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クロス第20話

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datui

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「しかしまあ、本当に誰とも会わないなあ……」

南夏奈は、市街地をゆっくりと歩きながら呟いた。

「べ、別に寂しいとか不安とか、そういうんじゃないんだからな! むしろここまで危険なやつに会わなかったのは、喜ばしいことなんだ、うん!」

誰も聞いていないというのに言い訳じみたことを口にすると、夏奈はさらに歩き続ける。
そうこうしていると、彼女の耳にスピーカーを通した声が飛び込んできた。
それは、南光太郎が役場から流した放送であった。

「おいおい、無茶するなあ我がいとこ。だが、それがいい」

光太郎の放送を聞き終えた夏奈は、口元をニヤリとゆがませる。

「こんな放送ができるってことは、それなりに設備が整った場所にいるってことだよな。
 となればあいつは市街地……この近くにいる可能性が高い! よし、さっさと見つけ出して合流だ!」

地図を改めて確認すると、夏奈はさっそく走り出そうとする。ところが次の瞬間、彼女の後頭部を強い衝撃が襲った。

(え……?)

何が起こったのかわからぬまま、夏奈は地面に倒れ込む。

「大声で騒ぐ。他人がここまで近づいているというのに気づかない。
 やはり貴様は相当なバカだな、南夏奈」

伏せる夏奈の頭上から、罵倒の声が響く。

「その声……アホのシンヤかよ……」
「貴様ごときが僕をアホ呼ばわりするな。不愉快だ」
「はっ、こんなくだらないプログラムに素直に従ってる時点で……十分アホだよ」
「うるさいんだよ……。クズの分際で!」

こめかみに青筋を浮かべながら、シンヤは夏奈の脳天目がけバットを振り下ろす。
ギャバンを殺した時のように、何度も執拗に。
数分後シンヤがその手を止めた時には、夏奈の頭部は見る影もなく破壊されていた。

「はあ……はあ……」

地べたに腰を下ろしながら、シンヤは息を整える。
体力は、それほど消耗したわけではない。息が乱れているのは、むしろ心の高ぶりが主な原因だ。

(なんでだ……。僕はもう二人も殺した。それが僕の優秀さを証明しているはずだ。
 なのに……なぜこうも苛立つんだ!!)

座ったばかりだというのに、シンヤはすぐさま立ち上がる。そして夏奈の荷物を乱暴に回収すると、脇目もふらず走り出した。

(さっきの放送はおそらく、島の中心部からだろう。プログラムに消極的な連中は、仲間を求めてそこに集まるはず。
 それを見つけ出して、一網打尽にしてやる。そうすれば、この気分も晴れるはずだ。
 このプログラムを勝ち残るのは……僕なんだよ!!)

目に狂気の光をたたえ、シンヤは走り続ける。

【33番 南夏奈 死亡】
残り24人

【1番 相羽シンヤ】
【学年】高3
【状態】右頬負傷
【所持品】金属バット、鉄パイプ、夏奈の支給品
【能力】知力:C 体力:S ブラコン:A



【33番 南夏奈】

Former

初登場!

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死亡



【1番 相羽シンヤ】

Former

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