戦士の心
ケルベロスは、
コスト、安定性、何よりもその機動性において成功を修めたB.O.Wである。
「クソッ!こいつら訓練でもされてんのかよ!?」
だが人間のゾンビよりも高い狂暴性により制御が難しく、
同族以外全てを攻撃する。
その反面、犬独特の統率力は凄まじい。
パァン!パァン!獣達の咆哮に銃声が混じる。
「チッ・・・・チョロチョロとウゼェ奴等だぜ!!」
サイレントヒルの産み出した怪物、バブルヘッドナース。
かつてアンブレラが夢見た
『手を加えずに生み出せて且つ正確に道具を扱う活性死者』
動きは緩慢だが武器のリーチ分、余りあるポテンシャルを持つ。
現在圭一、新堂一行はケルベロスによる円運動からの一撃離脱、
それに加えバブルヘッドナースからの遠距離射撃に苦しめられていた
「さすがだぜ、まさか連携攻撃してくるとはなぁ」
圭一は思わぬチームワークに素直に称賛を送った。
「感心してる場合か?俺達はこのままじゃ手詰まりだ、もう逃げられやしない」
それに対し新堂は少し焦っているようだった
銃撃は当たりはしないものの確実にかするようになってきた、
その上鉄パイプを持っているナースはどんどんと距離を詰めてきている。
(クソッ!新堂さんの言う通りだ何か手は無いのかよ?
この機械みたいに計算され尽くした動きを止める方法は・・・・)
と、ここで圭一ははたと気づいた。
(待てよ?『機械みたいに計算された動き?』)
相変わらずゾンビ犬とナースの攻撃は止まない、
しかし先程から致命傷と呼べるような攻撃を一度も受けないのは何故なのか?
意思が無いはずなのに何故これほどの連携ができるのか?
規則的な運動、無意識の連携・・・・それなら
「俺に策があるんだ、聞いてくれないか?」
微笑を浮かべ、既にいくつかの歯形のついた
バットで攻撃を受け流す新堂に問う。
「・・・・言ってみろ」
圭一は策を話し始める、しかしその策は
ついさっき決意したことを覆すような策であった。
「新堂さんここで一旦逃げよう!」
「ア゙ァ?それが出来たら苦労はしねぇって・・・・」
「いいか新堂さん、厄介だったのはこいつらの陣形なんだ!俺達を取り囲むようにじわじわと追い詰めてきやがる!」
狂犬が牙を剥き、追い付いた悪夢が武具を振り回す。
勇者は牙を避け、悪魔が凶器を防ぐ。
化け物達の連携にも目を見張るものがあったが、
人間2人も伊達に殺し殺され慣れていない。
圭一は続ける。
「でもここで俺たちが逃げ出すことで簡単に崩れるんだよ!この犬だけが真っ直ぐに、ストライクゾーンめがけて走ってくるだろうからな」
新堂はパイプを持ったナースから距離をとりつつ言葉の意味を考える。
「なるほどな、考えたじゃねぇか・・・・」
「「行くぜ!!」」
―――圭一が導きだした答えは『速度』である。
連携に必要なものは『テンポ』と『タイミング』、そして『仲間との信頼』!!
それ等が丁度良く噛み合った時こそ連携しているといえるのだ。
しかし彼等に信頼は無い
単にあまりにも違う『速度』から攻撃にズレが生じ、
連携に見えるだけである。
勝負を決めるのはそんなものじゃあない、勝負を決めるのは―――――
ケルベロスは円運動をしていたために鉄パイプを持ったナースに衝突し、
ワンテンポ遅れてこちらを追いかけてきた、
ナースはその場に留まった、否、付いていくには遅すぎるため留まるより他に無かった、
援護射撃はもう無い。
ケルベロスとの距離が縮まる
2メートル
1メートル
そして・・・・・!!
「今だ新堂さん!!」
2人は左右同時に飛び退いた、
その構えはバットを振りかぶった打者のそれである
「叫びたきゃ叫べ!最期くらい派手になぁ!!」
「いくぜぇ!沙都子譲りの!必殺のぉ!!」
「「ホーームランだぁああああ!!」」
放たれた強打はきっちりと打球を捕えた。
飛びかかる最中に空中で減速などできるはずもなく
キャイン!という鳴き声と
骨が鼻先から尻尾の先端まで砕けたかのような音と共に
犬は動かなくなった。
「ハッ!犬ごときが人間様にたてつくからこうなるんだ、そうだろ?」
大喜びの新堂
「あんたさっきまで無茶苦茶焦ってたじゃないかよ!」
ツッコミをいれる圭一
「かっ・・・・かっこいい・・・・・」
後ろでそれを見守るポニーテールの少女・・・・
「誰だ、お前は?」
さっきまでいなかったはずの少女に声を掛ける
もっともやってきたのは彼女ではなく彼らなのだが
「えっ!?あのっ・・・・スミマセン!そのっ・・・
ヨーコさんが・・・いえ・・・銃声が聞こえたもので」
パァン!
現状を思い出させるかのように襲いくる弾丸。
少女と霧の向こうを交互に見ながら考え込む圭一に
新堂はウンザリしたような顔で頭を掻いている
「オイ圭一、まさかこの女も連れてあの中に飛び込む、
なんて言うんじゃねぇだろうな?」
少し考え少女を見やる持っている武器はスタンガン1つ・・・・
相手は銃器を持っているのだ下手をしたら怪我ではすまない
それにもしかしたらこんなところで戦闘をしているうちに
仲間達がこの向こうで同じような目にあっているかもしれない
「・・・・・わかった、とにかく安全な所に逃げ込もう」
こうして3人は駆け出した、逃げるためではなく次へ進むために。
そう、勝負を決めるのは『戦士の心』、次へ進むための心の槍である。
【D-6街外れ/一日目夕刻】
【新堂誠@学校であった恐い話】
[状態]銃撃による軽症、殺人クラブ部員
[装備]ボロボロの木製バット
[道具]学生証、その他
[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブメンバーとして化物を殺す
1:誰だこいつ?
2:もういい加減休みてぇ
3:圭一と情報交換
4:ひとまずこの状況を楽しむ
5:他に殺人クラブメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる(化け物を)
※バットか折れそうです、補強しなければ何回か使ったら折れるかもしれません
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]銃撃による軽症、赤い炎のような強い意思、L1
[装備]悟史のバット
[道具]特に無し
[思考・状況]
基本行動方針:部活メンバーを探しだし安全を確保する
1:この女の人は誰なんだろう?
2:新堂と情報交換
3:他に部活メンバーがいれば連携して事態を解決する
※今だにバブルヘッドナースの群れは健在です
【雛咲深紅@零~zero~】
[状態]T-ウィルス感染、右腕に軽い裂傷
[装備]アリッサのスタンガン@バイオハザードアウトブレイク(使用可能回数7/8)
[道具]携帯ライト、ヨーコのリュックサック@バイオハザードアウトブレイク
[思考・状況]
基本行動方針:ヨーコの意思を引き継ぐ
1:この人達はいい人達なんだろうか・・・・?
2:ヨーコについていく
3:ヨーコさんの仲間は皆死んでしまったの?それとも・・・・
※「今だ新堂さん!」から見ていたようです