新しい風
「・・・ここは・・・どこなんだ?」
俺、前原圭一は困惑していた。
『ここではない別の良く似た世界』で自分が犯した仲間殺しの罪に気づき
そして自分と同じように疑心暗鬼に陥っていた友人、竜宮レナを正気に戻した。
レナは警察に連れて行かれるだろうがきっと大丈夫だろう。
そんな事を話し合いながら校舎を出たはず・・・。
惨劇は回避され、運命に抗える事を証明し、その先の未来を掴んだはずだったはずなのに・・・。
「どう見てもここは雛見沢じゃない・・・それに・・・」
雛見沢の道はコンクリートで舗装されてはいないほどの田舎だ、だからこんな都会じみた場所なんかない
隣町の興宮ならあるかもしれないがどうも雰囲気が違う
大体、もし興宮でこんな霧が出るなら朝のニュースでやるだろうし
とりあえず状況確認をしなくてはならない
「なぁレナはどう思う?」
返事は無い、不審に思い振り返るが誰もいない。
それどころかついさっき出てきたはずの扉にはシャッターが閉まっている
そしてやはり、そこにあったのは自分の見知った校舎ではない
「・・・レナ!?何処にいるんだ!?返事をしてくれ!!」
必死に叫ぶが届かない、必死に周囲を探索するが何処にも彼女は見当たらない・・・
それどころか人っ子一人いない、異様な雰囲気に飲まれそうになりながらも探し続ける。
その時見覚えのあるバットを見つけた
「これは・・・悟史のバットか・・・でもなんでこんな場所に?」
そのバットは友人である沙都子が屋上に行く時に貸してくれたものであるが
何故か壁に突き刺さっている、出てきたところが校舎の入り口だとすると
確かこのくらいの場所に落ちた気がするけど・・・・
どうしてこれがこんな所にあるのかはわからない、
が、部活メンバーの思いが詰まったバットを見て
少し勇気が出てくるような気がした
冷静になれ、クールになれ前原圭一・・・・今の状況をよく考えるんだ
もしかしたら、別の場所に瞬間移動したんじゃなく
また何かの理由で『ここではない別の良く似た世界』に来てしまったのかもしれない
他の皆もここに来てるかもしれない
だとしたら、ここがどんな世界だとしても俺は・・・
その時、後ろから凄みのきいた声で誰かが声をかけてきた
「よぉそこのお前、お前は人間か?それともあいつらと同じ化物か?」
振り返るとそこにいたのは逆立った茶髪にはだけたYシャツ手にはバットを持っている
いかにも不良っぽい人が立っていた
多分高校生ぐらいか、年上っぽいし。
それはともかく化物?もしかして俺やレナと同じように幻覚が見えてるのかもしれない
手に持ったバットに力を込めて慎重に話す事にした。
「え~っと俺、前原圭一っていいます、化物っていったいなんの事ですか?」
「どうやら人間みたいだな、お前、気付いてるか?この街はなんだか怪しくねぇか?
この街には化物や霊がウジャウジャ居る。それが、俺にはわかるんだ。」
間違いない、この人はやっぱりオヤシロ様が見えてる・・・
俺はいつでも迎え撃てるように身構えた
「・・・・お前、信じねぇのか?俺の話が作り話だと思って馬鹿にしてんのか?」
そう言うと不機嫌な顔でこちらを睨みつけてきた、
でも少しすると俺の後ろを見て何かに気付いたようだった
何故か少し嬉しそうな顔をして俺の後ろを指差し始めた
「まぁいい、アレを見ればお前も信じるだろ?」
俺が振り向くと、霧の向こうから人影が近づいてきていた
漫画やゲームの中でしか見たことがないような潰れた顔にナース服を着た鬼の群れ
まさしく”化物”がいた
俺は正直歓喜していた、いや、狂喜していたのほうが近いか。
俺が『殺人クラブ』に入ったのは殺し甲斐のある奴を殺してストレスを発散させるためさ、
歯ごたえのねぇウサギ狩りをするためじゃない、
まぁそれも吝かじゃねぇが、この場所には遠く及ばないぜ。
口裂け女や人面犬みてぇな都市伝説の1つ、サイレントヒル。
いつでも霧が立ち込めていてそこには魔女や化物が集まっているらしい
噂通りさっき筋肉剥き出しの犬が襲ってきやがった
最初はびびっちまったがありゃ幽霊ってよりもただの動く死体だ、
幽霊みたいに殴れねぇ訳じゃなさそうだ、そこで俺は戦ってみる事にした
怪我はしなかったが、あそこまで苦戦したのは初めてだったぜ
なにせ何度殴りつけても抵抗してきやがるからな
そしてさっき拾ったこのチラシ、この街に居る者を殺せ?だと?
