ』で仕留めるってんだ……。せっかくの火葬だ、ズルはなしで派手にやろうや——————(クーフーリンを媒介に『召喚』が成される。正確には再召喚、青白い粒子が全身を包み、そして作り変え—————)—————我が名は 『キャスター』、改め『セイバー』……光の御子『クーフーリン』(『光り輝く剣 クルージン』を斜めに振り払い、峰を肩に乗せ片目を開ける。新生した『戦士』は大胆不敵に嗤って見せた)—————楽しもうぜ、クソジジイ
スカイブルー・マンティス「ふふ、ふふふ、フホホハハハハハハハハハハハハ!!!(クーフーリンの姿をみて高笑い。光の御子、半神半人の戦士。かつて最後の戦場で見た真っ青な空を彷彿させるそれに、爺は若返ったように叫ぶ。)月に埋もれる機械の身体の耄碌爺か、それとも太陽の子にして大英雄のお主か。……そうよこれよ。これこそが戦場ッ!!!!(ざっと正眼に構え)―――――いざ参るッ!!」
― 月待塔・十夜 ―
――― ガ コ ン ッ (「あなた」たちを乗せたエレベーターが止まり、一階にも似た構造のエリアが彼らの前に広がる)
メディ「……どうやらこの塔のエレベーターは、一階から最上階まで一気に行けないようですね。各階ごとに乗り降りを繰り返さないといけない仕組みのようです。(エレベーターから降り、その奥部にある「上階へのエレベーターの扉」を見据える) 」
エースバーン「ったく…面倒くさいな。けど四の五の言ってらんねーよ。あいつ一人にMF部隊の一角を任せてきちまったからな。俺たちはさっさと上を目指さねえと… 」
レオモン「……皆、くれぐれも警戒を怠るな。この先もまた、何が待ち構えているかわからん…。(周囲を見渡しながら) 」
――― その必要はございません。(スピーカーを通じて空間に木霊する女性のような機械音声が、レジスタンス一行に届く。そして、その声が潰えると同時に、奥部のエレベーターが開かれ…一人の女性が姿を現わす)
ミディ「―――― コ ツ … … コ ツ … … コ ツ … … (奥のエレベーターより心地よいリズムで靴音を鳴らしながら現れたのは、女性を象った一体のヒューマギア。メディの青く光るモジュールとは対を成すように赤く発光しているそれから「ピロピロ」と電子音を掻き鳴らし、空間の中央まで踏み込んできた) 侵入者を数名確認。ただちに粛清いたします。(無機質で無表情な顔を維持する女性は、無防備ながらもどこか隙の無い面構えを見せて彼らと対峙する)」
天王寺璃奈「…………やっぱり、君だったんだね――――『 ミディ』。(相対する女性型ヒューマギアをその目に、一歩踏み出した) 」
メディ「……!(あの者…いえ…間違いありません。やはり、私と同類のヒューマギア…)……璃奈、様…?(
ミディの姿を再度認識して驚愕を表現する一方で、自分の記憶にはない者の名前を発する璃奈へ不思議そうに傾げる) 」
月光仮面「(メディ、ミディ。名は体を表すと言うべきか類似点の多い両者を交互に見)……。(ライフルを構えるが照準を『急所』に定めない。アイコンタクトで『仕留めるべきか』是非を問う) 」
あなた「……?(メディとミディ、そして、ミディと璃奈と交互に見比べてその関係性を垣間見る) 」
レオモン「む、お前は……(奥のエレベーターから現れた女性ミディの姿を捉え)……1人か…? 」
うどんげ(月戦型)「……なにやら事情がおありのようですが、璃奈さん…?(武器も持たず丸腰の状態で先頭に立つ璃奈の背を不安げに見つめながら) 」
天王寺璃奈「……っ…(一人佇むミディに、心苦しそうな胸をその手で抑えつける)……あの娘は…―――」
戦極凌馬(モニター)「――― いいね~、こうして再会を果たすなんて。実に感動的だ。(その時、ミディの頭上にホログラムウィンドウが展開され、そこにあの白衣の男が映し出される)…ようこそ、諸君。まさか君たちがここまでやるなんて思ってもみなかったよ。おかげで私も久々に興奮というものを覚えてしまった。取り乱してしまうくらいにはね。(飄々としながらも皮肉めいた声音で一同に言葉を投げ飛ばす) 」
天王寺璃奈「……まさか、あなたが…っ……(モニター越しに凌馬を見上げて声を震わせる。それは恐怖によるものではない。無表情の少女には珍しく、怒りという感情の籠った声だった) 」
キャロット「ね、ねえ…?どういうこと…?(凌馬の発言の真意がつかめず、困惑したように璃奈へ問いかける) 」
天王寺璃奈「……数ヶ月前、私は…或人さんとあるプロジェクトを立ててたんだ。お互いの「夢」を叶える為に。 その夢の懸け橋となる新世代型ヒューマギアの開発を行い、メディを造った。…でも、メディの前に、その試作型がいたんだ。それが…「 ミディ」。けれど、あの日…「彗星」が落ちたあの日……いなくなっちゃったんだ。ううん。監視カメラに…映ってた。ほんとは奪われちゃったってことを。 」
戦極凌馬(モニター)「――― そう、それが私だよ。(璃奈の発言へ続けるように、男はにんまりと嗤う)…今じゃ世界的に有名になっているヒューマギア事業の拡大…その発端を担う「飛電インテリジェンス」を、私は以前から興味を持っていてね。その新型機をちょっと拝借させてもらっただけだよ。お陰で興味深いデータが取れた。彼女《ミディ》には感謝しているよ。もちろん君にもね…天王寺璃奈君?(愉悦に表情を綻ばせる) 」
ヒロ「…………!(璃奈の話を聞き)その奪ったやつってのが…(凌馬を見て)あいつってわけか?(璃奈に) 」
メディ「――――!!(璃奈から告げられた驚愕の事実に困惑の色を伺わせる)……私の前に生まれた…それが、今、目の前にいる……(改めてミディをその目に捉える。よく見ればモジュール以外にも自分の姿と類似する点がいくつか見受けられ、納得と同時に更なる驚愕が押し寄せてくる) 」
天王寺璃奈「……(ヒロへ静かに頷く)……ミディに、何をしたの?彼女は、ただの看護師型ヒューマギアのはずだよ。 」
戦極凌馬(モニター)「私の優秀な助手となってもらうべく、初期構造段階よりいろいろ改造を施した。今じゃ私の言葉一つで忠実に命令を実行する。けれど、私は別に悪いことをしたとは思わないよ。ヒューマギアとは本来人間の生活を支える為に造り出されたものだ。その本質は変わらないだろう?私のために働き、私の為に身を捧げる。これほど優秀な相棒はそうはいない。 」
天王寺璃奈「―――違うっ…!(両の拳を強くに握りしめ、今まで上げることのなかった叫びをあげる)貴方にとって…彼女は助手でも相棒でもない。使い捨ての道具としか見ていない…!ミディは…そんなことのために造ったんじゃない…!傷つく誰かを助ける為に彼女はいる。けれど…貴方のせいで、ミディは、まったく正反対の方へと行ってしまった… 私は…人やヒューマギアの命を軽んじる貴方を、許さない…っ……(潤んだ瞳に明らかな怒りを含み、凌馬を強く睨んだ) 」
ヒロ「…………!(璃奈の感情に同調するかのように睨むような表情で土の拳銃を生成させる) 」
戦極凌馬(モニター)「……なるほど?私が憎いかね。結構結構。所詮、君のようなお子様には、大人の思想は理解できまいよ。とはいえ、我々の計画は間もなく成就する。『アイオーン』は無事クラウス主任と同調が完了し、まもなく起動する。私が見てみたいものはその先にあるのだからね。今更ガラクタのひとつやふたつにこだわっている程、暇じゃないんだよ私も。…彼女を煮るなり焼くなり、好きにしたまえ。だが、願わくば事が運んだ後に頼むよ。今は邪魔されたくないのでね。……ミディ? 」
月光仮面「—————(首筋に指を当て無線を飛ばす)オタコン、ヒューマギアのハッキング経験は 」
レオモン「……! 貴様……なんと卑劣な……ッ!(璃奈の感情が連鎖するかの如く、同様に戦極凌馬を睨みつける) 」
オタ=コン『(無線越しに重いため息が溢れる)……。ある訳がないだろう、僕達の世界からすれば未開の技術だ。それでも技術職の端くれ、可能な限りの助力はしたいけど……これは素人目に見てわかる。まずは無力化しないとダメだ』
ミディ「承知いたしました、プロフェッサー。(男の声一つを受けてやや重心を落とし、戦闘態勢に入る) フワ ァ … … ギャルン、ギャルン、ギャルンッ…――― ザ キ ィ ン ッ ! ! (スカートの両端を摘まみ上げ、その内側より突出した薙刀のような大型メス「ステルベン」へ手に取り、鮮やかに振り回しながらその切っ先を一同へ突きつける。それがたとえ、本来の主である璃奈に対しても―――)」
戦極凌馬(モニター)「フフフ…――― (不敵な笑みを残し、男を写すモニターは消失する) 」
ヒロ「…………目を覚まさせるしかねぇようだな(璃奈を庇うように彼女の前に立つ) 」
天王寺璃奈「…… …… ……みんなは、先に行ってて。ホムラちゃんが、待ってるから。(「あなた」をはじめ、背後にいる仲間たちにそう告げると、今まで後方で縮こまっていた彼女がはじめて前線に立つ)――― メディ、ヒロさん…お願い。力を、貸して。」
メディ「……かしこまりました。(忠誠を誓った主・璃奈の揺るぎない意志をその背で汲み取り、ヒロと共に璃奈へと並んで身構える) 」
月光仮面「(決意を汲み取り小さく頷く)—————成功を祈る(何を持って成功とするか。その定義が定まらぬまま短く告げる) 」
ヒロ「…………!…(前線に立った璃奈の姿を見て)…もちろんだ(璃奈の肩にポンと手を置き) 」
あなた「……! ……… (自らの戦いに決意を固めた璃奈の"想い"を汲むと、他のレジスタンスたちと共にミディを横切って奥のエレベーターへと向かう) 」
レオモン「……! ………やむを得ん。(そう言って奥のエレベーターへと向かう) 」
ミディ「行かせません―――(大型メスを振りかぶり、自身を横切ろうとする者たちへその刃を振り上げようとするが―――) 」
メディ「――― ガ ギ イ ィ ィ ン ッ ! ! ! (アタッシュカリバーを握ったメディが瞬間的に割り込み、ミディの斬撃を抑え込んだ)……申し訳ございませんが、それはこちらの台詞でございます。 」
天王寺璃奈「――――(ミディに対し掌を向けていたそれは、メディに攻撃指令を出していたことを示していた)………お願い。すぐに、行くから。(「あなた」たちがエレベーターに乗り込み、その扉が閉まるまで見届けると、肩に手を置いたヒロに小さく頷いた) 」
― 月待塔・十五夜 ―
キャロット「――――……璃奈たち…大丈夫かな……(璃奈たちのお陰でなんとか塔の半分まで辿り着いたものの、彼女のことを思い後ろめたさをその顔色に出してしまう) 」
エースバーン「……人の心配をしてる場合じゃねえぜ。あいつには、あいつの戦いがある。あいつが「やる」って覚悟決めたんだ。なら、俺たちはそれを受け止めてやるしかねえ… それに、俺たちにもやるべきことがある。だったら前に進むしかねえだろ。(キャロットを鼓舞するように) 」
キャロット「……そう…だよね…っ…… …うん…っ!(ラビーの言葉にギュッと拳を握る) 」
