僕らの物語 過去ログ 第5章③

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― 月待塔・二十五夜 ―




黒いフェイス「―――― ム ェ゛ ァ゛ ァ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ッ゛ ! ! (他の階層にて各々の戦いに決着がつく中、以前にも増してパワーアップを遂げた起動兵器は対峙する「あなた」たちを翻弄していた。一度触れれば腐食する長い爪を振り回し、攻めあぐねる一同を圧倒していく)フッフッフ…!どうしたァ…!俺様にビビってても足も出まいかァ…!? 」

あなた / エースバーン『……! / …くっそ…めんどくせぇ相手だな…お前はあんな奴と前にやり合ったってのか…?(共に黒いフェイスの斬撃を辛うじて掻い潜るも、一向に接近戦に持ち込めず尻込みしていた)…だったらこいつだ!行くぜ! / ……!!(エースバーンが「ついてこい」と顎を上げると、二人同時に壁に沿って走り出す。その最中、エースバーンは残骸から生じた小石を爪先で蹴り上げてリフティングを行い、火を纏わせていく)』

ザビーダ「お~お~…言われてるぜ?お前ら。(他人事のように「あなた」達に) …に、したってだ。……やれやれ……〝機械頼りの芋野郎〟が、よく吠えるぜまったく。 」




黒いフェイス「ほんっと天の聖杯がねぇと弱ぇよなァ、てめぇらは!たかが人間如きがなぁ~にができるってんだい。その程度で俺と張り合おうなど片腹痛いわァ…!(醜悪な光を帯びる爪をシャリシャリと擦り合わせて愉悦に俯瞰する)…あぁん…?なぁんだテメェはァ?どっかで会ったような気がしないでもないが、テメェも俺の前に立ち塞がるってんなら容赦はしねぇいッ!(グゥン!と跳躍し、叩き落とす様な挙動でザビーダを頭上から斬り下ろそうと迫る) 」

あなた / エースバーン『トッ、トッ、トッ…―――パス! / ……!(火球となったそれを「あなた」へと蹴飛ばす。それを「あなた」が爪先で受け取ると、エースバーンを模倣してリフティングを行いながら駆け抜けていく。)……! / …よっ…!(その後、「あなた」からエースバーンへ、その逆を繰り返しながら互いにパスし合うことで、火球はみるみるとその熱を強く帯びていく)――― おらぁッ!! / ……!!(最後は火炎を圧縮し超高熱度に達した火球を二人同時に蹴り飛ばし、黒いフェイスへと放った)』

ザビーダ「あぁ……こちとら〝ずっとテメーの戦いを見てやってた〟ぜ。…ついでにその間の抜けたツラもな。――――サイクロン!(斬り下ろされようかというその瞬間、自らが緑風の竜巻となって黒いフェイスを迎撃) 」

黒いフェイス「むんッ…!?(爪先がザビーダの脳天に迫る寸前、下方から湧き起る強風にその腕が弾かれてしまう)小癪な―――ぬぐぉッ…!?(だがその間隙に、蹴り飛ばされた火球が顔面へと直撃。その白色の"フェイス"の左目部分が黒く焼け焦げたように損傷し、悪魔のような相貌へと変わる)フッフッフ…まったくよォ…笑っちまうぜェ!だってそうだろ!?あの時のガキんちょが、今じゃ自信満々の面構えで俺の前に立っていやがるんだからなァ…! まいいさな、俺は今最高ォ~に充実しているんだぜェ?だってそうだろう!?あの天の聖杯の力が、ついに俺たちのものになったのだからなァ!!(高らかに両腕を広げながら高笑いする) 」

あなた / エースバーン『……!? / ……どういうことだ…ッ?あいつは……あいつはどうなったんだ…!?』

黒いフェイス「クックック……一足遅かったなァ。必要なもんは全部貰い受けちまったからよォ…! 」

サイボーグ忍者『 ガシャンガシャン ――― バ ッ ! (ここで二体のサイボーグ忍者が何かを担いでやって来ると、「あなた」たちの目の前に担いでいたものを投げ飛ばした)』

ホムラ「――― ド サ ァ … ッ … ! (投げ飛ばされてきたのは、意識を失った天の聖杯・ホムラだった。赤毛の少女の瞳は堅く閉ざされ、二度と目覚める気配を感じさせなかった―――) 」

あなた「  ! ! ?  (投げ飛ばされたホムラに駆け寄り彼女の遺体を抱きかかえる。望まぬ形での再会に、身も心も震わせる。出会った時から温かかった彼女は今では冷たく、その失った温もりを深く抱きしめた肌身で感じ取る) 」

エースバーン「なッ―――!?(投げ飛ばされた―帰らぬ者となった―ホムラに表情を強張らせる)……テンメェ…っ…!そいつに何しやがったッ!!? 」

黒いフェイス「そいつはもう聖杯でも何でもない、ただの…――― 肉の塊さね。(目覚めることのないホムラを滑稽そうに嗤う)天の聖杯ともあろう者が人間如きに絆されやがってェ。お前らとの思い出を必死に守ろうとしていたんだっけなァ?まあ、全部消してやったがなァ!健気だったぜェ…「私の思い出を奪わないで!」とか言っちまってよォ! 悪かったなァ…わざわざこんな辺鄙な場所まで足を運ばせて。そんな出涸らしでよけりゃあくれてやるぜ、持って帰りなァ!フッハハハハ! 」

ザビーダ「……あん? んなッ……おいおい、こいつぁ………(投げ飛ばされてきたホムラの姿を目の当たりにする)ほぉ…………〝コイツ〟はもう、〝用済み〟っつーことかよ…… 」

あなた「……………(心の中で、言葉に出せない謝罪を彼女に何度も送り続けると、その遺体をそっと床上に寝かせて、項垂れた様子で黒いフェイスと向き合う) 」

黒いフェイス「……なんだよ…泣き喚いて跳びかかってくると思ったが…随分薄情な奴じゃねえか?所詮テメェにとっても天の聖杯などその程度の存在だったということかァ?笑っちまうぜェ…!(「あなた」の行動を他所目にクククッと薄ら笑みを零す) 」

エースバーン「……お前……(ホムラを抱きしめる「あなた」からその心情を悟る)……そうじゃねえよ。(「あなた」を罵る黒いフェイスに、静かな怒りの声を投げ飛ばす) 」

黒いフェイス「……あぁん? 」

エースバーン「………聞いたよ。天の聖杯のこと…あのホムラとヒカリって奴のことを。(涙の園で璃奈が「あなた」に語っていたことを想起しながら、「あなた」の傍に立つ)…「こいつ」はな、気づいたんだよ…あの二人が抱えていた痛みってのを。人の気持ちなんてのはそんな易く分かるものじゃない… 歩いている道は全然違う道なのに、一緒に歩いているつもりになっている…昔の俺自身がそうだったように、な…(伏し目がちになりながら) 」

エースバーン「天の聖杯っていう強い光が作り出した影の道 ――― そんな道をこれまでずっと、あのホムラとヒカリは"独り"でずっと歩いてきたんだろ…?お前たちのこれまでどんな旅をしてきたのかなんて、出会って間もない俺にはわからねえ…けど!お前たちの為に自ら身を捧げたあいつの…お前たちに対する絆に、俺はそのすべてが分かったような気がしたんだ…!……なら、やるべきことはわかってんだろ…?(項垂れる「あなた」を横目に、ニッと口角を上げる) 」

あなた「……!(エースバーン…ラビーが紡ぐ言の葉に気づかされたように、沈んだ顔が徐々に上がっていく)………!(そして、彼女の問いかけからその本意を悟り、地面を強く踏みしめる) 」

黒いフェイス「あぁーん?なーにがわかったんだってぇーい…?(耳を傾けるような仕草を取りながら) 」

エースバーン「決まってんだろ…――― テメェーらをブッ倒して、目指している「楽園」に行くってことだッ!

黒いフェイス「…はっ!ぶっ倒す?MF部隊に苦戦を強いられてたテメェらムシケラ風情がかァ?おまけにこの俺はチューニングを受け更なるパワーアップを遂げた!聖杯の操る僕(デバイス)にも引けを取らないさ。できるわけねえだろォ?…そいつはもうただの抜殻だ。アテにするだけ無駄ってもんだぜェ?(物言わぬホムラを指しながら) 」

ザビーダ「人間如き……ねぇ。 …ま、人間が如きなのは否定はしねえ。…………が、同族感情としちゃあ、テメェの半分は………聞き捨てなんねーぜ。 」

あなた / エースバーン『……「こいつ」はもうわかったんだ。ホムラとヒカリ…二人が何を望んでいるのか――― その為に、俺たちがしなきゃいけない本当のことが…俺たちの絆の意味が…! ……俺も力を貸すぜ。なあ…「相棒」? / ……!!(大胆不敵な笑みを「あなた」に送る。その温かい笑みに、しっかりと頷き応えてみせた)』


――――「私たち」、ですよ!(少女の声がエースバーンを後押すと、黒いフェイスへ目掛け銃弾、電撃、衝撃波の三つの攻撃が一斉に飛ばされた)


うどんげ(月戦型)「――― お待たせしました…!(スナイパーライフルを両手に携え、前線へ立つ「あなた」の傍へと馳せ参じる) 」

キャロット「ラビー!私たちのこと、忘れてもらったら困るよ!一緒に戦う仲間なんだもの…最後まで付き合うから!(すっかり傷を癒し、帯電するグローブをぎゅっと構えて黒いフェイスと対峙する) 」

レオモン「エース……元より私達は、刺し違えてでも食い止めるつもりであった。…だが奇しくも、我らは見事なまでに死に損なった。しかしそこには、必ずしも意味がある。〝天〟が我々を生かし、ここまで導いた……その意味が。

黒いフェイス「むぐぉあッ…!!(どこからともなく飛んできた三撃によろめき、被弾部位を一度押さえた手で虚空を薙ぎ払う)ムシケラ共が揃いも揃ってェ…! 」

エースバーン「――――!……お前ら……!(無事登り詰めてきた仲間たちに驚嘆の色を伺わせつつも、その安否を知って口の端を緩める)……ああ、俺たちは―――「ツキ」に見はなされちゃいなかったってことだ…! 」

黒いフェイス「舐めんじゃねえよォッ!!テメーらがいくら揃ったところで、俺には及ばねェ…!死に底ないの兎共も、そこな人間共もまとてぜんぶ!狩り尽くしてやるぜェ!! 」

サイボーグ忍者『―――― ガシャン、ガシャガシャンッ !!(先程吹き飛ばされたサイボーグ忍者たちが現場へと復帰し、更には天井から次々と増援部隊までも出現し、携えた刀を引き抜いて一斉に月の戦士たちへ跳びかかっていく)』

あなた / エースバーン『やられっかよ…!失ったもんを取り戻すために戦うのは、俺たち《月の民》も「こいつ」らも一緒だからなッ!! / ……!!(押し寄せる忍者の束へと特攻し、降り下げられてくる刃を掻い潜りながら蹴り飛ばしていく)』 」

うどんげ(月戦型)「上手いことを言いますね。はっ――― バンバンバァンッ!!(宙へ身を投げ出し、緩慢化された世界の中で低空で横たわると共に刀による斬撃をそのまま受け流し、擦れ違いざまに二丁のハンドガンによる反撃の一手を浴びせていく) 」

ザビーダ「ヒュウ~♪(加勢を見て、悠長に口笛を鳴らす) 」

サイボーグ忍者?「ハァァァァァァァ—————— ッッ!!!!(並列するサイボーグ忍者の内一人を背負い投げで投げ飛ばす)若人よ……君達の熱い闘志が!らりるれろ達によって封じ込められた私の魂を呼び覚ました!! 」

キャロット「―――ってい!!(身を縮めた態勢で回転しながらジャンプし、その上空から相対する忍者の一体へ目掛け斜め45度に落下しながら飛び蹴りを見舞う) 」

うどんげ(月戦型)「キェェェエエエエシャベッタァァァアアアアアア(偶然目の前にいた忍者の一体が突然喋り出したため仰天のあまり絶叫する) 」

レオモン「さて……… いい加減、私も―――――『レオモン、究極進化!』 」




サイボーグ忍者?→セガハタンシロー→せがた三四郎「俺はらりるれろの手先—————セガハタンシロー!!!!(ふいにメットを添え、正体を表した)—————じゃない!!!!!俺は!!!!せがた三四郎!!!!SEGAと若人の未来を守る者!!!!! 若人よ、諦めるな!!!!積み上げた絆は、つないだ心は!!!離れない!!!!!

