彼らは時と場所を越えて此処に集う
1.
そこで足を止めたのは冷静になったからでも考えがあったからでもなく、ただ疲れたからだ。
荒く、不規則な息を吐く。
その息が、真っ白な霧の中に吸い込まれていく。
それでも、立ち止まることで少しは昂ぶった気持ちが落ち着いてきて、数分してようやく、辺りを見回す余裕が出来た。
ぼうとした輪郭の見えない濃霧。其処此処に建物の影が見えるが、どれも見慣れない、見たこともないもの。
異界。
いっそそう言ってしまう方がしっくりとくる。
けれども ―――。
岸井ミカは数歩脚を進め、間近に近くの建物を見る。
錆びた鉄、古びたコンクリート、剥げかけたペンキ、光を発さなくなったネオン管。
知っている意匠。
グラマラスな女性のシルエットのようなそれは、ボウリングのピンだ。
横にある三つの穴の穿たれた球形はボーリングの球。
この建物は、かつてボーリング場だったもの。
古く、朽ちて、打ち棄てられたボーリング場。
ゴーストタウン。
不意に、そう言葉が浮かんだ。
此処はゴーストタウンだ。
かつては人が住み、賑やかだった場所。
ただそれだけの場所 ―――。
大きく息を吸い、そして吐く。
ゴーストタウンという、どことなくお話しめいた言葉が、幻想の白霧に塗り込められた彼女の意識を、柔らかく現実へと引き戻す。
とにかくここは、ゴーストタウンだ。
多分、いや、間違いなく日本じゃない。
アメリカかどこか ―――。
いつの間に、とか、何故、とか、そういうのはひとまず脇に置き、そう結論づける。
雛城町ではない。
現在のでも、過去のでも、多分未来のでも裏側のでもなく、ガイコクなのだ。
「タダで海外旅行できて、すごいラッキーじゃない?」
口の中でそんな軽口を叩き、小さく笑う。そんなに面白くはないのに。
いずれにせよ、何故? とか、どうして? は、ミカにとっては不得意分野だ。
重要なのは、「どうするか?」
そのことだ。
大きく息を吸い、そして吐く。
そうして考えて、やはり出てくる結論は、
「…やっぱ、センパイ頼み、っかなぁ ー―――…」
というところに落ち着く。
「何故? どうして?」 なんて言うのは、いつもの如く逸島チサトに丸投げしてしまうのが、一番良いのだ。
まずは電話だ。
そう思う。
電話機を探そう。
海外通話の時って、アタマに何かつけるんだっけか、とか、そもそもゴーストタウンに生きている電話機ってあるんだろうか、とか、そういう不安は一旦退ける。
この中に ――― ひびが入り、汚れたボーリング場の窓から、その奥の薄闇へ視線を向ける。
この中に公衆電話か何かはないだろうか。
この中に ―――。
ぴちゃり。
そのとき、中から小さく、湿った音が聞こえる。
くちゃり。
ぬかるみの音。ねばつく音。
何かを食べる音。
小さく、息をのむ。
引っ込めたはずの不安が、またぞろ鎌首をもたげてミカの背後から様子をうかがっている。
そろりと、その薄闇に近づく。
窓の中の暗がりに、大きな黒い人型の影。
緩慢な動きで、それは何かを引き寄せ、口へと運ぶ。
赤く、赤黒く粘ついたそれが、くちゃりと音を立て飛沫を飛ばす。
ミカはふらつき、音を立て窓にもたれ掛かる。
そしてその人影が、やはり緩慢に振り返った。
2.