月光仮面「はいだらー!!(前へ進めの意)敵の本陣は近い。最後のMFは足止めできたか、先のヒューマギアのように精鋭が控えているだろう。 特に—————(採掘場の光景がフラッシュバックし舌打ちする)『黒いフェイス』が残っている……。俺としてはアレを極力頭数を揃えて仕留めたかったが…… 」
戦極凌馬「――― そうとも、他人(ひと)の心配をしている場合じゃないよ。(コツコツと靴音を掻き鳴らしながら奥部より現れたのは、先程のモニターに映っていた、あの男本人だった―――)」
レオモン「…ふっ……言うべき事を、すべて言ってくれた。(エースバーンの言葉を聞き、荒んでいた感情が少し緩むように) 」
月光仮面「技術屋か……前線に立つような男に見えなかったが(CQCの構えを取りつつ、腰のバックルに収めた『スタングレネード』に手を伸ばす)生中継では飽き足らず特等席へ来たと言うことか?口で言うよりかは暇じゃないか 」
レオモン「――――――! 貴様……!(現れた戦極凌馬の姿を捉え、先程の睨みを再び向ける) 」
エースバーン「……野郎…ッ…!…MF部隊のことも、奴隷たちを苦しめやがったのも…大元を辿れば、ぜんぶテメェが元凶なんだろ…!?(白衣の男を並々ならぬ怒りを全面的にぶつけながら) 」
うどんげ(月戦型)「……今度は貴方ですか。……ラビー、月光仮面さん。「その子」と一緒に先へ。ここは…私たち三人で食い止めますので。(キャロット、レオモンの三人と並列し、対峙する戦極凌馬にスナイパーライフルを突きつけ狙いを定める)」
戦極凌馬「フッ……―――― \ ゲネシスドライバー ! / (一瞬、口元にわずかな笑みが咲いたが、すぐさま鉄仮面を被ったかのような冷淡なそれに戻ると、果物ジューサーのような変身ベルト「ゲネシスドライバー」を装着する)そうさ。生憎私は一介の研究者に過ぎない…ま、ここまで手駒が少なくなったら、そうもいかないよね。 」
戦極凌馬「――― 変 身 \ レモンエナジー ! / \ ロック オン ! ソーダァ… ! / (取り出したレモンエナジーロックシードをドライバーへ装填し、右側レバーを押し込む) 」
戦極凌馬 → 仮面ライダーデューク「 \ レモンエナジーアームズ ! / \ ファイトパワー ! ファイトパワー ! ファイファイファイファイファファファファファイト ! ! / (全身からレモンの果汁が飛び散り、その中から仮面(アーマード)ライダー「デューク」が顕現される) 設計者自ら特別にチューニングしたライダーシステムの性能…見せてあげようじゃないか! シ ャ キ ィ ン ッ (両端に鋭刃を備えた弓武器「ソニックアロー」を手にする) 」
月光仮面「———————。(得体の知れない相手。その危険性を重要視している立場としては三人をここに残す事に意義を唱えようと口を開くが)—————。(その意志が固いものと知り、仮面下に装備したバンダナを鈴仙へ投げ渡す)—————無限バンダナだ。武器、弾丸に限らず必要な装備を取り出せる。 信じているぞ(そう告げ、あなたを扇動するようにして駆け出す) 」
キャロット「……(そうだよね、これがきっと、私のやるべきこと―――)うんっ、私たちに任せてラビーは先へ!(帯電するグローブを構える) 」
レオモン「………さあ、ゆけ。――――――『レジスタンス』を、頼んだぞ。(エースバーンに、そう言い残した) 」
あなた「……!? ……! (一瞬躊躇いを見せつつも、もう後がないことを誰よりも強く実感している「あなた」はこの場を彼女たちに任せ、奥のエレベーターへと走り出した) 」
エースバーン「なっ…お前ら……! ………わーったよ…気ぃ抜くんじゃねえぞ!!(月の民の戦士たちを残し、「あなた」と月光仮面へ続くように駆け抜けていった) 」
仮面ライダーデューク「……(駆け抜けていく三人組には意を介さず、眼前の戦士たちを見つめる)ほぅ……三匹の獣が人間一人に挑むとは、聊か恐ろしいな。(仮面の内側で自嘲気味に笑って見せるが、その余裕に満ちた佇まいから察せるように、嘲ているのは自分自身ではなく相対する獣たちの方であった) 」
レオモン「…………ふっ………これでようやく、『天命』を全うできる……。元より、それこそ……………我らの本望である。(―――そう、天を仰ぎ、ぽつりと呟いた…) 」
うどんげ(月戦型)「パシッ――――(無限バンダナを片手で受け取るや否や颯爽とその右腕に強く巻き付けると)―――― グ ッ !(その右腕を高らかに突き上げ、先を急ぐ者たちへ静かに激励を送る)ふっ…さぁーて…「狂気の月の兎」と呼ばれたうどんげちゃんの底力を見せてやりましょうかね…―――月に代わって、お仕置きしちゃいますよ!!」
― 月待塔・二十五夜 ―
あなた「……(ついに三人だけになってしまったパーティだけで、最上階へと迫りつつあった)――――!(その時、目と鼻の先に何かを見つけたのか、急にその足を止めてしまう) 」
黒いフェイス「―――― キ ャ リ キ ャ リ キ ャ リ ィ … ッ … !(金属音を掻き鳴らしながら、黒銀の身体を持つ起動兵器が、三人の前に立ち塞がる―――) ブルルァ………おぉん…?誰かと思えば、あの時この俺が一度ぶっ殺してやったムシケラじゃねぇかァ…!まぁさか貴様とこうして相見えるとはなァ…これもクラウスの計らいかァ?まあ、いい。(クククッとその内側で不気味に嗤っている)」
あなた「――――!!(因縁の敵との再会・対峙に、真顔ながらも強い眼差しで対抗意思を示す) 」
エースバーン「……あん時の奴か… 確か、テメェらんとこのボスが雇ったっていう用心棒だったな… なんだってあんな野郎(クラウス)の言いなりになってんだ…っ…(チッと舌打ちをかましながら) 」
月光仮面「(宝具はレイヴン戦で消耗した……天の聖杯という力を失った落とし子に必要以上の負担を強いることはできない…‥考えうる限り『最悪』のタイミングで現れたな)———————聞いたところで意味は成さないが、勝算はあるのか(あなた、エースバーンへ耳打ちしつつ『対戦車ライフル』を取り出し、戦闘態勢へ移行する) 」
黒いフェイス「……そういえば貴様らにはまだ教えていなかったっけなァ。いいだろう。ここまで辿り着いた貴様等へ、冥土の土産に教えてやるぜェ…俺様のことをよォ~~~~! カ シ ャ ン ッ ――― ギ ュ イ ィ ィ イ イ イ ン … ッ … ! (胸のハッチが三方向へと展開されていく――――) 」
黒いフェイス(ムムカ)「(その中には、一人の人間が居座っていた。黒いパワードスーツを着込んだその男は狡猾な顔を浮かべて「あなた」たちと対峙する―――)――― ンッフッフッフッフ……!!これを機に名乗っておくゼェい…俺は『 ムムカ 』。あの時、貴様等に退けられた俺は「機関」にスカウトされ…戦極凌馬のチューニングを受けてさらにパワーアップを果たし、再びテメェらの前に返ってきたということよォ…!(黒いフェイスのコクピット席から顔を覗かせた男は、下卑た笑みを零しながら一行を見下していた)」
黒いフェイス(ムムカ)「俺は天の聖杯の力をこの手に、世界最強の存在になるつもりだった…!だぁが…クラウスの言葉で目が覚めたぜ。天の聖杯など無くとぉも…世界最強にならなくとぉも…奴が築く「楽園」にこそ真理があるとなァ!そうなれば、もう誰も俺を見下す者はいねェ…!誰にも虐げられず、負けることのない…そして誰もが俺を認めてくれる世界が到来するわけよォ!(フッフッフと低い笑い声を零す) 」
あなた「……!?(今まで敵対していた起動兵器の中に、まさか人間の男が入っているとは思ってもいなかったのか、驚愕に一歩退いてしまう) 」
エースバーン「……さぁな。だが、どうやら「こいつ」は奴のことを知っているみてぇだし…何よりまだ数としてはこっちが有利だ。とすれば…――――(月光仮面にそう応えながら、黒いフェイス…ムムカへと再び視線を戻す)…随分と自信があるようだが、俺たち三人を相手にテメェ一人で戦えるってのか?(強気に挑発を掛ける) 」
月光仮面「頭数に数えられる程の活躍ができるか、約束はできんが……(エースバーンに解答に口橋を釣り上げ)有人兵器ということなら相手取った覚えがある。食い下がってやるしかなさそうだ……! 」
黒いフェイス(ムムカ)「……あぁーぁー…!ばぁか言っちゃいけねぇよォ…!そこまで己惚れちゃいねェよ!(エースバーンの挑発に「やれやれ」と首を振る) 」
サイボーグ忍者『―――― ガ シ ャ ン (突然、天井から一体のサイボーグ忍者が落下し、「あなた」たちの前に立ち塞がる)―――― ガ シ ャ ガ シ ャ ガ シ ャ ガ シ ャ ン ッ ! ! (だが驚くべきことに一体だけに留まらず―――約8体ほどの忍者たちが次々と着地し、「あなた」たち三人を取り囲んだ)』 」
エースバーン「なッ―――!?(次々と出現する忍者たちに絶句する)…テンメェ…汚えぞ…ッ…!(ギリリと歯を食いしばりながら黒いフェイスを睨みつける) 」
月光仮面「 !? (アラート音。 ニンジャに囲まれ先までの憩いが弱まる)いや面倒だな!?雷電はRAY12機相手に立ち回ったとか信じられん状況なんだが! 」
黒いフェイス「クックック…!(開かれたハッチが再び閉ざされる)さァてと…斬れるか?斬れるのか「俺たち」がァ?だぁれが入っているのかなァ?この中には!お前たちの親父か?お袋か?もしかしたら恋人だったしてなァ!? 」
あなた「―――――!(黒いフェイスの発言に、学園で対峙し、そして悲痛な最期を遂げたエレン・ベーカーの顔が過ると、その拳がわなわなと震えだす) 」
―――――そう来ると思ってたぜ。(複数のサイボーグ忍者の出現を見計らったように、どこからか男の声がする。)
―――― ビ ュ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ (そして「あなた」の意図も介さず、「あなた」のもとに〝緑風〟が湧き起こった)
黒いフェイス「(震える「あなた」に、男・ムムカはその内部で卑しく嗤った)―――おおっと、該当者一名かァ?こいつァ面白くなってきやがったァ…!!(両腕を広げて高らかに笑っていたのも束の間、突然聞こえてきた何者かの声に「あぁん?」と首を傾げる) 」
ザビーダ「―――――〝ザビーダ〟様だ、バ~カ。(――――――――なんとこの男、〝「あなた」の中〟から飛び出すように現れたのだった。) 」
あなた「……!?(風の如く忽然と現れた男・ザビーダの出現に目を丸くしつつも…)……!(その再会に、黒く沈みかけた瞳に光が灯り始める) 」
都内音声『ふははははは!無様だな、兄弟!!どうだ、俺のサングラス活かすだろう!!ふははははは!!(男の声を皮切りに、やかましい銀河万丈声が館内放送を
ジャックし囀り渡る)』