あなた / エースバーン『!?!?!?(ゲームショウで出会ったせがた三四郎との思わぬ再会に仰天したように数歩退いてしまう)……お前、結構顔が広いんだな。(「こんな奴まで知り合いなのかよ」と、せがた三四郎に引きつった顔を浮かべる)』

レオモン→サーベルレオモン「――――『サーベルレオモン!』(大きく鋭い双牙を生やした四足の獅子へと進化を遂げた)――――ガオオオオオオッ!!(素早さを兼ね備えた爪や牙で大量のサイボーグ忍者を圧倒していく)」

トキ「(忍者達の群れに突っ込み、すれ違いざまに秘孔を付いて行く)行け―ッ!SEGAの子よ!! 」

サイボーグ忍者『―――!!?(反撃に出る者たちに襲撃を阻止されたところに、新たな進化を遂げたレオモンの獅子奮迅の如き苛烈な一撃によって、硬い装甲の一部を剥がしながら吹き飛ばされていく)』

キャロット「れ、レオモン…!?(すっごい……レオモンまで、あんな力を隠し持ってたなんて…!)(究極進化を遂げた仲間の姿に一驚したように唖然とする) 」

せがた三四郎「話せば長くなるがアグネスタキオン、キャプテンカツーラと共にNEO セガサターンの開発を進めていたのだが、任天四五朗のミサイル爆撃に合ってな。気付いたらなんやかんやあってここでサイボーグ戦士、『セガハタンシロー』に改造されていたのだ。 だが今はそんな事を話している場合ではない!!若人よ!!人生にリセットボタンは!!ない!!だがしかし、ゲームオーバーもないのだ!!!!電源が切れてしまうその時まで、人生はトライアンドエラーの繰り返し!!!!ゴールのない苦しい道のりだ!!!!しかしそこで得た輝きは決して失われない!!!!!(敵を下弱連で壁際に追いやりハメコンしながら) 」

黒いフェイス「足掻くじゃねえかァ、命短い奴らがよォ。(サイボーグ忍者の増援にも恐れをなさない一同を余裕そうに俯瞰している)だぁがそれでこそ刻み甲斐があるってもんよ。フフフッ…さァて、どうしてくれようかねェ。(次第に戦力を拡大していくレジスタンス。それでも、黒いフェイスは、よほど自信があるのか依然委縮する気配を見せない) 」

メディ「 コ ツ … コ ツ … コ ツ … ―――― コ ツ ン … … ! (混戦の最中、璃奈と並んで馳せ参じる。切り落とされたはずの左腕も、傷だらけだったボディも完ぺきに修理されている。だが、それ以上に…青緑色に輝く異常なエーテル粒子を纏うオーラが全身より溢れ出ていたことに、誰もが驚愕するだろう)」

うどんげ(月戦型)「キャロットもレオモンも、ようやく本領発揮を示したのですね……! メディさん…以前からあんな雰囲気でしたっけ…?(……とんでもない気の迸りですね―――)(迸るエーテル粒子を身に纏うメディへ関心したように目を細める) 」

天王寺璃奈「…みんな、お待たせ。(メディとヒロの三人と並んでやってくる)……! …ホムラちゃん……(その傍らに、横たわったホムラを見つけると小走りで彼女へと駆け寄り、その身を抱き起した) 」

ヒロ「…!なんて、こった!(璃奈に続き、ホムラのそばへ駆け寄る) 」

黒いフェイス「…こいつぁどいうことだ…?まぁさかマンティスもミディも、プロフェッサーまでもが退けられたというのかァ…?(次々と駆け付ける敵の増援に、流石のフェイスにも僅かな焦燥感が過った)…それに、なんだ…あの小娘…いや、アンドロイドかァ…?とてつもないエネルギー反応だ…あの様子…まさか…!(内部のカメラからメディを解析し、その膨大なエーテルエネルギー反応に、中のムムカが訝しむように目を細めた) 」

サーベルレオモン「ふっ……ここまで来たからには、もはや、全力など惜しむまい。 」

トキ「レジスタンスたちの進路は俺が切り開く!(レジスタンス達に紛れ、北斗神拳で立ち回る) 」

あなた「……!(璃奈、ヒロ、そしてメディ…馴染み深い仲間が駆けつけてくれたことで安堵を覚えたように心が穏やかになっていく) 」

メディ「―――― そう、すべては『姉様』のお陰です。(自らの心臓に手を当て、今は亡き「姉」を"想う"―――)…姉様の意思を、命を、"想い"を…私が繋いでみせます。そして、今度は私が…人の「夢」を支える架け橋になります!! 」


天王寺璃奈「(抱きかかえたホムラをそっと自らの胸に横たわらせ、メディへと強い視線を送る)―――― 行くよ、メディ。君の真の力、見せてあげて…!




メディ「了解しました、璃奈様 ――― アンビリカルコード:M1D1 起動 "MD mode" 発動を天王寺璃奈様へ申請! 」

天王寺璃奈「―――― 承 認 ! ―――― 」

メディ「―――― シ ュ ル リ … ッ … ! (主の声を受け、少女はその胸のリボンを静かに解く。すると、解かれたリボンは際限なく伸び始め、メディの全身を球体状に包み込んでいく) 」


――― ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ィ ィ イ イ ッ ! ! ! (それはまるで高速に自転する星の様に、丸くなったリボンが激しさを帯びながら互いに交錯し、螺旋を描きながら回り始める。その内側では金属が擦れ合う残響が轟き、やがて解れかけたリボンの間隙から閃光が迸る―――)




メディ(MD)「   ヒ  ュ  オ  ア  ア  ァ  ッ   (空間一帯に衝撃を放ちながら解れたリボンが、再び少女の胸元で鮮やかに結ばれていく。顕現された少女の相貌にも変化が訪れていた。低かった背丈は伸び、短かった髪は太腿にまで届き、その二つに結われた麗しい髪がふわりと舞い踊る)―――………(緩やかに瞳を開眼した少女は、以前にも増して純情可憐であった)」

メディ(MD)「――― Medium mode (ミディアム モード)  ACTIVATE(起動完了) ―――」

あなた / エースバーン『あれは―――ッ!? / ――――!!(新たな変化を遂げたメディへ釘付けになる様に、彼女へ驚愕の眼差しを向ける)』

黒いフェイス「あれは…ッ…バカなァ…!?エーテル炉の完全起動に…成功しているだとォ…ッ!!?(新たな姿を顕現したメディをコクピット内で解析し、その驚異的な潜在能力に驚愕する)…だ、だぁが…!いくらパワーアップしたところで、俺に敵うはずがねえだろォッ…!? 」

ヒロ「…………(ミディちゃん…君の思いは…今、ここに…!)(変身したメディを見て、グッと目を閉じる) 」

サイボーグ忍者『―――― シ ュ バ バ バ ッ ! ! (黒いフェイスの合図を受け、更なる増援部隊が颯爽と出現し、一斉にメディ一体に刃を突き立てながら迫っていく)』

メディ(MD)「…手術(オペ)を始めます ―――“真空交線”(レントゲイン)―――(目が仄かに発光すると、視界に映るサイボーグ忍者の体内を透過。その内部構造を一瞬でスキャニングすると、躊躇う様子もなく真っ向からその群れへ突撃) スン――スッ――――スン――シュン――――スンッ―――(手刀の構えを取りながら敏捷い動きでサイボーグ忍者たちの攻撃を掻い潜りつつ、擦れ違いざまに手刀を宛がっていく)―――― “摘出”(イクス)。(そして、忍者たちを完全に出し抜いた直後、手刀を上部へ突きつけたまま、呟くような声音を発する) 」

サイボーグ忍者『  !!?  (一斉突撃を出し抜いたメディに気づく間もなく、一瞬の内に各々の身体に施された攻撃によって、サイボーグの身体が痙攣したかのようにビキビキと軋みを上げていくと―――)――― バ キ ャ ア ア ァ ン ッ ! ! (その強化外骨格が一斉に砕け散り、中に入っていた人間たち――クラウスの部下――がほぼ無傷のまま摘出され、気を失ったようにバタバタと倒れていく)』

うどんげ(月戦型)「す、すごい…っ…!敵を一瞬で蹂躙するだけでなく、同時進行で外装をも剥がすなんて…! 」

ザビーダ「おっ、いいねぇ…いいじゃねえのこりゃ。こっち(メディ)のほうが猛烈にイカしてやがるぜ。 」

天王寺璃奈「……あれが、メディの新たな姿「MD(ミディアム)モード」。ミディをスターターにしたお陰で、メディ本来が持つエーテル炉の完全起動に成功できたんだ。リューズ島や月の都で集めた部品で欠陥部をカバーして、戦闘にも特化できる形態にしたの。その強さは…従来の10倍以上にも飛躍する!〖*`・ω・´*〗(璃奈ちゃんボードを片手に意気揚々と解説する) 」

天王寺璃奈「…まあ、"即興で"拵えたからまだテストは不十分なんだけど…(ぽりぽりと頬を掻きながら) でも今は、形振り構ってなんかいられないから。それはメディも理解している。この力で…今度はもっと多くの人を助けられる。私もメディも、そう信じている。 」

あなた「……!(メディの神業のような"手術"に驚きながらも、それはメディや璃奈の"想い"の果てに編み出されたものだと璃奈の解説によって気づかされ、強かに頷いた) 」

ヒロ「どうやら、テストは成功しているようだな(サイボーグ忍者を蹴散らすメディを見て璃奈に) 」

メディ(MD)「……―――!(サイボーグ忍者たちを退けると急いでホムラの遺体へと駆け寄り、その脈を図る。だが、彼女の生命が完全に停止していることを悟り、表情を強張らせる)…璃奈様、ホムラ様は…―――」

天王寺璃奈「……(慌てるメディに、落ち着いた様子で首を左右に振った)…きっと、まだホムラちゃんはなんとかなる。「あの子」が、そう想っているなら…きっと…。(そして、次は「あなた」へと視線を送る) 」

サイボーグ忍者?「……(そんな中、ホムラを連れてきた二体のうちの一体が一歩前進する)―――― どーやら役者は揃ったみたいだねぇ。(気の抜けたような女性の声がそのマスクの内側より発せられる。無機質なサイボーグ体には不釣り合いなその声をあげた忍者が背に帯びた刀を引き抜くと)――― ポ ン ッ ☆ (刀は一瞬で「箒」となり)  ド ゴ ォ ア ッ ! ! (振りかぶったそれを、もう片方の忍者の顔面目掛け殴り抜けた) 」

サイボーグ忍者「――――!!?(味方と思っていた相方に殴り飛ばされた忍者は、そのまま壁へと盛大に激突してめり込み、気絶したように項垂れてしまった) 」

キャロット「えっ、えっ……!?こ、今度は何…!?(仲間割れし始めたサイボーグ忍者の方を見据えながら困惑する) 」

サイボーグ忍者? → ベール「―――“深く染る星《 ブリーチアウト 》” (忍者と思わしき人影の姿が霞むように歪むと、そこには舌を出した魔法使いの少女が発現される)――― ヒーローは遅れてやって来るって言うでしょ?ま、あたしゃヒロインなんですけどね☆(手にした箒を肩に乗せて「あなた」たちへ愛嬌あるウインクを飛ばす)」

黒いフェイス「こ、こんなことがァ…!(MF部隊と共に月の都を陥落させた屈強なサイボーグ部隊があっさりと駆逐されていく様に愕然とする中、文字通り"ベール"を脱いだ魔法使いの少女に目を見張った)なッ…なんだ、貴様ァ…!? 」

あなた「――――!(突然姿を現わした謎の魔法使いの少女に呆気取られた様子で立ち尽くす) 」

ベール「――― 通りすがりの魔法使いだ、覚えておけ!(詰め寄る黒いフェイスへ、突きつけた掌から閃光を発射し吹き飛ばす)……(その後、倒れているホムラのもとへカツカツと靴音を鳴らしながら歩み寄り、その光を失ったコアクリスタルへ視線を落とす)……ふぅん…"やっぱり"、ねぇ…――― 」

黒いフェイス「ぐふぁぁあッ!!(真っ向から閃光が直撃し、ぐらりと仰向けに倒れ込んでいく) 」

ヒロ「…!…とことんあんたとは縁が深いようだな(ベールを見て) 」

天王寺璃奈「あっ…ベールちゃん…!?〖*゜o゜*〗(突然と現れた魔法使いの少女に目を嬉々として輝かせる)…また、会えて嬉しい…でも、どうして…? 」

トキ「間に合わなかったが……だが……! 」

ベール「んよー、ヒロの字。元気してった?どーやらあたしたちは運命の赤い糸に結ばれて……いるわけねーだろ、何期待してんだ(ヒロの口にゲロマズイグミであるシュネッケンを無理やりぶちこむ)……忘れちった?あの温泉で「あんな話」を聞いちゃった以上、他人事だからって放っておけるわけないでしょ。(白玉楼の露天風呂にてヒカリが吐露した天の聖杯にまつわる告白を想起する)……まー、裸の付き合いってこともあるし、あたしもあたしで勝手にいろいろやらせてもらったわけよ。 」

ヒロ「むがっ…!?(シュネッケンをねじ込まれ)そこまでの期待はしてないよ!? 」

ベール「……ねぇ、君。(「あなた」へと振り返る)これはあたしが調べた情報でしかないんだけど、天のせーはいっつーのは、「コアを失ってもすぐには消滅せずしばらくは存在する」んだってさ。彼女は人の形をした人ならずもの…だからその命が尽きた時、土ではなく天へと還るはず。今のように生命線が停止したとしても、肉体がまだ残っているということは――― "君との同調はまだ続いている"はずなんだよね。

あなた「――――!!(ベールの言葉にはっと気づかされたようにぴくりと微動する。かつて黒いフェイスに刺され、命を落とした「あなた」。そして目覚めたホムラとの同調によって彼女と命を共有し、再び息を吹き返した。その証となる胸の「コアクリスタル」―――ホムラと繋がっている「証」にそっと手を触れ、まだ彼女が完全に消えたわけじゃないことを感じ取る) 」

ベール「……君は、"奇跡"というものがあるって信じてる?あたしはすっかり信じ疲れちゃって、そんなものはとっくに路傍の地蔵に酒を添えてくれてやったよ。…でもひょっとすると、あるかもしれないよ。この世のすべては偶然にも必然にもなり得る現金な奴だからねえ。まっ、あたしゃぬるま湯くらいなのがちょうどいいけど…――― 「君」はどうかな?(帽子の内側より智的に何かを見据えたような眼差しを「あなた」へと向ける) 」

黒いフェイス「ムグゥゥ……!(ぐらりと起き上がる)ブァーカかテメェらは。そいつにはもう何も残ってねえって言っただろうがよォ!圧倒的な絶望を前に、藁にも縋る思いになるのは勝手だが…所詮何も変えられれやしねぇよォ!ブァッハッハッハッハ…!! 」

あなた「……―――(ベールの言葉を受け、床上で深く眠るホムラの方へ璃振り返り、彼女のもとへ跪いてその胸に手を当てる。まだ、その絆が、命が、断ち切れていないことを信じて…彼女へ"想い"を届けるように―――)」


