閃劇のリベリオン過去ログ Ⅳ

第一回百刀剣武祭が終え、八ヵ月の月日が流れた――――――


――― 新世界・恐寒山・山頂 ―――


×××「スゥ――――― ハァ … (白銀世界の中心に佇む一人の少女。吹雪によって首に巻いた藍色のマフラーが靡く。雪の様な白みを帯びた肌身の表面を冷たい風が走る。深く息を吸い込んだ少女から、白い吐息が漏れる)」

×××「―――――― 行 こ う ――――――」




――― 新世界・某所 百刀剣武祭 闘技場 ―――


キリギリス「―――さァ、前置きはこのくらいで良いだろう。これより、最も熾烈を極めた激戦が繰り広げられる… 2017年第三回『百刀剣武祭』の開戦を~~~~ここにぃぃ~~~~宣言するぞおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおーーーーーッ!!!!!!」


ウオアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーッッッッッ ! ! ! ! ! ! !(かつてないほどの大きな歓声が会場を震撼させる)


フーナ「…あれから定期的に連絡を交わしていたけれど…氷冬がどんな風に成長したのか気になるね…(緊張して息をのみ込む)」

スカーフィ「かぅ♪きっとびっくりするくらい強くなってるよ!早く氷冬に会いたいな~♪(うきうきわくわく)」

キリギリス「それでは早速、第一試合の開戦だァッ!!!第一試合、シグス vs メロロ!選手はステージへどうぞ!!」

メロロ「ヒュォアァッ ! !(突風と共に腕を組んだ状態でステージ上に現れる)」

シグス「…初っ端からか。仕方ないな。(背に帯びた大剣の柄に手を添えたまま、控室のベンチから立ち上がる)」

貴族の青年「…瞬時に方を付けろ。(立ち上がったシグスに吐き捨てるように)」

シグス「目安は何秒だ、兄上。」

貴族の青年「――――――― "10秒"だ。」

シグス「…了解、"5秒"で終わらせるよ。(青年の台詞の意味を汲み取ったかのように頷いて、ステージへと向かう)」

ロックマンゼロ「あいつは…(ステージ上のメロロを見て驚嘆する)…前回の大会(第二回)で猛威を振った『瞬殺の忍』だな。」

弓兵「ああ、俺も知ってるぜ…開戦の合図とともに相手の首を掻き斬り、気付けば始まって10秒もしない内に相手を死に至らしめる凶悪な忍…!奴と試合に当たると判明した時点で棄権する戦士も多くいたもんだ。」

騎兵「だが今回の相手…あの餓鬼(シグス)のことだが、よもやあの忍の実力を知らないわけがあるまい。いや、知らなければステージに立つことはないだろう…哀れだな。あの餓鬼も死ぬぞ。」

大剣使いの男「さて、それはどうかな。(剣士に)…あの見覚えのある貴族衣装…もしも奴が、あの『最悪の一家』の一員なら、この勝負の行く末は解らんぞ。」

騎兵「は?…なんだよ、その『一家』って?それに、もしもあの餓鬼が実力者だとしても…瞬殺の忍を相手にあんなデカい獲物で挑むなんて無謀なんじゃないのか。どう見てもあの餓鬼に勝ち目があるとは思えないのだが…」

キリギリス「それでは第一試合――――――」

メロロ「チャキリ…(背に短刀を隠すように身構える)」

シグス「チャキ…――――― ド ッ キ ン ッ !(大剣を引き抜くや否や剣身にアンビションを纏う)」

キリギリス「――――― 開始ィッ!!!!」

メロロ「(“瞬”―――主の灯も瞬く間に消える…) ヒ ュ ン ッ (圧倒的な瞬間移動でシグスに詰め寄る) “零・次・幻・斬”―――――」

シグス「 ガ オ ン ッ ッ ! ! ! (メロロが動くよりも前に鉄の唸る音とと共に大剣を素早く振うと、黒い剣身がそのまま吹き飛んだかのように、強烈な黒閃が解き放たれる)」

メロロ「――――――――!!!!(予測不可能…“究極手品(アルテメ・マジック)・幻”を行s―――――)  ズ バ ア ン ッ ! ! ! (勢い余って静止が効かず、成す術もなくその強烈な一閃の餌食となって瞬く間に吹き飛び、会場の壁に強く激突する)……ガララ…ドシャァ…ッ… ! !(瓦礫と共に力なく崩れ落ち、戦闘不能に)」

キリギリス「―――――――はッ!?(試合開始の合図から10秒、否…5秒も経っていない中で決着がついたことに気づけず、数秒間経ってようやく唖然となる)…は?…え?ええ…っ…!?(ステージの様子を右往左往し、盤上にいたはずのメロロがいつの間にか場外で気絶しているのを確認し、酷く仰天する)」

騎兵「――――――!!!???」

モララー「…マジかよ…(今のは、速過ぎだ…)(いつになく鋭い表情で結果を見据える) 」

大剣使いの男「やはりな…「瞬殺の忍」を瞬殺するあの小僧…ゴルドニアファミリー・四男――――『シグス・ゴルドニア』だ。」


―――"斬火の四男" シグス・ゴルドニア―――


シグス「チャキ…(大剣を肩に乗せて大胆不敵な笑みを浮かべる)すまない兄上…――――― "4秒"で終わってしまったよ。( ド ン ッ ! ! )」

貴族の青年「 フ ッ (愉快そうに口角を上げる)」

キリギリス「し、しょしょ…勝者はぁ…ッ…!シグスだあああああぁぁぁぁーーーーッ!!!!あり得ない速さで第一試合が終わってしまったぁッ!!第三百刀剣武祭!とんでもない猛者たちが集いに集っているぞおおおおおぉぉぉぉぉーーーッ!!!!!」

弓兵「うそ…だろ…ッ…!?あの、あの伝説の忍が、一瞬で…!?な、なんなんだあの餓鬼…ッ!!」

アラモス卿「……ほゥ、実に興味深い輩だ。(強がってはいるものの、内心恐怖で震えている) 」

八頭身ギコ侍「なんという隼の如き太刀筋…これがより洗練された異国の兵(つわもの)の力でござるか…!(控室で驚嘆している) 」

雛菊「……(思想こそは歪んでいますが、その実力は剣豪の領域と言っても過言ではない…「ゴルドニアファミリー」、やはり今回も彼らに苦戦を強いられそうです。)(瞬間的な試合結果に苦い表情を浮かべる)」

ソードプリム「ゴルドニアファミリーか…確か長男、長女共に前・十刀剣武祭の序列上位者だったな。四男があの実力だとすると…例の二人は一体どれくらい強いんだ…!?(戦慄に声を震わせ)」

開拓者「ふぅん…願わくば当たらないでほしいわね。(ゴルドニアファミリーの面々を静かに睥睨して)」

キリギリス「コホンッ…き、気を取り直して… 次は第二試合だッ! マルス vs ペイルライダーだ!選手はステージへどうぞ!!」

マルス「みんな、見ていてくれ!(キリッ) 」

ペイルライダー「コツ…コツ…コツ…(淡々とした足取りでステージへと登る) 」

プリム「あれは…確か、今までずっと"無傷無敗"を誇っていたとんでもない選手だよね…!?(ペイルライダーを見て)」

死霊の騎士「本大会初出場らしいが…得体の知れない奴だな。元の世界では凄腕のガンマンらしいが、ここまでエストック一本ですべての相手をねじ伏せている。先のファミリーといい、十刀剣武祭への参加資格が決まるこの最後の百刀剣武祭…かつてない強者たちの熾烈な戦いが繰り広げられそうだ…」

キリギリス「それではぁ!試合―――開始ィッ!!」


BGM♪



マルス「全力で決めるよ!(ツァリリリリ…ッ… !)(バッと勢いよく乗り出し、引き抜いた剣の切っ先で地面に軌跡を描きながら接近する)はあぁっ!!(下段斬りを繰り出す)」

ペイルライダー「 ス ン ッ (マルスの閃撃から逃れるようにバク転回避を行う)スンッ――――タタタタタッ… !(その後、マルスの背後へ旋回するように駆け出す)」

マルス「逃がさない!(追撃を仕掛けるために追いかける)はあああぁぁっ!!!(ある程度距離を詰めて連続突きを繰り出す)」

ペイルライダー「ヒュン ヒュン ヒュン ! ! (アクロバティックな軽い身のこなしで攻撃を避け続ける)」

女性剣士「三次元機動力をブーストしている…!しかも、アクロバットスキルがかなり高い…掠り傷すら受けていないなんて…!(ペイルライダーの立ち回りを見て驚いている)」