気がついたら霧の中だった。
言えることはそれだけだ。
人の気配もなく、電話も通じない。
インターホンを取ってもノイズだけ。
第一、こんな建物の中まで薄白くもやがかっているのだから相当なものだ。
この異変に、医師マイケル・カウフマンは心当たりがあった。
教団だ。
ダリア・ギレズビー等を信者とする、この街サイレントヒルに古くから在るキリスト教と土着宗教の融合した奇怪な教団。
カウフマンは日曜にはミサに行くし、誰かが咳をすれば「God Bless you.」と合いの手を入れる。
ただ、それは単にそうしていた方が周囲に対して都合がよいからと言うだけで、決して熱心なキリスト教徒ではない。
勿論、アンチ・キリスト教徒というわけでもないし、反キリスト教的な地下教団の信者になる気もない。
ただ単に、神に祈るよりも先にやるべき事があり、それらがあまりに多すぎるから、熱心な祈りを後回しにしているだけだ。
そう、例えばサイレントヒルの近辺に自生する特殊な薬草を元にして、他に類を見ない麻薬を精製し、それを密かに売りさばくこと、とかだ。
アルケミラ病院の院長として勤務する彼は、その実、どこにでもいる凡庸で平凡な医師にすぎない。
医師として図抜けた才や技術がないことは自覚しているし、それらを得ようという情熱もない。
医師になったのは、たまたま医学に触れる機会があり、それらを学ぶに足るだけの知性があり、そして何より、金になるからだ。
しかし、この小さな街の院長としてただ漫然と患者を診て得る報酬では、カウフマンにとって十分ではなかった。
自分が格別強欲だとは思っていないが、それでもこんな慎ましやかな生活をするのは不本意で、そしてだからダリア・ギレズビーとその教団とも手を組んだのだ。
宗教学は彼の分野ではない。
それでもおおまかには、ダリア・ギレズビー等の属する教団の思想は掴んでいる。
まず、この手のカルトにありがちな、遠くない未来に起こるとされる終末論だ。
それから、キリスト教の影響による聖母信仰。
この世界の腐敗や邪悪を、聖母(聖女?)の生み出したが真なる神が清め、そして熱心な信者だけが新たな世界で永遠の幸福に生きる。
負け犬宗教だ。
カウフマンはそう思う。
要するに彼らは、現実の自分で何かを成し遂げようとはせず、今そこに居もしない聖母や神やらを待ち続け、来もしない新世界の幸福になどに縋って死んだように生きている。
カウフマンは自分を現実主義者だと思っているし、神秘主義に傾倒する気はあまりない。
確かに、ダリア・ギレズビーから預かったあの少女は、教団のもつ異常な力そのものだ。
そしてまた、彼はそれらあり得ざる力による恩恵を受けてもいる。
それでも、カウフマンにとってそういう得体の知れないモノの存在などは些末にすぎなかった。
カウフマンは現実主義者なのだ。
居るか居ないか分からぬ"神"や神秘主義に縋る気はさらさら無い。
ただ、利用出来るから利用する。それだけだ。
力とは使うことに意味があるのであり、力に仕えて滅びの道を行くなど、本末転倒だ。
得るべきは来世や新世界の幸福ではなく金であるべきだし、頼るべきは聖母や神ではなく自分自身だ。
医師としての才に格別なものはなくとも、処世術や経営手腕にならばそれなりの自負はある。
そして表向きとは別の、麻薬密売という裏家業も、ボロを出さずにやってのけるだけの手腕がある。
だから、来るべき新世界など、迷惑千万なのだ。
まとめよう。
マイケル・カウフマンはアルケミラ病院の院長であり、医師であり、現実主義者だ。
ダリア・ギレズビー等の居る教団と麻薬密売の利便のため通じているが、自分自身が神秘主義に傾倒する気はない。
そして教団には、確かに忌まわしい ――― 例えば、カウフマンの麻薬密売に気がついた捜査官を変死させるような ――― 力があるのだ。
だからこの異変が、教団の何らかの力により引き起こされたのだと、即座にそう「現実的に」判断をした。
カウフマンは教団と協力している。持ちつ持たれつだ。
彼らを軽蔑はしているが、侮っては居ない。
この異変にも警戒、用心はしているが、特別パニックに陥ることもない。
ダリア・ギレズビー…或いは他の教団の誰かと接触を図り、確認をすることが肝要だと考える。
何より、カウフマンには切り札がある。
彼らの力がどれほどの物かの正確なことは分からないが、それが真実であればあるだけ、この切り札にも意味がある。
傍らに持つアタッシュケース ――― 高級な特別あつらえで、耐衝撃性能は抜群だ ――― に、それは隠されている。
だが。
それは、今使うべきものなのかどうか?
