殺意と善意が交差する時物語は終わる
「沙都子…どこにいるんだ……沙都子……」
雑貨屋付近を歩いている彼、北条悟史…。
妹を探すためうろついていたのだ。
「くそ…僕が見つけてあげないと………」
この異常な状況で見つからないという焦りが生まれる。
もし、沙都子が誰かの手により殺されたら…?
僕は、どうなってしまうのか…怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
恐怖…失望…絶望…考えるだけでぞっとする。
だから彼は足を動かす。
妹に何もない事を願いながら…。
◇ ◆
「……う、あれ?」
雑貨屋を若干北に進んだ場所で何かが見えた。
暗い中、「何か」を見つけた。
それを出来る限りじっと見つめる。
巨大な何か…そしてその傍にも二つ何かがある。
そこで北条悟史はある事に気付き、目を背けた。
(駄目だ、駄目だ、駄目だ!)
そこにいたのは、3人の人間。
実際は4人なのだが、暗くてよく見えなかったのだろう。
背負われている一人が見えなかったのだ。
自分の友人である古手梨花も判別できなかったのである。
そして、人間を見つけた彼に降りかかるのは。
殺意
殺意
圧倒的な、逆らえないような殺意だった。
(く……そ!駄目だ…殺したくなんか無い!)
我慢が出来ないようなストレスが彼に降りかかる。
しかし、彼は決して声は出さない。
もし、気付かれてこっちに来られたらどうなる?
『バケモノめ……!』
『すみません』
思いだされる記憶…それは彼を苦しめる。
『すみません』 『すみません』
『すみません』
『すみません』 『すみません』
『すみません』
謝る事しかできなかった。
それはさっきの事だ。
向こうはこっちに気が付いていないんだ。
だから、彼が取った行動はすぐさまそこから走り去る事だった。
彼が向かう先には、駅がある。
そして、物語は彼の足取りのように加速する。
【C-3/駅付近/一日目夜中】
最終更新:2012年06月23日 17:39