……て……めて……―――― もう、やめて……!(「あなた」の"想い"が通じたのか、何処からともなく女性の心の叫びが聞こえてくる。それは、紛れもしない……絶命したはずのホムラの声だった)




ホムラ「――― もういい…やめてみんな…っ… 私たちに関わらないで…っ……! 」

ヒカリ「そう、これが私たちの望み―――私たちの力は、みんなを苦しめるだけ…!それなら…そんな力、 なくなった方がいい… 」


「焔 -ホムラ-」と「光 -ヒカリ-」―――二つの意思が幻影となり、戦う「あなた」たちに声を送り届ける。
その声は悲しげで、苦しげで…彼女たちの心に眠る悲痛な叫びだった…


黒いフェイス「そろそろ引導を渡してやるぜ――― 逝 ね や ァ ! ! (ついに痺れを切らした起動兵器は動き出し、レジスタンスたちへ襲い掛かるように爪による乱舞を繰り出していく) 」

うどんげ(月戦型)「―――!させません!!(「あなた」とホムラの様子を垣間見、その大事なひと時を遮ろうとする黒いフェイスから彼らを守るべく、こちらも攻撃を再開して射撃する) 」

キャロット「これ以上、好きにやらせないよ…ッ!(うどんげと同じ気持ちを抱き、ホムラたちを庇うように自ら身を乗り出して黒いフェイスへ放電を放っていく) 」

トキ「破ァッ!闘頸呼法!!(凄まじいまでの呼気と共に、衝撃波で爪の軌道を逸らす) 」

天王寺璃奈「……!(この声は…―――)(忘れもしない、大切な仲間の声にぴくりと反応して顔を上げる。そして、その声の源である―――眠るホムラにゆっくりと視線を下ろした) 」




ホムラ「……『楽園』に行きたいって、言いましたよね?私たちの本当の望みは…「楽園」に行って、神様《 父様 》に私たちの存在を消してもらうこと…―――

ヒカリ「それがこの世界のため… だから、放っておいてくれれば、それでいい…―――

サーベルレオモン「―――――ネイルクラッシャー!(黒いフェイスの爪に対抗するように、巨大な爪による切り裂きを繰り出す) 」

せがた三四郎「 "背銃"!!<セガン> (背中をぶつける当身、テツザンコウを弾丸の如き速度で放つ) 」

あなた「………(二人の叫びをその胸で受け止めながらも、ただいつものような何もない表情― けれど、その心に彼女たちを"想う" ― を浮かべたまま、温かかったホムラの手を優しく握りしめる) 」

黒いフェイス「ングゥ…!?(トキが放つ衝撃波にキャロットを切り裂こうとした爪を弾かれ、隙の生じた脇腹に銃弾や放電が直撃する)ムググ…うざってぇぇえええいッ!!(背部からのせがた三四郎の遠距離攻撃にどつかれ、振り返りざまに爪で薙ぎ払おうとするが―――)―――ごッ…!!?(サーベルレオモンの爪とぶつかり合いそのまま圧倒されて数歩退く)バチバチバチッ―――ふきとべぇぇええいッ!!(背面の大砲にエネルギーが収束し、首位を薙ぎ払うようなレーザーを放射し、邪魔する者たちを吹き飛ばそうとする) 」

天王寺璃奈「―――放ってなんか、置けないよ。(「あなた」の意思を代弁するように、横たわったままのホムラへ口を開く)…傷を一つ受ける度に、ホムラちゃんとヒカリちゃんの痛みが伝わってくる。痛みが一つ増える度に、二人の心が泣いてるのがわかるんだ。」

ベール「ッ……!(前方に六角形の障壁を展開し、ホムラと対話する「あなた」たちを守る) 」

ヒロ「目の前で女の子が泣いているのに、そんなの放っておけるわけがないだろ…!(聞こえてくるホムラとヒカリに訴えかけながら、黒いフェイスの斬撃を刀でいなす)」

キャロット&うどんげ(月戦型)『うわわぁっ!! / キャロット…!!(レーザーの衝撃に吹き飛ぶキャロットを、うどんげが追いかけるように駆け寄っていく)』

ホムラ「ここで私たちがいなくなっても、あなたたちはいつか「楽園」へと行ける…っ…だから―――」

黒いフェイス「なんだァ…!?いよいよ頭がイカれちまったのかァ?(黒いフェイスにはホムラとヒカリの声は聞こえていないのか、璃奈たちが虚言を吐いているように見えて嘲笑を浮かべている) 」

天王寺璃奈「―――それじゃあ意味がないんだよ…!(ホムラの嘆きをかき消す様な強い言葉を張り上げる)…私たちは、二人と一緒に行きたい…その「楽園」に、みんなで…!…そう、約束したはずだよ…?」

ホムラ&ヒカリ『 ! ! (「あなた」の意思を代弁する璃奈の張り上げる声に、、幻影に揺らめく少女たちはその手で口元を覆った)』 」

エースバーン「……――――(ホムラとヒカリ、今は見えないはずの存在と言葉を交わす一行を静かに見守り続けている) 」

天王寺璃奈「私たちは、二人のために「楽園」へ行く。二人だけのために「楽園」へ行ってみせる。だから行こう…!そして確かめよう…?二人が何のために生まれてきたのかを。私たちと君たちの未来がどこに向かおうとしているのかを…――― 私たちを信じてほしい…! 」

メディ(MD)「私たちは、お二人のために、二度と世界なんて灼かせたりしません 」

ヒロ「だから、君たちのすべてを俺たちに……!!」

天王寺璃奈「私たちに――――― 受け止めさせて!」

黒いフェイス「 逝 ね え え え え え ぇ ぇ ぇ ぇ え え え い ―――― 」







黒いフェイスの爪が「あなた」に差し迫ったその瞬間、空間に光が瞬く―――
気が付くと、「あなた」の目の前にはホムラとヒカリ…
そして、彼女たちの背後に巨大な起動兵器「アイオーン」がそびえ立つ何処かの空間が広がっていた。




ホムラ「…「これ」が私たちのすべて―――私たちはこの力を与えられて生まれてきた。 」

ヒカリ「…それでも君は、私たちが欲しい? 」

あなた「………(かつて、世界を焼き滅ぼしたアイオーン、天の聖杯の真の力そのものに目を奪われるも、一度瞳を閉ざして、開いた眼をホムラとヒカリへ向ける。その目には、二人へ問いかけるような眼差しをしていた…「 この世界 好きかい?」と―――)」

ホムラ「……えぇ。(「あなた」の眼差しの真意を汲み取る様にほくそ笑む)…璃奈ちゃんも、ヒロ君も、メディちゃんも ―――」

ヒカリ「――― みんながいるこの世界が大好き。」


あなた「……―――!(二人の心の底に眠る願いにゆっくりと頷くと、「その世界」へ引き込むように両の手を彼女たちへ差し出した) 」

ホムラ&ヒカリ『―――(二人は見つめ合い、そして頷き合う。許されるのなら、大好きなみんなと、大好きなこの世界で、ずっと生きていたい。その願いを受け止めてくれる大切な人たちとの出会いに、心から感謝するように微笑むと…二人は「あなた」へと歩み出してその手に触れるのだった―――)』


瞬いた光が消えると、「あなた」に迫っていた獰猛な爪を、何かが守っていた。
それは、光を失ったはずのホムラのコアクリスタル。
そして今、かつてのような翡翠色の輝きを取り戻し、
無機質な空間の隅々をその光で満たしていく―――


黒いフェイス「なッ…なんだと…!?なんだ…これは―――!? 」




あなた「――――…………!!!(開眼した「あなた」は、目の前に浮かぶコアクリスタルを握りしめる。すると、クリスタルを起点に剣のような残光が迸る様に形成され、実体化する。それは、ホムラのものでも、ヒカリのものでもない。否…「二人のもの」である、新たなる剣――――「第三の聖杯の剣」であった)」


――― キ ュ ガ ア ア ア ァ ァ ァ ッ ! ! ! (焔色でも光色でもない、翡翠色という新たな輝きを放つ第三の剣から、溢れんばかりのエーテルエネルギーが放出されていく)


ホムラ「 … … フ ワ リ ―――― (意識が絶たれたはずの赤毛の少女が、その翡翠の輝きに呼び覚まされるように、彼女の身体がふわりと宙へ浮かび上がる。そして―――)」




ホムラ → プネウマ「    フ   ワ   ァ   ァ   (翡翠色の輝きに包まれた少女の身体が、新たなる変貌を遂げる。翡翠色のポニーテールが衝撃によって華麗に舞い上がり、背面に浮かぶ機械翼がカチャリと音を立てて羽搏く。ホムラとヒカリ…二人の人格が一つとなった真の姿が今、覚醒(めざ)める―――)」

天王寺璃奈「――――!! …ホムラちゃん…ヒカリちゃん…! (ホムラでもヒカリでもない…けれど、確かに二人の面影を感じる新たな少女の姿に目を輝かせる) 」

メディ(MD)「あの輝き…あの姿は……! ……ええ、分かります…あれは、ホムラ様であり、そしてヒカリ様であると…!(美しく輝きを放つ女神のような相貌へと変化を遂げ始めたその少女《プネウマ》に目を奪われる) 」

エースバーン「――――!(……なんて、綺麗なんだ……)(新たな姿を経て目覚めたホムラ / ヒカリに目を奪われた兎は、その美しい輝きに固唾を呑んだ) 」

あなた「………(どんなに姿形が変わっても、今まで接してきたような雰囲気を保ちながら翡翠色の少女と向き合う) 」

プネウマ「……ごめんね、みんな。でも、もう大丈夫。もう、迷わない。(曇りなき笑顔を浮かべる少女。それはホムラのような温かさと、ヒカリのような眩しさを併せ持ち、希望に満ち溢れていた―――) 」

ヒロ「……二人が、ひとつに……!(プネウマを見て)…すごいな 」

トキ「あの光が……輝きが……!!行け―ッ!!聖杯の乙女よ!!」

黒いフェイス「…ば、ばぁかな…ッ…!?いったい、何が起こっていやがる…ッ…!?天の聖杯は、完全に堕ちたはずではァ…!?こんなこと…プロフェッサーも言っていなかったぞ…!!ありえない…ありえんッ…!!(迸る聖なる光を忌み嫌うように、愕然とした様子で一歩二歩と退いていく) 」

あなた「 ブ オ ォ ン ッ ! ! (プネウマの微笑みを受けると、聖杯の剣を軽く振るう。それだけで凄まじい衝撃の余波が空間一帯に炸裂し、重量感のある黒いフェイスをいとも容易く吹き飛ばした) 」

黒いフェイス「―――― ム ゴ ゴ ゴ ォ ァ ッ ! ! ? (空間を貫き迸る衝撃に吹き飛ばされまいと、両脚のアンカーを咄嗟に展開させてその床に引きずられた痕を残していく)…た、確かに貴様は天の聖杯の力を完全に吸い取られたはず…!なのに、なぁぜこれほどまでの力をォ…ッ!?(飛行形態へ変形し上空へロケットの勢い飛び上がると、天井すれすれで旋回しつつ空間全域をジェット噴射による高速飛行しはじめる) 」

あなた / プネウマ『……! / 行くよ…!(飛翔した黒いフェイスを見上げて、二人は手を繋ぐ。その途端、二人の身体は翡翠色に輝き、"飛び上がった")――――!!(プネウマの加護によるものか、自らの潜在能力によるものか…剣を手にした「あなた」はプネウマを"翼"に飛行し、剣を握りしめたまま黒いフェイスへと突撃する)』


ガ ギ ィ ン ッ ―― ド ギ ャ ァ ン ッ ――――― ギ ャ ギ ィ ン ッ ―― ガ ァ ン ッ ―――― ド オ ォ ゥ ン ッ ! ! ! (空中にて、翠と黒の残光がドッグファイトの如く鋭い起動を描きながら飛び交い、ぶつかり合う)


黒いフェイス「なッ――― 最高時速を出しきれていないとはいえ、1200km/hにも及ぶこの俺の速さに、追いついているだと…ッ…!?馬鹿な…あ、あ、ありえぬゥ…!!(熾烈な空中戦での衝突を何度も得る度に、聖杯の加護を受けたとはいえ、生身の人間とは思えないその常軌を逸した潜在能力に驚きを隠せなかった) 」

メディ(MD)「あれが…ホムラ様とヒカリ様の本当の力―――!(目にも留まらぬ速さで空中を飛び交う二人をスキャニングによって追跡し、その速度を計算して驚嘆する) 」

あなた / プネウマ『理屈は分からない…でも、できるの!「この子」と望んだことが、望んだままに! / ……!!(やがて黒いフェイスの頭上へ追いつくと、その背面目掛け聖杯の剣を叩きつけた)』

黒いフェイス「―――― ム ガ ア゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ッ゛ ! ! ! (盛大に、真っ逆さまに地上へと叩き落とされた衝撃で空間に白い土埃が舞い上がる。白煙の中よりバチバチとショート音を掻き鳴らしながら、尚も起き上がろうとする黒い影の姿があったが…)……こッ゛…この力…!…そうか…これこそが、天の聖杯の真の力だったのかッ…!これ程だったのかよォォォオ…!!(もはや起き上がることもままならないほど相当なダメージを負っている様子が見られる) 」

エースバーン「…そういうこった…望んで手に入らなかった力で滅んでいけ!!(もはや機能停止寸前の起動兵器を前に、この機会を伺っていたと言わんばりに高熱を帯びた右脚を見せつけるように挙げた) 」

黒いフェイス「見下してんじゃねェ!滅びるのはテメェらだあああああッ!!!(背面砲台に再びエネルギーを収束させ、対峙するエースバーンへ向けてその砲口を突きつけようとする) 」

エースバーン「 と ど め だ ァ ー ー ー ー ー ッ ! ! ! (烈火に燃ゆる右脚を振り抜き、黒いフェイスへ最後の一撃を繰り出そうと迫る―――) 」

あなた「―――!!(その刹那、咄嗟的にエースバーンと黒いフェイスの間へ割り込み、聖杯の剣でフェイスの砲台先端部を両断した直後、すぐにエースバーンの蹴りをその剣身で受け止めた) 」