月光仮面「感情に流されるな。標的を一つに絞れ。取り巻きは俺が引き受け—————— —————— !?この声はリキッド…… リキッド……?では……ない!? 貴様のような兄弟はいない!貴様は、貴様は何者だバーサーカー!!!! 」
都内音声『ぶははははは!!笑止!!この聖帝、貴様ら下郎と同じ英霊の枠に収まるものか!俺は冠位を受けた最強の英霊『グランドバーサーカー』 またの名を…… 』
――― 極 星 聖 帝 サ ウ ザ ー ―――
「「「「「 ご 機 嫌 よ う 下 郎 の 皆 さ ん !!!!! 」」」」
耳をツン割くほどの爆音で一昔すぎるイントロが描き鳴らされる。
スピーカーが備えられたビルの屋上には、筋骨隆々な五人の男達のシルエットがあった
サウザー「>>カモカテペテー♪ デンゴゴ デンゴゴ デデデー デンゴゴ デンゴゴ デデデー♪<< チャ チャ チャ デレレデッデ♪」
サウザー「 チャ チャ チャ デレレデッデ♪」
黒いフェイス「なんだァ、テメェらはァ…!?(腕で虚空を薙ぎ払い、風のごとく現れた謎の五人組を睨みつける) 」
サウザー「デンデゴデンデゴデッデレデッデレデー♪」
月光仮面「 ガッ (あなたの顔を両手で掴み、黒のフェイスに集中するように促す。とりわけ、サウザーを見ないように) 」
あなた「??????(何が起こったのかわからず困惑している!▽) 」
エースバーン「………???(疲れがピークに来ているのだろうかと訝しんだ兎は何度も目を擦ってみせる) 」
慣れーション「>>>シン!シュウ!レイ!ユダ!そして聖帝サウザー!!言わずとも知れた南斗聖拳伝承者達!!合わせて『南斗De5Men』!!!!!世紀末の月の都へ、愛の戦士たちが颯爽と降り立った!!!!!!!<<< 」
サイボーグ忍者『???????(忍者たちも互いの顔を見合わせながら訝しんでいる)』 」
サウザー「敵は全て下郎!!取り巻きはありがたく『南斗De5Men』にあずけよ!!! ~ 引き裂いた闇が吠え 震える月都に 愛の歌高らかに 躍り出る戦士たち ~(爆発する月の都をバッグに颯爽と降り立ち、アクロバティックな動きでサイボーグ忍者に交差した手刀を振り下ろす(ヒーローショーでも安心の峰打ち仕様です)) 」
シン「~ 心まで鋼鉄に 武装する >> 乙 女 << ~(華麗な蹴り技の一閃でニンジャに襲いかかり、カメラ目線で華麗かつ数多の女性のハートを射抜いた憎らしい笑顔とVサイン) 」
レイ「~ 悪を蹴散らして ~(優雅に空高く舞い、急降下と同時に青い閃光が駆け抜け、流麗な動きと同時に五指の斬撃で敵を屠りにかかり、美しも気高き双眸が輝く) 」
シュウ様「~ 正義をしめすのだ ~(空高く舞い、急降下と同時に手刀をX字に振り払いそこそこ強そうなモブを確実に撃退した後、包容力のあるお父さんのようなダンディな笑顔をキメる) 」
サウザー「~ 走れ 光速の帝国華撃団 ~(時折バレリーナのようなフリも交えて戦場を純音無人にかけつつ、あなた・黒のフェイスが対峙する間合いに邪魔が入らぬようサイボーグニンジャ達を翻弄しつつ無双する) 」
南斗De5Men「「「「「 ~ 唸 れ 衝 撃 の 帝 国 華 撃 団 ~ (一斉に必殺技を炸裂させ、地上に咲いた花(ただの爆発)をバッグに並列し大ジャンプし決めポーズを取った 以後ループです)」」」」
サイボーグ忍者『!?!?!?!?(音割れにも近い爆音で流される奇怪?なテーマソングが流れる中、何処からともなく四方八方から飛んできた愉快?な五人組に翻弄され、地面や壁に打ち付けられたり、あるいはそのまま壁を貫けて高い塔から転落していく)』 」
ユダ「(あれ、俺の出番……)」
黒いフェイス「―――― 邪 魔 く せ ぇ゛ ぇ゛ ぇ゛ え゛ え゛ え゛ え゛ え゛ い゛ ッ ! ! !(バッタの如く縦横無尽に飛び交いながら好き勝手やらかす者どもに怒り心頭したのか、自慢の長く鋭い爪で地面を引き裂いた) 」
ザ キ ィ ィ ィ イ イ イ ン ッ ―――― ジ ュ ワ ア ァ ァ ァ … ッ … … ! (黒いフェイスに深く刻まれた三閃。その爪痕からじゅわじゅわと水泡が出始め、白かった地面が黒く変色していくのが分かった)
ザビーダ「……よう。びっくりして声も出ねえってか?…って、元からか!ハッハッハッハッハッ!(「あなた」の前に姿を現すや否や飛び出すザビーダ節)おっと……… クルクルクルクルクルッ カシャッ(銃を手中で回しながら取り出し、自らの頭に突きつけ)――――――― バ ァ ン ッ ! ! (発砲する) 」
エースバーン「俺は…夢でも見ているのか……???(ぽかーんと口を開けながら、謎の五人組に蹂躙されていくサイボーグ忍者たちの末路を見ていたが…)―――っと…!?(黒いフェイスの斬撃音に再び現実に戻され、思わず身が硬直する)……!なんだ、あいつの爪……っ…(黒いフェイスが遺した爪痕に眉をひそめる) 」
サウザー「ぶははははは!!愛などいらぬ故、愛の戦士は勝つ!!(黒いフェイスの激昂に負けじと高笑いを決め込んでいたが、突然糸が切れたようにがっくりと膝をつきシワシワピカチュウのような情けない顔になる)カレーで培った魔力が切れた…」
南斗De5Men「「「「「またの機会にお会いしましょう!!(五人同時召喚という魔力バカぐいをやったせいかエネルギー切れになり、戦況が不利と理解したのかサウザーを引っ張って風のように去る!!)」」」」
黒いフェイス「フッフッフ…よく気づいたな兎。そうよ、この武器は特別よォ…!お前たちムシケラ、いや…この世界のあらゆる生物を腐らせるために造られたんだからなァ…!(自らの爪を擦り合わせると金属音の軋む音が鳴り響く) 」
黒いフェイス「難しいことはよくわからねェんだがよ、プロフェッサー曰く…ほれ、貴様等も見たであろうあの工場にあったエーテルの流れよ。エーテル流ってのは大地の言わば血液さね。その血液を搾り取ってるのさ、あの工場ではな。搾り取った血液から造られるのがあの青緑の液体ってわけさァ。この爪にはその液体をた~~~~っぷりと染み込ませている。一度切り裂かれれば即あの世行きさね。クックックッ…どうだ、イカスだろォ?」
エースバーン「……なんだったんだあいつら…(風のごとく現れ、風の如く去っていった五人組に唖然)……なるほどな、下手に攻撃を防ぐこともできねえわけだ。どこまでも汚い手を使いやがるな…っ…… 」
月光仮面「月の都の妖精だ(知り合いだと悟られぬようしれっと流し) 触れなければいい……言うは易しだが実際厄介な装備だ。毒を無力化するのが先決と考えるが……それをさせてくれる代物かどうか怪しいな 」
ザビーダ「(がくりと項垂れ、そして…)―――― コ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ッ ・ ・ ・ ! ! (自らを包むように緑風が湧き起こってきた) 」
あなた「……!(帝国華撃団の応援と、駆けつけてきたザビーダのお陰で何とか自らの士気意を保つことができ、果敢にも身構える) 」
黒いフェイス「 さァー無駄話はここまでだぜ、ムシケラ共よ。腐って逝きな!この思い出の大地でよォ!! 」
みこみみ「はーしーれー♪こーそくのー♪てーいこーくかげきだんー♪ うーなーれー♪しょーげきのー♪てーいこーくかげきだんー♪ (茶の間のテレビ(※『
僕らの物語』放映中)前で聖帝様のソフビ片手に意気揚々と歌っている) 」
とじそが「なにやってんすか太子様ぁ!?!?!? このシーンは悪影響だろーが!!今すぐテレビをお切りください!あれッ!?どうしてッ!?なんで(電源)切れねえんだこれッ!?おいッ!?電池切れてんじゃねえかッ!!本体ッ!!本体、切れないッ!!?コンセントッ!抜けねぇッ!?どうなってんだこのアナログテレビッ!!つーか地デジじゃねーのかよッ!!やめろ…やめろォ゛ァ゛ア゛ーーーッ!!!(リモコンをへし折り古いテレビをガンガン殴りつけるがまるでびくともしない) 」
ふとのべ「ああ、そのテレビか?リサイクルショップで太子様が買ってきた掘り出し物じゃぞ。ゾウが踏んでもジャスティスが爆破してもキュケオーンをぶちまけられても高カロリーチーズを盛られても壊れないものらしいのじゃ!それでお値段たったの53円!どこぞの農園が売りさばいてるゲームボーイアドバンスより安いぞ! 」
とじそが「んな謎解説いらねえからテメーもなんとかしてくれよおおおおおおおおお このままじゃ太子様が聖帝様になりかねん!!飛鳥文明に世紀末が到来(やってく)るわ!!つーか番組の監督あれでゴーサイン出したのあったまイカれてんじゃねえのか!?教育番組じゃなくとも即BANだろがい!!!! 」
みこみみ「はーしーれー♪こーそくのー♪てーいこーくかげきだんー♪ うーなーれー♪しょーげきのー♪てーいこーくかげきだんー♪(サビリピート) 」
とじそが「太子様ァアーーーーーーーッ!!!!!! 」
― 月待塔・十夜 ―
天王寺璃奈「…メディ、ヒロさん…ミディを破壊して。ミディはもう…私の声も届かないから……(悲しげに潤う瞳を揺らしながら、その胸に手を当てる) 」
ミディ「コツ…コツ…コツ…―――― ヒ ュ ォ ッ !(数歩迫った直後、傾倒するような動作から一気に疾駆。背面へ振りかぶった大型メスを抜刀の如く勢いよく振り抜いて斬りかかる)ブォンッ―――ザキンッ、ザキンッ、ザキィンッ!!!(だがこの初手を回避されることを相手の挙動から予測演算し、隙の無い追撃を見舞っていく) 」
メディ「了解しました、璃奈様。……っ…!(リーチのある刃を咄嗟のバックステップで回避するが―――) っ!? (こちらの動きを先読みした追撃に対応が遅れ、辛うじて振り抜いたアタッシュカリバーで斬撃を受け取るめる)―――ザキィィンッ!(しまった…!)(連撃の圧に耐えきれず、武器はその折り畳み部分を境に切り裂かれてしまう) 」
メディ「バッ―――(すぐさまアタッシュショットガンを取り出し)カ シ ャ ン ――― ダ ァ ン ッ ! ! ! (フォアエンドを後ろに引き、散弾銃による凄まじい射撃を零距離で放った) 」
ヒロ「……やるしか、ないのか…!…!(大型メスを回避するも、ミディの追撃に呑まれる)…くっ!(土の盾をミディと自身の間に発現させ、距離を取る) 」
ミディ「 ガ ァ ン ッ ! ! (散弾銃を一身に浴びる。たとえそれがヒューマギアであってもひとたまりもない一撃だと思われたが…)―――― シ ュ ゥ ゥ ゥ … ッ … (被弾部位はほぼ無傷であり、白い硝煙が噴き出していた腹部を手で振り払った)ギュオンッ―――― ガ シ ッ (首(こうべ)を上げるとともに瞬間的にメディの懐へ潜り込み、そのショットガンを強く握り取る)メキメキメィ…ッ…――― ボ ガ ァ ア ン ッ! ! (銃身を握力のみで握りつぶし、武器を破壊した) 」
メディ「そんなッ―――(あの直撃を受けても無傷……ならば…)――― シャキィンッ!(今度はプログライズホッパーブレードを引き抜き身構える)はっ…!!(鮮やかに刃を振り上げながら斬撃を兼ねた接近を行う) 」
