闘争




7,62mmNATO弾の特徴的な甲高い銃声が滅びた警察署の一室で鳴り響き
それに合いの手を入れるように時折9mm口径拳銃の軽い発砲音も響き渡る

「……一通り掃討出来た様だ…」

(東側オフィス)というこの部屋に入ってから襲い掛かってきたヒトもどきの群れを
あらかた射殺、もしくは撲殺して少年と自衛隊員はこの部屋で一息つく事にした。

それから数分後、

「取り敢えず…協力を感謝する…と言いたい所だが、現在の状況では君の安全を保障できない。」
「え…つまりどういうことなんです?」
「私もこの状況が全く把握出来ていない、つまり君がどこに行こうが勝手だがここが日本だかどうかの判別もつかないと言いたい」

正直、こういう返事をある程度予感していたが、聞いてみるとかなりショックに感じる。
須田少年はそう思った。この自衛官も現在の訳のわからない状況に巻き込まれた一人
という事になる。



それにたしかにこの自衛官が言うとおりこの警察署もよく見ると
日本の物ではない、と確認できる。第一こんな所にこんな物が落ちている
訳がないのだ。そう須田恭也は思いながら大きなグレネードランチャーの
の銃身を眺める。その時、

ガチャッガサガサガサ…

驚いて物音の聞こえる方向を見ると自衛官がこの部屋のデスクやロッカー
を漁っている音だった。
唖然としてその様子を見ていると自衛官は手伝えと言う様に
こちらに首をしゃくる、
須田自身も他にする事がない事と、興味本位で自衛隊員の傍に
行き使えそうな物が無いか探すことにした。しかし警察署、それも外国の警察署
で泥棒の真似事をすることになるとは夢にも思わなかったなと軽く苦笑しながら。

手始めに冷蔵庫に何か無いか探すことにした、中にはドーナツがひとつ
入っていただけだった。

そのドーナッツをかじりながら今度は右側のデスクの引き出しを漁る。
一つ目の引き出しには書類の束が入っていただけで
二つ目と三つ目の引き出しも似たようなものだ。
四つ目の引き出しを開けると先ほど拾ったような拳銃の弾の入った
箱が2つ見つかった。






それから部屋の中を20分ほど二人は物色して結構いろいろな
物が見つかった。
三沢は先程射殺した警官のヒトもどきのホルスターから自分用に
自動拳銃を一丁と予備弾倉を拝借した。

須田も拳銃用の弾薬を幾つか見つけたが取り合えず持っている
拳銃に合う口径の弾薬だけを持っていき後はデスクの上に置いていく
ことにした。

「取り合えず君を保護しながらこの建物の探索を続行する。後ろからついてくるんだ。」
「わかりました…」

自衛官は小銃を肩に掛けて入手した拳銃を構えながらオフィスの
反対側のドアの取っ手に手を掛ける


ギィイイイイ…

自衛官がドアを開いた瞬間、目の前が真っ暗になった

「チッ…」

舌を鳴らしてから自衛官は胸の位置につけている官給品のL字型LEDライト
のスイッチを押す。
拳銃を構え油断無く死角をカバーしながら進む自衛官の後から、
同じく拳銃を構えながら須田がぎこちなく背後に目をやりながら進む。
この通路はまるで地下を歩いている位の暗闇だ。そう須田が思ったその時、

フッ

自衛官のライトの光が照らしていた窓の外を何かが横切る。


「・・・・・!?」

須田がその「横切った物」に気をとられ窓から外を見るが
何もいない。

ガシャアアアアン

不意に前方の窓ガラスが割れると同時に「何か」が通路に飛び込んで
来た。と同時に自衛官が前置き無しにその「何か」に向かって拳銃を
連射する。

発射された弾丸が容赦なく「何か」に着弾していく
しかし「何か」は怯むことなく壁に張り付いてかなりのスピード
で此方に向かってくる。着弾する度に体液を噴出せながら。

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

須田も夢中になって「怪物」に発砲を開始する。

狭く長い廊下で拳銃のマズルフラッシュが眩く光る


カサカサカサカサ…ドシャァア…ギュエエエエ

何発も弾丸に被弾したため流石の怪物も壁からズルズルと滑り落ち
踏まれたヤモリのようにその場で動かなくなった。
須田と自衛官は倒した化け物の死骸を確認したが、あまりの不自然さに
須田は吐きそうになった。

「何なんだよ…こいつは…」

人間の皮膚を剥いで4つんばいにさせて脳みそを丸出しにしたような物だ
目は退化したらしくその面影もない。
そして一番特徴的なのはその口から飛び出している異様に長い「舌」
先端がまるで槍のように鋭くなっていて伸縮自在になっているみたいだ。




「…こんなのはまだましなほうかも知れないな。」

気分が悪くなって座り込んでいる須田とは対照的に
自衛官は冷静に化け物の死骸を観察していた。

「…これからどうするんですか?……」

遠慮がちに須田は自衛官に聞いた、自衛官自身は
まだ化け物の死骸を観察しているがこの問いには
答えてくれた。

「このまま君を保護しながらこの建物を探索して無線設備を探し外部との連絡手段を手に入れる」

そう断言した。




【D-2/警察署/一日目夜】
【須田恭也@SIREN】
[状態]軽い疲労
[装備]H&KVP70(8/18)
[道具]懐中電灯、グレネードランチャー(1/1)、ハンドガンの弾(90/90)
[思考・状況]
基本行動指針:危険、戦闘回避、武器になる物をを持てば大胆な行動もする。
1.この状況を何とかする
2.自衛官(三沢岳明)の指示に従う

【三沢岳明@SIREN2】
[状態]健康(ただし慢性的な幻覚症状あり)
[装備]グロック17(9/17)、防弾チョッキ2型
[道具]照準眼鏡装着・64式小銃(8/20)、ライト、弾倉(3/3)、精神高揚剤、ハンドガンの弾(30/30) 
[思考・状況]
基本行動指針:現状の把握。その後、然るべき対処。
1.民間人を保護しつつ安全を確保
2.永井頼人の探索
3.警察署内の通信設備の確保

※印警察署内部にはゾンビ以外のクリーチャーが生息してるようです
※警察署(東側オフィス)のデスクに以下のものが放置されてます。
45オートの弾(14/14)ショットガンの弾(7/7)グリーンハーブ



【クリーチャー基本設定】
  • リッカー
出典:『バイオハザードシリーズ』
形態:複数存在
外見:人間の皮膚をはがした様な外見で四つんばい目が無く
   長い舌が特徴。
武器:伸縮自在な鋭い舌と前足の爪・口
能力:異様に高い聴力と壁に張り付くほどの俊敏性。舌を自在に操り獲物を狩る
攻撃力:★★★☆☆
生命力:★★★☆☆
敏捷性:★★★★☆
行動パターン
暗がりの壁や通気口などに潜み突然襲い掛かってくる。
備考:t-ウイルスに感染した人間が一定のプロセスを
   満たして変異した物、最初に交戦したラクーン市警の
   署員が長い舌を見てリッカー(舐める者)と名前を付けた


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最終更新:2012年06月21日 21:21