ザ キ ィ ー ー ー ン ッ ! ! グ ル ン グ ル ン グ ル ン … ―――― チ ュ ド オ オ オ ォ ォ ン ッ ! ! ! (両断された黒いフェイスの砲台――エネルギーが蓄積され発射寸前だった――が宙を舞い、天井に向けてエネルギー弾を放ってしまった)


エースバーン「 ギ リ ギ リ ギ リ ィ … ッ … ―――― 何故止める…?(自らの蹴りを受け止める「あなた」を睨みつける) 」

プネウマ「……相手は機械(サイボーグ)ではなく、"人間"だった。…きっと、「この子」はそう思っているから、君のトドメを止めたのよ。(「あなた」の気持ちを代弁するようにエースバーンへ伝える) 」

エースバーン「…こいつらがやってきたことを忘れたのか…!?それにこいつに限っては、お前たちにとっても因縁の相手のはず…!刺せる時にトドメを刺さないでどうする!?放っておけば、こいつは、お前の仲間を狙いにまた襲い来るかもしれないんだぞッ…!? 」

プネウマ「……それは分かっている。でも、相手は、私たちと同じくして今を生きる者。ラビーちゃんって言ったね…?君は、平気で"人"の命を殺めることができるの…?(やや悲哀を含んだ瞳で訴えかける) 」

エースバーン「…ッ………ああ…必要とあらば、なッ…! 」

プネウマ「こうして、君の心を救ってくれた「この子」のことも…? 」

エースバーン「――――ッ!! ……… (プネウマの言葉に、目の前の「あなた」から視線を逸らしてしまう) 」

プネウマ「……私たちは旅に出た時、いろんな人と出会った。輝かしく生きている人、死んだように生きている人、そして…本当に死んでしまった人も…――― いろんな人と接して、命の大切さを…その人たちの心を知った。だから、知りたい…どうして、こんなことになってしまったのか。 」

プネウマ「どうして、あのクラウスが、大切なものや自分さえも犠牲にしてまで、今あるものを壊そうとしているのか。どうして、私たちと彼が戦う必要があるのか?……それを、確かめたい。確かめる為には、生きていてほしいから。(胸に手を当てながら「あなた」の気持ちを代弁する) 」

エースバーン「………それが、「お前」の戦いか…!?(プネウマの言葉を耳に、「あなた」へ問い詰めるように目を細める) 」

あなた「………!!(エースバーンの問いかけに対し、強かに頷く) 」

エースバーン「………―――― ス … (「あなた」の意を汲み取ったのか、剣を蹴り抑えていた足を静かに引いて数歩退く) 」

黒いフェイス「……… ニ ヤ ァ ―――― 甘 い ぜ ェ ッ ! ! (エースバーンが足をひっこめたタイミングを見張らかうと、無防備になった「あなた」とエースバーンを突き刺そうと再び腕を振り上げ爪で突き刺そうとするが―――) 」

エースバーン「……―――“エレキボール”ッ!!(キャロットの能力と同じく脚部に稲妻を走らせ、突き刺されるよりも前に紫電の如き速さで電撃玉を黒いフェイス…ムムカ本体に向けて蹴り飛ばした) 」

黒いフェイス(ムムカ)「 ヌ グ ォ ア ァ ッ ! ! ?  ズ シ ャ ア ア ア ァ ァ ン ッ ! !  (爪を突き立てる寸前で激しく感電し、そのまま倒れ伏した。その衝撃によって国ピッチのハッチが強制的に開かれ、中にいたムムカの姿が露わとなる) 」


… グ ラ … ッ … (黒いフェイスが倒れた衝撃により、先程エネルギー弾を受け亀裂が走った天井から砂塵が零れる)


あなた「……!!(反撃するエースバーン、そして倒れる黒いフェイスを驚くように見比べる) 」

エースバーン「………俺は、こいつらを許すことなんか、できねェ…!………けどよ……お前の「声」……重かったよ… "ここ"に…響いた……(己の胸を摩りながら、俯く顔の内側でフッと清々しい笑みを零す)……今は、俺たちの都を取り戻すんだ…!(そう告げると倒れ伏したフェイスへと振り返る)…そういうことだからよ…今はお前の相手なんざしてる暇はないんだよ! 」

黒いフェイズ(ムムカ)「ズズズッ…――― テメェらは……テメェらいつもこの俺を侮辱しやがってェ…ッ…!!ムカつくんだよ…――― 逝 き や が れ ェ ッ ! ! ! (立ち上がると同時に、最後のあがきと言わんばりに「あなた」たちに再び斬りかかろうと襲い迫る) 」


ズ ズ ッ … ズ ッ ―――― ボ ゴ オ オ オ ォ ン ッ ! ! ! (その時、損傷の激しかった天井がついに崩落。大きな塊のような瓦礫が一斉に降り注ぎ、それは黒いフェイスへ雪崩の如く落下する―――)


あなた「――――!!!(いち早く天井の崩落に気が付くと、こちらへ迫る黒いフェイスへ「来るな!」と両手を大きく振って静止を促す) 」

黒いフェイス(ムムカ)「ムア゛ァ゛ァ゛ァ゛―――― なッ!!?(ズシンズシンと地響きを立てながら襲い掛かる最中、頭上から降り注ぐ大量の瓦礫に気づくもすでに遅く―――) 」

黒いフェイス(ムムカ)「 こッ…こんなァ゛ァ゛ッ゛!! こ ん な と こ ろ で ェ゛ ェ゛ ェ゛ ェ゛ ――――(機体の倍以上もある塊のような瓦礫の山に次々と押し潰された衝撃に耐えきれず、崩落した床を突き抜けて下階層へみるみる沈んでいく。やがて、下方で盛大な爆散音が塔一帯へと轟き、起動兵器とそれを手繰る男はその最期を遂げるのだった―――) 」

あなた「――――! ……… (突き伸ばしたその手がゆっくりと沈み、結局分かり合えなかった男の最期を、そこから見届けることしかできず佇んでいた) 」

エースバーン「…………愚かすぎだぜ…お前は……(開いた大穴へ憐れむような瞳を送ったと思えば、その目を静かに伏した) 」

ヒロ「…………救ってもらった命を無駄にしやがって…(黒いフェイスの最期を見て) 」




プネウマ「……(救いたかった命を悔やむ「あなた」を慰める様に、そっと傍へ歩み寄っていく)……きっと、彼《クラウス》との衝突も避けられないでしょう。それでも、戦うしかない。この世界が…私たちの愛したこの世界や、そこに住まう人たちのためにも… だから、私はその運命を、覚悟を受け止めて、「君」のために力を振るうと決めるわ。(優しく微笑みかける) 」

メディ(MD)「……大丈夫です。主様や、ホムラ様とヒカリ様だけに、その重い責任を負わせることなどさせません。みなさんを支えることこそが、わたくしの使命ですから。 」

ヒロ「あぁ、その通りだ。俺も、その運命…一緒に受け止めるよ。 」

エースバーン「……ああ。戦いってのは、大いなる覚悟がつきもんだ。それを大事な相棒(だれか)に背中を預けることで、気は楽になる。……あまり気張るなよ。俺らが付いてる。 」

うどんげ(月戦型)「いつも熱くなってしまうラビーの言葉とは思えないほどですね。(エースバーンの背後から突くように意地悪な笑みを浮かべる)…でも、そうかもしれませんね。 」

キャロット「私は、みんなと一緒ならきっとどんなことだって、なんとかなるって信じてるよっ♪ 」

ザビーダ「――――悪いが、俺は〝降りる〟ぜ。 」

メディ(MD)「あっ!あの時の不審者!(ぇ(今頃になってザビーダに気が付いて笛を鳴らす) 」

ヒロ「…あいつ!(ザビーダを見て、旅館でよくあるようなパネルを取り出し顔以外を隠そうとする) 」

トキ「戦いは何時も空しい物だ、だが……人は変えられん事もあるか…… 」

天王寺璃奈「………今でもふと思うよ。当たり前のように過ごしていた日常が、ある日突然変わってしまうことに…驚いたり、不安になったり、どうしたらいいんだろうって迷ったりして… でも、ここまで旅をしてきて、思った。変わらない日常も、変わっていく日常も、どっちも私たちにとって大事なものなんだって。だから、私はもう、振り返らない…今までのことも。 ホムラちゃんとヒカリちゃんが、そうしたように。

ベール「まー乗り掛かった舟だ。あたしも付き合うかね。…それに、学園での借りもあるし、な。(エレン・ベーカーのことが脳裏を過る―――) 」

あなた「………!(ここまで共にした仲間たちの温かい言葉を受け止めて、その決意を固める) 」

プネウマ「―――― 行きましょう、クラウスを止めに…!」



時間は遡り、月待塔潜入数分前。


ユリアナ「―――(メインコンピューターはまだ死んでいない。あと数分もすれば敵の技術力があれば完全に復旧させることが可能になる。そうなれば全員の潜入は難しい。…今がチャンスなのだ)……真実がどこにあるのか。私にはわからない。でも、やらなきゃいけない。それが私の『使命』だから!(一行とはわかれ、ひとり孤独な戦場へと駆け抜ける) 」


腕のパソコン操作により、メインコンピューターが塔内のどこにあるかを計測。
意外にそれは大規模な代物であり、少なくとも塔の中にあるものではない。
―――地下だ。そこに巨大なシェルターを作って管理をしていた。
そこは今まで以上に警備が厳重で、しかも徒歩で行けるようなルートはないに等しい。


ユリアナ「大方の道筋は理解出来た。あとは、そこへ行くための"足"…… ―――!!(2時の方角にある倉庫にうってつけの物を見つけた。周囲や内部に敵影はなし。タイムリミットが迫る中、それを使わない手はない)―――ぃよっし……覚悟、決めなきゃね。 」


そこは第四格納庫。
MF部隊のボディに使用された技術を投入して作られた兵器の置き場所。
そしてそこで選んだのは翼を広げた鳥にもにた空中飛行マシンだった―――




ユリアナ「(碧いエフェクトを帯びのように伸ばしながら高速飛行するマシン。パイプや煙突が入り組んだ工場地帯を抜けながら月待塔へと近づくと―――)―――!!(大量の武装無人機が前方から飛んでくるのが分かる。ハンドルを切りながら上空へと飛び上り回避。しかし無人機はどこまでも追ってくる。それを振り切ろうと機体を下へと捻り込み、工場の壁や床スレスレを複雑に飛行する) 」


無人機達はそんな複雑な飛行にまどわされることなく正確無比に追跡し自爆を仕掛けて巻き込もうとしてくる。
作り手のいやらしさが滲み出ているこの攻撃をものともせず、むしろさらに加速させて振り切っていく。
爆発が連発する中、工場にも火の手が移り大爆発を起こしていく。
被害と言えば被害だが、もう月の都にこんなものは必要ない。
鋼鉄に汚染された理想の城は燃え尽きるべきだと、
ユリアナは瞳を鋭くし無人機達を振り切りながら月待塔に沿って高度を上げていく。


サイボーグ忍者「ヒュウウウウウウウウウ(塔から落下するは無数の忍者。しかし刀は持っておらず、かわりに大量の爆弾を括りつけている。塔を守るためにユリアナに特攻を仕掛けてきた) 」

ユリアナ「―――くっ!(マシンに取り付けられているレーザーを駆使しながら近づく前に撃滅し、出来なかった分は回避していく。そうしていくと、爆発の影響で機体でも入れそうな大穴が開いた)この穴から入れば…最短距離ッ!! 」


大穴から内部へ。あとはここから地下へと突き進むだけなのだが…


ユリアナ「(一旦マシンから降りて、周囲を探索しようとする)くそ、ここよ。ここに、メインコンピューターに通じる道があるはずなのッ!!(パソコンを駆使しようと注意を逸らした直後だった―――) 」

サイボーグ忍者「ガシィイ(ユリアナの左腕を掴んだのは下半身が吹っ飛んだ血塗れの忍者)ウ、グ…ォォォッ!!(手に持っているのは爆弾。それは今にも起爆しそうな反応を示している) 」

ユリアナ「――――このッ!(銃を取り出し掴んだ腕を撃つ。ゆるんだところでバックステップでよけようとするが)ズドォオオオオオオオオオンッ!!(逃げきれず爆発に巻き込まれてしまい壁に強打)あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!あぐ、うぐぅううう(左腕が吹っ飛びかけ血肉が抉れている。痛みで意識が吹っ飛びそうになる中、残り火の明かりでその場所へ行くための道を見つけた。地下へ直行の一本道。行けば最後かもしれない鉄砲玉の運命。)……上等よ。守らなきゃいけないの。さようならの刹那まで、健やかに生きてもらうために。それが、兵士としての私だからッ! 」


痛みを堪えながらマシンに乗り、地下への長い道のりを進む。
先ほどの爆発でマシンも少しイカれている。
だがそれでも鞭を打つように降りて行った。しかし―――

ズズズズズズズズズズズ(メインコンピューターの防衛機能がまだ動いていた。行く手を阻むように扉が幾重にも閉じようとしている)


ユリアナ「(マシンは悲鳴を上げオーバーヒート寸前。いつ空中分解してもおかしくないほどのGがかかる中) 加 速 し ろ ぉ ぉ ぉ お お おッ!!!!!(更に一手。マシンにブーストをかけてギリギリのタイミングで扉を潜り抜けていった) 」


辿り着くメインコンピューターの広間。
なぜか見たこともないような白い花が咲き乱れ、墓石のようにいくつかの端末が並列している。
いや、その見た目はまさに墓地だ。そこへとうとう空中分解を起こして墜落するマシン。
ギリギリで脱出したが、あまりの速さに床へ激突し、左腕と左足の膝関節をやってしまったユリアナ。あと一歩という所で動けない。


