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題 | ウインガルト公国の没落・第一章 |
作者 | -- Lunatic Invader -- ゴア |
取得元 | タイトル記録ミス,http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1060/10603/1060398502 |
取得日 | 2005年09月27日 |
タグ | Author:ゴア mc ファンタジー 洗脳 |
概要&あらすじ | ウインガルト公国の第二公女アニスは、アベル大王の放つ「支配者のオーラ」の前に跪きます。その1/4 |
ページ | 第一章-1-2-3-4/第二章-1-2-3-4-5/第三章-1-2-3-4-5-6-7-8-9 |
<ウインガルト公国の没落>
プロローグ
あたしの名はアニス・ウインガルト。ウインガルト公国の第二公女だった。
母は妹を生んですぐ亡くなってしまったけれど、父、ウインガルト公王は後妻も妾もとろうとしなかった。その父もあたしが11才のときに亡くなった。
それからは4才年上の姉アリスがウインガルト公国を治めてきた。あたしと2才下の妹ヨークも幼いながらも力をあわせてそれを補佐した。もちろん、成人していない姉には宰相がついたし、様々な人達の助けもあった。
いろいろと辛いこともあったけれど、あたし達は幸せに暮らしてきた。
あの日までは、公女として、しあわせに、暮らしていた。
そして、今は・・・
今は、性奴隷として、もっともっと幸せに暮らしている。
全てが変わったあの日、あたしは16才だった。
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(1)
その日は、姉アリスが成人し、晴れてウインガルト公王として即位する日だった。
同時に、衛士長のアルとの婚約を発表するという、それは素晴らしい1日になるはずだった。
その日、あたしは朝から緊張していた。何としても今日の式典を無事に成功させ、宰相である副司祭のプラールに難癖を付けさせないようにしなければならなかった。
式典は今日でなければならないと言ったのはプラール自身だった。それなのに、プラールは隣国の使者が結局間に合わなくなったことで、この式典の成立に疑問があるなどと言い出している。3日前に突然神官長兼司祭のマリア様が倒れてしまったこともプラールを喜ばせた。結局マリア様ご自身が病床からこの式典の成立を保証してくださったから良いようなものの、そうでなければ半年もかけた準備が全て無駄になるところだったのだ。
いまもどんな不手際も見逃すまいとしているプラールの他に、昨日マリア様をお見舞いした時に言っていたこともあたしを不安にさせていた。
マリア様が倒れたのは病気のせいではなく、近くで何か邪悪で強大なものが封印から解き放たれた為だというのだ。
政治的な形式だけの神官であるプラールと違って、女神ファーファルと契約を交わした「本物の」神官であり、強力な神聖魔法の使い手でもあるアリス様の言葉だけに、笑って済ますわけにはいかない。
とはいえ、あたしには突然すぎてにわかには信じられなかった。
「そんなことってあるんですか?」
あたしの問いに、姉アリスよりも1最年長の、美貌の女神官は笑って首を振った。
「さあ・・・気のせいかもしれません」
そして、この事を姉や他の人にいうのは式典の後にした方が良いとも言った。
そのために、他の人間ではなくあたしに話したのだとも。
もちろん、あたしはそのつもりだった。
式典の開始まであと1時間ほどに迫った頃も、あたしは城内を点検のために走りまわっていた。何一つ落ち度が無いことを自分の目で確認するためだったが、調理場の近くに来たところで、アルの部下で小隊長の一人に捕まってしまった。
「アニス姫!後は我々に任せてお戻りください!
せっかくのご衣装を汚してしまいます!」
あたしは式典用の衣装を来たままでうろついていたのだった。でも、と言いかけるあたしを小隊長は目で制した。
諦めたあたしが戻ろうとしたとき、裏庭のほうで、何やら騒がしい声があがった。
「あれは何?」
裏庭へ出ようとするあたしを小隊長は押し留め、自分が様子を見てくるから、どうか戻って欲しいと言った。
「我々が処理しますから、ご安心ください」
小隊長がそう言っても、あたしはその場を動かなかった。
「何が起こったのか聞いてから戻ります」
あたしの言葉に、小隊長はしかたないという表情で敬礼すると、裏庭へ走りだした。
裏庭から、何か叫んでいる声が聞こえる。騒いでいるのは庭師見習いのセノらしい。あたしと同い年で、時々遠くからあたしをいやらしい目つきで見つめている、嫌な奴だ。特に何をする、という訳でもないので、首にしたいと言い出す訳にも行かなかった。
しばらく待ったが、小隊長が戻ってくる様子がなかった。裏庭の騒ぎも治まらない。
不安になったあたしは、何が起こっているのか確かめるために、裏庭へと向かった。
(2)
裏庭へと向かう途中で、騒ぐ声はぱったりと途絶えた。
そのことにかえって不安を増したあたしは、裏庭への出口へと急いだ。
出口の手前まで来たときに、入って来た小隊長と出くわした。
