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書き手ロワ第八話

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匿名ユーザー

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「……何てことだ」

風が、髪をそよと揺らす。
日差しが、素肌に心地良い。
「……なんてことだ」
呟くしかない。


全裸である。
登場した瞬間から全裸である。


ロワに放り込まれた途端に水に落ち、やむなく着替えた結果こうなったとか、そんな生易しいものではない。
私は登場させられた瞬間から全裸だったのだ。
パンツの一枚すら与えられなかった。マントの一枚すら支給されなかった。
せめてもの幸いはロリっ娘の姿であったことだ。こんな状況でも、視線を下に向ければちょっと幸せになれる。
ついでに『ランドセル』から出てきた支給品は、案の定――おぞましき拡声器と、瓶に入った媚薬500粒。
いくら因果応報とはいえ、あんまりだ――――。

私は橋をとぼとぼと歩く。全裸で。

拡声器を構える。全裸で。

「だって拡声器支給されちゃったからね……やっぱやらなきゃダメでしょコレ……」
拡声器を渡されたのなら、「使って」、「マーダーをおびき寄せて」、「死ぬ」のが
そのキャラの役割であり、様式美というものだ。

橋の真ん中まで来た所で、拡声器を掲げる。全裸で。
足を真八文字に開き、胸を反らして深呼吸。全裸で。
拡声器のスイッチをON。全裸で。

溜めた息を肺から押し出し、いざ放送を開始しようとして――――私は、はたと気づいた。
(……何を言おうかね)
フラグのことで頭がいっぱいで、肝心の何を言うか考えていなかったのだ。
即興で立派な演説を打つ知恵もなく、しかたなく絞り出した第一声は――――



「…………あー……あー、ただいま、マイクのテスト中……」




【開始数十分後/C-3/川の上に架かる橋の上】

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:拡声器使用中、全裸ロリ
[武装]:拡声器
[所持品]:魔女の媚薬500粒、支給品一式
[思考]:何言おう……
1・拡声器フラグを完遂する
[備考]:素っ裸で橋の上から放送をかけようとしています。
[備考]:拡声器の音は周囲9マス以内にいれば聞こえるかもしれません。

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