シャキン。
再び音が聞こえた。
机の下にうずくまり、息を潜めたカウフマンは混乱した頭でそう自問する。
シャキン。
音が近づく。
アレは…。
あの奇怪な化け物が、教団の呼び出した神とやらなのか?
シャキン。
この赤い液体はあいつに効くのか?
ジャギン。
音が、入ってくる。
ジャギン。
音が ―――。
3.
腹立たしさと情けなさと、あとはあきれたような感情がそれぞれ混ざり合っている。
一つは自分自身に対してだ。
もう一つは、目の前にいるこの太った男に対してだ。
それでも、それらのもやもやした感情の全てがこの男のせいだと考える。
ミカの心の処方では、それが妥当なやり方だ。
けれども今回は、それをそのままぶつけることはしなかった。
流石のミカでも、この状況でむやみやたらに諍いを起こしたいとは思わない。
とげとげしさを隠しもしないが、気持ちを落ち着けて、このたるんだ ――― 腹も、顔も、目つきもたるんだ ――― 男に確認をする。
「つまり、エディーはココがドコなのか知らないってコト?」
「ああ、そうだよ。特に目的もなく走らせてきたからなぁ…。
別に、どこでも良かったし」
名を、エディー・ドンブラウスキーというらしい。
この街の人間ではない。本人曰く、レンタカーを借りてドライブをしていて、迷った挙げ句にガス欠になり、この街に迷い込んだ…という事らしいが、どうにもハッキリしない。
ミカは、何か曖昧だとなと感じるが、何故なのかと言うところまでは考えない。
ただ、数度のやりとりでミカが確信したのは、一つにはまず、この男は基本的に無害な男だと言うことと、そしてあらゆる意味で頼りにならない男だ、という事だ。
一言で言えば、使えない。
見ての通りに太鼓腹の白人男で、言っていることも曖昧。知性や教養というものとは無縁に見える。
その上、かなり意地汚い。
何せ、「腹が減っていて」「たまたま見つけたから」という理由で、こんな廃屋にあったピザを食べる位なのだから。
たとえ冷凍食品だろうと、まともな神経じゃない、と、ミカは思う。
答えつつ、エディーは口元に付いた赤いケチャップを指でぬぐってはぴちゃぴちゃと舐め取っている。
ミカのエディーに対する印象はさらに最悪になる。
ミカならずとも、年頃の少女ならほとんどが嫌悪するだろう。
ミカは早速と、エディーというのは「そういう男」 なのだと、結論づけた。
つまるところ、自分の人脈に入れる必要はない、と。
それでも、ミカにはまだいくつか確認したいことがあった。
そのうち二つは既に確認している。
一つが、先ほど聞いた、「此処が何処か」だが、それは早くも期待はずれの結果になった。
そしてもう一つは、言葉の問題だ。
黒革の手帳に書かれていた走り書き、メモ。
明らかに英語であるそれが読めたと言うことの違和感を、ミカは忘れていない。
それが、文字だけではなく会話ではどうなのか、という事が、ミカには気になった。
普段よりもずいぶんと注意深くなっていると言えるが、今までの経験で異変慣れしていて、そしてそれでも尚付きまとう、「普段の異変とは何かが違う」という本能的な違和感が、多分に影響しているかも知れない。
エディーとの会話がなんなく通じたことで、ミカはそれらを確認した。
何故かは解らないが、今の自分は英語が理解できている、という事に。
「理解できている」というのは違うのかも知れない。
伝わる、という方が適切なのかもしれない。
ただ、ミカはそのあたり細かいのニュアンスの差は気にしない。
そのままに事実として、そのことを受け入れたのだ。
エディーの方は、それを異変として受け入れているのか居ないのか、そもそも異変自体に気がついているのかがミカには読めない。
気づいていない、のだと思ってはいる。
ミカとて、メモの事さえなければ、あれを読まずにエディーと会話をしていれば、単純に「日本語の巧い外人さんだ」としか思わなかったかも知れない。
もとより、細かいことは気にしない性格。まずは気づかなかっただろう。
――― 逸島センパイなら、すぐ気づいたかな?