ペイルライダー「 ヒ ュ ォ ッ ! ! (マルスの背後へ旋回し、死角から鋭い刺突を繰り出す)」

マルス「(―――見切った!)(ペイルライダーの突きを見切り、反撃斬りを繰り出す)」

ペイルライダー「 ガ キ ャ ァ ン ッ ! ! (しかし、マルスのカウンターをあたかも予想していたように、その反撃を鋭い軌道を描いた斬撃で弾き返す)」

マルス「なッ―――――!!?うわああああああぁぁ!!(予想だにしなかった攻撃に吹き飛ばされる)…くッ…僕はまだ…!(起き上がろうとするが…)」

大剣使いの男「カウンターのカウンターか…!!(能力が高すぎる…!並大抵の戦士では繰り出せない動きだ)」

ペイルライダー「ヒュオッ――――― ド ゴ ォ ッ ! !(瞬く間にマルスの傍らに移動し、強烈な肘打ちでとどめを刺す)」

マルス「ぐぁ…ッ…!………――――(復帰を試みた最中に気絶させられる)」

キリギリス「ななっ、なんとぉ…!これまた早く勝敗がついてしまったァ!!勝者は、ここまで無傷無敗の最強戦士!ペイルライダーだああああぁぁぁーーーーッ!!!!」

ペイルライダー「………(無言を残し、その場を後にする)」

スカーフィ「かぅ…みんな強いね…すぐに試合が終わっちゃうよ。(唖然と口を開けたまま、食べかけのたい焼きを持っている) 」

フーナ「大丈夫…氷冬ならきっと、今度はどんな相手でも負けないから…(そうだよね、氷冬…私たちはずっと信じてるから…) 」



キリギリス「続けて第三試合! AS vs スリーズだ!この戦いも見ものだァ!!選手はステージへッ!!!! 」

AS「スッ(寄りかかっていた壁から離れ)トッ、トッ、トッ、トッ(悠々と進んでいき、ステージへ立つ) 」

スリーズ「ギュフ…ギュフフ…!(ASの前に現れたのは、暗緑色の長髪をした猫背の少女。全体から伝わる覇気よりも、"腐"のオーラが勝っている) 」

メタルプリム「あれは…!ゴルドニアファミリー二女!スリーズ・ゴルドアニアじぁねえのか…!(わなわなと声を震わせ) 」


―――"斬舞の二女" スリーズ・ゴルドニア―――


ビッグプリム「はぁ?あんな腐女子みたいな奴がか?こいつぁ笑えるぜ!!(スリーズを指しながら嘲笑う) 」

大剣使いの男「(元序列"9位"の実力者か…ッ…!)(スリーズの姿を捉えるや否や、驚愕したように表情が歪む)よもやファミリー全員が総出で出場か…なんという、由々しきことだ… 」

貴族の少女「……(控室で足を組んだ状態でモニターに映るスリーズを見ている)…相も変わらず、酷い醜態だわ。一家の恥さらしよ。(汚物でも見るかのように嫌そうに顔を歪め) 」

卓馬「…ゴルドニアファミリー?(プリムに) 」

貴族の青年「ああ、そうだな。だが、奴の純粋な剣術なら『トゥエル』、貴様に勝るとも劣らない。(厳かな表情で) 」

AS「―――何やらお前は、俺に思うことがあるようだが。(ローブを少し傾け)チャキ(その中から一本、雷香を取り出し、腰に固定する)俺がただ一つ言える事は、お前の期待には答えるつもりはない。(感情の揺らぎは無いが、それへの拒絶を示す) 」

メタルプリム「なんだあんた、あの一家を知らないのか?(卓馬に)ゴルドニアファミリー…新世界で名を轟かす最悪の殺戮一家だが、その全員がとんでもないくらい強い剣術使いなんだ。それに長男をはじめとする上の奴らは…元・刀剣武祭序列上位者なんだ…!気に入らない奴がいれば、そいつの出身国ごと滅ぼすくらいに全員が非常に獰猛で残忍…!だから誰も、奴らに関わろうとはしない!(恐怖で声を震わせる) 」

貴族の少女→トゥエル「あら…聞き捨てならないわね。(冷たい瞳で青年を睥睨する)あんな汚物より私が劣っているものなんて何一つないわ。私は完璧よ。(ふんと鼻を鳴らす) 」

キリギリス「それでは試合――――開始ィッ!!!! 」

スリーズ「ギュフフ…!男前な声をしている…その仮面の奥から漂うイケメン臭!滾る、滾るねぇ…えぇぇへへへへ!(気色悪い絵面から涎をポタポタと流しながらASに近寄る)私が勝ったらさあぁ…結婚しよ(ギョロリと双眸を泳がせると、何処からともなく醜悪なデザインをした輪刀を出現させる) 」


BGM♪



謎の一頭身「…む…!(奴は…いや間違いない、ASだな。まさか本大会に出場してとはな…)(客席の陰からASを見て) 」

AS「―――俺が愛し、愛されるのは、例えどんな世界であろうとただ一人。お前の感情が入る余地は・・・無い。(剣を低く構え、『地の構え』を執る)・・・ユラリ(そして、体から幻影色の気配が小さく漏れ出す) 」

スリーズ「ギュフフフ…!妬きます、妬きますねェ…!?妬いちゃいますねぇ~~~!?!?!?!?(ギュルンギュルンギュルンッ ! ! ! ! )(輪刀をそれぞれの手で持ち代えながら回転させる)んじゃあぁぁ…そのカンケーを断ち切って、私が入ろうかしらぁん!!( ダ ァ ン ッ ! ! ! )(跳躍して上空より斬りかかる) 」

シグス「スリーズ姉さんは気味が悪いけど…剣術に関しては俺も驚かされるところがある。(貴族の青年たちの隣で観戦) 」

AS「ス ッ (半歩にも満たない、最低限の動きから)ズ ガァンッ!!(地の構えによって放たれる、強烈なパーリングで斬りかかりを往なす)例え死して別たれていても、俺の心は決して揺らがない。(そして今の心境を表すような、予備動作を感じさせぬ淀み無い刺突を放つ) 」

スリーズ「はひっ!!(繰り出された鋭い刺突を、ほぼ90度に体を曲げて回避する)一途に想い続けるの…最ッッ高に萌えるねェ~!!でもでも(機械人形の様にガクンと腰を戻す)私にはそんなことできないんだ~~~よ。いなくなったら代わりのものをさぁ、飽きちゃったらまた別のものをさぁ、愛して愛して愛し続けてぇ!!そぉぉ~~やって生きてきたんですものォ!これもまた「一途な愛」なんじゃないのぉォ~、ギュフフ…ギュフフフ…!(高速回転させた輪刀による苛烈な乱斬りを炸裂させる) 」

スカーフィ「かぅ…あの人、なんだか怖い…(乱れる様に戦うスリーズの顔を見て) 」

AS「お前の感情自体を『否定』する事は、しない(半歩動き、体を動かし、雷香を突きつけ、乱舞を物ともせず)―――だが、俺はそれを『拒絶』しよう。(そして、乱舞の最中に割り込むようにして、距離感を感じさせない動きで詰め)―――幻閃『雷』(至近距離で雷香が電撃を迸らせながら、強烈な一閃が放たれる!!) 」

スリーズ「ひぎいいいぃぃッ!!!(電撃を纏った一閃が直撃するが…)……ああぁぁー…気持い…♡(がくがくと痙攣していながら、不気味な笑顔を零している) み な ぎ っ て き た ♪ (ASを掴みあげて空中へと投げ飛ばす)ギュフフフッ、フフフフーーーンッ♪♪♪(輪刀を鮮やかに振り回す度に鎌鼬の様な鋭い斬撃波が飛ばされ、それらすべてが宙のASに向かって飛んでいく) 」

ザビーダ「いいじゃないの……戦う人間の顔ほど、イキイキするもんはねえな。(観客席にて)(声-津田健次郎) 」

AS「ぬ・・・ッ(空中に投げ出され、飛来する鎌鼬を前に、彼は・・・)『ミラージュ・インテンション』!(『ミラージュ・インテンション』に内包された幻影操作を以って、空中に脚を固定し逆さまになりながら空中に立ち)―――ガギッ、カキキキィンッ!!(雷を纏う雷香を振るい、鎌鼬を弾いていく)ズッ(が、流石に無理が過ぎたか、左腕に切れ込みが入る) 」

スリーズ「もっと!!もっともっと貴方の魅力を見(魅)せて頂戴っ!はあぁぁん、滾るわ…イケメンの挙動滾るわああああぁぁ~~~♪( ド ン ッ ! ! )(跳躍して自らも宙へ移動し、ASとの空中剣戟に臨む) 」

卓馬「変態か?こいつ………(スリーズを見ながら) 」

トランクス「イケメン!?ハーーーーーーイッ!!!(過剰反応)ハイハイッ!イケメン☆参上!僕は二十年後の未来からやってきたイケメンクス! 」

AS「俺がこれ以上語るのは、剣<俺>だけだ。(ローブから更に一本、ミラージュブレイドを引き抜き)―――幻閃『現』!(スリーズへ、放たれた気配、或いはその攻撃すらも存在を感じさせぬ一閃を放ち―――一閃がスリーズの眼の前で消失する) 」

ブロリー「うるさいッ!(ウザンクスにアッパー) 観戦の邪魔です… 」

トランクス「ドアラッ!!!(闘技場外へ吹き飛ばされる) 」

スリーズ「ひひっ、来て…全部受け止めて――――はひっ!?(攻撃を受ける前提で両腕を広げたが、一閃が消えたことに仰天する) 」


ズォォォォッ!!!(幻から現へと移ろう一閃がスリーズの背後から、目の前から、真上から、数多の方向から再び現れ。・・・その中から一筋、他と一切気配の変わらない、実体を持つ一閃が襲いかかる!)


