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r2306●ウクライナ反転攻勢

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2306●ウクライナ反転攻勢
 年を越して、暖冬で大地が凍結しなかったため、ウクライナ軍は進撃できなかった。その間、ロシアは態勢立て直しの可能性があった。春からドネツク州の制圧を目指すか、キーウ攻略か、と言われていた。
 ゼレンスキー大統領は、反転攻勢のための強力・大量の兵器を欧米に要請していた。
ドイツと米国は相次いで、それぞれの主力戦車「レオパルト2」と「エイブラムス」の提供を発表した。さらに、米は長距離射程ロケット弾の提供も約した。これによって、ウクライナ側からのクリミア攻撃が可能となった。
 支援疲れが見えるているように見えたEUは、ウクライナとの首脳会談で共同声明を発表、「必要な限り支援」を続けると約した。これに対してロシアは、ウ全土へのミサイル攻撃、特に電力施設を狙ったミサイル攻撃を続けた。
 5月に入って、ウクライナ軍による「反転攻勢」が始まるという観測が強まった。雪解け期が終わり、戦車での進軍が可能となったことと、ウ軍での欧米から提供された新たな兵器が使用可能となったことによる。ロシアは、それを牽制するかのように、キーウなど都市部へのミサイル攻撃とドローンによる空爆を連日行うようになった。
 6月に入り、ウクライナが反転攻勢に入ったことを宣言、東部・南部で激しい攻防が始まった。ロ軍は地雷原や無人機で対抗、ウ軍・ロ軍双方に大きな被害が出た。
 そのさなか、ウクライナ南部ヘルソン州のロシアの占領地域にある大規模貯水ダムが爆破され決壊した。ウ・ロ双方が、相手が爆破したと非難した。下流の広い地域が水没し、ウクライナ側の発表によると50人以上の死亡を確認、住民1万7000人以上が避難した。水没したのは穀倉地帯でもあり、環境にも人道的にも長期にわたり甚大な被害をもたらす「エコサイド」と言われた。またこのダムはザポリージャ原発の冷却水の水源ともなっており、影響が懸念された。
 ウクライナ軍が領土奪還を目指す反転攻勢に着手して3カ月、8月には作戦がようやく成果を上げ始めた。ロシア軍占領地域の分断を狙い、戦闘を続ける中南部ザポリージャ州でロシア軍の最初の防衛線を突破し、ロボティネ村の奪還を宣言した。ウクライナ軍は6月初旬に始まった反転攻勢で南下を始めたが、ロボティネ周辺に敷かれた地雷原で前進を阻まれ、ロシア軍との攻防が続いてきた。ただロシア軍は態勢の立て直しに動いており、近づく冬をにらみ、攻防は第2段階に入ったと言われた。
 ウクライナは、南部での反転攻勢と並行して、首都モスクワやウクライナとの国境州、ロシアが一方的に併合した南部クリミア半島への無人機による攻撃を始めた。ロシアは「ウクライナのテロ攻撃だ」と非難したが、ウクライナはクリミアを除いて公には認めなかった。

 ロシアに対する反攻作戦を進めるウクライナへの支援に関する米国内の世論調査で「議会は追加支援を認めるべきではない」との回答が55%に上ることが8月、明らかになり、衝撃を広げた。特に共和党支持者は71%が追加支援に反対しており、賛成が62%だった民主党支持者との意識の差が鮮明となった。ウクライナ侵攻が始まった直後の22年2月に行われた調査では、同じ質問に全体の62%がウクライナ支援に賛成と答えており、この約1年半で世論に大きな変化が生じたことが示された。24年大統領選に向けた候補者指名争いで首位を独走するトランプ前大統領は、プーチン露大統領を「天才」「頭がいい」などと称賛、ロシアによるウクライナ東・南部の占領固定化につながりかねない「即時停戦」を主張。これを受けてトランプ氏に近い同党の保守強硬派が勢いづき、ウクライナ追加支援への反対論を強めた。
 9月、ウクライナの首都キーウを訪れたブリンケン米国務長官はゼレンスキー大統領と会談し、武器の供与や反汚職改革の費用など総額10億ドル(約1500億円)を超える包括的な支援を表明。攻撃力の高い「劣化ウラン弾」を含む軍事支援で、好転の兆しが見える反攻を後押しした。
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