ミディ「ガキィンッ―――ガキィンッ――ギキャンッ―――ガァインッ!!!(大型メスを振るって応戦。互いの斬撃がぶつかり合い残響が空間に渡っていく) ガ ッ ! (間隙を突いた水平蹴りを見まい、メディを蹴り飛ばす) ス ゥ … ――――“肺炎症”(インフラメイション)―――― ブ ワ ア ァ ァ … ッ ! ! (小さく息を吸って妖艶に片手を顎元へ添えると、整った唇から出るものとは想像できないほど凄まじい火炎の息吹を広範囲に解き放ち、二人に襲っていく) 」
メディ「(なんという、強烈な攻撃…武器へのダメージが相当なものに…)(斬撃を弾く武器に受けた衝撃からダメージを算出しているが、その蓄積によって限界を悟る)くぅ…―――!?(蹴り飛ばされて態勢を整え直そうとしたのも束の間、目の前から迫る炎の濁流への対処に間に合わず、咄嗟に剣を盾に凌ごうと試みるも、左右から襲い掛かる高熱の息吹に焦がされ、衣服の一部が焼け焦げていく) 」
ヒロ「……!(土の波を発現、火炎を飲み込まんとミディ目掛けて放つ) 」
ミディ「――― “円舞台切除”(クラックル・クルクルス) ――― ( ズギャギャギャギャギャァッ!!! )(腰元に宛がった大型メスを水平に固定したまま勢いよく飛び出すと。己を車輪の如く回転し始める。それは回転鋸の様に激しく回りながら床に鋭い爪痕を残し、ヒロが発言した土の波へ逆らうように乗り越え、そのままくメディへ遠心力を掛けた重い斬撃を炸裂させる) 」
メディ「ッ゛――――!!(計算上、あの攻撃を受け止めればそのまま切断されてしまう。しかし回避の可能性も低い…かくなる上は―――)――― ギャギギギギィンッ!!!(しゃがむような態勢で斜めに構えたブレードで回転斬撃を受けつつ、そのまま圧倒されていくが…)―――えい…ッ…!!(受け止めた衝撃をそのままブレードを思いきり横へズラすことにより、ミディを空かした) 」
ミディ「グルングルングルン―――― ズギャアアアアアァァンッ!!!(斬撃を空かされたことでそのまま壁へと盛大に激突するが…)――――― フ ワ ァ … ッ … !(立ち込める硝煙の中から平然とした立ち振る舞いで復帰する) 」
メディ「……直撃を免れてよかった…ですが……(復帰するミディを傍目に手元のブレードを睥睨する。先程受けた苛烈な攻撃によって酷く刃こぼれしてしまい、もはや使い物にならないことを意味していた)ブンッ―――― シ ャ キ ン ッ ! (ブレードを捨て、展開されたアタッシュアローを取り出してすぐにレバーを引く) はっ!! (遠距離からエネルギーアローを幾つか放っていく) 」
ヒロ「……さすが、頑丈だな……!(掌を突き出し、土弾で弾幕を張りながらミディに近づく)…はぁっ!!(彼女の近くに来たところで瞬時に土刀を生成し、ミディを突き刺そうとする) 」
ミディ「フォンッ、フォン――― ピキッ…ボキィンッ!!(流れるような動作で土弾の弾幕を受け流しつつ、ヒロの突撃を許す…わけなどなく、刀に突き刺される寸前で両腕の屈折部に刀身を通し、てこの原理を利用して粉砕。反撃としてヒロの顔面に掌底を繰り出し殴り飛ばした)……ス…―――(その後穏やかな佇まいで瞳を閉ざし、耳元のモジュールへ静かに両手を伸ばすと…)―――“双極電鈴”(バイポーラ)―――( リ ィ ン♪ リ ィ ン ♪ )(モジュールから発せられる鈴の音の音波が、自身に降りかかるエネルギーアローを完全に打ち消した) 」
メディ「……!あれは…超音波によって電気信号の流れを乱すことで…エネルギーなどの粒子体を使った攻撃を無効化している…!?そんなものまで搭載しているなんて……(ミディの実力に愕然とする。無論、これが初めてではない。自分にとって「姉」とも呼べる存在と相対した瞬間から、既に自分の中で人間が持ちうる「焦り」という感情が、そのシンギュラリティが覚醒しつつあった) 」
ミディ「 フ ォ ン ッ (動揺するメディの懐へ一瞬で潜り込み、彼女が手にしている武器へ手を伸ばし、再び掴んだ)―――“石灰手術”(カルシフィケーション)―――(その瞬間、自身の手を起点にメディの武器が白く腐食し始めていく) 」
メディ「――――ッ゛!?(刹那的な接近、そして腐食していく武器に瞳孔が大きく開いて咄嗟に大きく距離を取った)無機物の石灰化まで…!(腐食し、跡形もなく砕け溶けていく武器の残骸を見届けながら、更に警戒の色を強める) 」
ヒロ「ぐおぉっ!?(殴り飛ばされ、床に叩きつけられる)…ま、まさか…!(メディの武器が石灰化されたのを見て) 」
ミディ「貴女方の戦闘パターンは、MF部隊との戦闘ログからすべて閲覧済みであり、該当データを当機と同期が完了されている。故に、この勝負は当機に大きな勝率があると判断します。速やかなる降伏を推奨。拒否する場合、生命線の消失が確認できるまで粛清致します。 」
天王寺璃奈「(メディたちの動きが読まれているうえに、一切の攻撃も武器も通用しないなんて…データを読まれただけでこれほどの差が出るものなの……?いや、それ以上に――――ミディは、メディよりも遥かに戦闘スペックが高いということ……なの…っ…?)……ううん…例え、そうだとしても……私は、諦めない…っ…… 」
天王寺璃奈「――――― 負けないで、メディ、ヒロさん…!(出来る限り精一杯の声を張り上げ、二人に声援を送る)」
メディ「………(ミディの能弁に静かに耳を傾けていたが―――)――― もちろんです、璃奈様!(それに応えず、主である璃奈の声援にはしっかりと反応。同時に、メディ自身の中で巡っていた「焦り」というシンギュラリティが沈静化したのか、その表情に冷静さを取り戻す) 」
ヒロ「……たりめえだ(璃奈の言葉に応える) 」
ミディ「………理解不能。何故、実力が明白となっているにもかかわらず、降伏を検討しないのでしょうか。(心底理解できないと疑問符を浮かべる) スピード、パワー、計算力…全てに劣るスペックでは私に勝つことなど不可能。(重心を落として、大型メスを構える腕にグググと力を込める) 」
ミディ「―――― “帝王切開”(シーザーニッカー) ――――(そして、大型メスを豪快に振り抜くと、空間一帯をも断裂するその凄まじい斬撃が二人に迫る) 」
メディ「……!ヒロ様―――― ッ゛ ッ゛ ! ! ? (咄嗟的にヒロを突き飛ばしミディの斬撃から庇うが、それよって左腕が切り落とされてしまった)…くっ……ジジッ…バジッ…(ショートする切断部位を右手で抑えつけながら跪く) 」
天王寺璃奈「……!! メディ…っ…!!(自らの腕を犠牲にヒロを庇ったメディに悲痛な声を張り上げる) 」
ヒロ「…………!メディちゃんっ!?(メディに庇われ攻撃を免れるも、彼女の腕を見て)だ、大丈夫か!(切り落とされた左腕を咄嗟に回収する) 」
ミディ「……勝負ありましたね。(蹲るメディにトドメを刺そうと歩み迫る) 」
メディ「…心配は無用です、ヒロ様…… ――――― まだです。(首が垂れる中、機械仕掛けの少女は静かに、強かに、その強気な声を発した) 」
ミディ「……?(メディの反論に歩みを止める) 」
メディ「……これまでの冒険において…私を造ってくださった璃奈様は…どんな時だって、最後まで諦めようはしなかった。主様も、ヒロ様も、ホムラ様も… だからこそ私は、皆様のその強い"想い"に応えなければならない。それがわたくしの使命であり、生まれた由縁にあるのですから…!(片腕をもがれても尚、すぐにいつもの表情を取り戻して立ち上がろうとする) 」
ミディ「……理解不能。"想い"など、不確実で抽象的なものはアップデートの要因には繋がらない。もはや如何なる作戦も行動も私には通用しません。抵抗は無用。反撃は無駄。(一回転させた大型メスを構え直す) 」
メディ「…貴女も、私と同じく璃奈様と或人社長に造られたのなら… 二人のありがたいお言葉を思い出させてあげます ―――― 「 "想い"はテクノロジーを超えると…!」
ミディ「 ピ ク ――――― (その言葉に、武器を握る手が僅かに揺れた) 」
メディ「……私も、初めはこの言葉を理解することが困難でした。その真意を或人社長に問うたところ、「いつかわかるよ」と曖昧に誤魔化されましたが…これまでの旅を通じて、私は答えに辿り着いたような気がします。誰かの為に我が身を呈してまで何かをしようとする主様たちの行動理念を学んだことで、ヒューマギアである私にも強い影響が表れました。 」
メディ「人の為にどれだけ献身的になれるのか…そう己に問い質した時、見えたのです。わたくしが生まれた意味を…本当に叶えるべき「夢」を…人の"想い"が、人ではない私の心に火をつけた理由を…! 」
天王寺璃奈「……メディ……(メディの本心に心打たれたように、彼女を優しく見守り続ける) 」
ヒロ「…………メディ、ちゃん…!(メディの本心を聞き、彼女の横に立つ) 」
メディ「…理解ができないのなら、結構。ならば私が証明してみせます。"想い"を受けたテクノロジーの可能性を…!(片腕を失いバランスの維持が困難になりつつも、辛うじて直立し構え直す) 」
ミディ「……――――理解不能。(めげることのないメディに対し、そして彼女を支えるようにその傍に立つヒロに対しても、容赦なく刃物を何度も振り回しながら前進していく) 」
メディ「くッ…あ……―――(――――?)(攻撃を防げる武器もないため斬撃を受け続けるが、ここである異変に気付く)――――(衝撃ダメージが少ない…?)(先程のダメージ算出データと比較し、何故か全身に直撃しているにもかかわらず弱まっている攻撃に疑問を抱く)……!(ひょっとしたら…―――!)(そして、攻撃を受け続けた先にその疑問に気が付いたのか、独りでに目を瞠った。そして、次と次と振り下ろされる斬撃を、ある程度から受け流すように避けはじめていく) 」
ヒロ「…………俺を庇ってくれた彼女のためにも…(振り回した刃物に対し、土刀で応戦する) 」
ミディ「ギッ、ガァンッ…!(ヒロとの斬り合いに火花を散らしながらも、それを薙ぎ払うように弾き返き―――)これにて―――終いです。(何らかの異変を察したメディに気づく様子もなく、刃物を大きく振りかぶり、脳天を勝ち割る勢いで盛大に振り下ろした) 」
メディ「 ズ ァ ン ッ (刹那―――ミディの攻撃を完全に見切った様子でその刃を華麗に避け切った) 」
ミディ「――――!?(空ぶった斬撃に、初めて驚愕の色を伺わせる) 」
天王寺璃奈「……――――!そっか…そういうこと…!左腕を失ったことで、バランスが変わったメディの動きを、ミディは正確に予測することができないんだ…!(重傷を負いながらもミディの攻撃を完璧に避け切るメディの動作からすべてを察する) 」
ミディ「……ッ…!!(その後、平静さを取り乱したように大ぶりな斬撃を絶えず行いながら前進していく)……理解不能。貴女に組み込まれているエーテル炉は完全には起動していない。ならば初期型から改造された当機の方が出力は上であるはずです。 」