スリーズ「――――!!(四方八方より現れし数多の斬撃に驚愕する)ああん、もう…これはたまらnズバババババァァアアンッ ! ! ! !(全ての斬撃をその身に受け、ステージ上に崩れ落ちる)………んっっっっ♪(ガバッと起き上がる)絶頂しちゃうと思ったわぁ~~~~!!!へぇん、結構…激しいのがお好きなんだねぇ?お兄さん??(ぺろりと舌舐めずりし、吐血した血を舐め取る) 」

兵士「 な、なんだあいつ…あれだけの斬撃を受けて尚平気なのか…!?ファミリーの中でも異質だとは思っていたが、ここまで異質だとは思わなんだ… 」

AS「ああそうだな、激しい闘争は俺好みだ。(固定を解き、ステージに舞い降り、左腕の血を振り払う)だが、…やはり足りないな、どうやら『あいつ』でなければあれは使えないらしい。 」

スリーズ「…「足りない」…?(小首をがくんと傾ける)へぇ…それじゃあスリーズちゃんがさぁ…もっとすごいの見せてあげるよォ…(キャリ…)(交差した手で輪刀を構える)絶頂しちゃえ~~~~☆★☆★ 」

大剣使いの男「……!来るぞ…奴の最強剣技が…ッ…!(スリーズの挙動から次に繰り出す行動を推測する) 」

スリーズ「―――――――“波動(アンビエント)ウォルテクス”。(ズギュアアアァァァアアアアアッ ! ! ! ! )(回転斬りと同時に凄まじい螺旋斬撃波が解き放たれる。それは盤上を抉り取る凄まじい威力を誇り、瞬く間にASへと迫る) 」

雛菊「……!(あれは…対峙したユキさんでも回避するのが必死だった技…)(スリーズが繰り出した斬撃波に目を細める) 」

AS「…なるほど、それが剣<お前>か。(一瞬、目を細める…が)だが、それはそれは…悪手だな。(『それ』を見て、『ミラージュ・インテンション』が溢れ出すように放出され)…ふんッ!!!(放たれたアンビエントに内包される『アンビション』を『ミラージュ・インテンション』が喰らい尽くし、残されたただの斬撃を)ガキィィィンッ!!(弾いてしまう) 」

スリーズ「ひっ!!?(波動…即ちアンビションを無効化されたことで弱体化された自慢の攻撃、そしてそれを弾かれたことに仰天する) 」

貴族の青年「………(厳かな表情でアンビションを発動したASを見つめる) 」

モララー「おおっ!やるじゃねえかあいつ!(戦友として、アンビションを上手い様に利用したASに称賛するように声を上げる)」

AS「スッ…(そして、仰天したスリーズの隙を突き)ミラージュ…ブレイクッ!!(彼の十八番、ミラージュブレイクを放つ) 」

スリーズ「ひぎぃぃいいいいッ!!!(ASの渾身の一撃に敗れる…と思われていた…)…ギュ…ギュフフ…!そそ、そんなはずがないない…ないないないッ!!私の“波動”(アンビエント)が…はわ…はわわ、わは、わはははは~~~……――――――そんなわけがあってたまるかなぁ!!!??(吐血や出血によって血みどろになった体を不気味に左右へと揺らし始める)うわあああぁぁ!!ああああぁぁぁッ!!!ヒヒヒヒ…ッ…!ヒィヒャハハハハハッ!!!!ギィヒャハハハハハッ♪♪♪♪♪(錯乱して“波動ウォルテクス”を無我夢中に、四方八方へ解き放つ) 」


うわああああぁぁーーッ!!きゃあああぁぁぁーーッ!!!やめてくれえぇぇえええ~~~!!!!(闇雲に飛ばされたスリーズの斬撃波が客席に甚大な被害を齎す)


謎の一頭身「…ッ…!これは不味い…!(自分とその周辺へ飛んできた斬劇波を剣で叩き落とす) 」

トランクス「やめてくださぁいっ!!僕の顔がああああーーー!!イケメンの顔そのものがあああああああーーー!!!!(斬撃波によってズタズタに引き裂かれる) 」

槍兵「うっ、うわああああぁぁぁーー!!!(スリーズの斬撃波の被害を受け、出血する) 」

モララー「ッ…!(スリーズの様子が一変した瞬間から、アンビションの予知能力で警戒態勢に入る)TURBO!(ドゥンッ ! ! )(全身から蒸気が溢れ、瞬く間に席から跳び上がる)“TURBOガトリング”ッ!!!!(向かってくる斬撃波をすべて高速乱打で相殺する) 」

ブロリー「この俺が斬撃波くらいで死ぬと思って…Hair(ヘアッ)!?(髪の毛の一部が斬り裂かれる) 」

エー「エゴさん、盾になってください。 」

エゴ猫「ちょwwwおまwww俺様怪我人あいえええええぇぇぇぇぇッ!!!!(エーに身代わりにされて斬撃波を喰らう) 」

スリーズ「ハァハハハハ…ギュフフハハハ…ッ…♪もっとッ!もっと堪能してよッ!!!私を!もっと!骨の髄まで!!愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛してェ…ッ!!!(狂気乱舞しながら視界が定まっていない双眸を泳がせ、闇雲に斬撃波を放ちつくす) 」

AS「ガキンッ、キィンッ(同じように、『ミラージュ・インテンション』でアンビジョンを相殺しつつ、残る攻撃を弾き、近寄り)これでは、俺は魅せられないな…『あいつ』のように強く凛々しくなければ。(そして、錯乱するスリーズに)バチバチッ…!!(雷を纏う雷香を振り抜く) 」

スリーズ「 バ チ ィ ン ッ ! ! (稲妻に貫かれたような激しい激痛が全身に迸った時、攻撃する手が止んだ)……フ…ギュフフフ………もう、らめぇ…こんなの…耐えきれにゃぃ… …ドシャァ…ッ… ! (両膝をつき、ようやく機能が停止する) 」

キリギリス「し、勝者は…!!勝者はASだああああああああああぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!!! 」

モララー「ふぅ…(解除し客席へ戻る)よくやった…(ステージに立つASに) 」

トゥエル「本当…最低だわ…(試合結果に失望する) 」

貴族の青年「…チッ…(敗北したスリーズに対してではなく、彼女を打倒したASに癇癪を起こす) 」

×××「――――――――やるね、AS。(会場の何処かで観戦していた一人の少女。満足そうに微笑むと、その場を後にする。彼女が立っていた地面は、凍てついていた…) 」

大剣使いの男「……!!あのファミリーの一人を討ち取ったか…見事だ。(客席からASに拍手する) 」

メタルプリム「す、すげぇ…ッ!!スリーズの奴を倒しやがった…あいつ、すげえ…!!(ASを見て) 」

ザビーダ「感じる………相当な手練れだ。(声-津田健次郎) 」

AS「俺はお前を、愛せない。(雷香とミラージュブレイドを納刀し、ステージを後にする)やはりあれは、『あいつ』まで、お預けだな 」

×××××「……(控室の隅で先程の試合の一部始終を観戦していた者が一人。試合が終えると、その場から颯爽と姿を消す) 」




キリギリス「さぁ、次なる闘いの幕開けだ!第十試合!スィロ vs 白鷲だァッ!選手はステージへカモォーン!! 」

スィロ「んー……(待機室そっぽを向き考えに耽っていた所にアナウンスを聴き)あ、初試合ですか?いけないいけない、行かなくちゃっと(自身の身体をを見回して用意出来たのを確認すると会場へダッシュ) 」