ユリアナ「はぁ…はぁ…あれ、は…(前方に見えるは巨大な機械の塊。その中心に鎮座するのは《クラウスの妻》の姿を象った女神像。これこそ、このメインコンピューターの中枢である)……う、う(ゆっくりと立ち上がり自分の装備を確認する。そして『切り札』が無事なことに笑みをこぼすとそれを取り出した。それは注射器のような入れ物でそれを首に思いっきり突き刺し、内部の液体を注入した) 」

ユリアナ「うぐぅぅあああああああああああああああああッ!!!(目が真っ赤に光り、一瞬筋肉が増長したように変化した)メキメキメキメキッーーーーギュンッ!!(右足だけでの跳躍。そして女神像に向かってまだ無事な拳を突き出した)ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!(轟音を上げてユリアナの拳が女神像の胸を貫通する。凄まじい量の電流とエーテルが流れ今にも爆発しそうになる中――――ほんの一瞬の幻か。女神像が安らかな笑みを浮かべた気がした) 」

メインコンピューターは火花をいくつか散らすと凄まじい大爆発を起こした。
爆炎は広間や通路を巻き込んで外へと溢れ出ていった……――――。

ユリアナ「―――――(やり遂げた思いに満たされる中、ふと一行のことを思い出し)頼んだわよ、メディ……皆―――(爆炎に巻き込まれる前に呟いた言葉【バトン】。これで道を切り開けたと、炎の中で目を閉じた) 」



― 月待塔・三十夜「月宮殿」 ―




あなた / プネウマ『……!(連戦の末にようやくたどり着いた最後のフロア。奴隷を開放し、大切な仲間を取り戻し、そして今…月の都、否…世界を救うために最後の目的を果たそうと踏み込んだ)――――クラウス!(翡翠色の髪をした少女が、男の名を叫んだ)』

エースバーン「……さあ、返してもらうぜ…俺たちの都を。(「あなた」と並び、最後の戦に向けて闘志の炎を滾らせる) 」

クラウス「――――――(彼は終始背中を向けたままだったが、プネウマの声にほんの少し視線を向ける。変化した姿にあえて言及はしなかった。彼が望むのは一つだけ。『楽園』のみ。ゆえに―――)――――今からでも、賛同する気はないか?(この一言。楽園へと導くのなら、殺してしまうよりも生きたまま一秒でも長く寿命を全うしてもらうほうがいいと。そういう風な声色だった) 」

あなた / プネウマ『…… / ……私の"想い"は、彼らと共にある。今あるこの世界に生きる、みんなと…!(男の問いかけに異を唱えるように、対峙を強く示す)』

アイオーン「 ォ ォ ォ ォ ォ ォ … ッ … ――――(クラウスの前方には大型の起動兵器『アイオーン』が鎮座していた。白と黒に別れたボディー…まるでそれは、世界を救済する天使であると同時に、世界を滅ぼす悪魔でもあるような形相であり、まさしく神に相応しい圧倒的な存在感を放っていた)」

メディ「……あれが、月の都に眠っていた…天の聖杯に関わる大いなる古代兵器「アイオーン」…!(その異質な存在感に圧倒され驚愕を露わにする) 」




クラウス「そうか、実に残念だ。だが計画を取りやめることはできない。……殺してでも、救う他あるまい(それはなんの比喩でもなく、ありのままの事実。クラウスは踵を返して面々と向き合う)……ほう、改めて見ると随分と進化したものだ。だが、それだけで私に敵うと思うな。(ぐっと拳を握りしめ、指を鳴らす)……時間がない。さっさと来るがいい。(戦いの構えすら見せずただ佇んだままで) 」

うどんげ(月戦型)「あんなものを完全に目覚めさせた暁には、都どころの騒ぎでは済みませんよ… 最悪、世界が滅ぶ…! 」

プネウマ「……っ…! (振り返ったクラウスを見てその異変に気付くプネウマ。彼の胸部に感じる異常な高エネルギー反応――コアクリスタルの存在と、彼の言動からすべてを察した)……彼は…アイオーンと同調を果たした… 私と「君」がそうしたように、彼らもまた、運命共同体…!アイオーンを止めるには…クラウスのコアクリスタルを……彼を、その手にかけないといけない…っ… 願うことなら、「君」にはそうしてほしくない。私が、彼と―――(表情を悲痛に歪ませながら、うつむき気味に「あなた」に語っていたが―――) 」

あなた「―――― ス … (彼女の右手の甲に自分の左手を優しく添える。一人だけに責任は負わせないと、自分もその運命を共に受け入れると、彼女のすべてを肯定するような温かさが、そこから感じ取れた) 」

あなた / プネウマ『――――!(「あなた」の手の温かさに、微かに震えていた少女の手が落ち着きを取り戻していく)………ありがとう。私を目覚めさせてくれた人が、「君」でよかったと…今ならそう強く感じる。……お願いみんな、一緒に戦って!クラウスを止めて!! / ……!(少女の強い意志に、「あなた」は第三の剣を強く握りしめて構えた)』

クロム「―――――その運命は、俺達が変えて見せる!(うどんげの言葉に続くように月宮殿に乗り込んできて、クラウスに斬りかかる) 」

天王寺璃奈 / メディ『うんっ…!私たちは、ホムラちゃんとヒカリちゃんを信じてる。 / 故に、わたくしたちは全力で支えます。(璃奈を庇うようにメディがその前線に立ち、アタッシュアローを身構える)』

キャロット「私たちの都は、私たちが取り戻―――って、うひゃあっ!?(いきなり参戦してきたクロムの疾駆に驚き跳び退く)誰ーっ!?まだ喋ってるところなのに~~~!!>< 」

ヒロ「…………やってやるよ。どんな運命が待ち構えてようとも…俺は君たちを信じる。(プネウマにそう言い、日本刀を構える) 」

トキ「見える……あの姿から、血塗られた想いが、悲しみが……!だが我々は、それを打ち破らねばならない(錠剤を口に入れながら現れ、静かに構える) 」

ベール「……おほー、こいつが噂の最終兵器って奴?壮観だね~。……でも、破壊するともっと興奮しそう♡(ぺろりと舌なめずりしながら箒をアイオーンへと突きつけた) 」

ルキナ「――――掴み取りましょう、未来を。…私達自身の手で!(同じくクロムとともに参戦してくるなりクラウスに斬りかかった) 」






――― Vs. 【BOSS】 クラウス / アイオーン ―――




アイオーン「 ガ シ ュ ゥ ゥ ―――― ン … ッ … ! ! (かつて、世界を灼いた大いなる力の権化が目覚める。二対の白黒両翼を広げ、同色の二対尻尾をしならせ、顔面と思わしき部位が発光する)  キ  ュ  ォ  ォ  オ  オ  オ  ン  ッ  (クラウスと完全な同調を果たした最終兵器の頭上には天使の輪が広がる。今まさに対峙する「あなた」たちの前に立ち塞がる様に、その大きな両腕を広げるのだった) 」

クラウス「――――(クロム、ルキナの斬りかかりに動じることなく、なんとその斬撃を両腕で防いで見せた。彼の服は防刃、防弾も兼ねているだろうがあまりにも『硬すぎる』)生憎だが、私の身体はすでに人のそれでは(ルキナとクロムの刀身を握るや)―――ないッ!!(そのまま一向に向かって投げ飛ばす) 」

うどんげ(月戦型)「我々はあの大型兵器をやります!「あなた」方は主犯をお願いします!(そう言うと、ついに起動したアイオーンへスナイパーライフルの銃口を向け、何度もトリガーを弾いて連続射撃を行っていく) 」

アイオーン「 ズ ゥ ン ッ ―――― グ シ ャ ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ン ン ッ ! ! ! (大型兵器の両腕が、クラウスとリンクしているように彼と同じ挙動を行う。そして、レジスタンスへ目掛け両拳による裁きの鉄槌――避けてもその衝撃波が襲い来る――を下した) 」

トキ「良いだろう、あの巨神兵は俺が引き受けよう…!ナギッ(瞬間移動とも見紛うほどの超高速の歩法で一気にアイオーンとの距離を詰め)…我が兄の剛の拳…!受けてみるがいい!!(自らが得意とする、流麗な水の様な拳…それとは明らかにかけ離れた、単純な破壊力を求めた"剛の拳"と呼ぶにふさわしい、強烈なアッパーカットをアイオーンの膝に放つ) 」

クロム「…何っ!? ―――――むおっ!(クラウスの反撃に遭い、投げ飛ばされる) 」

あなた / プネウマ『……! / いくよ…!(聖杯の剣を握りしめクラウスへと駆け出していく「あなた」に両手を突きつけ聖杯のエネルギーを注力するプネウマ)……!!(翡翠色に発光する剣を振り回し、クラウスへと斬りかかった)』

エースバーン「―――― いよッ! どおりゃあああぁーーッ!! (アイオーンの巨腕を自慢の脚力で跳び越え、そのまま斜め45度にクラスへ目掛け落下しつつ急降下跳び蹴りを見舞おうと迫る) 」

ルキナ「―――――きゃあっ!(同じく投げ飛ばされていった) 」

キャロット「わかった! えーいッ!! (迫りくる衝撃波を跳躍回避し、アイオーンへ拳を突き出し、稲妻を纏う衝撃拳を放った) 」

メディ「はッ!!(弓武器を振るい、璃奈へと迫る衝撃波を切り崩した)…あの兵器、あちらの男と同調したと言っていましたね…なるほど、だから遠隔でもあれほど精巧に操作ができるわけですか…非常に厄介ですが、策はあるはずです!(遠距離からアイオーンの顔面へ目掛けエネルギーアローを放って応戦していく) 」

クラウス「さて、どこまで足掻けるかな?(「あなた」に注入される聖杯のエネルギー。だがそれを目の当たりにしても動じずそこに立ったまま、"今度は防御姿勢をとらずに")ズガァァァアアアッ!!(「あなた」とエースの攻撃を一身に受ける。―――あまりにも『硬い』。まるで同等かそれ以上の力で押し返されているような感覚がふたりを襲う)―――こそばゆい(そしてこの一言の後、凄まじい風圧を孕んだ裏拳を放とうとする) 」

メタルギアREX「■■■■■■■■■■—————————ッッ!!!!(機械の発する龍の咆哮が轟く。 フロアの入り口の枠を遥かに超える巨大な二足歩行戦車が、壁をぶち破って突貫し) ┣¨   ゴ ォ (全身を躊躇いなくぶつける質量の暴力的攻撃。さながらVS物の怪獣映画のような絵面を繰り広げた)」

ベール「まあそれはそれとして、学園の時にゃ世話になったな… 借りを返したとところだけど、それは…あたしの役目じゃない。なら――――!!(箒へ跨って低空飛行しつつ衝撃波をすれすれで回避し、アイオーンの周囲を回る様に上昇していく) 」

エースバーン「――――!!(こいつは…ッ…!!)――――どけッ!!(野生の勘が働き身震いが起きる。クラウスの予備動作からその危険性を察し、咄嗟に庇うように「あなた」を蹴り飛ばし―――)――― ぐあ゛あ゛ぁ゛ッ゛!!(代わりに自分を犠牲にしてその裏拳が横腹にクリーンヒット。盛大に殴り飛ばされてしまう) 」

あなた『―――!?(ラビーに蹴り飛ばされたことでクラウスの攻撃から逃れることができたものの、身を挺した彼女の行動に目を強く瞑り―――)――――!!(舞うように剣を振り回しながら接近しつつ、勢いをつけた袈裟斬りをクラウスへと見舞う)』

ヒロ「……(衝撃波を転がり、回避)…璃奈ちゃん!無事か!(璃奈の方を向き) 」

アイオーン「ズギャン、ズガァンッ!!!(レジスタンスの遠距離攻撃を一身に浴びるも、微動だにしないどころか傷一つつかない。最終兵器の名に恥じない鉄壁のボディーを誇っていた) ズ ギ ャ ア ア ア ァ ン ッ ! ! (盛大に乱入してきたメタルギアREXを受け止めんと両腕を伸ばし、その衝突を食い止める。不意を突かれたということもあるが、その荒々しい勢いに圧倒され、両腕が塞がってしまうも)―――バ シ ュ ゥ ン ッ ! ! バ シ ュ ゥ ン ッ ! ! (二対の尾の先端からそれぞれ鋼鉄を焼き滅ぼす閃光を発射。双閃はメタルギアを、更には地面に熱線を描きながら地上に立つ彼らへと襲いかかる) 」

天王寺璃奈「…うんっ…私は、平気。ヒロさんも、頑張って…! ……… (前線で戦う仲間たちを固唾を呑んで見守る) 」

クラウス「ッッ!!(エースを殴り飛ばした後すぐに「あなた」がやってくるのを見て、今度の攻撃はさらに強いと判断し左腕で防御する)ガガガガガガッ!!!!!(やはり『硬い』。周囲に火花が飛び散るほどに)ふんっーーーーー!!(腕を振りかぶって「あなた」を飛ばすや、破れた袖の左腕を見る。そこには)ジュクジュクジュクジュク……(黒く変質した左腕があり、徐々に元の肌の色へと戻っていく)なにも私の力は聖杯だけではない。あらゆる衝撃に対し瞬時に硬質化するナノマシン。―――私の身体はエーテルの神秘とのナノマシン技術の融合だ。 」

メタルギアREX「■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■!!!(火花を散らし弾かれそうになっては再度突進する。スケールこそ桁違いだがゼンマイ仕掛けの車の玩具が壁に向かって進み続けるかのような単調な動作を繰り返している。その動作は荒々しいが搭乗者の安全さえ考慮していない『無機質』な物に見える) 」