メディ「フォンッ―――フンッ―――スァン――ヒュオンッ(しかし、ミディの攻撃は自身には全く当たらない。失ったバランスが功を奏し、風に吹かれる草の如く揺れながら、襲い来る刃を受け流していく)…出力など、関係ありません。私を造ってくださった璃奈様が「負けないで」とおっしゃったのです。だから私は負けない、負けるわけにはいかない。ただそれだけです。」
ミディ「……理解不能。(思うように攻撃が当たらないメディに対し睨むように目を細める) 」
メディ「可視化できるものにしか目を向けない ―――― だから貴女は凡骨なんですよ。(バッ!と健在の右腕を振りかぶり、ヒューマギアモジュールに手を触れる) 」
メディ「―――― アンビリカルコード:M3D1 起動 リミッターの解除を天王寺璃奈様へ申請 ――――(璃奈様…勝手な真似をお許しください――――) 」
天王寺璃奈「―――――(…ううん。だって、それがメディの意思だもんね。伝わるよ、メディの気持ち。だから、私も受け止める―――)―――― 承認…!! 」
メディ「 キ ュ ォ ォ ン ッ (璃奈の肉声による承認を受けると、少女の両の眼に0と1の数字が高速スクロールしていく。そして、「 - ACCEPT - 」の青い文字がその瞳に浮かび上がると―――) ギ ュ オ ン ッ (菫色の瞳が蒼白く発光する) 」
ヒロ「…………!(璃奈の言葉を聞き)これは、通用するか…?(再び土刀を2本構える)ふんっ!(ミディに迫り、土刀で左右から切り上げる…だけと見せかけ、土の刃を肘から生やし追加攻撃をかける) 」
ミディ「…ッ…!?(メディの逆転に狼狽する中、ヒロの奇策の込んだ攻撃に翻弄され、突き飛ばされてしまう)……分析開始…! (すぐに立ち上がるとモジュールへ手を伸ばし、再び彼らの行動パターンを分析しようと起動させる) 」
メディ「―――― 今更遅いッ!!(勢いよく地面を蹴り上げ、ミディとの距離を一気に詰める) 」
ミディ「―――ッ!!(解析中の追随は許さないと、背面リボンのバーニアを噴射させ上空へと避難)―――― バ ッ ! ! (スカートの内側より大量のメスが突出し、地上のメディへと降り注ぐ) 」
メディ「 ザグッ ザグザグッ ザグゥッ ――――ッ゛…!!(大量のメスが体を時に掠め、時に突き刺さるが―――) タ ァ ン ッ (それをものともしない揺るぎない瞳で頭上のミディを捉えると、大地を蹴り上げ彼女へと迫る)―――― バ リ バ リ バ リ ィ ッ … ! ! (空間を駆け抜ける最中、顕在する右手に稲妻が迸る) 」
ミディ「―――――!!!(攻撃を受け続けても、それでも止まらず突進してくるメディに動揺を隠しきれない。大型メスを両手に握りしめ、槍の様に突き刺そうとその切っ先を突出させた) 」
天王寺璃奈「……――――( 私は、ずっと貴女を信じている ) 」
メディ「 グ ゥ オ ン ッ ――――(刃の先端が目と鼻の先まで迫ったその瞬間、全身を捻るようにその刃先を受け流し、ミディの懐へと迫る) 」
天王寺璃奈「――――― メディ ――――― 」
メディ「――――― “ 医 心 電 心 ”( メ デ ィ カ ル シ ョ ッ ク ) ―――――(帯電した右手をミディの胸部へと伸ばし、未だかつてない高電圧を乗せた凄まじい掌底による電気ショックを盛大に炸裂させた) 」
ミディ「 ! ! ? (雷鳴の如く轟く爆音とともに受けた一撃に、強靭なボディから黒煙が湧き起り――――)…め……でぃ…―――― ド シ ャ ア ァ ッ … ! (メディに向けて手を伸ばしかけたその直後、その手は力尽きたように揺れ落ち――――鋼の身体はそのまま無機質な床上へと落下した) 」
ヒロ「…………!(メディの一撃を見て)すごい…なんて、電気だ…!! 」
メディ「 ス タ … (ふわりと優雅に着地すると、小走りでミディのもとへ向かい、彼女に向かって手を伸ばしてトドメを―――)――― (ささなかった。倒れる彼女の傍へ座り込み、上半身を抱き上げて自身の膝にその頭を乗せた)……私の身に宿るありったけの力を開放し、彼女の体内に内蔵された制御装置を破壊しました。これで…もう大丈夫ですよ…――――『 姉様 』……(ここではじめて、ミディを「姉」と呼ぶ。その姿は人間味に溢れ、悲しみと喜びの混じる複雑な表情を彼女へと向けるのだった) 」
天王寺璃奈「……!(ミディを抱き上げるメディ。二人の様子をその傍で静かに見守る) 」
ミディ「…………あり…がとう……メ、ディ……(電気ショックによる副作用か、あるいは制御装置を破壊されたことによるものか、カタコトな言葉遣いでメディに応える。耳障りな電子の声。それでも、自らの意思で語り紡ごうとしているその言葉には対峙した時の形骸的なものは感じられなかった)……ジジッ……貴女の…おかげ、で……記憶データが、復元され、マシタ… …わ…ワタシの……ご主人…様は……――――私のご主人様は、或人社長と璃奈様です。(そして、近寄ってきた璃奈にその目を向ける) 」
ヒロ「…………それで、電撃を………(メディの言葉を聞き) 」
天王寺璃奈「……ミディ…――― ごめんね…ミディ…っ…… 私のせいで…望まぬ形で目覚めてしまったことを……(床上に転がるミディの手を優しく手に取る)……こんなはずじゃ…なかったんだ… ほんとは、ミディにもっと…あたたかいこと、教えてあげたかった。たくさんの人と繋がって、たくさんのことを学んで…そして……私たちの「夢」を、叶えてほしかった……っ……(無表情の少女の瞳から、自然と涙が溢れてくる) 」
ミディ「……バジッ…ジジ……そんな顔…しないでください……璃奈、さま……(冷たい機械の手に感じる人肌の温もりを感知し、悲哀を浮かべる彼女を慰めようと口の端を緩めて笑顔を取り繕うとする)………たとえ、璃奈様にとって、望まぬ結果となってしまって、も……ワタ、シは……ワタシは、貴女に、生み出されたこと…感謝、して、いま…ス…… お二方の「夢」…を、支えることができなかった…ことが、唯一の、後悔です……ほん、とうに……申し訳、ございません…でした…… 」
ヒロ「…………(璃奈の言葉、そして涙を見て、グッと拳を握りしめる)……(閉じたその瞳に涙が光る) 」
メディ「……「 夢 」……(そのワードを自らに言い聞かせるように復唱する) 」
天王寺璃奈「……(ミディの謝罪に「ううん」と首を振る)……よく頑張ったね……ありがとう…っ…… 」
ミディ「……(涙する主を傍目に、メディの方へと振り返る)…メディ、貴女にも、迷惑を掛けましたね………ひとつだけ、お願いが、あります… 」
メディ「……!……なんでしょうか、姉様…? 」
ミディ「メディ…―――― 私をスターターにしてください。」
天王寺璃奈「……!(ミディの提案に、腕でごしごしと涙を拭う)…そ、そっか……! メディのエーテル炉は、ミディの試作型エーテル炉のパワーで点火できる設計だった… そうすれば、メディのエーテル炉は完全に起動する…でも……―――― そんなことをしたら、今のミディは…」
ミディ「(璃奈の言葉を遮るようにゆっくりと首を左右へ振った)……これが、今の私にできる、せめてもの罪滅ぼしならば… お願いです…私の命の炎で…「 妹 」を…璃奈様を…皆さまを…救って、ください……(覚悟を受け入れたような暖かな微笑みを浮かべる) 」
メディ「……姉様……――――(優しく微笑む姉の姿に、機械仕掛けの少女はどうすればいいか分からないと困惑を表現し、璃奈の方へと顔を上げた) 」
ヒロ「君は…………!(ミディの提案、表情から全てを察し) 」
ヒロ「………どうするんだ、璃奈ちゃん?(メディの様子を見て察するかのように璃奈に) 」
天王寺璃奈「ヒロさん…言ったよね…?「形あるものはいつか壊れていくもの」だって。……ミディは、ヒューマギア。だから…また、一から作り直すことはできる。けれど、記憶がリセットされてしまうから…「今のミディ」は、もう二度と帰ってこない… 私は……どうしたらいいか、わからない…でも…っ……―――」
メディ「―――― … ス … (ミディの手を握る璃奈の手へ重ねる様に自らも手を添える)……璃奈様のお気持ち、ご察し致します。私も、叶うことなら…姉様とは離れたくありません… しかし、今…限りある命が失われようとしています。 ホムラ様を救うために、危険な運命に自ら乗り出した主様がそうであるように…私も、その覚悟を受け入れたい。たとえ、姉様が消えようとも…姉様の命は、私が必ず繋ぎます。私は…そう誓います。 」
ヒロ「璃奈ちゃん………!…確かに、それが彼女の望みだと言っても…そう簡単には割り切れないだろうな……… 」
ヒロ「だが…自身を失ってでも誰かのため…大切な人のための力になる………それには相当な覚悟が必要だったと思うし…その人を大切だと思わない限り、そんな事は言えない…(自身の過去を思い出すかのように目を閉じる)…そう、だろう?(ミディに問いかける) 」
天王寺璃奈「――――!(メディの言葉にはっと気づかされる)………メディ… ……そう、だよね……私だけが、迷っちゃ、ダメなんだ。メディだって、ヒロさんだって…ホムラちゃんとヒカリちゃんだって…そして、「あの子」だって……迷いを払って立ち上がってきたんだもの…! 」
天王寺璃奈「……―――― 決めたよ。私も、私の"想い"を貫いてみせる。それが簡単なことじゃないことも、わかってる。それでも……変わりたい。変わらなきゃ、変えたいものも変えられないから。 」
天王寺璃奈「………ミディ、メディ…生まれてきてくれて、本当に、ありがとう…… 私は変わるよ…変えてみせるよ……――――」
ミディ「……そうですね…(ヒロの問いにふっと優しく笑むと、璃奈の顔を覗き込む)………――― 璃奈様が、私たちのご主人様で良かった…(新たな決意を抱く主の姿に感銘を受けて表情が綻んだ。それが、璃奈たちにとって…「今のミディ」が遺した最後の笑顔だった―――) 」
メディ「…ええ。わたくしも、そう思いますよ…「姉様」―――(ミディが遺した最後の表情と言葉にゆっくりと頷いてみせた) 」
― 月待塔・十五夜 ―
キャロット「(一方その頃、レジスタンスの精鋭三人は―――)―― ズザザザァーッ…!! はっ……はっ……こいつ、さっきから全然余裕そうなのに、全く隙が無いよ…!(白衣の男が変身した仮面ライダーとの戦闘に苦戦を強いられていた) 」
仮面ライダーデューク「ははは…!いやはや機敏な動きで翻弄してくれるね、月の民の戦闘種族は。これは実に良いデータが採れそうだ。さぁ…もっと踊りたまえ…! っ は ァ ! ! (両刃の付いた弓、ソニックアローを振り回して圧倒していく) 」