白鷺「ゲッホ、ゲッホ、ゴホ……ん?おっやべえ試合ですわ、試合試合……(傍らに置いていた刀を手に持ち、咳き込みながら歩いて会場へと上がってくる) 」

キリギリス「さあさあ、揃いましたかな~?それでは始めよう!!第十試合―――――開始ィッ!!!! 」

ロックマンゼロ「ふむ…見たことの無い者たちだ。これは興味深そうだ。(観客席で) 」

スィロ「―――っと、間に合った……の前に、用意は大丈夫かな?意外とそういう事あるから気を付けないとね(会場に到着、ステージの前にて埃を払うような動きで確認を取り)……よし!それじゃいきますかー(左腰の刀の位置を整え、ステージへと上がる) 」

マーク「ムグムグ(ホットドッグ片手に観戦中)どの試合も立ち回りが参考になる、こんな大会あるなら早くもっと知ってたかったぜ……ムグムグ ん、我ながら美味い! 」

モララー「じー……(アイツの食ってるホットドッグにマヨネーズぶっかけたらうまそうだな…今度試してみるか…)(客席でポテトチップス(マヨネーズ風味)を貪りながら) 」

白鷺「ゲェ˝ッ……ゲボッ(相変わらず袖口を口元に当てながら咳き込んでおり、袖口には吐血したであろう血が既にべったりと付着している) えぇと、今のがゴングですねえ、それじゃあ開始ですね(左手で刀の鞘を、右手で柄を掴んで半身に構え) 」

ラウニ「モシャモシャ(マスタードを盛大にぶちまけたホットドッグを齧りながら観戦している)始まっちゃうわーやっべー 」

スィロ「あ、もう開始?んじゃ―――(左腰のニ振の内一振を抜刀し構え)レディーファーストって奴ですよ、そちらからどうぞ 」

白鷺「ゲッホ、ゲホ…今日は体調が……良いんですかねこれ…ああ、それじゃあお構いなく……タ ン ッ(一瞬の”溜め”の動作を取った刹那、瞬間移動染みた速さでスィロの右側面まで一気に踏み込み、同時に刀を持つ手首目掛けて高速の居合い斬りを放つ!) 」

スィロ「(おっと、口調とかズレてきちゃったかな?直してかないと―――)って速ッ!!?(迅速の居合が放たれ驚愕するが寸前の所で身を引き難を逃れる)ッ! つー……やられたか(だが手首には少しの切れ込みが入り込み血が滲み出ている)なかなかやるじゃないか、君の剣技をもっと見せてくれ!!(即座に構え直し、次の攻撃へ準備) 」

スィロ「(でもここまま受けに流れるのは悪手、隙を見つけて潜り込みたいけど―――) 」

白鷺「良い反応ですねえ、健位は裂きに行ったのに(居合斬りの勢いそのままに回転しながら離された分の距離を詰め、左手に持った鞘で手首を狙って殴りつける…!) 」

スィロ「く……ッ(ちょっと痛手だねぇ、あのままのスピードで切り込んで―――)来ない! ならッ(構えていた刀を傾け、柄を手首へ使い向かってきた鞘を弾き)こうだッッ(その位置から踏み込みそのまま白鷺の腿へと刀を振る) 」

白鷺「(防がれた、反撃は……下段…ッ!)(右手に構えたままの刀を床に突き刺す形で下段斬りを防ぎつつ、後方に飛び退いて距離を開ける) 」

スィロ「転機か!(攻撃を弾かれた後に中段へ霞の構え)ならここからは私の番だ、私の普遍的な剣術がどこまで通用するか――――――(詰められた間合いをステップによって一気に詰め)これで決めるッ!!(ステップの勢いをそのまま乗せた刀の一突きを白鷺の胴目掛けて繰り出す) 」

白鷺「(低い……霞の構え…!)(斜め後方に移動しながら身を捩って突きから逃れようとするが、避け切れずに脇腹を刃が掠め)———(それにも構わず、右の刀での斬り上げでスィロの刀の柄……あわよくばそれを握る腕も諸共に切り裂きにかかる) 」

スィロ「なるほど、ならばこうして(瞬時に左腰の鞘を左手に取り剣戟を堰き止め流れるように刀を収める)―――こうッ!(そのまましゃがみ込み下段へ足払いのローキック) 」

白鷺「あらっ(見事に両足を払われ、背中から綺麗に床に落ちる——が、咄嗟に受け身を取り、素早く右手の刀を振り上げながら距離を取りつつ起き上がる) 」

スィロ「む……(振り上げられた刀を鞘で受け流しバックステップ) (いかん、集中が切れてきた……そろそろ決めに行かないと) チャッ コツ……コツ……(最初と同じ中段の構えで一歩づつ歩み寄る) 」

白鷺「(一瞬で片付く、とタカを括ってたのは悪手でしたねえ……”いつも通り”……一刀で確実に殺しに行くべき相手でした)(静かに刀を収め、目を閉じ……再び居合の構えを取り、スィロを待ち構える) 」

スィロ「20、だったか。その剣技、天賦の才……見事也。だからこそ言わせいただきたい―――(得物が届く距離まで詰め寄った刹那)亀の甲より年の功!!この一刀で最後だッ!!(一刀を袈裟切りの要領で振り下ろす―――”と同時に”)『双閃』!!(交差させるようにもう一方の方向からも斬撃、同時の二撃を放つ) 」

白鷺「堪能させていただきましょうか、年の功とやら———『朝風』(速く、より速く——極限まで研ぎ澄まされた居合抜きの一閃で、スィロの二撃を迎え討ちに掛かる!) 」


―――――――――キィィィイイイン……(双刀激突、その結果は――――――)


スィロ「――――――……(振り抜いた姿勢のまま、右の胸に大きな傷を見せる)年の功、とは言ったものの……この剣、確かに強い――――――な(剣を納め、片膝を付くようにしゃがみ込み)参ったよ、君の勝ちだ 」

キリギリス「き、きき…決まったァーッ!!!勝者は白鷺だあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!!」

白鷺「あれ、勝っちゃいましたねぇ……いやいや、危ない所でした本当に———次やったら勝てないかもしれない、というのは久しぶりです、謙遜で無く(スィロを見据えながら刀を収め)ウゥエッ、ゴボッ(喀血交じりの咳をしながら、ゆっくりとステージから離れる) 」

スィロ「ま、幸運だったのは足を狙われなかったトコかなー。出る時も介護されずに済むし……まぁ私が言えることでは無いけどね……さ、帰って傷の手当とお叱りを受けるかな……あ(ステージを出る直前、後ろを振り向き)久し振りの真剣対決、楽しかったよ……また機会があれば、その時は(そう言い放ち、ステージを後にする) 」



キリギリス「さぁ!次なる試合を始めよう!!第十五試合!氷冬 vs シグスだあぁー!!!選手はステージへどうぞ!! 」

雛菊「……!(聞き覚えのある名前にピクリと微動する)…氷冬さん…帰って来たのですね。(少し嬉しそうに笑みを浮かべて控室のモニターからステージ上を見つめる) 」

貴族の青年「…何処の誰かと思えば、第一回の大会で敗退した貧弱の小娘か。(氷冬の名を聞いて鼻で嘲笑する) 」

シグス「スリーズ姉さんがやられたからね…相手が誰だろうと、最初の一太刀に全力を込めて瞬殺するよ。…兄上、何秒で決める? 」

貴族の青年「相手の力量はたかが知れている―――――"5秒"で十分だ。 」

シグス「……了解。すこし難しいけど、"3秒"で片付けるよ。(不敵な笑みを零し、ステージへと駆け上がる) 」

スカーフィ「氷冬…どんな風になってるんだろうね…♪(わくわくと心を弾ませ) 」

フーナ「うん、楽しみだね。(スカーフィに釣られて微笑み、ステージに目を向ける) 」

×××「コツ……コツ……コツ…――――――(暗がりの廊下を悠然とした足取りで潜り抜け、光差すステージへと上り詰める)パキパキ、ピキィ…(静止した足場が僅かに凍てつく) 」

フーナ&スカーフィ『……!(八ヵ月ぶりに出会う氷冬の姿に、二人騒然となる)』 」

×××→氷冬「 フ ワ ―――――(全体的な衣装はがらりと変わり、濡烏の麗しい長髪の下部は凍結したかの様に水色がかっている。氷の様に冷たい瞳の奥に確固たる強い意志を秘めた少女が見据えるのは目の目の敵ではなく――――遥か最果てにある「夢」――――) 」

