ハード音源

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ハード音源 - (2010/03/25 (木) 13:26:55) の1つ前との変更点

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**ハードウェア音源 ギターにせよピアノにせよドラムにせよ、それだけでなく机、椅子、声、風、鳥の鳴き声などこの世のあらゆるものはハードウェア音源になりえます。もちろんこれはマイクなどで適切に録音できればの話です。それらについては録音機材で説明をしたのでそちらに譲るとして、ここではハードウェアシンセサイザーについて説明します。 *シンセサイザーって何? 1900年初頭あたりから、電気電子技術の発達とともに、「電気回路で色々な音を出してみたい!」という欲求の元に作られたのがシンセサイザーの始まりです。つまり現実にはない音を、当時の最新技術を使って色々と作ってみようという試みがシンセサイザーの出発点でした。ですから広く言えば、何も受信していないラジオの雑音なんかもシンセサイザーと言うこともできます。なんにせよ、それまで音は録音するなり演奏するなりでしか扱えなかったところに、音を新たに作るという手法が加わったことによって、ぐっと音楽の可能性が広がったといえます。 *アナログ音源とサンプリング音源 現在使われているシンセサイザーの方向性は大きく分けて二つになります。 一つは本来のシンセサイザーの機能である、発振回路を用いて新たな音を生成するシンセサイザーです。一般的にアナログシンセと呼ばれるものがこれです。ですから出てくる音は実社会で聴こえてくる音とは基本的に無関係です。が、フィルタリングや合成によって「○○っぽい音」などがよく作られたりします。一昔前の日本ではPSG音源、FM音源なんてのがPCゲームなどを通じて流行りました。ピコピコなシンセサウンドには、今でも独特の味があるものです。 もう一つは実際に楽器や物や自然が発する音を録音してデータ化し、それを利用して音を出す音源です。実際の音をサンプリングして利用しているのでサンプリング音源と呼ばれます。特に昔はPCの機能も今ほど高くなく、サンプリングされ音には圧縮がかかり、また用途に応じてフィルタリングされて出力されていました。「容量20Mの大容量ピアノ音源!」なんて今となっては理解不能なキャッチフレーズなどもあったようです。当初はもちろん生の音に近づけることを目標にしていたようですが厳しく、その後、そのフィルタリングされた音にも味があることが認められ、積極的な「音作り」にも力が入れられるようになりました。いわゆる生音と電子音のハイブリッドな手法がどんどん広まっていったのです。 *ハードウェア音源とMIDI 今では打ちこみやソフトでの楽譜入力の代名詞のようになっているMIDIですが、そもそもは多種多様なハードウェア音源を、演奏者がきちんと目的通り鳴らすために生まれた規格、プロトコルでした。演奏者は機械と違って、周波数いくつだ、とかここの回路のゲインがと指定することはできません。できるのはピアノのような楽器を弾いて音の長さ、強さ、タイミングなどを指定したり、楽譜を書いてそれを機械に読み込ませることぐらいです。つまりMIDIはそのような人間の音楽的な活動と、ハードウェア音源の機械的な動作の橋渡しの役目として生まれてきたものなのです。このようにMIDIのプロトコルは人間の音楽活動に必要な情報を記録し、それが機械に伝えられるように設計されています。そういう目的によって生まれた規格だからこそ、今でも楽譜入力と音源制御の手法として根強く生き残っているのでしょう。 *DTMの代名詞だったSCとMU 一昔前の日本のDTMといえば、RolandのSC系と、YamahaのMU系の音源を使ったSMFフォーマットのmid拡張子ファイルのことでした。GM規格というどの音源でも共通なプロトコルに加えて、RolandはGS規格、YamahaはXG規格などの独自の拡張規格を提唱してシェアを競っていた、今となっては微笑ましい歴史のある系列です。(今はSONARとCubaseに競争がシフトしてますがw) 当時は大ヒットしたSC88という音源が、いわゆるMIDIの標準的な音源で、さらにそれに音色やインサーションエフェクトを追加したSC88-Proなどが続きました。ショップに行くとたいていこれのデモ音源が鳴って、ミュージ朗なんかが動いていたものです。一方MU系はMU100などで対抗していましたが、なかなかシェアを伸ばすには至らなかったようです。当時はmp3で公開などということができなかったので、同じ音源を持っていないと同じように鳴らない、ですからきちんとデータを鳴らすために同じ音源への一極集中ということが起こっていました。 そのうちPCの技術が高まり、ネットワークの発達でmp3を配布することによってデータ再生に音源がいらなくなったこと、そしてDAWの台頭によって、これらの音源はシンセサイザーの一つという位置づけに収まり、Rolandの出したSonicCellを最後にオールインワン型のハードウェア音源は終焉を迎えることになります。 *
