竜王計画ジェノサイダー ◆fRBHCfnGJI
「…………殺し合いだと?」
突如として、殺し合いへと招かれてしまった青年ジャガンは一人呟き、
怒りに身を任せて、地面にデイパックを叩きつけた。
突如として、殺し合いへと招かれてしまった青年ジャガンは一人呟き、
怒りに身を任せて、地面にデイパックを叩きつけた。
「ふざけやがって……あと少し…………あと少しだったんだぞ!」
彼の目の中には怒りを通り越し、哀しみすら見受けられるようであった。
彼の目の中には怒りを通り越し、哀しみすら見受けられるようであった。
「あと少しで!竜王との決着がついていたんだ!」
溢れ出る感情が抑えきれず、とうとう涙が流れ始める。
溢れ出る感情が抑えきれず、とうとう涙が流れ始める。
「どうすれば……どうすればいいんだ!」
涙をポロポロと零しながら叫び続ける、
それは対峙し退治すべき存在たる竜王に支配されてしまうアレフガルドの地への謝罪なのだろうか。
涙をポロポロと零しながら叫び続ける、
それは対峙し退治すべき存在たる竜王に支配されてしまうアレフガルドの地への謝罪なのだろうか。
「あと少しで竜王と交渉して!世界の半分を手に入れて!毎日楽して過ごす生活が送れたんだぞ!ふざけやがって!」
いや、違う。
彼は自らの野望が叶わない事への失望の余り、キラーリカントのように濁りきった瞳から涙をポロポロと零しながら、
感情を剥き出しの心臓の様に顕にしたのだ。
彼は自らの野望が叶わない事への失望の余り、キラーリカントのように濁りきった瞳から涙をポロポロと零しながら、
感情を剥き出しの心臓の様に顕にしたのだ。
「…………」
彼にとっては、永劫にも感じられただろうが、
実際の所、数分程度で彼の目から溢れ落ちる涙は枯れた。
彼にとっては、永劫にも感じられただろうが、
実際の所、数分程度で彼の目から溢れ落ちる涙は枯れた。
「………………」
デイパックを拾い、現実を体全体で確かめるかのようにゆっくりと立ち上がる。
デイパックを拾い、現実を体全体で確かめるかのようにゆっくりと立ち上がる。
「ハハハハハハ」
そして彼は笑う、ドロルの様に醜悪でキメラのように狡猾な笑みで顔全体を覆っていく。
そして彼は笑う、ドロルの様に醜悪でキメラのように狡猾な笑みで顔全体を覆っていく。
「わかった……わかったよ。
そっちが殺し合えって言うんだったらさぁ、俺この殺し合いぶっ壊すわ。
だって、そうだろぉ?なぁ?
人間はさぁ、『不要な存在』なんだろぉ?
どうせさぁ?俺の世界なんてくれないんだろぉ?
どうせ生き残ったところで、ぱふぱふのぱの字も出ないんだろぉ?
だったら、勝ち残る意味とか、全然無いよなぁ!」
まるで、芝居のように此処には居ないノアへと語りかけて行くジャガン。
そっちが殺し合えって言うんだったらさぁ、俺この殺し合いぶっ壊すわ。
だって、そうだろぉ?なぁ?
人間はさぁ、『不要な存在』なんだろぉ?
どうせさぁ?俺の世界なんてくれないんだろぉ?
どうせ生き残ったところで、ぱふぱふのぱの字も出ないんだろぉ?
だったら、勝ち残る意味とか、全然無いよなぁ!」
まるで、芝居のように此処には居ないノアへと語りかけて行くジャガン。
その彼の胸の奥でグツグツと煮えたぎる物があった。
「だいたいよぉ、何なんだよ俺の人生は?
無能な王に糞の役にも立たない端金渡され、たったそれだけで竜王の討伐を命じられてよぉ、
今度は殺し合いだぁ?ふざけやがって!
俺は奴隷じゃねぇんだよ!俺は勇者なんだよ!
俺は絶対的支配階級に君臨すべき存在なんだよ!
ナメやがってよぉ……ナメやがってよぉ……!」
無能な王に糞の役にも立たない端金渡され、たったそれだけで竜王の討伐を命じられてよぉ、
今度は殺し合いだぁ?ふざけやがって!
俺は奴隷じゃねぇんだよ!俺は勇者なんだよ!
俺は絶対的支配階級に君臨すべき存在なんだよ!
ナメやがってよぉ……ナメやがってよぉ……!」
毒の沼地の毒を抽出して掬い上げ、
何匹もの魔物の死体を投げ込みドロドロに混ぜ合わせ溶かした汚物の様な感情。
何匹もの魔物の死体を投げ込みドロドロに混ぜ合わせ溶かした汚物の様な感情。
「…………でもよぉノア、ほんの少しだけ、スライムのゴールド程度にお前に感謝しておきたい部分もあるんだぜぇ。聞いてくれるか?
ノアよぉ……お前の武器持てたら……俺さぁ!世界の半分どころか全部支配出来そうだよなぁ!
そこだけは……そこだけは……感謝させてもらうとするぜぇ!何て言えばいいんだろうなぁ!
ゴールドマンがメタルスライムを背負って来るって奴か!ハハハハハハハハハハハハハハ!」
ノアよぉ……お前の武器持てたら……俺さぁ!世界の半分どころか全部支配出来そうだよなぁ!
そこだけは……そこだけは……感謝させてもらうとするぜぇ!何て言えばいいんだろうなぁ!
ゴールドマンがメタルスライムを背負って来るって奴か!ハハハハハハハハハハハハハハ!」
その名は憎しみ。
ラルス16世の粗末な支給と、それに見合わない命令。
そこを始点として始まり、徐々に徐々に徐々に徐々に注がれた毒沼の様な憎しみが、
勇者の心の容器から今まさに、溢れ出ようとしていた。
ラルス16世の粗末な支給と、それに見合わない命令。
そこを始点として始まり、徐々に徐々に徐々に徐々に注がれた毒沼の様な憎しみが、
勇者の心の容器から今まさに、溢れ出ようとしていた。
「首洗って待ってろ!ノア!今!お前を殺しにいってやるよ!
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
殺し合いの舞台に響き渡る嘲笑。
今まさに、勇者だった男の戦いが始まろうとしていた。
今まさに、勇者だった男の戦いが始まろうとしていた。
【一日目・日中/C-2 森】
【ジャガン(主人公)@ドラゴンクエスト1】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:如何なる手段を持ってしてもノアを殺し、世界を支配する。
【ジャガン(主人公)@ドラゴンクエスト1】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:如何なる手段を持ってしてもノアを殺し、世界を支配する。
【残り人数27人+α】
008:竜王計画ジェノサイダー | 投下順 | 010:はじめにきめるだいじなこと |
008:竜王計画ジェノサイダー | 時系列順 | 010:はじめにきめるだいじなこと |
初登場! | ジャガン | 018:安全牌を見極めろ/そもそもそんなものが存在する確率は? |