キリギリス「第一回百刀剣武祭で元序列二位の雛菊と熾烈な戦いを繰り広げた氷冬…!前回の第二回百刀剣武祭には姿を現さなかったが、ここでリベンジなるかー!!? 」

雛菊「…いい眼をしている…あの時よりも、ずっと輝いていますね…氷冬さん。(がらりと雰囲気が変わった氷冬に思わず微笑みかける) 」

大剣使いの男「…あの時の四刀の娘か。(腕を組んで、成長した氷冬を見据えている)…見せてもらうぞ、お前の新たなる力を…! 」

剣士「せっかく復帰したとはいえ、相手があのゴルドニアファミリーのシグスじゃあなあ…運が悪かったね、あの子も。(はあとため息を吐く) 」

弓兵「ああ、どうせシグスのあの高速剣技の餌食になって終いさ。今まであいつのあの技を避けた奴も受け止めた奴もいない…!まさに初見殺しって奴だ……知ったところで、成す術はないだろうけどな。 」

AS「・・・さあ、俺に魅せてみろ、剣<お前>を。(氷冬を、期待の篭った眼で見ている) 」

フーナ「氷冬…私たちは…―――――信じてるから。(凛とした眼差しで氷冬を見守る)」

キリギリス「それでは始めましょう!!試合…――――――」

シグス「(哀れだな…最初の試合で、お前は終わりだよ。)チャキ…――――― ド ッ キ ン ッ !(先の試合同様に、大剣を引き抜くや否や剣身にアンビションを纏う)」

氷冬「……(それに対し、抜刀すらしない"素"の状態で試合開始を待っている) 」

キリギリス「――――開始ィィィイイッ!!!! 」


BGM♪



シグス「(あばよ――――) ガ オ ン ッ ッ ! ! ! (鉄の唸る音とと共に大剣を素早く振う)――――“波動(アンビエント)ガレイリオン”―――――(強烈な黒閃を高速的に解き放たった)」

スカーフィ「……ッ!氷冬…!!」

氷冬「…… ス …――――――― ド グ ゥ ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア アッ  !  !  !  ! (なんと、迫りくる黒閃を前に微動だにせず、緩慢な動きで掌を前方に構え…片手だけでそれを受け止めた)……(残骸の様に消えていく黒閃の粒子が掌から零れるように消滅していく)」

シグス「な゛ッ゛――――――!!!???」

貴族の青年&トゥエラ『―――――!!!』

大剣使いの男「なんだと…ッ…!!??(予想だにしなかった出来事に酷く仰天する)」

剣士「え…うえええええええぇぇぇぇぇぇえええええ~~~~~~ッ!?!?!?!?!?!?(驚愕の余り目玉が飛び出る)」

謎の一頭身「……!!(まさかここまで…!流石は、英雄と呼ばれるだけの素質がある…彼女なら、きっと―――――) 」

フーナ「――――――!(すごい…あの不意打ちの一撃を…素手で受け止めるなんて…!)…氷冬、強くなったね……!(成長した友の姿に感極まっている) 」

スカーフィ「わわっ!!す、すごい…っ!!すごいよ氷冬!!あんなすごい攻撃を防いじゃったよ!!(驚きのあまりはしゃいで) 」

雛菊「……!(やはり思ったとおりです…あの方は、本当に強くなって、帰ってきた…!) 」

シグス「…ぁ…あ…ば、馬鹿な…ッ…!?(目の前で起きた現実に酷く動揺する)……(…受け止めた…だと…!?かわしたというのならまだ分かる…いや本当なら、かわせる速度ですらないはずだが…それでも!かわしたというのならまだ分かる…!だがッ…受け止めた…!?この俺の一撃を…ッ…!!)(ただただ唖然と立ち尽くしている) 」

モララー「へへっ…見違えたじゃねえか。(満面の笑みで成長を遂げた氷冬に) 」

氷冬「スゥ…ハァ……(冷たい吐息を吐く)…そんなに驚いてどうしたのかしら。自慢の剣技を受け止められたことが、そんなに信じられないのかしら?(優越でも嘲弄でもなく、ただ氷のような冷たく鋭い瞳で動揺するシグスを見つめている) 」

シグス「なんだと…っ…?(氷冬のその言葉と表情が癇癪に障ったのか、憤りを示す)俺の剣を受け止めたことが…そんなに嬉しいか…ッ?図に乗るなよッ!!この…敗北者がああああァァァァッ!!!!(怒号と共に覇気を放出し、大剣を振り上げる)その程度で勝ち誇ってんじゃねえぞ。今俺が放った一撃を、"何発も喰らって"そんな余裕が保てるかァッ!!??(剣身に再びアンビションを纏う) 」

氷冬「よく吠えるじゃない、かしましいくらいに。(そうして、ようやく一刀だけを構える) 」

シグス「テメェ如きに使うのは癪だが、奥の手…最大出力の波動(アンビエント)を連発してやるッ!!!クヒャハハハ!!もう泣いて謝っても許さねえ…ッ!再び敗北者となって、地べたを這い付く張りやがれェッ!!!―――――“波動ガレイリオン”ッ!!!!(ズドドドドドドシャアアアァァッ ! ! ! ! ! )(初手には鳴った高速黒閃を幾重にも解き放った) 」

貴族の青年「…大きなタイムロスだが、まあいい。これであの小娘は完全に終わった。(愉悦を含んだ笑みを浮かべて瞳を閉ざす) 」

氷冬「……一刀居合―――――― 」


――――― "行け、キミが目指したその先へ…!" ―――――


氷冬「―――――― “ 天 神 ” ――――― 」


―――――――    ザ    ン    ッ    !    !    ―――――――(真っ白な一閃が、幾重の黒閃をかき消し、彗星の如く突き抜ける)


シグス「ッ――――!!??(…そんな…この…この俺が…ぁ、ぁぁぁ…ぁぁぁあああああ――――――)(   ズ   バ   ン   ッ   !   !  !  !   )(全身に一閃が迸り、声を上げる間もなく崩れ倒れた) 」

キリギリス「…… …… ……ッ…!し、勝者は…ッ…勝者はッ!!怒涛の復活を遂げた、氷冬だあああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーッ!!!!!!!! 」


うおああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!(大歓声が響き渡る)


スカーフィ「やったあぁ♪氷冬が勝ったよ!!嬉しい…っ♪(嬉しさの余りフーナに抱きつく) 」

フーナ「うんっ…!よかった…本当によかった、氷冬…!(嬉しそうに目を細める) 」

AS「それでこそ、それでこそだ・・・俺の好敵手、お前にこそ『あれ』を使う理由がある。(氷冬を、満足げに見ている) 」

貴族の青年「……チッ…(どいつもこいつも… ……今に見ていろ…いずれこの俺が、全員叩き斬ってやる…!)(憤慨し周囲の土台を強く蹴り飛ばした) 」

雛菊「…ふふっ。再び相見えるのが楽しみですね。(試合結果に満足すると、その場を後にする)」

氷冬「……(ふと、自分が手にしている刀を見降ろす)……(…私はまだまだ、強くなれる…!だから、一緒に行こう。『私たち』で…!)(刀を納刀し、颯爽とステージを降りていく) 」



キリギリス「第三回百刀剣武祭も盛り上がってきた!!この調子で、どんどん試合を進めていこうではないかッ!!!次なる対戦!第十六試合!!イーリア vs エディだあああぁぁぁーーー!!!選手はステージへどうぞ!!! 」

エディ「(内心えぇ……と言っていそうな三白じと目で会場から目をそらす)テレビ中継してるんだっけこれ。あっ、そっかぁ……かっこいいおいたん見せてやらないとナー(脇腹何本骨折するんだろうなこれ) ト ン ッ ……ザリッ (観客席からポケットに手を突っ込んだまま軽く飛び、飄々とした無表情でステージに降り立つ) 」

イーリア「スッ(立ち上がり、ステージに上がる)よ、久しぶりね。(そして、軽く挨拶する) 」

エディ「んっ、まぁーナ。たまにはこういうこともあるだろ(別段感慨を抱くこともなく髪をくしゃくしゃにしてかき、刃を帯で覆った片刃大剣を地に突き立て)あの時は一杯食わされたよ、模擬戦って死を覚悟するもんなんだナ 」

イーリア「アタシも、あの時はいい経験になった・・・それに今回は実戦、今度は負けないわよ。(背中に背負った、二つの刃の内、黒い剣を引き抜き、構える) 」

キリギリス「それでは試合―――――開始ィィイェアッ!!!! 」


BGM♪



エディ「結果に対する意気込みは口にしない主義だ(目を伏せ片刃大剣の肢を握りそれを真横に振り抜いて帯を振り払う。陽光の下に刀よりも工具を彷彿とさせる装飾のない刃を晒し)––––– ちゃんと口輪は外して来たろうな、狂犬(不敵な笑みを浮かべ、重量感のある大剣を片手でプロペラのように回転させ逆手持ちにし、余ったほうの上で指をくいくいと捻り攻撃を誘う) 」