うどんげ(月戦型)「バシュン、バシュン、バシュンッ――――― ズ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! ! (スナイパーライフルによるロングレンジ射撃。それが通用しないと悟ると今度は両脇に挟んだ二丁のサブマシンガンでの射撃を試みるが…) 」
レオモン「……すべて、奴の頭脳の内、というわけか…… ふんっ!(ソニックアローを振り回す仮面ライダーデュークに対し、刀を振るい果敢に挑んでいく) 」
キャロット「うわわっ…!?(斬撃を掻い潜るように避けデュークの背後へ旋回する)……!(攻撃はものすごく単調…実力なら戦闘経験が豊富な私たちの方が勝っているはず…なのに…なんで…ッ…!?) 」
仮面ライダーデューク「――――(全身に集中砲火を受けるが…)……はははっ…!(被弾部から沸き立つ白硝煙を手で軽く振り払うと「なんだそれは?」と言いたげそうに首を回す)…っとと!ガギィンッ…!!…ははっ、やるじゃないか。(応戦するレオモンの斬撃を、悠長な態度で防いでみせる)……君たち獣には理解できないかもしれないが、戦いが始まった瞬間から…いや……それ以前から、君たちの戦闘パターンは既に把握済みだよーん。なんのためにMF部隊を数名外へ派遣させたと思っているんだい?(自らのこめかみに指をコツコツ当てる) 」
うどんげ(月戦型)「…やはり、私たちのことを密かに監視していたのですね。趣味の悪いこと…――― ギ ュ オ ン ッ (マシンガンを投げ捨てると、四次元ボックスからロケットランチャーを出現させる)―――これならどうです!?(弾頭をデュークへぶっ放す) 」
キャロット「そうやって油断を誘うつもり…!?そうはいかないよ!月の民の底力、侮らないでねッ!(バリバリと高鳴る帯電グローブを付け合わせ、デュークに間髪入れず怒涛のラッシュを叩き込んでいく) 」
レオモン「……! ……やはりそうか。これまで矢面に立たず、ただひたすらに連中を差し向けたのは他でもない……己自身が立ち回るためだったというわけか。だが……!―――――――獣王・百裂拳!(闘魂を込めた拳を素早く連続で繰り出す) 」
仮面ライダーデューク「はい、はい、はいはいはいはい…(三人の動きをスキャニングし、行動パターンを検知。まずはキャロットとレオモンの連携ラッシュを前に身構えることもなく、陽気な踊り子のような軽々とした挙動で、"その場から一歩も動かず"完璧に避け切ってみせると…)―――はーい。(彼女の右耳を掴み上げてすかさず蹴り飛ばし)―――そらよっ。(レオモンの屈強な肉体、その脇腹にチョップで痛打し、追撃の斬撃を見舞った)―――! チ ュ ド オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ー ー ー ー ー ン ッ ! ! ! (そんな中、うどんげが放ったロケランの弾が全身に炸裂し、空間一帯に黒煙が舞う) 」
仮面ライダーデューク「―――― コ ツ ン … ( ボ フ ン ッ … ! )(だが、その沸き上がる黒煙から悠然とした足取りで姿を現わした彼は、その身を防弾性のあるケープで纏い、彼女の一撃を無効化していた)……いい連携だが、一個人の実力が知れたんじゃねえ。そんな三人で私をやろうなど…それはちょーーーっと見通しが甘かったんじゃない?(仮面の内側で嘲笑が聞こえる) 」
キャロット「―――ッ!?(な、なんで…!?当たらな――――)――いだいっ゛…!ぎゃんっ…!(右耳を掴まれた痛みに悶える暇もなく蹴り飛ばされる)…あ、うぅっ……で、でも…!ラビーだって、ようやく自分の弱さと向き合えたんだもの…!私だって、私だって……!(全身から稲妻を放出しながら突進し、デュークへ雷撃を仕掛ける) 」
レオモン「――――ぬっ…ぐぁっ、がはぁッ…!!(仮面ライダーデュークの反撃に屈強な肉体も悲鳴を上げ、斬撃により後方へ吹き飛ぶ) 」
うどんげ(月戦型)「くッ…ロケランをまともに食らっても平然といられるなんて、なんてチート野郎なんですか!(…でも、確かにその通り……このままの戦法(やりかた)では敵わない…っ…なら…!)(背面バックパックより、追従型疑似オプション「ルナティックガン」が数機飛び出し、四方八方からビーム射撃によるオールレンジ攻撃を行う) 」
仮面ライダーデューク「 バリバリバリィッ! (全身に稲妻が直撃し感電するも、その中でゆっくりと項垂れた頭を上げる)ほゥ…?(四方八方から襲い来るビーム射撃を、演算処理によって導き出された予測軌道から判断し、これもまたその場で緊急回避を行い―――)――――はっ!(ソニックアローによる緻密な射撃でルナティックガンを全機撃ち抜いてみせた)…私のライダーシステムにはAI学習プログラムが搭載されている。相手の動きを分析し、その戦闘能力を学習する。君たちが攻撃を続ければ続けるほど、私はどんどん強くなっていく。 」
仮面ライダーデューク「 そうだ ――― 私の研究が真理を導き出し、私の発明が神を創り出す。誰の力に頼ることもない。 キ ュ ォ ォ ――― ン (額部のランプが点灯すると、デュークから幾つもの残像がキャロットたちを取り囲むように出現した) 」
仮面ライダーデューク(ホログラム)『――――(分裂したデュークたちが次々と三人に襲い掛かる。しかし、それはまやかしとなる幻影であり、実態は持たない。それでも、彼らを翻弄するには十分な囮であった)』
キャロット「そんなッ…!“エレクトロ”がまるで効かないなんて…!こんな相手、一体どうしたら――――っ!?(周囲を囲む大勢の幻影に動揺し、声を張り上げながら蹂躙しようと回し蹴っていくが、実態を持たない相手の為、その行為は徒労に終わる) 」
レオモン「―――――!? …ぐっ……おのれ…… なにか……なにか奴に、対抗し得る手は………むうっ……(傷ついた体で幻影達を前に、苦悩する) 」
仮面ライダーデューク「 フフフッ――――― グ ニ ォ ョ ン … (その時、本体はその姿を光学迷彩のように背景と同化させて消え失せる) グ ニ ォ ョ ン … ――――(そして、うどんげの死角へと出現し…) \ロック オン ! レモンエナジー ! / (ソニックアローにドライバーから取り外したエナジーロックシードをセット)まずは一匹だ―――― バ シ ュ ゥ ウ ウ ウ ン ッ ! ! ! (弓を引くと矢先にエネルギーが纏い、強力なエネルギーアロー“ソニックボレー”を解き放った) 」
キャロット「 ピ ク ――― (うさみみが揺れ、明らかに幻影のものではない動きの音を感じ取ると―――)―――鈴仙ッ、危ないッ!!(急いで駆け付けた彼女を突き飛ばし――)――― ひ き ゃ あ あ ぁ゛ っ゛ ! ! (自らそのエネルギーアロの餌食となり、壁に盛大に激突してしまう) 」
ボ ガ ア ァ ァ ン ッ ―――― ガ ラ ラ ラ ッ … … ! (キャロットを射たエネルギーアロはそのままなめらかな曲線を描きながら天井付近の壁に直撃し、大きな穴を開けた)
うどんげ(月戦型)「これでも駄目だなんて―――!(幻影に翻弄される中、突然キャロットに横から突きとばされ―――)―――キャロット…ッ…!?(自分を庇って攻撃を受けた彼女に激しく瞳孔が揺れ動き、慌てて彼女のもとへ駆け寄っていく)…しっかりしなさい…!貴女は…こんなところで倒れてはならないのですよ…!?(急いで万能薬による応急処置を行おうとするが…) 」
――― バ シ ュ ゥ ゥ ウ ン ッ ! パ リ ィ ン ッ (うどんげが手に持つ万能薬の瓶を、再びエネルギーアローが無慈悲にも貫いた)
仮面ライダーデューク「……ああっと…いやあごめんごめん。戦いにはあまり慣れて無くてね。つい力の加減ができなかったよ。(弓を射た態勢を維持していたが、万能薬による回復を阻止したのを確認するとその構えを解く)いやぁ~…実におめでたいよ君たちは。いつ自分の根首が掻かれるかもしれないのに、我が身よりも他人がそんなに大事かね?野生の防衛本能というものは時に人間の理解を超えるものだが…いやはや、これも興味深いね。 」
キャロット「はぁ…っ……はぁ…っ……!人間だとか…獣だとか……そんなの、関係ないよ…っ……仲間を守るのは、誰にだってある当たり前の本能だもん…!私は…レジスタンスのみんなが好き。この月の都のみんなも…この都へやってきた温かい心を持ってる人たちのことも…!…私は…はぁ…その絆を、断ちたくないだけ、だよ…ッ……!(うどんげに抱えられながらよろよろと立ち上がる) 」
レオモン「キャロットッ…!! ………!なっ……(万能薬が貫かれてしまい、応急処置の手段を失ったことを痛感する)…くっ……なんたる事……ッ… 」
仮面ライダーデューク「……絆ねぇ… まー、人との絆が大切になる生き方もあれば、何の役にも立たない生き方もある。私は後者を選んだ。それが君たちと私の違いなのかもしれないね。だが、こうもバカばかりだと世界が滅びるのも当然だな。でも安心するといい。やがてクラウスがその終焉を齎してくれる。それを甘んじて受け入れたまえ。はははっ…! 」
キャロット「はぁ……はぁ……私は――――?(その時、何かに気づき始める。ふと視線を落とした先に、長く伸びる自分の影に。そして振り返る。)――――!(その先にあったのは、先程の衝撃で穴の開いた壁。そこに映る満月を―――)……そっか……今夜は――――「満月」かぁ…… ……(まるでうわごとのように呟いてみせたが、その月光を浴びて一度俯くと、何かを決心付けたように頷いてみせた) 」
うどんげ(月戦型)「万能薬が無くなっては…――――?(キャロット…?)(ふと振り返った彼女の視線を追い、自分も壁の穴から差す満月の光を仰いだ)……!まさか、キャロット…貴女……!(満月を見つめるキャロット。それが何を意味するか、自分には分かっていた) 」
キャロット「……鈴仙、レオモン……私ね…ずっと、自分の心に宿る野生としての本能が怖くて、ずっと満月から目を背けていたんだ。兎なのに、月を恐れるなんて…変な話だよね… ……でも、私決めたよ。ずっと憧れだったラビーだって、自分の弱さを受け止めて前へ出たんだ。私も…変わりたい…!もう自分から目を背けたくなんかない…ッ…!逃げないよ、私…だから……見てて…――――「本当の私」を。(その丸い目の輪郭に、満月を丸々収める。するとその瞳孔の形状が変化していく…) 」
うどんげ(月戦型)「――――!!(キャロットの行為が意味するものを理解していた。けれど、覚悟を決めた彼女を止める権利などない。躊躇いに顔を歪ませながらも、満月の前に立つうさ耳の少女から、自分もまた目を逸らさずその行方を見守る) 」
キャロット「―――― バチッ…バチバチバチィ…ッ……!!(真っ白に発光し、帯電する体)…グルルッ……!!(兎とは思えない獰猛な獣の如きうねり声を上げるとともに、そのまんまるとした尻尾がぶわっと大きく拡散。爪は鋭く、髪は麗しく伸びていく)―――― ル ガ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ッ゛ ! ! !(兎の低い雄叫びと共に全身から凄まじい稲妻が放出され、空間が真っ白に包まれた―――) 」