メディ「ッ……!!(アイオーンから放たれるレーザーを目視で回避しつつ、その行動パターンを検出する)……!(何を思ったのか、メタルギアへと飛び移り、そこからアイオーンの両腕を伝って奴へと接近し)――― これならどうです!?\ カバンシュート ! / (グリップを握りながらトリガーを弦のように引き、強力なエネルギーアローをその顔面目掛け至近距離で放った) 」

あなた「……!?(生身の人間にしては異常なまでに硬い。その疑念の答えを、露わになったクラウスの左腕から察するのだった)……!!(だがそれでも、負けるわけにはいかないと、歯を食いしばりながら懸命にその場で剣を荒々しく振り回す。すると、翡翠色に輝く強力な斬撃波が次々とクラウスへ飛んでいく)」 」

アイオーン「 バジュゥウンッ!! (メディの攻撃が顔面部に被弾し、黒煙が舞い上がる)ギギッ…ュゥウウンッ……!!(僅かに衝撃が入ったのだろうか、メタルギアを抑え込む両腕の関節部が緩みかけるも…)――― グ ゥ ン ッ ! ! (まるで振り払うかのように掴んだままのメタルギアを壁に向けて盛大に叩きつけた) 」

クラウス「(REXの動きに違和感を覚えつつも、「あなた」の攻撃を注視する)諦めろ。お前の力では私には及ばない(最初の斬撃波を軽く腕で弾き、二撃目を掌で握りつぶす。それ以降は残像を残すような緩やかなるも素早い動きで右へ左へと躱しながら近づいていく) 」

プネウマ「…大丈夫…?(深手を負ったラビーのもとへ駆け寄り、被弾部位に手を添える。掌から放出される粟井翡翠色の粒子がラビーの傷を癒していく) 」

メタルギアREX「  メ ギ  ィィ イ   (抵抗する術もなく壁に叩きつけられ、関節という関節部全てが大破し、うな垂れるようにして床に着いたコックピットが開閉した)『    』(無人。空、搭乗者はなく生き絶えたように機能停止し不気味な沈黙が流れる) 」

トキ「俺の拳では、まともに装甲を抜けんか……!ならば…!(メタルギアを投げ飛ばし、腕が伸びたその瞬間…アイオーンの関節部に再び打撃を放つ!) 」


コン…     ガコン  ガ コン   ガ  コ  ン   ガ ニフ   ン   (REXが息絶えるのを皮切りに、現フロアへ続く通路の暗がりから重低音が鳴り響く。徐々に大きく、そして徐々に多く。さながら鉄のムカデによる行軍。それは耳の錯覚などではなく—————)


あなた「……!!(それでも、「諦めない」。言の葉を紡ぐ彼に対し、「あなた」は行動でその意思を示すように、決してクラウスから目を逸らそうとはしなかった)……!(人間離れした男に臆することなどせず、素人の駆け出しで―けれど、戦士の様な果敢な姿で―両手に掴んだ剣を目一杯振り下ろす) 」

エースバーン「ぐッ……いっ、てぇ…――――!(咄嗟に駆け寄ってきたプネウマに回復され、その光景に驚いたように目を丸くした)……そんな芸当もできるんだな…(へぇと驚嘆を零し、痛みが和らいでいくのを感じながら立ち上がる)……サンキュー。  ……っるぁぁああッ!! (傷も癒え、再びクラウスへと接近。「あなた」と挟み撃ちするようにクラウスの背後へ回し蹴りを繰り出そうとする) 」

メタルギア 月光「 オ"  オ"  オ"  オ オ  (REXを小型化し、尚も巨体を誇る『無人機』の『群体』が雪崩れ込む。レジスタンスの面々を避けつつも闘牛の如く土煙を上げ、床に亀裂を作り飛びかかる、体当たりするなどして一斉にアイオーンの動きを封じようと襲いかかる) 」

うどんげ(月戦型)「思考・判断補助システム…量子人格OS「OMOIKANE」―――起動!(両目にはめ込んだコンタクト型ウェアラブルマルチデバイスを起動すると眼前に視覚情報のウィンドウが複数展開。そこから算出されたアイオーンの行動パターンを検知し、脆弱ポイントをサーチする)――――そこですッ!!(トキとタイミングを合わせる様に、同じく関節部に向けてピンポイント狙撃する) 」

ベール「―――“固く禁ず星《 キープアウト 》”!!(アイオーンの頭上から奴に向けて掌を突きつけると、異空間から次々と光の鎖がと飛び出して四方八方からアイオーンを捕縛しようと試みる) 」

アイオーン「バギィンッ、バキュゥンッ!!(トキの打撃とうどんげの狙撃が、伸び出た左腕の関節部位に直撃し、痙攣したように硬直してしまう) ガッチンッ――――ズガガガガッ!!!(その間隙を突かれるようにベールの魔法の鎖に上半身を拘束されて身動きを封じられた直後、無人機の群体の止まぬ突撃に圧倒されてしまう)―――― ブ ワ ア ア ァ ッ ! ! ! (だが、白黒の両翼を広げて光鎖を砕きつつ、メタルギア 月光をその衝撃波だけで吹き飛ばしていく) 」

ヒロ「おう!安心して、見ててくれ(璃奈にそう言い)…そらっ!(土で自動砲台のレーザーを作り、アイオーンに向けて連射。連射させている先に日本刀を持ってアイオーンに接近する) 」

クラウス「(背後からの挟み撃ち。しかしそれでも物怖じすることなく)―――ガシィイ! バキィイイイ!!(左手でエースの回し蹴りを、右手で聖杯の剣を受け止める)粘るな…あまり時間をかけたくはないのだが、あと少しで『あれ』が現れる。その前にお前達を殺しておかねばならないのだ、――――がッ!!(エースと「あなた」をそのまま振り回し壁へと投げ飛ばそうとする) 」

あなた / エースバーン『―――!! / どああぁッ!!(二人同時に壁へと投げ飛ばされ激突する)』

プネウマ「――― パ シ ッ !(壁に激突した衝撃で「あなた」からすり抜けた第三の剣を、その擦れ違いざまに咄嗟に掴み取り、そのまま機械翼を広げて低空飛行しながらクラウスへと剣を振り下ろし、衝突し合う)……まだ、何を企んでいるの…?(鍔迫り合いの中、クラウスの言動に突っかかる) 」

キャロット「まだ諦めないよ、私たちは!!(ヒロと共に駆け抜け、アイオーンへ殴りかかる) 」

トキ「ぐうっ、なんという桁外れの出力……!!あの鉄人兵達を纏めて吹き飛ばすとは……!!(衝撃波の余波を受けるが、なんとか踏み止まり) 」

アイオーン「 ズ ガ ガ ガ ガ ッ … ! ! ! (接近を試みるヒロとキャロットへ、薙ぎ払おうとする巨大な右手が地面を抉りながら迫りくる) 」

メタルギア月光「 ゴ   アッッ   (衝撃波によって小型メタルギアは紙切れのように消し飛ぶ。まかりなりともメタルギアの名を持つそれが。あまりにも呆気なかった、そして)   オ"  ォ  ォ  ン  (あまりにも『無尽蔵』である。次から次へと、破壊されたならば増やせばいいと言わんばかりに現れ、一部はレジスタンスの盾になるように動き、一部は突進による物量作戦で動きを封じにかかる。 月の都を知る者なら察しがつく、『どこかで無尽蔵に量産されているのだ』と ) 」

クラウス「――――『青ざめた月』。人工月といった方がわかりやすいか? ……『人工月』、『アイオーン』、そしてこの『私』。三位一体となし、即ち『結合』することで世界の『上書き』を開始する。もっともお前達の言うように、それは"消滅"に値するのかもしれないが。(淡々と述べる目的。バイザーの奥からは読み取れない歪んだ理想の眼差しをプネウマに向ける) 」

月光仮面「———————『月光』はここに集った、正義は月の都に有りッ!!(月光の内一体に騎乗し戦場へ駆けつける。"彼"らしくもなく大仰なキメ台詞を張り上げながら)————— 」


―――メインコンピューターが制御を失ったと聞いて、脳裏に『ユリアナ』の姿が過ぎった。
根拠はない、ただ己の内にある『ゴースト』がそう囁いていた。
『使命に準じた』『己に忠を尽くした』のだと。


『オタ=コン、それにこの通信を聞き届けたハッカー達……今一度力を借りたい。一輪の花に報いる為に—————— 月の都にある製造ライン全てをハッキングし、製造品を今から送るデータに挿げ替えるんだ』


月光仮面「┣¨ォ  ン(大破する月光の群、月の都の技術の粋で再現されたそれらが華々しく散る獄炎をバッグに中空へ飛び、クラウスの前へ片膝をつき着地しあなた達の参戦へ復帰した。おもむろに顔面を覆っていたターバンをかなぐりすてる)—————トッ(—————ユリアナ、お前は蛇などではない……お前は光だ。失楽園を生み出す毒蛇は一人でいい)」

メディ「ズザザァ…ッ…!(アイオーン攻撃後に着地する中、次々と押し寄せてくるメタルギアの群体を傍目に目を細める)……あの兵器、どこかで…… しかも、あれだけの大群がこの最上階までどうやって……――――!(「まさか!」とその異変に気付いたように顔を上げた) 」

月光仮面→スネーク「——————待たせたな(そう告げるや間髪入れずベレッタを抜き取り、クラウスの単眼へ瞬時に照準を合わせた)」

トキ「…!いかん!ハァッ!!闘頸呼法!!(爆発的な"呼吸"と共に衝撃波を放ち、ヒロとキャロットを薙ぎ払おうとする腕の軌道を逸らしに掛かる) 」

プネウマ「――――!!(クラウスの言動からその狙いを汲み取り唖然と口を開く。そして―――) ギ ィ ン ッ (一度剣を払って鍔迫り合いを中断し、「あなた」の傍へと後ろ歩きに寄っていく)……そういうことね… アイオーンと同調したのは、その『月』とさえも同調する為だったのね! 」

メディ「……!『人工月』…ロビンさんの情報からお聞きしたことがあります。かつて、リューズ島にて「天の聖杯」とは別に生み出されたというもう一つの兵器…島の爆破によって管理下を離れた人工月は衛星軌道上の何処かへ彷徨ったとされていましたが…まさか、この都に近づいて…!? 」

ヒロ「…危ない!(キャロットを押し退け、右腕に向けて土の衝撃波を放つ) 」

プネウマ「……そう…つまり、私たちがこうしている間にも、『月』はこの都に迫っている…!アイオーン…いえ、クラウスがその『人工月』と同調して初めて、世界は…消滅する…!そのタイムリミットは…もうすぐそこまで迫っているわ…! 」


ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … ――――(「あなた」たちが月の都にてクラウスと交戦している最中、ケイオスの衛星軌道上にて黒い影が星に向かって少しずつ進行していた。それは宛ら「月」そのもののように丸みを帯びた巨大な鋼色の星であった―――)


クラウス「――――(スネークも現れたことでようやく役者がそろったと言わんばかりに、バイザーを外しそのまま握りつぶす。煌々とする単眼をさらしたままクラウスは殺意を高めていく)そうだ。アイオーンではただ世界を焼け野原にするだけだ。それは私も望まない。だが…人工月があれば話は別だ。アイオーンもそろそろ『完全起動』の時となる。そうなればお前達と言えどどうにもならない。このまま時間稼ぎをしてもいいのだが、それでは何をされるかわからん。――――ここで決着をつける。聖杯の力を使うことを想定していたが、この程度ならナノマシンで十分だ。 」

うどんげ(月戦型)「ぇ―――――(颯爽と参上する月光仮面。憧れの英雄《ヒーロー》からその仮面が剝がれ、幻滅―――)―――やだ、うそ、すっごいダンディ…めっちゃタイプなんですけど……(するどころか寧ろかなり好感度が上がった ▽)(※目にハートマークを浮かべている) 」

キャロット「わわっ…!?(ヒロに押しのけられたことでアイオーンの攻撃から免れる)あ、ありがとう…! 」




あなた「………(差し迫った世界崩壊のタイムリミット、本性を露わにしたクラウス…交錯する重圧感の中で、「あなた」は立ち上がり、そして、クラウスの単眼を見つめる。それは驚愕でも興味でもなく、互いの意思を交わそうと試みる者の「目」を浮かべながら)……(プネウマの横に立ち、彼女の剣を掴む手を優しく握る) 」

アイオーン「  ズ  ゥ  ォ  ン  ッ  !  !  !  (本領を発揮するクラウスの意思にこう王するように、大型兵器もまたその体内から高出力のエネルギーを放出する) グ ゥ ワ ァ ン ッ ――――― ズ シ ャ ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ン ッ ! ! ! (両腕を高らかに振り上げ、ハンマーフックのように地面を叩きつけると同時に凄まじい衝撃波を解き放った) 」

スネーク「—————(相入れない存在、戦場において理解を必要としない敵。この場においてクラウスをそう理解し彼へは言葉を一つも寄越さなかった。が、)——————。(あなた達に一瞥をやり気付く。対立しようとも、あれを人として扱い対峙する。戦場において兵士にも戦士にもならず、人の身と心のまま達m買おうとする若者であると ) ┣¨ ス (覚悟は決まった。おもむろにバックルかアンプルを取り出し、『自らの肩に突き刺す』)結局、サーヴァントになろうと死に方というものは変わらないものらしい 」

トキ「いけーっ!!月の子らよーっ!!!ナギッ!ナギッ!(面々へと吠えた後、アイオーンの背後に向かって超高速で移動する) 」

プネウマ「……っ…――――!(クラウスとの対峙で張り付けていた緊張感が、「あなた」の手によって和らげられる)……ええ、「ありがとう」。(その瞳に優しく微笑んで応えると、剣を「あなた」へと託し、再びエネルギーを注ぎ込んでいく) 」