ふと、あの小柄で控えめなようでいて、それなのにやたらに芯の強い先輩のことが頭を過ぎる。
そして、もう一つ確認しなければいけないことがあったと、意識を引き戻した。
「あのさ。ここ、電話在る?」
「あ…? んん ―――」
考えているのかいないのか、胡乱なくぐもった反応を返しつつ顔を少し上げるエディー。
「あそこ、かな…?」
顎をしゃくって奥のカウンターテーブルを示すのを見て、ミカは小走りに駆け寄る。
が、そこにあった古ぼけ汚れた電話機は、一目で使えないことが分かる。
コードが切れているのだ。
「ちょっと何これ、コード切れているじゃん!」
ミカが思わず声に出すと、背後からエディーの声が返ってくる。
「そんなの、知らないよォ。
俺はちょっと見かけただけで、使えるなんて言ってないし…」
語尾がくぐもって小さく消えるその調子に、ミカは苛立ちを刺激される。
「使えない電話、とか、どーゆー理由で探してると思うわけ? 意味分かんないんですけど?」
「お、俺のせいじゃないだろ。俺だって、ここには来たばっかりで、よく分からないし…」
「ピザ見つけるのは得意です、って? スッゴイ才能。ゼンッゼン、羨ましくなんか無いけど」
乗り出すような、詰め寄るような姿勢になるミカと、反して怯えて後じさるような格好のエディ。
見るからに、いじめっ子といじめられっ子の態が丸出しだ。
その状況に、さらなる登場人物が現れ、場面を展開させる。
「君たち…」
入り口から、濃霧を背負い声をかける壮年男性。
「取り込み中のところ済まないが、何か飲み物は無いかね?」
息が荒く、些か落ち着きがない。
まるで、何かから逃れてきたような様子だ。
ミカは男を見、それからエディーを見る。
エディーが顎をしゃくって、奥の自販機を示すと、男は軽く謝意を述べてそちらへと走り寄る。
手には、黒革のアタッシュケースを持っていた。
こうして、サイレントヒルの地にて、岸井ミカ、エディー・ドンブラウスキー、そしてマイケル・カウフマンの3人が、時と場所を越えて集うことになった。
4.
静寂と薄闇に包まれた室内で、青白い影がゆっくりと起きあがる。
ぬめるような白い肌。碧く澄んだ瞳に、ぐみのようにふっくらと赤い唇。
さらりとした金髪は短く刈り揃えられ、しなやかで華奢な肉体を包む紺色のジャケットは、イギリスの名門子息が通う学校の制服を彷彿とさせる。
まだ年端も行かぬ少年のようだ。
それでいて、見る者をゾッとさせるような、蠱惑的ともいえる美貌をもっている。
彼は戸惑っていた。
その戸惑いが、整った顔立ちの中に皺となって現れ、完璧ともいえる容貌に暗い影を落としている。
何が彼を悩ませているのか。
この霧、この場所、この怪異、或いは、この禍々しさ…。
どれも違う。
そのどれも、彼自身を惑わし困惑させるにいたるものではない。
彼を惑わしているのは、彼自身。
彼自身に起きた変化そのものだった。
立ち上がった彼は、室内を見回す。
既に先ほどの男は居ない。
逃げた、のだろう。
机の上にあったと思われる書類やケースなどが散乱している。
そして、上等な絨毯の上には、赤黒い染みが広がっている。
あのとき、浴びせられた液体。
血のような、上質のワインのような、赤く済んだ液体。
あの液体を浴びせられたときの、焼けるような痛み、苦痛。
よろめき、くずおれ、そして男 ――― 獲物 ――― 逃してしまったこと。
軽く手足を動かし、様子を確かめる。
明らかに、力が減っている。
彼を彼たらしめる力。
魔力、を。
少年は考える。
あの液体は、魔力を奪うもの。
それは間違いない。
どれだけの効果があるのかは分からないが、あれは "此処にあってはいけない" ものだ。
ならば、滅せよう。
あの液体を持つあの男も、それらの存在を知った者も、知る者も ――― 何も知らぬ者も。
だが、そのための力が今は不足している。
今一度、彼は人の中に紛れ、機会をうかがおうと思う。
機会を待ち、魔力を得て、彼本来の力、彼本来の姿を現し、存分になすべき事をなそう。