**ハードウェア音源 ギターにせよピアノにせよドラムにせよ、それだけでなく机、椅子、声、風、鳥の鳴き声などこの世のあらゆるものはハードウェア音源になりえます。もちろんこれはマイクなどで適切に録音できればの話です。それらについては録音機材で説明をしたのでそちらに譲るとして、ここではハードウェアシンセサイザーについて説明します。 *シンセサイザーって何? 1900年初頭あたりから、電気電子技術の発達とともに、「電気回路で色々な音を出してみたい!」という欲求の元に作られたのがシンセサイザーの始まりです。つまり現実にはない音を、当時の最新技術を使って色々と作ってみようという試みがシンセサイザーの出発点でした。ですから広く言えば、何も受信していないラジオの雑音なんかもシンセサイザーと言うこともできます。なんにせよ、それまで音は録音するなり演奏するなりでしか扱えなかったところに、音を新たに作るという手法が加わったことによって、ぐっと音楽の可能性が広がったといえます。 *アナログ音源とサンプリング音源 現在使われているシンセサイザーの方向性は大きく分けて二つになります。 一つは本来のシンセサイザーの機能である、発振回路を用いて新たな音を生成するシンセサイザーです。一般的にアナログシンセと呼ばれるものがこれです。ですから出てくる音は実社会で聴こえてくる音とは基本的に無関係です。が、フィルタリングや合成によって「○○っぽい音」などがよく作られたりします。一昔前の日本ではPSG音源、FM音源なんてのがPCゲームなどを通じて流行りました。ピコピコなシンセサウンドには、今でも独特の味があるものです。 もう一つは実際に楽器や物や自然が発する音を録音してデータ化し、それを利用して音を出す音源です。実際の音をサンプリングして利用しているのでサンプリング音源と呼ばれます。特に昔はPCの機能も今ほど高くなく、サンプリングされ音には圧縮がかかり、また用途に応じてフィルタリングされて出力されていました。「容量20Mの大容量ピアノ音源!」なんて今となっては理解不能なキャッチフレーズなどもあったようです。当初はもちろん生の音に近づけることを目標にしていたようですが厳しく、その後、そのフィルタリングされた音にも味があることが認められ、積極的な「音作り」にも力が入れられるようになりました。いわゆる生音と電子音のハイブリッドな手法がどんどん広まっていったのです。 *ハードウェア音源とMIDI 今では打ちこみやソフトでの楽譜入力の代名詞のようになっているMIDIですが、そもそもは多種多様なハードウェア音源を、演奏者がきちんと目的通り鳴らすために生まれた規格、プロトコルでした。演奏者は機械と違って、周波数いくつだ、とかここの回路のゲインがと指定することはできません。できるのはピアノのような楽器を弾いて音の長さ、強さ、タイミングなどを指定したり、楽譜を書いてそれを機械に読み込ませることぐらいです。つまりMIDIはそのような人間の音楽的な活動と、ハードウェア音源の機械的な動作の橋渡しの役目として生まれてきたものなのです。このようにMIDIのプロトコルは人間の音楽活動に必要な情報を記録し、それが機械に伝えられるように設計されています。そういう目的によって生まれた規格だからこそ、今でも楽譜入力と音源制御の手法として根強く生き残っているのでしょう。 *DTMの代名詞だったSCとMU 一昔前の日本のDTMといえば、RolandのSC系と、YamahaのMU系の音源を使ったSMFフォーマットのmid拡張子ファイルのことでした。GM規格というどの音源でも共通なプロトコルに加えて、RolandはGS規格、YamahaはXG規格などの独自の拡張規格を提唱してシェアを競っていた、今となっては微笑ましい歴史のある系列です。(今はSONARとCubaseに競争がシフトしてますがw) 当時は大ヒットしたSC88という音源が、いわゆるMIDIの標準的な音源で、さらにそれに音色やインサーションエフェクトを追加したSC88-Proなどが続きました。ショップに行くとたいていこれのデモ音源が鳴って、ミュージ朗なんかが動いていたものです。一方MU系はMU100などで対抗していましたが、なかなかシェアを伸ばすには至らなかったようです。当時はmp3で公開などということができなかったので、同じ音源を持っていないと同じように鳴らない、ですからきちんとデータを鳴らすために同じ音源への一極集中ということが起こっていました。 そのうちPCの技術が高まり、ネットワークの発達でmp3を配布することによってデータ再生に音源がいらなくなったこと、そしてDAWの台頭によって、これらの音源はシンセサイザーの一つという位置づけに収まり、Rolandの出したSonicCellを最後にオールインワン型のハードウェア音源は終焉を迎えることになります。 *音ネタとしての音源へ 総合音源としてのハードウェア音源の役割はPCとDAWによって完全にその役目を終了しました。そのかわりソフトウェアでは再現が難しかったり、面倒であったりというような音色を出すという飛び道具的なオリジナリティでの生き残りが始まりました。つまり多様なトラックと音色の中の「あの音色!」を出す音源の一つとして、DAWのシステムの一つとして統合されようとしています。しかし、データのやりとりの煩雑さや、実空間の場所をとること、リアルタイムでしか制御できないなどの問題点が残っているため、いずれソフトウェアに置き換わっていくものと思われます。

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