「どうしたの、何があったの?」
尋ねたあたしは、小隊長の表情にぎょっとした。小隊長は異常に興奮していた。
「おお!アニス姫、丁度よかった。今呼びに行くところだった」
小隊長はぞんざいな言葉遣いでそう言うと、あたしの手を掴んで引きずるように裏庭へと引いていった。
「ちょっと、一寸なによ!どうしたっていうの?」
あたしは恐くなって叫んだ。小隊長は、ぞっとするほどぎらぎらする瞳であたしを振り返ると、こう叫んだ。
「ウインガルト公国の、真の支配者が現れた!」
あたしには小隊長の言っていることが理解出来なかった。
あたしがその言葉の意味を考える前に、小隊長はあたしを裏庭に引きずり出した。
裏庭には、見たことも無い一組の男女が立っていた。
数人の兵士と、城の使用人達が、その前にぬかずいていた。その中にはセノもいた。
2人の男女は、どちらもはっとするほどの美しさと、威厳を持っていた。
男の方は大男といってよい長身で、短くまとめた黒い髪と、異国風の、彫りの深い顔立ちをしていた。漆黒のマントに身を包んで、傲然と立っていた。
何よりも、神々しいとさえいえる程の、威厳のオーラを身にまとっていた。
女性の方は男にかしずくように、半歩後ろに立っていた。燃えるような赤い髪で、体にぴったりした真紅の衣装を身に着けていた。妖艶という言葉がこれ以上似合う人はいないのではないかと思われるほどの、色香を身にまとっていた。
「見ろ!この御方がウインガルト公国の、いや世界の真の支配者だ!」小隊長はそう叫ぶとあたしを突き飛ばした。あたしは放り出され、ばったりと庭に倒れ伏した。
式典のための衣装が泥に汚れた。
だが、あたしにはそんなことを気にしている余裕はなかった。よろよろと手をついて身を起こしたまま、あたしは背の高い男の視線に囚われ、身動き出来ずにいた。
(ウインガルト公国の、世界の真の支配者・・・)
隊長の言葉が頭の中をぐるぐると回る。
目の前の男からは、真に小隊長の言葉通りの、支配者としての威厳が放射されていた。あたしの、小公国の第二公女としてのプライドなど、その圧倒的なオーラの前には紙細工ほどの価値もなかった。
気が付くと、あたしはその場に土下座していた。
式典用の、きらびやかな衣装が泥にまみれるのもかまわずにその場に平伏し、額を地面に擦り付けて、全身で恭順の意志を現わしていた。
(3)
「お前、名は何という」
漆黒のマントをまとった男の方・・・支配者様が、あたしに声をかけた。
「はい。アニス・ウインガルト第二公女でございます」
あたしは意識せずに、最大限の敬語を使っていた。
「公女か・・・この国は良さそうだ
私が支配することにする」
支配者様は、こともなげにそう言った。
「はい。光栄でございます」
あたしは額を地面に擦りつけたまま、そう答えていた。
あたしの心の中のどこかに、この異常な状況を警告する声は、確かにあった。
突然城の裏庭に現れた、どこの馬の骨とも知れぬ男が、兵士や使用人をかしずかせ、この国の支配者を自称する。
その国の第二公女であるあたしが、支配者を名乗る男の前に土下座までして恭順し、その支配を認めるばかりか、ありがたがっている。
だが、この時のあたしは、自然にそれを当然の事として受け入れていた。
この御方の放つ「支配者のオーラ」は、それ程強力だった。
「アニスといったな。私はアベルだ。アベル大王様と呼ぶがよい」
「はい、アベル大王様」
支配者様のお名前は、アベル大王様といった。
その時のあたしは、千年も前に封印された、邪悪な不死の大魔法使い「暗黒のアベル」のことなど知らなかったし、後になって知ったときも、どうでもよいことだった。
あたしは、偉大な支配者様のお名前を、頭の中で繰り返していた。
アベル大王様。この国の、世界の真の支配者。
「アニス、立て」
「はい、アベル大王様」
アベル大王様のご命令で、あたしは立った。
「ここに来い」
「はい、アベル大王様」
大王様はご自分の足元を示された。あたしは喜んでご命令に従った。
大王様の前に平伏していた兵士達が、あたしのために道をあけた。
大王様の数歩手前で、あたしは跪いた。アベル大王様から放射されるオーラに圧倒されてしまい、立っていられなくなったのだ。
アベル大王様の示された足元まで、あたしは四つんばいになって這い進んだ。
そうしながら大王様にさらなる恭順を、忠誠の誓いを示すためにはどうしたらいいか、それだけを考えていた。
サンダルを履いた大王様の足元にたどり着いたときに、それは自然な欲求となって現れた。あたしは、アベル大王様の足先に顔をよせ、
ちゅうっ
と大きな音を立てて口づけしていた。
このときでさえ、あたしは、魂までアベル大王様に支配されていた。
小なりとはいえ公国の第二公女が、出自も知れぬ男の前に四つんばいで這いより、その足先に口づけて忠誠を誓ったのだ。
だが、その後に起こったことは、それ以上の決定的な変化をあたしにもたらした。
「アニス、跪いて顔をあげろ」
「はい、アベル大王様」
ご命令に従って身を起こし、顔をあげたあたしの頭に、アベル大王様は手をかざし、呪文を唱えるとあたしのこめかみを掴んだ。
起こったことは、それだけだった。そして、それで全てが終わった。
その瞬間、あたしは死んだ。そして、同時に生まれ変わっていた。