誰かに会ったときは、あの名前を使えばいい。
記憶を無くした哀れな少年、エドワード。
バロウズ家の忌まわしき交信により生まれた異形。悪魔の子、シザーマンとして力を振るうそのときまで。
少年は窓の外へと目を向ける。
深い霧に閉ざされた街の中で、多くの哀れなモノ、多くの忌まわしきモノが蠢くのを感じながら。
彼らは時と場所を越えて、世界の狭間の此処に集う。
【ボウリング場跡/一日目夕刻】
【岸井ミカ@トワイライトシンドローム】
[状態]:健康、軽い苛立ち
[装備]:特になし
[道具]:黄色いディバッグ、筆記用具、小物ポーチ、三種の神器(カメラ、ポケベル、MDウォークマン)
黒革の手帳、書き込みのある観光地図、中身の分からない包み、オカルト雑誌『月刊Mo』最新号
[思考・状況]
基本行動方針:センパイ達に連絡を取る。
1:電話が必要だ。
2:このデブ(エディ)はムカツク。
3:おじさん (カウフマン)は誰? 普通の人っぽいけど…。
【ボウリング場跡/一日目夕刻】
【エディ・ドンブラウスキー@サイレントヒル2】
[状態]:まだ小腹が空いている。
[装備]:ハンドガン (4/10)。
[道具]:ピザの残り。
[思考・状況] この子供は何をそんなに怒っているんだろう。嫌だなぁ…。
基本行動方針:取りあえずこの場をやり過ごす。
1:自分が人を殺してきたこと (※1)は誰にも知られないようにしよう。
2:子供は面倒くさい。
3:何か食べ物が欲しい。
(※1)設定によると実際には怪我をさせただけで殺していない可能性があるが、本人は殺したと思いこんでいる。
【B-5ボウリング場跡/一日目夕刻】
【マイケル・カウフマン@サイレントヒル】
[状態]:疲労、喉の渇き、軽いパニック。
[装備]:特になし。
[道具]:アタッシュケース、赤い液体 (アグラオフォティス)の入った小瓶×3
[思考・状況] 教団の力で異変が起きている。ここを脱出したい。
基本行動方針:生き残る。教団が神を出現させようとしているならば、赤い液体を使い阻止する。
そのためには何でもするが、出来れば自分の手は汚したくない。
1:こいつら (エディとミカ)を利用できないか。
2:赤い液体のことは誰にも話さない。
3:出来れば、病院の院長室に戻って赤い液体のストックを増やしておきたい。
4:教団関係者から状況確認が出来ないだろうか?
【6-Bアルケミラ病院院長室/一日目夕刻】
【エドワード@クロックタワー2】
[状態]:健康。魔力が減っている。
[装備]:特になし。
[道具]:特になし。
[思考・状況] 皆殺し。赤い液体の始末。
基本行動方針: 人の中に紛れて機会をうかがう。
1:ここから出て、人を探す。
2:か弱い少年として振る舞う。
※赤い液体(アグラオフォテス)
サイレントヒル、サイレントヒル3に登場するキーアイテム。
魔力、魔物に対して退魔の効果を発揮する。
この世ならざるモノに対してのみのため、屍人、サイレントヒルのクリーチャー等には効くと思われるが、バイオのゾンビ等には効かないと思われる。
具体的にどの相手にどのくらい効くかは不明。
サイレントヒルの中では、人間にとりついた魔物を完全に無力化したり、ラスボスである"神"の誕生を、不完全な状態にする等の効果があった。
【キャラクター基本情報】
エディー・ドンブラウスキー
出典:サイレントヒル2
年齢/性別:23歳/男性
外見:トラッカー帽を被った、金髪の太った青年。
環境:1994年時点、ガソリンスタンドでアルバイトをしていたが、職場でも肥満などをネタにからかわれていた様子。
性格:普段はおっとりとして物腰も柔らかいが、臆病で強気に出られると卑屈になる。
肥満などの劣等感を抱え込んでいる為もあり、逆上すると暴走するタイプ。
能力:ごく一般的か、それより些か劣る青年男性。
口調:一人称は俺。やや間延びした感じ。
交友:ゲーム内ではジェイムス、ローラ等と出会うが、他は特になし。