レオモン「…!「満月」……… ……!キャロット……!?これは、いったい…… 」
仮面ライダーデューク「……なんだ…?何が起きている――――ッ!?(空間一帯に迸るすさまじい稲妻に退いてしまう) 」
月には宗教的意味合いがあると、誰かが言っていた。
神の化身かあの世の門か。事実そんなものがあるのか走る由もない。
古来より月が人々を魅了し、人が月に力を受けていたのは確かだろう。
月の魔力に肖るのもよし…しかして今宵の月は強すぎる。
月光に打たれ、狂気に飲まれてしまわぬよう注意することだ。
――― 何せ英語で「狂気」のものを、「 lunatic 」と言うのだから…
キャロット(月の獅子)「―――― バチチッ…バチッ……!(白い硝煙が晴れると、そこには変わり果てた彼女がいた。真白な体に真っ赤な瞳を持つ…その相貌はもはや少女のような姿から垢抜けた麗しい女性そのものであった)」
今宵は月が星に近づく日。
月は一回り大きく、月明かりは白く地上を射すだろう――――
うどんげ(月戦型)「っ……――――!!(白煙と稲妻に包まれた少女…その変わり果てた姿に驚愕を覚える)……あれが、月の民の一部に覚醒すると言われた大いなる力…―――『月の獅子』(スーロン)…ッ…!!月が最も輝くのは満月の時…その光を浴びることで、内に眠る秘めたる力が呼び覚まされるという… キャロットは、その「月の獅子」の覚醒を遂げたんです…っ… 」
仮面ライダーデューク「……は、ははは…――――フハハハハッ!!これはこれは…!なんと素晴らしい進化だ…!まさか月の民にこんな隠された力があったとは驚愕だ…!ああぁ……興奮で私も胸が張り裂けそうだよッ!!(両腕を高らかに広げ、覚醒を遂げたキャロットに酔い痴れる) 」
レオモン「……キャロット………(同胞たる彼すら、その風貌には驚きを隠せずにいた…) ………どうやら、天は我々に味方をしたようだ。あの時のエースといい、キャロットといい……いつの世も、その目覚ましいほどの進化には驚かされるな。 」
キャロット(月の獅子)「……――― ニ コ ッ ♪ (妖艶な笑みをひとつ浮かべた次の瞬間―――)―――― … … ス ト … (刹那の内にデュークの背後へと降り立った) 」
――― バ リ バ リ バ リ バ リ ィ ッ ! ! ! (キャロットがデュークの背後へ立ったその時、彼女自身のあまりの速さに追いつけなかった時間が遅れて到達するように、突発的にデュークの全身が激しく感電する。それは、先程の彼女が放った電撃の比でないほど、凄まじく強烈なものであった)
仮面ライダーデューク「なに―――― ぐ わ あ あ ぁ ぁ あ あ あ ッ ! ! ? (背後の着地に振り返ろうとしたその時、全身を襲う激しい感電に悶える)ガッ……ば、馬鹿な…ッ……!?今、何をした……ッ…?この私のシステムですら、反応しないほどの速さなど―――!?(ばちばちと全身を走る電撃に麻痺しだす) 」
うどんげ(月戦型)「……!(すごいと驚愕する一方で、自らの弱さを超えた果てに手にした力を顕現した彼女に、嬉々たる笑みを浮かべた)……私たちも後れを取るわけにはいきませんね!(レオモンにそう叫ぶと、奥の手を出さんと言わんばりにコートをはためかせる)―――― 懶惰“生神停止(マインドストッパー)”! カシャカシャカシャンッ―――― ビ ヨ ヨ ヨ ァ ン ♪ (スーツ内側より、内装された管制ユニットを展開。そこから二基のレドームが顔を出し、アンテナ部より怪電波を放つ) 」
仮面ライダーデューク「どう足掻こうと、君たちが勝つ確率は"0"なんだよ…!分析だ…分析開始…!(ミディがそうしたように、自身も解析システムを起動し、覚醒を遂げたキャロットを分析しようとするが―――)―― が…ッ…!?な、なんだ、これは……ッ…!?いったい何がどうなっている…!?(うどんげが放つ謎の怪電波によって、そのシステムが乱されてしまう) 」
うどんげ(月戦型)「ふっふっふ…どうですか!これは機械の回路を狂わせる「磁気嵐」!磁気嵐とは、太陽コロナ爆発現象などの影響によって地磁気の状態に大きな変化が生まれる現象のこと…それを人為的に発動したのですよ!これでもう、貴方の自慢のシステムは機能しない!(これ見よがしにドヤ顔を決める) 」
キャロット(月の獅子)「ヒュン―――ヒュン―――――ヒュン――― “エレクトリカルルナ”!!(脱兎の如く空間一帯を駆け抜けると、発生させた電撃を駆け出したその軌道上で走らせるようにに放散し、デュークへ逃げ場のない放電を浴びせる) 」
仮面ライダーデューク「そんなことが…獣の分際で、月のテクノロジーを利用するなど―――― う ぐ ァ ア ッ ! ! (拡散する放電に、ついに膝をついてしまう)……ぜぇ…ッ…ぜぇ……ッ…!化け物めェッ!!! 許さん…許さんぞォァッ!!…私の力に頼らずに…人間を超えるなどッ!!!(空間を縦横無尽に駆けるキャロットを撃ち抜こうとソニックアローからエネルギーアローを放ち続ける) 私の才能が…!研究が…!!唯一価値のあるものなんだ…!!!この世界の真理なんだァッ!!! 」
レオモン「…… ハ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ッ ! ! ―――――〝 獅 子 戦 吼 〟!!(両手を胸前で構え、獅子の咆哮の如く全力を込めた衝撃波を仮面ライダーデュークへと放出した) 」
うどんげ(月戦型)「――― あなたの真理など、机上の空論です。(― 散符“真実の月(インビジブルフルムーン)” ―)(波紋状に弾幕を発射した後、一瞬だけ全ての弾を消失させてから再拡散を繰り返し、その全弾をデュークへと撃ち放った) 」
キャロット(月の獅子)「ヒュン、ヒュン、ヒュンッ――――(空を飛べるわけでもないが、爆発的な脚力だけで空中にて軌道を変えがら突き進み、エネルギーアローを悉く避けていく。そして…)――――(ラビー…私もいつか届いてみせるよ。あの月へと――――)――――“ 月 襲 ”(ムーンレイド)ッ!!!(稲妻を纏う獅子の如き鋭い爪による引っ掻きを、デュークへと炸裂させた) 」
仮面ライダーデューク→戦極凌馬「―――― ぐ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ ッ゛ ! ! ! (真価を発揮した三人の月の戦士の同時攻撃をその一身に浴び、瞬く間に吹き飛んで壁へと大激突。その壁に大の字にめり込んだまま、変身が解除され…) グ ラ … ――― ド サ ァ … ッ … … ! ! (絶命したように白目を向きながら、瓦礫と共に床上に倒れ落ちた) 」
キャロット「はっ……はっ……はっ……―――(倒すべき敵が倒れたのを見届けると、伸びた髪や尾が元通りに縮んでいき、やがて元の姿へと戻っていく)……へ、へへっ……♪やった、ね……―――(力尽きたようにふっと脱力し、その場に倒れかけるが…) 」
うどんげ(月戦型)「――― ガ シ ッ (そんな倒れかける少女を、真っ向から受け止めにかかった)……ラビーも貴女も、本当に無茶する子が多いことです。……よく頑張りました。(その耳元に、労いの優しい言葉を投げ入れた) 」
レオモン「……紛う事なき、我らの勝利……… ……ぬ…っ(胸を押さえ、崩れるように片膝をつく) 」
キャロット「はぁ……はぁ……ありがと…鈴仙……(弱弱しい笑みで応える) 」
レオモン「……っふぅ…… さすがの私も今回ばかりは、少々、力を使いすぎたようだ………私も、とんだ無茶をする子の仲間入り、だな。(片膝をついたまま、ふっと笑みを零しながら) 」
うどんげ(月戦型)「(疲労困憊のキャロットとレオモンを見比べて肩をすくめる)むぅ……仕方ありません。先を急ぎたい気持ちもありますが、私たちは少し休息してからにしましょう。(四次元ボックスから万能薬の瓶を二つ取り出し、二人の治療に当たるのだった―――) 」
― 月待塔・一夜 ―
クーフーリン「—————いざ参るッ!!(互いに啖呵を切り駆け出す。空間に穴を開け、床を削りながらおよそ凡人の眼には捉えられない踏み込みで互いの間合いへ。片手持ちにした光り輝く剣、クルージンを縦一文字に振り下ろし、『肩』から砕きにかかった) 」
スカイブルー・マンティス「――――ズガッ!(一文字に防御の構えをとりクルージンを受け止めるや)―――ジジジジジジ(湾曲した刃の滑らかさを使ってすべらせていく。そのまま大風車をイメージするかのような大斬りをクーフーリンの首に目掛けて)) 」
クーフーリン「(受け流されたクルージンの剣先がうまい具合に床に突き刺さり行動が制限される) ビス ッッ (武器を手放し、咄嗟に上体を捻り回避を試みる。脇腹から胸にかけて一閃を刻み付けられ致命の一撃こそ避けたが、軽視できないダーメージを負いケルト風味の『和装』に赤が滲むが)へッ……(微塵も焦る素振りも見せず、冷静に突き刺さったクルージンを蹴り上げ、マンティスの顎めがけ手裏剣の如く飛ばした) 」
スカイブルー・マンティス「(斬り損ねたか…)(勢いよく振り抜いた太刀を戻そうとするもそれ以前に『剣を蹴り飛ばす』というあまり見かけない技に驚嘆しながらも首だけを横に動かして回避する)――――刀を足蹴にするとは妙な戦い方をする。しかしてその慣れた動き。いやはや、戦う為なら全身くまなく使うとは…恐れ入った。 」
クーフーリン「俺は戦士だからな。剣の技巧で敵わねえなら殴るなり蹴るなり締めるなり、何だってやるさ パシッ(蹴り飛ばしたクルージンが直線的に折れ曲がる軌跡を残しながらクーフーリンの手元に戻る それをくるりと回転させ逆手持ちにし、刃を自らの体の陰に隠し、余った左腕を前に突き出して構えた)何より、その方がてめえも愉しいだろ? 」
スカイブルー・マンティス「カーッハッハッハッハッハッ!!こやつ言うわい。よほど厳しい師匠に技を死ぬ寸前まで叩きこまれたと見える。いやはや、そういう時代の戦士に相まみえたこと誇らしい。懐かしくもあり、同時に……いや、言うまい。(今度は身を前に乗り出すような脇構えで、刀身を完全に背後に隠すような体勢をとり)――――訪れたるは月の都の、夜明けの晩よ。ともなれば、鶴と亀、どちらも滑るが道理。……しかしはて、どっちが鶴でどっちが亀かのう。(まるでうわ言のように、そしてどこか終焉(ジ・エンド)を名残惜しむかのように)……女々しいことを言うのなら、どうせならうまい酒の飲み比べで勝敗を決めたかったものだがな。(惜しいのう…と呟き、そして虎が獲物を狙い定めるように、姿勢が徐々に低くなっていく)」