何でここにいるのかとか、何時ここに来たのかとかはどうだっていい。
いいぜ、乗ってやるよこの化物共を皆殺しにすりゃいいんだな?
面白くなってきたぜこれからは人間狩りなんて遊びはもう止めだ、ここから先は
――――――化け物狩りだ!!
そう思って初めに居た柵で囲まれた建物から出たらやたらでかい声で叫んでやがる奴が居た、
こんな場所で叫ぶだなんて随分肝っ玉のでけぇ野郎だぜ、
俺は見かねて声を掛けることにしたが、まだ化物が潜んでるかも知れねぇってのに
あんな行動を起こすなんざまともじゃねぇ、もしかしたらあいつも化物かも知れねぇが
まぁその時はぶっ殺してやるだけさ、もし人間だったら・・・忠告くらいはしてやるか。
化物じゃなかったのはいいが・・・・叫んでくれたおかげで大勢出てきやがった
面白いじゃねぇか、よく見ればさっきの犬も2、3匹混じってるな
「わかっただろ?ここはそういう場所なんだよ」
「・・・・・・・・・」
返事はねぇ、話聞いてんのか?それとも恐怖で口も利けねぇのか?
まぁ、無理もねぇ。見たところ一般人だしな。
「圭一っていったな。俺はこいつらの相手をしてるからよ、
お前はさっさと逃げろよ。戦わねぇ奴が一緒にいても、足手まといだからな」
こう言えば一目散に逃げ出すと思ったんだがな、一向に逃げる気配がねぇ
それどころかこいつのこの目はさっきみたいな人を疑う目をしていない
覚悟を決めた、そんな眼をしてやがる数瞬間を置いてから圭一は話し始めた
「・・・・すまなかった、俺アンタの事信じてやれなかった・・・
まずそのことを謝らせてくれ・・・・そしてせっかくだけど俺は逃げない!
レナが魅音が梨花ちゃんが沙都子が!!この霧の中で助けを待ってるかも知れねぇ!
それに俺は、悪魔共が喜ぶ脚本が今後どれだけやって来ようとも
みんなでぶち壊してやるって心に決めたんだ!こんな程度で退く訳にゃいかねぇんだよ!!」
あまりにもの鬼気迫る表情だったんでびっくりしちまったぜ、
そうか、お前は信じるのか、普通なら幻覚を見たとかで済ませるような
目の前の現状を。どうやら、こいつの話は信じて良さそうだな。
「そうかい、へへっ、警戒した眼を見て勘違いをしちまうところだったぜ。
そういえば自己紹介がまだだったか、俺の名前は、新堂誠。
せっかくこうして知り合ったんだしよ、一緒に共闘ってのも悪くねぇかもな」
「ああ!よろしく頼むぜ、新堂さん!雛見沢分校ゲーム部の実力を見せてやる!!」
しかし、部活か・・・・あいつらもここに来てるとしたらこいつの仲間はかなりやべぇかもな。
こいつの仲間とあいつら、『殺人クラブ』が両方ここに集まってればの話だがな。
まぁ、まずは目の前の薄気味悪りぃ化物をぶっ潰す所から始めるか。
「圭一、こいつらは一人も逃すな。一人残らず、逝ってもらおうぜ!」
「もちろんだ!!もう二度と惨劇を起こさないためにも、こいつらを倒す!!」
こうして俺たちは化物共と対峙した、この街に居る化物を倒しきる事が
どれ程難しい事かも知らずにな・・・
【E-6街外れ/一日目夕刻】
【新堂誠@学校であった怖い話シリーズ】
[状態]:健康、殺人クラブ部員
[装備]:木製バット
[道具]:生徒手帳、ポケットの中身は不明
[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブメンバーとして、街にいる化物を皆殺しにする。
1:まずは目の前の奴らから片付けるか・・・・・。
2:圭一と情報交換
3:ひとまずこの状況を楽しむ
4:他に殺人クラブのメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる(化物を)。
※アパシー版恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記で早いもの勝ちルールを宣言された後から参戦
【前原圭一@ひぐらしの鳴く頃に解】
[状態]:健康、赤い炎のような強い意思、L1
[装備]:悟史のバット@ひぐらしの鳴く頃に
[道具]:特になし
[思考・状況]
基本行動方針:部活メンバーを探しだして安全を確保する。
1:こいつらを放っておいたらレナ達にも危険が及ぶかもしれない!