イーリア「燃えること言ってくれるね、・・・言うじゃないの、喉元を食いちぎられる覚悟はある?(獰猛な、肉食獣を思わせる笑みを浮かべ)・・・ダッ!!(一直線に、地面を蹴って距離を詰める) 」

エディ「(–––––––力借りるぞ、イズミノカミ・カネサダ) ザ リィンッ!! (逆手持ちにした剣を回転させ火花を散らして地を削りつつ下段から上段への切り上げをアッパーカットの要領で穿ち、余波で周囲の砂利が無重力になったかのように浮遊する) 」

イーリア「グルァァッ!!(強烈な勢いを伴い、人の体には過ぎた馬鹿力で黒い剣を振り下ろし、正面からぶつかる) 」

エディ「 ギャ ゴ ォ ッ ツ (赤と青の入りみだれる閃光が衝突と同時に瞬き、頭髪が翻る)ギギギギギギ……ッ(片手で押さえるには重すぎる一撃、切っ先を地に突き立てつばぜり合いに持ち込むも3秒も保つ筈もないが)チリッ……チリチリ…ヴァリ……–––––ズ ァオ ッ !!!!(エディは潔く打ち合いにおいて"敗北を認めた"。刀身の上をなぞらせるようにしてイーリアの剣閃を受け流す。同時に、鬼火の如き蒼炎を纏った右腕をイーリアの腹部めがけて真正面に穿ち、拳の先端から放射状に蒼炎を爆発させ放出した) 」

イーリア「くォあッ!!(放たれた拳に膝蹴りを割り込ませ、攻撃をずらしつつ、出来た安全圏へ体を傾ける)らぁッ!!(そして、傾けた勢いのままに回し蹴りを行う) 」

エディ「ッパァンッ!! ヒュオッ(拳に膝蹴りを喰らいよろめくも、あえてその勢いのままに半回転し)ブォンッ!! ヒュンッ ヒュオッ…––––(裏拳の要領で遠心力を乗せた剣による斬り払い→その後左手から右手へと剣をもちかえ小ぶりなX時斬りで牽制→再び剣を右から左へ投げ渡し、空になった右手に再び蒼炎を纏い)ズァッ!!(今度は大ぶりのブロー。扇状に蒼炎が拡散しステージを焼き抉る) 」

弓兵「 うわっ…!なんて熱い戦いなんだ…!(観戦しているだけで汗が滴る) 」

イーリア「フッ、ッ・・・おぉぉぉッ!!(斬り払いを屈んで回避し、牽制を後ろに引いて避け、ブローを、焼けるのを厭わず黒い剣で受け止める!) 」

エディ「 ┣¨ ゥッ  (拳が黒い剣を突く際に金属のそれ類似した鋭い打撃音が反響し、焼けただれた服の袖からは"金具などで要所を補強した黒く壊死しかかっている腕"がわずかに露見し)ちッ……崩せないか…ッ(苦悶に表情を歪め眉間に深い皺を刻む)タンッ ザザザザザ……ヒュオッ ガッ!!ビュアッ(一旦バッグステップを踏み間合いから離脱、その後再度ステップを踏みイーリアを中心にして左回り円を描くようにして駆けつつ小ぶりな斬撃を、地を抉りながら何度も放っていく) 」

イーリア「熱いね、燃えるね、・・・こうでなくっちゃ。(炙られて、衣服が焦げ付き、袖が燃え落ちながらも獰猛に嗤う)グルルル・・・ガァァァッ!!(駆け回るエディに対応し、獣を思わせる猛烈な速度でそれを躱し、追いかけ・・・)見せてやるよ、アンタとの戦いで得たもの・・・『閃・襲牙』ッ!!!(『閃』の応用系。威力を生贄に瞬発力と突破力のより高まった、光の速度に届く凄まじい速度の『閃』を放つッ!!) 」

エディ「俺から拾ったものをいちいち数えてるのか、律儀なことだ––––––––(イーリアの剣戟は元より"見えて居ない"。ともすれば彼は剣尖そのものではなく、予備動作を視界に入れ、咄嗟に踏みとどまり大剣の切っ先を地に突き立盾のように身構える)–––––ッ!!(チタン合金に勝る高度を誇る大剣にさえも深い切れ込みが入り、それごと全身が吹っ飛ばされ宙に浮く) 」

イーリア「ああ律儀さ、アタシは全ての戦いに敬意を払う・・・そしてもう一つッ!!(宙に浮いた瞬間、再び構え直し・・・)―――『閃・鷹取』ッ!!(『閃』の応用系。天を穿ち、空を飛翔する鷹すらも射殺すが如き、飛距離と正確さ、一撃の鋭さに特化した『閃』をエディの大剣の切れ込みに放つッ!!) 」

エディ「 ポォン… フォンフォンフォンフォンフォン…ガァンッ!!(水平方向に吹っ飛ばされながら自分の着地予想地点に向けて剣を放り投げて突き刺し)ダンッッ!! ト ッ (地に突き刺さった剣の峯を足場にして壁への激突を防ぎ、イーリアの追撃を予測した上で、剣の絵に手をかけ、峯を蹴り飛翔しながら大剣を地からを抜き取り)––––ならここでもう一つ拾っておけ。お前は眼が"良すぎる"(切れ込みを狙う閃に対し、獲物を"くれてやる"が如く大剣を中空から槍のように投擲) オ ォ ォ  ォ ……ッ!!(それと同時に腕そのものが発光体であるかのように、右腕は蒼炎を帯びる) 」

イーリア「ッ・・・!!くぁ・・・ッ!(投擲された大剣を回避しようと無理に体を動かし、左腕に直撃。動きに巻き込まれて千切れかけるところまで切れ込みが入り意識が明滅するが―――)ッ!!(口内を強く噛み、意識を引きずり出し、右手だけで構える)お褒めの言葉をありがとう、あんたの『アレ』に前は手も足も出なかったけど、今なら・・・視える気がする。 」

エディ「–––––––– オンッ(イーリアが口を動かす間に、"まったく余裕がない"のか、投擲が命中した時点で既に駆け出していた"ソレ"は間髪入れず間合いに入らんとしていた)見えたところで何の利もねーよ、ホラー映画好きか(地に一歩大きく踏み込むと同時に、彼を中心に蒼炎が輪を描いて広がる。塵の一粒一粒が見分けられるような、時の流れが緩やかに感ぜられる超感覚の中で。"機械と骸<シガイ>"の混じった右腕が流血が如く蒼炎を吹き出していた) ––––勝負<チャンバラ>は負けだ。だが試合<ケンカ>には勝たせてもらう 」


【Code/11 イクリプス】。厳定解除、承認 魔素吸収 肉体再構築シークエンス稼働 –––––10&–––––15&–––––30&–––––60&–––––99&……… 」


エディ「……–––––––––– ッッッ!!!!(腕そのものに内側から"食われる"ような激痛が電のように全身を駆け巡る。視界に映る色彩が反転して見える。既に自分がここに在るのかもわからなくなる刹那の中、一振りの"剣"と化した右腕を、地平線のように迸る閃光を残し、真一文字に振り抜こうとした) 」

イーリア「―――まだ、視えるッ!!(0.5秒。たったそれだけだが、まるで先が見えていたように、射程の狭間、攻撃が届くか届かないかへその瞬発力で動いて)『狂剣』ッ!!!(正気を捧げ、『狂剣』を発動し、死線の狭間に立たんとする) 」

イーリア「―――グルルルァァァァァアアアアアアッ!!!!(そして、正気のなくなった咆哮を上げ、無意識の中で理性が『死閃』を放つ) 」

エディ「    ––––––––(視界が白紙に戻る頃、痛覚をとっくに無視し腕の感覚が吹っ飛んでいた頃には。【死閃】が振り抜かれ自身の手刀と交錯し、互いにクロスレンジを駆け抜けゼロ距離の間合いに入っていた)––––– (『まあ、どうせ戦闘狂いのお遊びなんだし。こう言う結末もあるだろう』そう納得しかけたが)––––––(衝撃により雷を食らった木のように表面が焼け崩れつつある【義手】が視界に飛び込み、そのような思考は微塵もなく消し飛んだ) 」

エディ「 ┣¨ ォツ ッ !!!(互いに駆け抜け肩透かしにすれ違う直前、地に足をめり込ませ)る"あ"あ"あ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ッ"ァァァッッッッ!!!!(剣も右腕もない丸腰の状態。残る武器はプライドのみ。最後に彼は真正面からの"頭突き"をイーリアの額に向かって振り下ろす) 」

イーリア「ガッ・・・ハッ・・・(脳を揺さぶられ、先程噛んだ口内から吐血するが、正気という枷から解き放たれた獣は痛みでは引かず)ダンッ―――ブォンッ!!(受けた衝撃のままに体を傾け、右腕だけで体を跳ね上げ、かかと落としを放つ。既に眼は焦点がぶれ、限界すれすれなのだろう。) 」