クーフーリン「—————そうさな。うまい酒の味を忘れたまま逝くってのもまぁ、ひっでえ話だが————(瞼を閉ざし、暗中に生前、そして今世に綴られた記憶に想いを馳せてみる。記憶をいくら探ろうにも、『酒の味』だけは実感として思い出せない)いややめだ。『一回戦りあったぐらいで』くたばるんじゃねーぞ、爺さんよォ!!(間合いを離したまま、地を抉りながらアッパーの要領で斬り上げる。 斬撃は地を吐い、連なる光柱の如き斬撃となってマンティスへ飛来して来る) 」
スカイブルー・マンティス「その程度……ほぉおおりぃやぁああああああ!!(クーフーリンと同じ剣の軌道で放つのは『竜閃』。斬撃をそのまま遠くの相手に飛ばすもの)ズガガァァアアアアッ!(斬撃はぶつかり合い今にも相殺しそうな空気の振動の中)ぬぅん!!(もう一撃の竜閃を放ち、一気に押し返しを図る) 」
クーフーリン「チィ……力押しでもこれかよ元気だなてめぇッ!!(現時点で相殺を通り越して押し切られる、更にだめ押しで『即死する』と判断し、駄目押しの予備動作時点でサイドステップを踏み回避) ズ ァ ッッ (先読みし回避したにも関わらず、身の丈をはるかに超える斬撃の波が肩の皮膚を抉り去る) トッ トッ (しかしそのダメージを顧みず、斬撃の衝撃で発生した土煙の陰から奇襲を仕掛け、マンティスの間合いに飛び込み突きの予備動作を取る) 」
スカイブルー・マンティス「あえて死中に活路を見出したか。根っからの戦士よなお主もッ!(ニヤリと笑みながらそのまま身をねじるように飛びあがり)――――カチン(瞬時に納刀、そして―――)カチンッ!バシュウウウウ!!(鞘のトリガーを引くことで太刀の抜刀速度を速め)ぬぅおおおおりやぁあああああああ!!(クーフーリンの突きに対し神速の空中抜刀で応戦する) 」
クーフーリン「(突き予備動作————から刃を立て、切っ先にも手を添え防御へ移行、抜刀術を刃と全身のバネで受け止め) ギ ィ ンッッッ!!!!(互いに大質量の重金属へ重金属をぶつけるような轟音が響き渡り、床が月面のように陥没しクレーターを生成。サーヴァントの身でありながら全身の骨が軋む程の激痛が走るが、これを無視)—————うるァアアッ!!!(そのまま剣の腹に拳を当て軌道を強引に逸らし、刀ごとマンティスを床へ投げつけようとする) 」
スカイブルー・マンティス「……ッ!?(こやつ!?)グ ンッ!(軌道をずらされたことにより、空中抜刀本来の形が崩れ、アンバランスな状態で力任せに放られる。真正面から力任せに技をいなすその姿に感銘を受けながらも地面に激突、一回転、二回転しつつ三回転目で体勢を立て直す)あれを力のみで受けただけでなく、投げ飛ばすとは……(むくりと立ち上がり)まったく常識外にもほどがあるぞ。(ざわざわと気配が総毛立つ)―――もう我慢できん、できんぞクーフーリンッッッ!!!(もう一度納刀。そして凄まじいエネルギーが集束していくや)バシュウウウウウウウウッ!!!(まるでミサイルのように一気に爆発。一瞬に肉薄しクーフーリンを通り過ぎたかと思えば)シュパッ、カチンッ!!(抜くと納めるをほぼ同時に行った。次の瞬間)―――――ズドドドドドドドド!!(無数の斬撃が遅れてクーフーリンに襲い掛かる)」
クーフーリン「チッ……(一撃一撃が重い……こいつは長引く程不利って奴だが……チッ、生前に慣らすべきだったな、クルージンは火力こそ安定するがゲイボルグのような爆発力はねえ。槍が通用しねえからこっちを選んだのは心配じゃねえにせよ、ジリ貧————) !? (『見えなかった』 神秘とそれに渡り合う戦士達の戦場をくぐり抜けたアルスターの戦士にでさえ、その初動以降は見えず————) 」
クーフーリン「やろ……ッッ . . (見誤っていた。最早このフロア全体がマンティスの間合い、達人領域であり全ての斬撃は空間を掌握して自身へ届き得る。ここまでが『我慢』していた程度の実力だったのだと思い知らされる) ぐァ が …… ァ”……ッッ!!!!(辛うじて『経験』『第六感』を活かし斬撃の軌道予測を立て、見えずして剣を振るい『致命傷』こそ辛うじて防ぐも、数えるも馬鹿らしい数の斬撃が抉り裂く)……ッ……野郎……ちいとばかし痛えじゃねーか……ッ!!(片膝をつきそうになりが弁慶と言わんばかりに構えを維持している) 」
スカイブルー・マンティス「ハハハハハハハ!あれを受けてまだ立つか!そうじゃ立て!まだ立て!(スラリと太刀を引き抜きまたしても脇構え、だが)ぬぅぉおおりりゃああああああ!!(今度はそのまま地面を抉るようにしてその場を斬り始めた。完全な太刀筋によって斬られた床は無数の破片となりつぶてとなり、弾丸のような勢いでクーフーリンに飛ぶ。そしてあろうことか本人は)シュタタタタタタタタタ(その飛散している数々をかいくぐりながらクーフーリンに距離を詰めていくという荒行に出る) 」
クーフーリン「 ! (飛び道具か、いよいよ愉しみに来やがったなジジイ!) 【矢避けの加護】 (そう詠唱するや、破片の矢が全てクーフーリンを避けるようにすり抜け、自らもまた真っ向から踏み込み)ス——————(背を見せるようにして大振りの横薙ぎの予備動作というフェイントを仕掛け、そのままタックルで態勢を崩すことで『次』に繋げようとする) 」
スカイブルー・マンティス「ウワハハハハハ!飛び道具は全て効かんとは、ますます斬り甲斐があるな!!(大振りの姿勢を見て自身も突貫するが、武者として生きてきた彼の勘が何かを予感させた)でぇえりゃああああああ!!!(一撃にすべてを込めた攻撃、と思わせておいて二連撃に繋がる技を繰り出す。丁度「〆」の字風の軌道になるような斬撃) 」
クーフーリン「(さながら素早く鍛え上げられた大蛇、曲線を描く斬撃に圧倒され目を見開くが)———— ┣¨ ズッッ(今更だ、既に相手が己を上回ることにはもう慣れた、そして認めた。故にこそ甘んじてその技を受け止め)—————よう、やぁっと捕まえたぜ(両の太腿を切り裂かれるも、斬撃の終わりをあえて右胸部で串刺しにするようにして『拘束』し、零距離まで持ち込む。顔を突き合わせ、クランの猛犬は双眸と牙をギラつかせた) 」
クーフーリン「 ギュ オ ッッッッッ!!!!!!(密着状態でクルージンを『槍』に見立て『刺突』の予備動作へ以降。刹那の内に周囲の瓦礫がクーフーリンへ吸い込まれる程の風圧が伴う『貯め』で両肘を背後へ引っ込め)—————突き開け、クルージンッッ!!!!!(身体能力フルに活かした、シンプルな突きを穿ちにかかる) 」
スカイブルー・マンティス「――――な、にぃ?(斬ったはずの肉体は崩れ落ちることはなく、むしろ致命の場所であろう部位で止められてしまったことに目を見開く。猛犬の双眸から見える死神。そして槍に見立てた剣が猛威を振るってこちらへと迫った来る。当然、打つ手はなく)バキバキバキバキバキ、ズガァッ!!!(その刀身はいともたやすく、特殊装甲の身体に風穴を開けた) 」
クーフーリン「 ゴ フッッ (赤が絶えず溢れる。右胸部から背にかけて鋼が突き抜け、エーテル体から魔力と共に血が絶えず流れ落ちていく感覚。死に近づいているのではない、死から戻れない状態。瞳からも生気は抜け、体力も著しく低下していくが)が ァ!!(蹴りを入れ互いに突き刺さった刃を引き抜く。その拍子に両膝を突いてしまうが、『まだ戦り合う』という明確な意思を宿した双眸は未だ、マンティスを睨みつけるように見上げていた)とっておき……だ……ちったぁ効いたろう……ッッ 」
スカイブルー・マンティス「――――が、が…ぐ(この身体になってからは味わったことのない痛み。そして死の予感。生命活動機能を司る部位を欠損させられたため、最早戦闘の続行は厳しいモノとなる、と思われたが…)――――『ダミーシステム:疑似聖杯、起動シマス』(例のアナウンス。それと同時にバチバチとマンティスの身体をエネルギーが包み始める。肉体が変移し、人格も狂暴になり果てるフリークスに。しかし)――――かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっつッッッッ!!!!!(裂帛の気合と共に、アナウンスもろともエネルギーを霧散させた。自ら練り上げた気合と根性でシステムに打ち勝つ、――そして) 」
スカイブルー・マンティス「――――やれぇええいッ!!!(目をひん剥いたまま声を張る。その場に正座をし歯を食いしばったまま首をやや前に傾けた)」
クーフーリン「———————————………… (全身から金の粒子が抜け落ち、つま先からエーテル体は崩れかけていた。既に『消滅』が始まっている。最早立つこともままならない)………。(だが——————) その『首』……貰い受ける。 」
―――――……女々しいことを言うのなら、どうせならうまい酒の飲み比べで勝敗を決めたかったものだがな。
クーフーリン「……(俺は、若いまま死んじまったからな。戦士のまま年食うなんて経験はついぞ知ったこったねえ。ああけどよ……戦場がある度どいつもこいつも逝っちまうってんならそいつぁ……生きるの意味合いが変わってくらぁな。 )——————戦士の国で飲もうぜ(旧友へ、明日の再会を願うような別れの言の葉を送る。戦場で会ったなら恨みっこなし、だがせめて最後には、その武に畏敬の念を持って送らんとばかりに微笑んだ) 」
――――――(響き渡る『無』。彩色が損なわれた灰色の世界において唯一、赤い彼岸花が武人の首に死に飾った)
爺さん、あんたはすげえ戦士だったよ―――
スカイブルー・マンティス「ドシュウウウウウッ!(その首への一撃、一瞬の痙攣のあと、ゆっくりと前のめりに倒れながら)――――見事じゃ。クーフーリン……(死の間際の走馬灯、かつて人の身であった頃の空模様を見た。どこまでも澄み渡る広い空。対照的にどこまでも赤く染まり上がった自身の身体と太刀。ふと、思い出にはない涼風が吹いた気がして、その方向へ行ってみると、旨そうな酒の匂いがした―――気がした。)…………………(生命活動停止。すべての機能がバチバチと火花を上げながら消えていく中、共に戦場を駆け抜けた太刀が墓標のように地面に突き刺さっていた) 」
クーフーリン「ヴ ゥン————————(『火』のルーン文字を自らを取り囲むようにして刻み付け、マンティスの亡骸、太刀という名の墓標の前にあぐらをかく)…… キュポンッ(懐から取り出すは『酒』。 小次郎の差し入れだろうか、白玉楼でのみ手に入る銘酒の入った瓢箪を掲げ、太刀に注いだ)————ああ、お前さんもよくやったよ。ったく……人使い、いや刀使いの荒い爺さんだよな、半生以上連れ回したそうじゃねーか(ダチのダチと接するような笑みを浮かべ) 」
クーフーリン「————————ああ、今回はいい獲物に巡り会えた…… 番犬はそいつだけで満足さ(炎に包まれ、ぐいと酒を煽り何処へ続く空を隔てているかもわからない天井を見上げる。 意識が薄れる中、『もしも他愛のないどこかの飲み屋で出会ったなら』空想でしかないが、確かに『存在した』もしもが脳裏を過り、苦笑を浮かべ老兵を道連れに、炎へアルスターの戦士は返った 」
最終更新:2023年03月11日 22:19