投稿されたSSのまとめです。




【ごみ】

女「……」
ドン!
男「おっと!なんだ?どうした?」
女「む?いやな、目の中にごみがいるんだ」
男「……はぁ」
女「それをな、追いかけている」
男「……」
女「むむむ……近づけんな……むむむむ……」
男「ほんとに居るんだな……わ!こら!そっち道路!!」


【ダディクール】

女「…」
男「おいその顔やめろ。めっちゃムカつく」

女「…」

こんな感じか?よくわかりません><
女「なあ、男。いい話があるんだが」
男「何だ?女」
女「これの会員にならないか?会員になって一人誘えば4万円、三人誘えば20万円貰えるそ゛。入会するにはこの10万円のマイナスイオン発生機を…」
男「典型的なマルチ商法じゃないか!それ、一種の詐欺だぞ!」
女「そ、そうなのか?」
男「ああ。(ホント駄目だなー)20日間以内ならクーリングオフできるぜ」
女「良い考えが浮かんだと思ったんだが、他の誰かが実行していたか…クッ、先を越された」
男「今考えついたのかよ」


【火事】

女「おい」
男「なんだ?」
女「見ろ、家が燃えている」
男「!!どんだけ冷静なんだお前!!!」

女「うわ、すごいな」
男「あーあ……これは全焼かな?」
女「中に人は居ないだろうな……」
男「そう願うしかないな……あ、また消防車だ」
女「何か私にできることはないだろうか?」
男「んー……こういうときは素人はなにもしないほうがいいな」
女「…」
男「…」

男「……バケツの水をかぶろうとすんな……じっとしてろ……」
女「む?」

男「よー、メシでも行かないか?」
女「すまない、今は金欠でな」
男「どうした?またMMOでリアルマネーつぎ込んだか?」
女「違うんだ。実は今一人暮らししている弟から電話があってな
  どうやらバイク事故を起こしたらしく、慰謝料が必要になったから助けてくれ、とな」
男「・・・」
女「まあ、大きな事故ではなかったらしいから、私の全貯金で済めば安い話だ。
  ・・・しかし、弟はあんな声だったか・・・。ふふ、あいつもようやく声変わりか」
男「・・・・・・」
女「どうした?私が意外と弟思いで関心でもしたか?ふふ」



昨夜からドカドカと降り積もった未曾有の大雪は、町を白く染め上げていた
各所で果敢に除雪作業が行われてはいるが、交通機関はすべからく麻痺しており
俺は、合格発表が行われる高校までの道のりを延々と歩いていた

男(男友も女友も薄情だよな…。ちょっと寝坊したくらいで置いてくとかねーよ。常識的に考えて…。)

ザクザクと雪を踏みしめる音のみが辺りに響き、町ってこんなにも静かだったんだろうかと感傷に浸っていた刹那だった

女「ぎゅぅ!」
男「おわ!なんか踏んだっ! ちょ、人? 女の子っ!?」

白いコートが雪道に混じってはいたが、よくよく見れば少女が道のど真ん中に倒れていた

男「おい!しっかりしろ!もしもーし!生きてますかー! 返事がない。ただの………寝てるだけか?」

少女はすぅすぅと寝息を立てていた

いつ車が通るかわからない道路に放置しておく訳にもいかず、少女をおんぶした俺は、高校へと再び歩を進めていた

男(とりあえず、どこかで休ませた方がいいな…。高校までの間に、休める場所でもありゃいいんだが…)

(女友「ほんと、男って、お人好しのお節介くんだよねー。」)
(男友「いや~、ほんと頼れるわ男くん!もう、お婿にもらって~!うひゃひゃひゃひゃ。」)

旧友二人が今の自分の姿を見たら、きっとこう言うに違いない。お人好しなのは性分なんだ。放っとけないだろなどと、二人への言い訳が頭を巡る

女「んん…。」
男「おっ! 起きたか。」
女「すまない。…どうやら眠っていたようだ。」
男「………で?」
女「どうした?」
男「いや、普通こういう場合、ここはどこかとか、お前誰だとか聞くだろ。見ず知らずの男におんぶされてる訳だし。」
女「ならば、問題はないな。この道沿いをまっすぐ行けば○○高校に辿り着く。私の目的地だ。それに、見ず知らずの人間を助けてくれる君を信頼できる人物と私は践んだ。」
男「はいはい、さいですか…。それで、そろそろ自分で歩こうとか思わないのか?」
女「君の背中の居心地が良くてな。自分で歩く気力がなくなった。」

いい加減にしろと文句を言おうと振り返った矢先、少女と目が合ってしまった
安堵の表情を浮かべる少女の笑顔にどきりとし、思わず顔を逸らしてしまう
もうこうなると、男の負けは明白で、男は耳元まで赤くなった顔を隠すように下を向き、雪道をただただ歩き続けていた

男「時に、なんであんな所で寝ていたのか聞いていいか…? 体調でも悪かったとかか?」
女「いや、そうじゃない。受験勉強が終わり、溜まっていた漫画を読破した後、深夜アニメを見てだな。
その後、さらに溜まっていたゲームをしていたら、朝になっていた。朝食も取らず、合格発表を見に行こうとしていただけだ。」
男「…………ダメ人間だな。そりゃ、ぶっ倒れても仕方ないっつーかだ! 生活習慣とか、そういうものをだなぁ……。」
女「君がいてくれて本当に良かった。ありがとう。」
男「…………くそっ」

他愛もないお喋りしつつ、気が付けば俺は、合格発表が行われている高校へと到着していた

女友「おーい!男! 遅ーい!」
男友「ありゃ、どったの後の女の子。あ、まさかその子とどこかでしけ込んでたとか?」
女友「またまた。男にそんな甲斐性有る訳ないじゃない。」
男友「うははは。そりゃそーだ。」
男「うるせぇ! それより、お前らどうだったんだ?」
男友&女友「ばっちりVー!」
男友「お前も早く見てこいよ!終わったら、祝勝会やるんだからさぁ。ほら、早く早く。俺凍死しちゃう!」
女「まったくだ。ほら、早く行きたまえ。」
男「お前がいうな!」

発表から随分と時間が経っていたせいか掲示板の周囲の人影は疎らで、難なく掲示板の中央に陣取る事ができた
もし、落ちていたらどうしようと逡巡しつつも、必死になって目的の数字を探していると……

男「あった!うわ、やったよ俺!やるじゃん俺!」
女「ふふ。君もか。どうやらこれで、君と私は同じ学校というわけだ。」
男「お!本当かよ!そっか、受かってたか。おめでとな!」
女「ありがとう。3年間よろしくお願いしたいものだな。」
男「……だからといって、もうおんぶとかは、勘弁してくれよな?な?」
女「それは困る。私としては、それも含めてお願いしたいものなのだが。」
男「おいおい…冗談きついぜ…。」
男友「こらこらそこ!なにいちゃついてんの~!お兄さん拗ねちゃうよ~?」
女友「写真撮ろうよ~!」
男「今行くからちょっと待てっての! ほら、お前も行こうぜ!」
女「わかった。ほら、早く歩きたまえ。」
男「………いい加減降りろ!…ったく……。仕方ねぇなぁ…もう!」

 

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最終更新:2007年03月04日 21:35