エディ「––––––––(音すら聞こえない、視界も遠い。暗闇の中で最後に見たのは恐らく足だろうと思われる何かが視界を覆う瞬間)––––––(暗闇に別れをtゲル直前位見たのは、"いつも自分を打ち負かしていた"遠い日の誰か。背丈は同じぐらいか、枝一本を剣に見立てたごっこ遊びに過ぎなかったが、少なくとも……)ガッ ポォン(瞬間、踵で地に転がるタイラントファングをノールックで上空へ蹴りあげ)––––––(『ああそうだ、思い出した。あの時点で俺は負け慣れていたんだ』)––––– ガッッ(踵落としを軽く上体をひねって回避し光を取り戻した目でイーリアを確かに見据え、) 」

エディ「–––––– 最後の最後で"意思"を投げ捨てたな(彼女のすれ違いざま長髪を鷲掴みにし、鉄球のようにして地に叩きつけんとする) 」

イーリア「がッ・・・!?(恐らく放てる最後の一撃を往なされ、捕まれ、与えられる動きのままに振り回されて頭から地面へ飛び込む時)―――やっぱ、護る事の無いアタシは弱く、あんたは強い・・・また勝てなかった・・・か・・・(何を想ったのか、手を空に伸ばして)―――ズドンッ!!(頭から激突し、血を流して気絶する) 」

エディ「–––––– 。–––––––……(頭部、腕、とめどなく流れ続ける流血が血溜まりを満たし続け色素の抜け始めた虚ろな目でイーリアを見下ろす)どうだか、俺にもあるのか知らねーよ(殆ど消え入りそうな声でポツリと零し、足を日kずりながらその場を後にする)––––タンカ、あと医者。急いでくれな("あいつ以外に負けたくなかった"。それ以外思い浮かばないな) 」

キリギリス「き、決まったァーッ!勝者は、エディだああああぁぁぁぁーーーーッ!!!!!」




キリギリス「―――さァ、次の試合を始めましょう!第十八試合!ルドゥラ vs ランドルフだー!!選手はステージへどうぞォ!! 」

ルドゥラ「―――ザッ、ザッ(鞘に納めた白地の柄の刀を持ち、ステージまで歩いてくる)…………(ここまで一切の言葉を発さず、相手を見据える) 」

剣士「どちらも聞いた事の無い名前だな…一体どんな奴らだ…!? 」

ランドルフ「……(ステージ上に現れたのは、シルクハットを被った鶴の上に乗った貴族衣装のウサギだった) 」

モララー「あぁん?なんだあいつ…ウサギ…と鶴だぁ?(唖然) 」

ありがとウサギ「 やだ、イケメン…♡ 」

キリギリス「それでは第十八試合――――開始ィッ!!!! 」


BGM♪



ルドゥラ「(試合開始のゴングと同時に歩みを進める、ゆったりとした足取りで徐々に近づいていく様に異様な気配を滲ませる。だが)―――――。(剣を抜く気配は一切しない) 」

槍兵「てゆーか…あれ反則にならねーのか…?(ランドルフが乗っている鶴を指しながら) 」

大剣使いの男「この大会のルールは緩いからな…ステージに立って呼び止められていないのであれば問題なかろう。 」

ランドルフ「ブワサァッ… ! ! (白い翼を羽ばたかせた鶴が上空へ飛翔する) ギ ュ ン ッ ! ! (しばらくルドゥラの頭上を旋回し様子を探っていたが、ある程度して上空より急降下し、構えた両刃槍をルドゥラとすれ違うタイミングで薙ぎ払う) 」

死霊の騎士「奴(ランドルフ)は「鶴騎士」(クレインライダー)だ。元いた世界ではある海賊団の戦闘員だったとか…それにしても、なんというコンビネーションだ…! 」

ルドゥラ「(電光石火で迫りくる鶴を見上げたまま)―――ザシュウゥウ!(すれ違いざま、何一つ抵抗することなく、脇に両刃が食い込むのを許す)……ダラダラ(とめどない流血にも関わらず顔色一つ変えず)―――ザッ、ザッ(またもや同じ速度でランドルフに近づいていく) 」

剣四郎「それはとても早くてお迎えを殴ることのないことだ。 」

ランドルフ「バサァ… !(ルドゥラの接近を許さないように再び飛翔する) クェーッ! (鶴が鳴き叫びながら、急降下から鋭い口ばしでルドゥラを突く)サッ――――ブンッ ! ! (そして彼に槍による追撃も仕掛ける) 」

ルドゥラ「(続く相手の攻撃、最高のコンビネーションともいえる攻撃。しかし)―――ザシュゥウ!(なんと、回避どころか防御もせず、凶刃が彼の体に真っ赤な一文字を刻む)…………(それでも、彼は不気味なほどに表情を変えない。そればかりか、攻撃の気配すらまるで感じ取れない) 」

キリギリス「んんっ!?これはいったいどういうことかァーッ!?ルドゥラ!ランドルフの攻撃を構えもなく受け続けているではないかー!?まったく動く気配がない…!この男、一体何を企んでいるのかァーーーッ!!?? 」

ランドルフ「グルングルングルン…ッ… ! ! (空中旋回中に槍を振り回しながら次の攻撃の態勢に入る) ギ ュ ァ ッ ! ! (そして、上空から三度目の襲撃を仕掛けようとする) 」

ロックマンゼロ「………(控室でも異質なオーラを放っていたあの男…間違いない、奴は必ず"仕掛ける"…!)(客席でルドゥラを睨みながら) 」

ルドゥラ「……スゥ(ここで初めて構えをとる。素人目から見ても鞘から素早く剣を引き抜く抜刀術。その構えである)…………。(攻撃を仕掛けてくるランドルフを静かに待ち構える) 」

ランドルフ「クェェエーーーッ!!(鶴の叫びと共に頭上で振り回していた槍をルドゥラに向けて振り下ろした、その時だった――――) 」


突如、ルドゥラの姿が瞬く間に消える。揺らめく蜃気楼のように残像を残し、凶刃はいともたやすく空を斬る。


ランドルフ「――――――ッ!?(虚空を切り裂き、そのままステージ上に鶴と共に留まる)……(何処へ消えた…)(鶴と共に周囲を警戒しながら見渡す) 」

モララー「――――!(消えた…!今のは俺にも見えなかった…) 」

ルドゥラ「(気配を現したその場所、それは)……-――ヒュッ!(ランドルフの真後ろで、宙に浮いた状態で先ほどの構えのまま)……Die(その一言と同時にランドルフを襲ったのは、なんと抜刀すらしていな状態の刀。25kg以上ある豪剣にそれを操る剛腕、そして神速ともとれる武器捌きによる殴打) 」

ランドルフ「ッ――――!?(後ろか――――)(時既に遅し――彼が振り返った直後、世界は瞬く間に白い閃光に包まれる。脳天に凄まじい一撃を受けたウサギは弦と共に盤上にめり込み、物言わぬ動物となり果てたのだった…) 」

ルドゥラ「(ストっと地に足をつける、だが、この後彼がとった行動は……)―――ド ゴ ォ オ オ !!(近づくや否や、鞘の鏢部分で死体の顔面にめがけ、地に突き刺す勢いで殴打をし始める)ドゴッ! バキッ!! グチャ! バキッ! ドゴォ!!(何度も何度も最早原形がなくなり掛けようとも殴打をやめない) 」

サイコパス「けしからん、もっとやれ。 」

卓馬「………おいおい、これ止めないとまずいんじゃないのか?(ルドゥラを見て) 」

プリム「もうやめてぇ!!ランドルフのライフはとっくにゼロよ!!(´;ω;`) 」

剣士「む、むごい…ッ…(ルドゥラの行動に絶句する) 」


――― ドックン   ドックンッ   ドックンッッ   ドックンッッッ ―――


―――――― 世 界 に 3 月 が や っ て く る ――――――


ランドルフ「…… …… ……ハッ (我に返った頃、闘技場でもどこでもない、ただ真っ白な空間が広がる異空間に飛ばされたことに気づく)……??……!?(慌てた様子で右往左往と辺りを隈なく見渡す) 」


――― 汝、力を求めるか? ―――


ランドルフ「は…?誰っすか…?(汗) 」


――― 我は『 3月ウサギ 』。力の求道者。お前に「力」をやろう。 ―――


ランドルフ「いやいらねえっす。それよりこっから出してください。(真顔で懇願) 」


――― 我の拳は神の息吹!!"堕ちたる種子"を開花させ、秘めたる力紡ぎ出す!! ―――


ランドルフ「って聞いてねーし。(汗) 」


――― 美しき 滅びの母の力を!!!!! ―――


ランドルフ「やめろおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――― 」

ランドルフ?「――――――― ガ シ ッ ―――――――(刹那、動くはずの無い真っ白な手がルドゥラの刀を鷲掴んだ) 」

キリギリス「き、きき…!決まったァーッ!勝利したのは、逆転勝利を収めたルドゥラd…あ?…ん?……んんっ!?と思いきや!ランドルフがまさかの復活!!試合は続行だァーーーッ!!!! 」