ヒロ「……気にするな。俺は俺ができることをやっただけだ(キャロットに)……!(衝撃波を見て)璃奈ちゃん!(キーブレードを取り出し、衝撃波に向けて振るう) 」

ベール「―――させねぇよッ!!(上空から特大の星型魔弾を一斉に幾つも放り、レジスタンスへ迫る衝撃波を相殺していく) 」

サウザー「 アイナドイラヌ!! アイナドイラヌ!! アイナドイラヌ!!    ギュ   オッ  (トキと交差するようにして反対側から反時計回りにアイオーンの背後を取り奇襲を仕掛けようとする影が新たに一つ!それは黄金の残影を残し、衝撃波をアクロバット的でんぐりがえりで回避し無傷を保った)フハハハハハ!!もう大丈夫だ下郎の皆さん!!!!月に代わって聖帝がおしおきに来た!!!! 」

クラウス「ぬぅぅうううっ!!!(突然唸りだし、拳で地面を殴った。―――直後)ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!!!(床から高出力の大噴火が起きる。敵対する全てを吹き飛ばさんとする威力を持った圧が全員に襲い掛かる) 」

ベール「――――!?(キーブレードを顕現したヒロに対し、帽子の内側で大きく目を見張き、鍵剣を振るう彼へふふっと微笑む)――― おらッ、ヒロの字!!もっと気張らんかいッ!!(鋭い起動を描きながら急降下しつつ、アイオーンへと迫り―――)―――“灰に燃る星《 グレイアウト 》”ッ!!!(箒から飛び降り、アイオーンの脳天へ目掛け灰色に発火した脚による強烈な踵お年を炸裂させる) 」

スネーク「 バッッ (サイドステップした後し、噴火による攻撃から遠ざかる。距離を詰めかねてこそいるが、クラウスを中心に円を描くようにして立ち回りつつ)ジジ ジ  ガ  コ ン !! (手元に電流を収縮させ対戦車ライフルを生成) ゴガギィンッッッ!!!! (注意を引こうと徹甲弾を数発射出しつつ走り遠距離から攻撃を続ける) 」

あなた / プネウマ『……!! / はああぁぁーーっ!! (剣を手に、二人は大噴火を掻い潜りながらクラウスへと駆け抜けていく)……!!! (尚も剣を振り付ける「あなた」。しかし、その剣身の輝きは先程よりもさらに強く、眩い輝きを放っていく。それはプネウマの聖杯のエネルギー……いや、ホムラとヒカリ…彼女たちの"想い"を込めており、クラウスの衝撃に抗いながらも光剣を力強く振るっていく)』 」

エースバーン「まだ倒れねえよ…――――倒れるわけにゃいかねえんだッ!!(大噴火にも負けない強い熱気を肉体と精神に帯び、その高熱の待機を貫く勢いで跳びかかる)――― ずぉぉおおらあああぁッ!!!(高熱の紅蓮を纏った鋭い蹴りを、真正面からクラウスへと見舞う) 」

アイオーン「―――― ド ゴ ォ ォ オ オ ッ ! ! ! (トキとサウザーに翻弄される中、ベールの渾身の一撃が脳天へと炸裂し、上半身がぐらりと前のめりになる) ズ ズ ズ ッ … ! (二対の尾がしなり、再びその先端から閃光を放とうとエネルギーを収束し始めようとするが…) 」

トキ「鳳凰の男…!成程、先ほどから感じていた気配はお前だったか……!!(同様に衝撃波をジャンプで避け)……そこだーッ!(そして、空中からアイオーンへ蹴撃を放つ。それは奇しくも"ライダーキック"に近い形だった) 」

クラウス「無駄なことを―――――!!(人体の硬質化によって徹甲弾を防ぐも、その威力に一歩、二歩とたじろいた)まだ向かってくるか……ぬぅうん!(両の拳を使って光剣を弾きながら攻撃の機を伺う)……(先ほどとはまるで剣の冴えが違う……だが、この程度なら)ぬぅぅあああああああ!!(スネークの攻撃を利用。右拳を振りかぶり、肘に徹甲弾を当てさせる。その威力と速度をプラスさせ)ズァアアアアア!!(鋭い攻撃があなたとプネウマとエースバーンに) 」




うどんげ(月戦型)「こうなったら私も出し惜しみなしで、全力で行きますよーーーッ!!!(靡くコートの内側から全装備を顕現し、一斉砲撃のフルバーストをアイオーンの尻尾へと放っていく) ブ ワ サ ァ ――― ッ ! ! (そして、全装備を完全に使い果たすと役目を終えたその戦闘服を脱ぎ捨て)―――― ラストワード“幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)”ッ!!!(放射状に丸弾を配置しながら超高速で波紋状に弾幕を全弾発射する) 」

サウザー「フハハハハ!フハ!!ケンシロウ!!次男はいるのに……!フハ!ケンwwwシwwwロwウwwwはどこへ行った!!フハハハハハ!!(あまりにおかしいのか目元を抑えながら馬鹿笑いしつつちゃっかり飛翔し)はアアアァアァァァァァァァァァァ——————!!!!『南斗爆星波 』!!!!!!!(トキとタイミングを合わせ両腕をX字に振り払い、闘気による斬撃波をアイオーンへ放つ) 」

あなた / プネウマ / エースバーン『 ガ ア ア ア ァ ン ッ ! ! ! (「あなた」の剣、プネウマの光の膜、ラビーの蹴りがクラウスの一撃と大衝突する)……!!! / くっ…ううぅぅっ!! / うおおおおおらああああぁぁぁあああッ!!!(三人の"想い"が一つに重なった途端、三位一体の攻撃がクラウスを貫けるように吹き飛ばす)』

ヒロ「…わかってるよ!(ベールの踵落としとほぼ同時にキーブレードをアイオーンに向けて振るう) 」

キャロット「レジスタンスの意地、見せてあげるんだからッ!!てやあああぁぁーーーッ!!!(高出力の電流が全身を迸り、強烈な稲妻を纏った拳でアイオーンを強打する) 」

スネーク「いいセンスだ—————(三位一体にサムズアップを送り一旦武器を収め、構えを取ったまま見守る。攻撃がどこまで通用するのか、それを見定めるようにして) 」

メディ「 \ ジャンプ ! / \ Progrisekey confirmed. Ready to utilize. / (取り出したライジングホッパープログライズキーをアタッシュアローへと装填。レバーを引いてエネルギーチャージを行う)―――― はぁッ!! \ ライジングカバンシュート ! ! / (黄色い閃光の如き強烈なエネルギーアローをアイオーンへと放つ) 」

クラウス「―――――なに!?(ズガンと拳が弾かれ、攻撃を真正面から受ける)ドカァァアアアアアアアッ!!(成すすべなくそのまま壁に激突。もくもくと砂煙を上げる中、瓦礫が蠢く音が聞こえる。そしてあの単眼の光が煙の中から見えた)……まさか、ここまでとはな。私の予想を凄まじい進化速度で上回っている……そうか。ならば、――――ここからは『絶望』がいるな。 」

メタルギア月光「 ギ  ギギ    ツキ ノ ミヤコ ノ   イカリ ヲ・・・・!(喋った。カタコトながらも月の都の製造ラインで生み出された機械が『街の声』を代弁するかのように)   ガ    キュ オ  オ  オ  ・・・・!!(残存数僅かな無人機、月光らが一斉にアイオーンへ群がり発光、  自爆する  ) 」

アイオーン「 ズ ギ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (閃光を放つ直前、レジスタンスの一斉攻撃が全身の至る部位に炸裂。不発に終わった閃光が機体内で盛大に爆破し、二対の尻尾は項垂れたように落ち、両翼は羽が毟られた様にボロボロに崩れ、無傷を誇っていたはずのボディーにも深い爪痕が描かれていく) 」

あなた / プネウマ『………(クラウスを押しのけた後、静かに彼を注視する)』

スネーク「—————(やはり、決定打に欠ける。奴は慢心しない、その対極にある執念を持つからだ。ともすれば、相手の力量への認識が誤っていたと認識し評価を改めた時相応に反撃の手段を講じてくる)……。禁煙、やはり俺にはそう意味はなかったか……(フッと苦笑し、『コンバットナイフ』を取り出す。高周波ブレード同様に電流を纏ってこそいるが、他に特筆すべき点はない) 」


突如、周囲から地響きらしき音が聞こえてくる。
最初は戦闘の影響で塔になんらかの異常があったかと思ったが、
それは視認できるほどにまで高密度な『異変』だった。
月の都中の電力エネルギー、並びにエーテルの流れがクラウスのコアの方へと集束していく。
クラウス自身まるで幕のような光に包まれて声を張っている。
そしてそれは一気に解き放たれた。


あなた / プネウマ『……!? / ひゃんっ…!(解き放たれた衝撃に吹き飛ばされまいと耐え凌ぐ)……!あれは…大気中の…いえ、この月の都にあるあらゆるエーテルが、クラウスへもとへ…!(クラウスのコアクリスタルに吸い込まれるエーテル粒子の流れに目を見張りながら)』 」

クラウス「(上半身の服は完全に喪失していた。上半身が露わになっているが、剣や銃弾などものともしない肉体とは思えないほどに痛々しい見た目だった。いつ崩れ落ちてもおかしくないような、辛うじて人間の身体として保っているようなそんな印象。だがその強度は折り紙付きである。それに加え、彼はついに『聖杯の力』を解放し、背中から翼のようなオーラが漏れ出ている。単眼のそれと合わせて今のクラウスの姿はまさに『楽園を統べる神』であり『楽園へと導く天使』であり同時に『旧世界に引導を渡す悪魔』である)………すべてを救おう。たとえこの世全ての絶望を駆使してでも。

あなた / プネウマ『…… / ……クラウス、あなたが絶望のリセットを望むのなら、私たちは希望のコンティニューを選ぶ。 ……私たちは、決して諦めない。そして、貴方とは違う方法で、この世界を救ってみせる。(朽ち果てた男に対し、汚れなき純粋な体を持つ「あなた」の背をプネウマは優しく支える。そして彼女は自らその「翼」となるように、機械翼から迸る光の羽を神々しく輝かせる)』 」

スネーク「この世に救いはない。それでも『彼ら』は歩みを、『コンテニュー』を選ぶだろう————  『互いに忠を尽くせ』 (ナイフを構えただ一言。それはクラウスの執念に対する敵対を示す宣戦布告もあり、同時にそうなるまで意思を、忠義を尽くした彼へ送る最大の賛辞でもあった) ダッッ(これまで後方支援に徹していた彼が、ベレッタを前方へ向け弾丸を放ちながらも間合いを詰めていく、無謀にも『近接戦』に出た) 」

トキ「効いている!このアイオーン……!ここで破壊する!我が兄よ、俺はかつて…貴方に憧れた…!北斗!!砕覇拳!!(崩れ落ちるアイオーンに、強烈なアッパーカットを放つ) 」




クラウス「救いはある。私が救う。私がやらねばならない……それが、この世界に対する私の『天命』であり、……私と出会ってしまった妻《かのじょ》への贖罪だ。(刹那、単眼が光る。それは不可視に等しい貫通レーザー。それはスネークやプネウマたちに放たれる)」

あなた / プネウマ『……!! / くッ…うぅ…っ!!(咄嗟に展開した光の膜にレーザーの軌道をずらしつつ、貫通される前に共に回避する)……貴方は後悔しているの…?大切な人と出会ったことを…っ…? / ……!(剣を振るい、閃光のような斬撃波を幾つも飛ばして応戦する)』

エースバーン「ッ゛…!?(間一髪上半身を逸らしてレーザーを受け流すように避ける)…っぶねぇ……?(クラウスとプネウマの間で交わされる会話に耳を傾ける) 」

サウザー「お師さん……今一度……この聖帝に、力を—————— ハァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!! 『 天 翔 十 字 鳳 』!!!!!!!(師、オウガイの『霊基』を自らの身を重ね、二人の南斗最強の力側さった手刀による交差斬りをアイオーンへ放つ) 」

クラウス「―――言ったはずだ。私にとって彼女は『光』だった。この世界において与えられた唯一無二の希望だった。だが、それは奪われた、無惨にも。なぜ奪われた…私と出会ったからか?なぜいなくなった?私と共に過ごしたからか?今となってはもうわからない。……だが、それで終わらせるものか。世界とは奪い合いで成り立っている。ならその世界を終わらせる。次に彼女が生まれ変わっても、また奪われぬように。ただそれだけだ(そっと掌をかざした瞬間、プネウマたちの足元で巨大な爆発が起こる。最早どこからどこまでが攻撃かもわからない) 」

スネーク「ぐッ……!!(脚をレーザーが貫通しバランスを崩す。だが転んでもただでは起きず、ローリングし懐からプネウマの放った斬撃に合わせナイフを振るい脇腹を抉りにかかるが————)—————!!(————届かない、あまりに遠い。爆炎という防壁に遮られるばかりか、腕を焼かれ遠ざけられる) 」

プネウマ「(「あなた」と共に爆炎から跳び退くように回避する)――― その「世界」に貴方がいることを忘れないでッ!貴方がいたから、多くの人が傷つき、命を奪われた…(クラウスの脳裏に、エレン・ベーカーやMF部隊、月の都の奴隷たちが過る)でも、それでも…!貴方がいたから、幸せな時間(ひととき)を過ごせた人だっていたの!(同時に、その亡き妻までもが過る)たとえ、世界を本当にやり直したとしても…そこにはもう、「以前の人たち」はいない。人生という長い時間の中で、その瞬間瞬間を生きた記憶は…思い出は…紡がれない!