2:新堂と情報交換。
3:部活メンバーと連繋して事態を解決する
※原作罪滅ぼし編直後より参加。
※バブルヘッドナース@サイレントヒルの群れと交戦中、どの程度の規模なのかは他の書き手さんにまかせます
新堂の言っている犬とはケルベロス@バイオハザードです。
名前:新堂 誠(しんどう まこと)
出典:『学校であった怖い話』
年齢/性別:17歳(1995年当時)/男性
外見:175cm・69kg 、茶色っぽく逆立った髪。強面。制服姿。
環境:
鳴神学園3年D組、鳴神学園にて秘かに実在を囁かれる集団、殺人クラブの部員。
性格:
頼れる兄貴タイプでちょっと不良っぽく、やや喧嘩っ早い
わりと凄みがきいているが、義理人情に厚く、後輩への面倒見も良い。
殺人クラブの中では比較的常識人かつ行動派。
能力:
スポーツマンでありおそらく運動部部員なので運動神経はいい、
更に鳴神学園運動部は全国大会の常連クラスが幾つも存在するらしく
体力、走力、腕力などの基本スペックはかなり高いと思われる
口調: 一人称は「俺」、他人は苗字呼び捨てなど。
交友: 殺人クラブメンバー 、他は不明
備考:
1995年の人間、スポーツマンらしく主に部活動に関する怖い話を、正統派の語り口から語る。
また、話の展開は主にスタンダードな都市伝説に近いものだが、
イジメやしごきと絡めて話を展開させる傾向も強い。
その一方で、意外と純愛的な話が目立つのも特徴である。
『学校であった怖い話』では語り部の不興を買うと話が思いも寄らない方向へと転がりだす
(最悪ゲームオーバー)が彼の危険性はほとんど無く、『恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記』(以下『観察日記』)では「ウサギ狩りなんて暇つぶしにもならねぇよ」
という発言がありおそらく戦闘狂の類なのではないかと思われる
また、「飴玉ばあさん」をはじめとして、何かと老婆に関する怪談に関わる機会が多いため、なにか因縁があるのかもしれない。
本ロワでは『観察日記』の最初の選択肢で『早い者勝ち』を選択時の服装髪型である。
ちなみに殺人クラブは、自分にストレスを感じさせた人間をストレス解消のために殺す、
日野を筆頭に鳴神学園の学生で構成された、快楽殺人者集団である。
名前:前原 圭一(まえはら けいいち)
出典:『ひぐらしの鳴く頃に』
年齢/性別:中学生(1983年当時)/男性
外見:、茶色の髪と紫の目を持ち、髪型は1980年代前半、
若者の間でポピュラーだったロングショートのボブタイプであり、
目はやや長くのびた三白眼である。
環境:受験ストレスにより身についた、モデルガンで児童を襲撃するという悪習をしばしば繰り返し。
それがエスカレートしていく中、少女の目に当たる傷害事件となり両親と共に自首。
多額の示談金を払い、昭和58年5月に雛見沢に引っ越してきた。
性格:明るい性格、その反面遠慮やデリカシーに欠け、
知らなかった事とはいえ仲間の家庭内の事情に踏み入った事も多々ある
精神的にもろい所や、優柔不断な所を見せる時もあるが、
一旦スイッチが入ると土壇場で力を発揮し強い信念を貫き通す。
人を信頼することに重きを置き、不可能と見えても諦めない性質を持つ
能力:頭の回転は早く成績優秀。話術に関して「相手が人で耳がついている限り(略)思いのままに操ってやるぜ」
というほどの自信を持ち、仲間内でも『口先の魔術師』の異名を授けられるほどである、
(しかし、ここぞと言うときには吃驚とするくらいの動揺・口下手・説明不足で相手によく誤解を与える)。
料理がド下手で家を焼きかけた事がある。
口調: 一人称は「俺」、他人は苗字、名前呼び捨てなど。小さい女の子に対して「~ちゃん」と呼ぶ事もある。
口癖は「クールになれ」、「冷静になれ」
交友:雛見沢分校の部活メンバーやクラスメイト
備考:
本ロワでは罪滅ぼし編以降からの参戦であるため、鬼隠し編の記憶を完全に思い出した状態からのスタートとする。
(もしかすると今後罪滅ぼし編以外の記憶も思い出す可能性がある)
言葉に詰まるとよく分からない事を並べて煙に巻く、人の頭をよく撫でるなどの癖がある。
『口先の魔術師』、『赤い炎』、『新しい風』、『萌えの伝道師』
などなどの二つ名が多々あり。
雛見沢症候群を患っている。
雛見沢症候群とは精神的な負担が大きくなると症状が表れる病気で
レベル1初期~5末期(表記はL1-~L5+)まであるL1-~L3-までは特に問題は無く
L3+から些細なことをオーバーに、かつ悪い方向に考えるようになる。
L4から極度の疑心暗鬼と人間不信状態に陥り
L5+では、典型的な例では腋窩や頸部のリンパ管の掻痒感により管が破れるまで自分で掻き毟って死ぬ。
治療法については治療薬があるがL5から戻せるのはL3-まででありとされている。
稀に説得などでも回復するようだ。
感染経路はキャリアまたは発症者からの感染は粘膜感染が主