備考:サイレントヒル2、最初のジェイムスとの出会いの後より。
サイレントヒルに来る直前、エディは以前から彼をバカにしていた隣人とその飼い犬に向け銃弾を発射し、傷つけ、或いは殺害している。
その後混乱から逃走し、気がつくとサイレントヒルに迷い込んでいた。
登場時ではひとまず落ち着きを取り戻しており、街の異変には気がついていない。
尚、ゲーム内では後半にて、主人公ジェイムスと戦う中ボスとなるが、リボルバーを撃ちまくりかなりの耐久度を持つエディは強敵である。
とはいえこれは、特殊な条件が重なった結果と見なし、本ロワではそのまま当てはめる必要はないと思われる。
マイケル・カウフマン
出典:サイレントヒル
年齢/性別:壮年男性
外見:黒髪の白人男性。
環境:1982年時点、サイレントヒル、アルケミラ病院の院長であり、教団と裏で癒着している。
性格:尊大で姑息、利己的。用心深く、常に自己保身を念頭に置いている。
能力:80年代初頭において平均的な医師としての知識と技術。
口調:丁寧だが些か尊大さが感じられる。
交友:ゲーム内、ダリア・ギレズビーと密約の元の協力関係。アレッサ・ギレズビーを密かに治療。
看護婦、リサ・ガーランドを強制的にその治療に当たらせるが、事件の異常さに耐えられなくなり反発し始めたリサと揉め、殺害してしまう。
他、数人の街の住人と交流。
備考:ゲーム開始直後、リサ殺害及び異変開始時点であり、サイレントヒルが異界化したときでもある。
主人公ハリーとは出会っていない。
彼は教団 (ダリア・ギレズビー) と結びついており、ホワイトクロジェアと言う特殊な麻薬の原料を供給して貰い、それらを精製し密売することで不当な利益を得ている。
またその麻薬密売ルートを守るため、アレッサの持つ魔力により捜査官等を殺して貰うなどの形でも教団から恩恵を得ているが、彼らの教義には関心がない。
また、教団の力が自分に害を与えることになった場合の用心として、独自に調べた魔力を打ち消す効果のある赤い液体『アグラオフォテス』を用意し常備している。
開始時点では小分けにした小瓶入りの物を4本持ち、一本をシザーマンに対して使用。委員長室の金庫にはストックがある。
エドワード(シザーマン)
出典:クロックタワー2
年齢/性別:10歳程度/男性
外見:金髪碧眼で、透き通った白い肌と美貌を持つ10歳程度の少年。
シザーマンと化したときは、せむしの醜い矮人であり、黒い服を着て巨大な鋏を両手に持っている。
環境:エドワードは仮の名で、巨大な鋏で少女達を切り裂いた「シザーマン事件」の生き残りとして、施設で生活をしていた。
事件以前の記憶が無く、出自その他は不明とされているが、実際はシザーマンの仮の姿である。
性格:機をうかがい、人に紛れて潜む。エドワードの姿の時は、大人しく聡明な少年を演じている。
シザーマンのときは人としてのコミニュケーションをしないので、内心どう考えているかなど不明だが、知能が低くなっているわけではない様子。
能力:半不死。ほとんどの物理衝撃による身体的損傷を魔力にて無効化する。(倒れたり押されたりはする)
シザーマンとして、巨大な鋏を持ち人体を両断出来るほどの力を持つが、動きは速くない。
口調:エドワードの時は、大人しく理性的。一人称は「僕」など。
交友:クロックタワー2の主人公ジェニファー、ヘレンを初めとした主要登場人物と面識がある。
備考:クロックタワー2エンディング後、異次元の裂け目から追放された後に、この地で覚醒した。
シザーマンの正体は、15世紀から続くイギリスの辺境貴族の家系、バロウズ家に伝わる邪神信仰により生まれた"偉大なる父の使徒"と呼ばれ、死と恐怖をもたらす邪神の使いであるらしい。
自らの世界とは異なる場にいるため、ゲーム本編より能力的には劣っている可能性がある。
又、マイケル・カウフマンにより浴びせられた「赤い液体」の効果により、魔力を多く失っている。