プネウマ「……大切な人を失ったことの痛みは計り知れない。その孤独の苦しさから逃れられないかもしれない。 今はもう傍にいないその人の本当の"想い"を知りたくても知れないもどかしさもある…でもっ!「この世界」で、彼女と出逢って、同じ時を過ごした思い出こそ、大事にしてほしかった…!クラウス、あなたがやろうとしているのは…そのかけがえのない思い出さえも壊してしまうの!(悲痛に声を張り上げる) 」

クラウス「思い出? それこそ愚問だ。すべての生命が楽園で奪われることも奪うこともない人生を歩めるのなら、彼女がもう一度生を受け、真の幸せを掴めるのなら、私一人の命など……私という存在がいたという記憶や記録が消滅することも、"些細な事"でしかない。――――私は救う。生きとし生ける者全てを、死にゆき死せる者達も。楽園前に死んだ魂を爪弾きなどしない。…確かに以前の者達ではなくなるが、それでもそこには確かな安寧がある。私が、永遠の安寧を与え続ける。―――神になることによって。(神。その上位性は誰もが知る。だがこの男は神になることすらも手段のひとつでしかない。全てはあまねく命の為、されどもひとつの愛のため。 」

あなた「……!!(プネウマの必死の叫びに呼応するように、熱が立ち込める空間の中を駆け抜けてクラウスへと立ち向かい、剣を振り続ける。クラウスからみれば「あなた」はまだ幼い子供。だが、その姿に何かが重なる。ありえたかもしれない未来―――大切な妻と育んだ命…二人に子どもが授かれば、きっとこのような姿なのかもしれないと… 父と子、こうして面と向かって「対話」する未来があったのかもしれない)」

クラウス「―――――(「あなた」の勇姿を見ながら、ありえるはずのない記憶をひと通り辿る。それはもしかしたら『愛』が見せた幻なのかもしれない。だがあまりにも愛に関して不器用なこの男は、幻の中でもそれに対する答えを見出すことはできなかった) 終わりだ。 (ほんの一言。地面にこのフロア全体を敷くほどの魔法陣が現れ)―――――シャイニング・バインド。(それは龍が如き勢いで上昇する無数のエーテルの渦。連続攻撃のように地面からプネウマ達に襲い掛かる) 」

スネーク「(ゼロ距離爆撃によって床に打ち捨てられる最中、相反する一人の男の『結論』と、一人の少女の『訴え』が脳裏に響き渡る。いずれも揺るぎない物だ、どちらが正当であるかなどこの場において問う必要性はない。)——————(『楽園』に思うところがない訳ではない、戦場で散った多くの命、その重さを知る彼の視点からすれば『片方は冷たくも完成された極論』『片方は未熟ながらも人間らしい理想論』どちらも不完全で間違っている、その程度の事だったが————) 」

スネーク「—————(グレイフォックス、キャンベル、マクドネルミラー、メイリン、メリル、オタコン……雷電、ローズ、サニー————リキッド、ソリダス、……BIGBOSS。生前に邂逅した人々の顔が浮かんでは消える。それらが『なかった事になる』という未来は……彼らの『ミーム』を残せないということはどうにも受け入れ難かった)————— ガッッ(魔法陣が展開される最中、素早く上体を起こしクラウスの正面からナイフで首を切りに掛かる。あまりに遅い、あまりに衰弱している、『素手』で殺せそうなほどに) 」

プネウマ「……幸せのみに包まれた世界…幸せが恒常化すれば、その概念はなくなる。幸福であることに気が付かず、その多幸感の末に人は知らず知らずのうちにその先を追い求める。本当の幸せっていうのは、つらいことや苦しいこと…そんな不幸があるからこそ感じられるの。永遠の安寧や幸福も、聞こえはいいかもしれない…けれど、何も生みはしないわ。クラウス、貴方は自分が欲しかったものを他者に押し付けているだけ。それが正解か不正解かはともかく、与えられる者たちの気持ちを何もわかっちゃいない…! 」

あなた「―――――!!(地面から迸るエーテルの渦に呑まれ頭上へと舞い上がる) 」

あなた / プネウマ『ッ―――! / ……!(打ち上げられた「あなた」へと跳び出してその手を掴むと、互いに空中で折り返して地上のクラウスを強く見据える)幸福も不幸も、安寧も混沌も…!光と闇があるから世界は美しいの…!それが私たちのいる世界なの!必死に生きて、もがき苦しみながら…それでもその中で、前に進むしかないのよ…!!貴方だって…――― そうやって進んできたのでしょうにッ!!! / ……!!!(二人の手が剣を掴む。その剣から煌々と迸る光刃は激しさと美しさを放ち、天高く伸び進んでいく)』

エースバーン「――――!(プネウマの紡ぐ言葉に過る記憶。信頼していたものに見捨てられた忌々しい過去…願わくば、生まれ変わったら次は幸せになりたいと…そう思ったこともある。だが―――)…それでも俺にとっちゃ、後悔は「思い出」になったよ。だって今…最高に輝いてる瞬間(とき)に出会えたからな…!!(その過ぎた思い出の果てに、「あなた」という人に出会えたのだから―――兎は、そうして満面の笑みを浮かべるのだった) 」

クラウス「誰もがお前のようなことを言ってきた。誰もが私の楽園を否定し嘲笑った。だが、他に出来る者がいるか? アイオーンを使って、人工月を使って全ての者達を救うということが。誰にもできない。これが政府軍やルール無用のゲスに渡れば、それこそ世界は秩序という名の地獄へと変貌する。…まぁいいこれでもう、お前の希望も終わりだ。(プネウマの言葉を否定し「あなた」が打ち上げられ、追撃を以て終わらそうとした直後)スネーク、貴様まだ……!(動きの鈍った蛇を見て、クラウスは眼光を強くする。)邪魔を、するなぁあ!!(硬質化させた腕で貫手を彼の胸に放つ) 」

ヒロ「……(プネウマの言葉を聞き、グッと拳を握りしめる)…幸せ……か… 」

スネーク「  ┣¨  ッ   (貫手は見事にスネークの胸部を抉った) ゴフッ  (貫通した腕に目線を打を移すや、『してやった』と言わんばかりに虚ろな目ながらも確かにほくそ笑む) 」


ドグン‚‚‚‚‚‚‚‚‚‚‚‚‚‚ (刹那の内にクラウスの体内に違和感が、そしてそれは確信へ秒も経たない内に変わる。)ボロ……ズブズブ ズ ヴ (スネークの胸を貫いた腕が『変色』していく。それは腕から肩、右半身に至るまで侵食していく。 クラウスの体内にある『ナノマシン』が『腐食』していた。生命維持に必要な部位にまでは至らないが、外傷に対する肉体強度を低下させ、プネウマの攻撃を通すには充分であった)


クラウス「――――ッッッッッ!!!!!!?????!!??(スネークを貫いた際にくるこの感覚。それはすぐにクラウスの頭脳が導き出した)ぐぉおおおおおおおお!!き、きさ、貴様ぁ……そ、それ、はぁ…あが、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!(なんとか聖杯の力で持ち堪えてはいるものの、身体へのダメージは大きい。それはいわば蛇の一族の呪いとも言える。特定の遺伝子配列に反応し攻撃する特殊なウイルス)まさか、なぜだ……なぜ貴様が、これ、を……―――!(そして気づく。なぜ、"彼"が選ばれたのか。そこにある因縁の記憶が全てを物語っていた) 」

スネーク「—————フォ……—————【  F O X  D I E 】 (消え入りそうなかすれ声でそう囁き、クラウスとすれ違うようにして崩れ落ちる) 」




あなた / プネウマ『――――!!! / はあああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーッ!!!(捨て身の作戦を成し遂げたスネークに「あなた」はその脳裏に一瞬、彼との"思い出"を馳せる。学園からこの戦いに至る、その瞬間までを。そして、きっと忘れない。その"想い"を乗せた剣の光が塔の天井を突き抜け、あの夜空に浮かぶ月まで届くほど伸びた光剣を、アイオーン諸共クラウスを一刀両断しようと勢いよく振り下ろしたのだった)』

クラウス「ふんぬ、おおおおおお…ッ!! させん、させんんぞおぉおおおおおお!!!(掌をかざし巨大なバリアを張る。「あなた」が聖杯の剣を持つのなら、クラウスが持つは聖杯の盾。聖杯の防衛本能にしてクラウス自身の心の壁、『ATフィールド』)ぬぅう、おおお、おおおおお、おおおおお……!!(ギチギチと音を立て刃と拮抗する。だがうまく力が練られず押し返される)だ、ダメだ……ここ、で、アイオーンを失うわけには……いかないッのだッ……! 」

アイオーン「 ガ ッ ――― ギ ギ ギ ィ イ イ ン ッ ! ! ! (トキとサウザーの追撃によって瓦解しかけている両腕を交差し、クラウスを守るように「あなた」とプネウマの最期の一撃を受け止めようと試みる。だが―――)―――――  ザ  ギ  イ  イ  イ  イ  ィ  ィ  ィ  ィ  イ  イ  イ  イ  イ  イ  ン  ッ  !  !  !  !  !  (その大型兵器は真っ二つに断裂されてしまう――――) 」

クラウス「(だがその努力もむなしく、アイオーンの破壊を許してしまう)―――――ぁ(そして見上げる光の柱) 」


アイオーンを貫いた聖なる光剣が、クラウスへと届く―――


クラウス「(その剣はアイオーン同様クラウスを真っ二つに。同時に胸のコアをも切り裂く)(……これが、夢の、終わり、なの、か……)(信じられないというような顔で天を見上げたまま、絶叫すらも上げずただ茫然と命の灯火が消えるのを感じる) 」

アイオーン「 ギ ッ … ギ ュ ゥ ゥ ゥ ン … … ッ … ―――― ズ ズ ゥ ゥ ゥ ウ ン … ッ … ! ! ! (想定以上の負荷が蓄積されたことことで起動兵器の機能が低下。巨体の腕はだらりと垂れるように落ちてしまい、その身を俯かせたアイオーンはその活動を停止するのだった) 」

あなた / プネウマ『―――― … … コ ツ … (神々しい光の粒子を散らしながら地上へふわりと着地する)………(そして、二人はクラウスへ静かに視線を送る)』




クラウス「……(真っ二つのまま、しかして尚人外の域に至った故かまだ生きている。呼吸もか細く、単眼は消え失せている為もうどこを向いているかもわからない)……ざん、ねんな、こと、だ……だが、そう、か。……終わった、のだな(それはどこか穏やかで重圧から解放されたような声色だtった) 」

あなた「………(そんなクラウスへ、「あなた」は胸に挿していた一輪の花を差し出す。それは、涙の園で摘んだ、美しい輝きを放つ白い花「月の涙」―――) 」

プネウマ「………(結局、最後まで分かり合えることはなかった。それは哀しいことのなのかもしれない…だが、何も告げず、ただ小さな花を差し出す「あなた」に、少女は全てを悟る。自分がこの男に何をすればよかったのか。どうすればすべてが救われるのだろうかと。) 」


クラウスの目に映る「あなた」とプネウマ…
それが、やがてありもしない幻影と重なっていく。
穏やかに佇む静かな野原。太陽の光を浴びながら青い芝生の上に眠る男に、幼子が花を持ってくる。
その光景を微笑ましそうに見つめる妻らしき女性。
それは…男が夢見ていた「楽園」そのものだった――――


クラウス「……(最早はなにも映るはずのない目。しかしてその暗黒の先に見たのは、どれだけ望んでも手に入らなかっただろう未来。生まれてから愛がなんなのかもわからず、ゆえに愛せず、愛されず。それでも能力だけで生きてきた男に柔らかく降り注いだのは、まぎれもない愛の眼差しだった。初めて愛を知った男にとって、愛の喪失はあまりにも耐え難い絶望だった。愛の喪失を酷く恐れたがゆえに、喪失の無い世界を作ろうとした男はようやく、それが近くに、それも自分の心の奥底にあったのだとようやく気が付いた) 」

あなた「……(もはや動くことのない男の手にその花を握らせる。言葉を交わせない「あなた」が、その言葉を交わさずクラウスの心に伝える…最初で最後の手向けであった) 」

クラウス「……そう、か。おまえ、たちは、現実と向き合うことを、選んでいる、のだ、な……。(自分なんかよりもずっと大人だと、自嘲気味に、ぎこちなく笑んだ。涙はでない。かわりに花が揺れていた)……すまな、かった、な。(それはあなたやプネウマたちに向けたものでもあり、エレン・ベーカーやMF部隊、そしてミディやプロフェッサー等すべて自分によって巻き込まれてきた者に対する謝罪だった) 」

プネウマ「……私も、「この子」も…貴方のことを忘れない。その出会いも思い出として、いつか辿り着く「楽園」へと連れていく。だからそれまで…さようなら。そして、おやすみなさい…―――― クラウス (もはや敵意の無い穏やかな瞳で「あなた」と共にその男へ寄り添う)」

クラウス「――――――れ……い…きょ…(せめてもの罪滅ぼしとして最後の力を振り絞り何かを伝えようとした。だが、プネウマと「あなた」の温かさに触れ、本当は楽園以上に欲しかっただろうこの感覚に触れて徐々に現実への意識は遥か彼岸へと乖離していく)―――――(この地点で息を引き取った。死の間際、エレン・ベーカーやMF部隊やそのほか被害者達の代わりに自分ひとりが罪を背負い込んで地獄へはいけまいかと考えはしたが……すぐに考えるのを止め、魂が暗黒の底へと行くのに身を委ねた) 」


戦いの衝撃で壁に空いた穴から差し込む満月の光。
夢の中で輝く太陽、現の中で煌めく月…
それぞれの光を浴びて、花は小さく揺れるのだった―――



月の都 某所 ―


サイボーグ忍者(????)「―――― シ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ・ ・ ・ (とあるひとりのサイボーグ忍者、その身ぐるみが溶けていくように消えだしていた…) 」

サイボーグ忍者(????) → ツクヨミ「(やがてそのすべては消え、全貌が明らかとなっていった)―――――!これは…… いったい、何が……… 」

サイボーグ忍者→テリー(DQⅥ)「―――――うっ………… ド サ ァ ッ  」


他のサイボーグ忍者だったものにも同じ現象が現れ、
それらはまるで何らかの束縛から解放されたかのように脱力し、そのまま倒れたのだった…





















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最終更新:2023年03月11日 22:19