ルドゥラ「………ッ!(刀を鷲掴みにされ動きが止まる。そしてそれを振り払うように後方へと飛び、間合いを空ける) 」

モララー「 ゾ ク ゥ ッ (……い、いま…俺は慄いた。AAにいた頃に感じた感覚だ。俺はこの感覚を知っている…ッ…)………まさか……(ランドルフ?を見て表情が歪む) 」

ランドルフ?「―――― フ ワ … ッ … ! (その時だ。屍となったはずのウサギが幽霊の如く予備動作もなく起き上がる) ………ググッ… ! !(握り拳をつくるとそこに波動を纏った。その気は、明らかに先程のランドルフとは異なっていた) 」

アロアロス「おぉ、おい…!嘘だろ…!?あんなにズタボロにされて、まだ立てれるのかよ…あのウサギ…! 」

ルドゥラ「……Scum.(先ほどとは違う雰囲気を感じ取ったのか、露骨に嫌そうに戦意を見せる)……先ほどまでとは違うらしいな。まぁいい。 」


BGM♪



ランドルフ?→ランドルフ(3月ウサギ)「…我は『 3月ウサギ 』。力の求道者。汝に我が力を見せよう。来るがよい、青き人間人。そして、大地と共にその身を震わせ…我が"力"に屈せよ!(ズギャアアアアァァァァアアアアアンッ ! ! ! ! ! !)(迸る覇気だけでステージに巨大な陥没を生み出し、それによって生じた衝撃波がルドゥラを吹き飛ばす) 」

ウララー「なんで『アイツ』がここにいるんだあああああぁぁぁああああああ!?!?!?!?!?(衝撃波に吹き飛ばされそうになる) 」

ウラー「まぁたすごい奴が大会に潜んでいたウラね…(苦笑しながら衝撃波に耐えている) 」

エー「やー、驚いたどころじゃありませんね。あのナナシア様ですら警戒していた方ですからね。っとと、エゴさん、もうちょっとしっかり。 」

エゴ猫「なぁぁぁぁぁぁああああぜ怪我人の俺様がこんなめにいいいいぃぃぃぃぃ~~~~~!?!?!?!?!?(エーに無理矢理盾にされて迫る衝撃波を全身で受け止めている) 」

ルドゥラ「(衝撃波が放たれた瞬間、抜き際の一刀。衝撃波を真っ二つに割るや否や即座に納刀)……この力は…。 」

ランドルフ(3月ウサギ)「 ド ォ ゥ ン ッ ! ! ! (跳躍の踏み込みだけで空間そのものが埋め込まれる様に拉げ、凄まじい速度でルドゥラの目と鼻の先に迫る) 我の拳は神の息吹―――“バニシングストライク”。(メゴォッッッ ! ! ! ! ! )(覇気を纏った拳でルドゥラを殴り飛ばす。もはや刀剣もクソもない武術だが、その純粋な破壊力は受けた者が感じ取れる) 」

プリム「復活したと思えば急に雰囲気変わったなあのウサギ!?(仰天) 」

ルドゥラ「―――ドゴォオオ!(拳の威力で、後方まで飛ぶが、ガリガリと地を削りながらも踏みとどまる)―――ザグッ!!(突如刀を地面に差し込み、自らも素手のままランドルフに歩いていく) 」

ランドルフ(3月ウサギ)「我と拳で語り合う…それもまた"力"の証を分かち合う術なり!!!(激しい覇気を纏ったウサギがルドゥラへと駆け出す) 」

ルドゥラ「…………。(―――だが、対象的にルドゥラの表情は)――――。(冷めきっていた。まるで先ほどの一撃が逆に冷静さを取り戻させたように。相手の激しい覇気を"動"とするなら今のルドゥラは"静"。はじめと同じようにゆったりと歩いてくる) 」

ランドルフ(3月ウサギ)「Confutatis maledictis、Flammis acribus addicts:Voca me cum benedictis―――――“ルナメガロポリス”。(接近の最中、手中で練り上げた覇気で鎌を生成し、ルドゥラの首を刎ねる勢いで薙ぎ払う) 」

ルドゥラ「(どこまでも暗い二つの瞳、幾千の力を求め、血の道を歩いた末にたどり着いた境地。覇気の鎌を見るも動じることはなく)……ッ!!(覇気に勝るとも劣らぬ高密度の魔力をまとい)ズガァッ!!!!!!(怒りに任せた沈黙の拳は立ちはだかるものを蹴散らすばかり、とそう告げるように刃とぶつかり合わせる) 」


―――― ド グ ゥ オ オ オ オ ォ ォ ォ ン ッ ! ! ! ! ! ――――(互いの激突が、闘技場一帯の空間に迸った)


ランドルフ(3月ウサギ)「 バッ (後退跳躍する)我の力を見る者よ、汝の生んだ我の"力"!そしてそれが生み出す"恐怖"!我はまた高みへと近づけた。感謝するぞ、我に"力"と"恐怖"を見る者よ。さぁ、次は我が汝の力を見る時――――(「かかってこい」と手で合図する) 」

ルドゥラ「……(ランドルフの挑発。だが、一向にこの冷え切るほどのオーラは消えない。)………フゥ(次の瞬間、ルドゥラはランドルフの後方へと)………カチン(手にはいつの間にか突き刺したはずの刀が握られ、丁度納刀をしたところだった) 」

ランドルフ(3月ウサギ)「ほぅ、敵の背後に回るは戦の極み。至極真っ当、善き判断―――――(振り返ることなく背後のルドゥラに悠然と語りかけ) 」

卓馬「何らかの覚醒はしているだろうな(プリムの横で)復活もその力によるものだろう。 」

ランドルフ(3月ウサギ)「(腹部から零れ落ちる鮮血に目もくれず、不敵な笑みを浮かべる)――――心地良いぞ、振動が、衝動が、鼓動が、脈動が、激動が…ッ…!!!!( グ ッ )(ルドゥラに対し、拳を構える) 」


ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ … ッ … ! ! ! ! ! (3月ウサギの覇気により、大地が鳴動す―――――)

ルドゥラ「……そろそろ失せろ、気の迷いから生まれた道化兎め。(魔力の混流が薄れ、穏やかになり、やがては消える)……サーカスは終わりだ。(それを告げると彼とは別の方向へ歩き出そうとする) 」

ランドルフ(3月ウサギ)「影を纏いし我の拳は神の怒号!! "心身の潤い"を荒れさせ、轟 音 の ご と く 吹 き 飛 ば す !!美しき…ッ―――――滅びの母の力をッッッ!!!!!!(“神の怒号”――――凄まじき拳の鉄槌が、ルドゥラに迫るッッッ!!!!!!) 」


次の瞬間、摩訶不思議な現象が起こる。ランドルフの拳は真っ直ぐ標的を捉え、今まさに直撃せんとしたその直後、ルドゥラは刀を抜いた。だが、抜いた方向は彼ではなく何もない虚空。ほんの一瞬のことではあったが剣の達人たちにとっては一瞬の不可解である。


ランドルフ(3月ウサギ)「―――――――― 」


そして、なんとランドルフの拳の先が別の方向の軌道へとゆがめられ、完全なる空振りとなる。


ランドルフ(3月ウサギ)「―――――――! 」

ルドゥラ「……(この不可解な現象を起こした本人は最初と同じまるで表情を変えず。)………ザッ、ザッ(そのままの方向へ歩いている) 」

ランドルフ(3月ウサギ)「奇なる力よの――――(再び殴りかかろうとした、その時だった…) 」

ルドゥラ「(突如立ち止まり)…-――グサァア!!(鞘の鏢部分をランドルフの口内へ突っ込み、あろうことか貫通させる)…… ……失せろ、三度は言わん。(振り向きはしなかった、ただ、無表情のその顔にはどこか邪悪なものが宿っていた) 」

ランドルフ(3月ウサギ)「……クヒ…ヒヒヒ…なるほど…これが混沌なる因果…我は満足也―――――ドサァ…ッ… ! (ランドルフの中に潜む覇気が消失した時、事切れたようにウサギは再び地に伏した) 」


―――――― そ し て 3 月 が 終 わ る ――――――


キリギリス「今度こそ決まったぞぉッ!!!!勝者はルドゥラだァーッ!! 」



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最終更新:2019年05月12日 23:50