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1212●第2次安倍政権の成立
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1212●第2次安倍政権の成立
安倍は12月26日、特別国会の首相指名選挙で第96代首相に選出された。別の首相をはさんで首相に再登板するのは、戦後まもない吉田茂以来になる。
衆院での首相指名選挙では、安倍が328票と3分の2以上を獲得。参院では1回目の投票で過半数に達した議員がいないため、安倍と、民主党新代表になったばかりの海江田による決選投票となった。その結果、安倍が107票、海江田氏が96票となり、安倍氏の首相選出が決まった。同日、第2次安倍内閣が発足した。
就任記者会見で安倍は、新内閣を「危機突破内閣」とし、経済政策を最優先すると表明した。大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を経済政策の「三本の矢」として提示した。
発足直後の内閣支持率(朝日新聞)は59%で、決して高いとはいえなかった。しかし、第一次安倍内閣の蹉跌から五年間の雌伏のときを経て、政権交代を果たした安倍には、十分の準備と見通しがあったようである。
安倍はまず人事に意を砕いた。閣僚にはベテラン、政策通を配し、さらに官僚を各省庁から一本釣りして官邸主導の態勢を整えた。
外相には宏池会のトップになったばかりの岸田文雄、法相には前総裁の谷垣禎一、環境相には総裁の座を争った石原伸晃、財務相と金融相を兼務する副総理に麻生太郎元首相、国交相に公明党元代表の太田昭宏と重厚な布陣である。
安倍は、官邸主導で経済政策を進めるため内閣に「日本経済再生本部」を設置する考えで、司令塔の担当相には腹心の甘利明前政調会長を起用。集団的自衛権の行使容認を視野に、外交政策にも通じる小野寺五典元外務副大臣を防衛相に起用した。環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加が焦点になる農林水産相には政策通の林芳正元政調会長代理、衆院選公約の「国土強靱化」を進める新設の担当相には側近の古屋圭司元経産副大臣を起用した。
官邸主導の要である官房長官には、菅義偉元総務相を起用した。菅は、総裁選に出馬することを当初躊躇していた安倍の背中を押した張本人であったといわれる。無派閥の叩き上げの政治家で、果断な実行力を持つ上に人情の機微にも通じていた。安倍・菅のコンビがこの後の安倍長期政権の道を切り開いていく。
党の新三役には高市早苗元少子化相を党政調会長、野田聖子元消費者行政相を党総務会長と女性2人を充てた。高村正彦副総裁と石破茂幹事長は続投となった。石破の処遇は、安倍にとって悩みのタネであったろう。安倍は当初防衛相に起用しようと考えたが、石破はあくまで幹事長にこだわったといわれる。結局安倍はこれを受け入れたが、高村副総裁に加えて、幹事長代行として清和会トップの細田博之を送り込み、さらに総裁特別補佐に側近の萩生田光一を配して、石破の封じ込めを画した。
2024/10/19記
★2012年
安倍は12月26日、特別国会の首相指名選挙で第96代首相に選出された。別の首相をはさんで首相に再登板するのは、戦後まもない吉田茂以来になる。
衆院での首相指名選挙では、安倍が328票と3分の2以上を獲得。参院では1回目の投票で過半数に達した議員がいないため、安倍と、民主党新代表になったばかりの海江田による決選投票となった。その結果、安倍が107票、海江田氏が96票となり、安倍氏の首相選出が決まった。同日、第2次安倍内閣が発足した。
就任記者会見で安倍は、新内閣を「危機突破内閣」とし、経済政策を最優先すると表明した。大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を経済政策の「三本の矢」として提示した。
発足直後の内閣支持率(朝日新聞)は59%で、決して高いとはいえなかった。しかし、第一次安倍内閣の蹉跌から五年間の雌伏のときを経て、政権交代を果たした安倍には、十分の準備と見通しがあったようである。
安倍はまず人事に意を砕いた。閣僚にはベテラン、政策通を配し、さらに官僚を各省庁から一本釣りして官邸主導の態勢を整えた。
外相には宏池会のトップになったばかりの岸田文雄、法相には前総裁の谷垣禎一、環境相には総裁の座を争った石原伸晃、財務相と金融相を兼務する副総理に麻生太郎元首相、国交相に公明党元代表の太田昭宏と重厚な布陣である。
安倍は、官邸主導で経済政策を進めるため内閣に「日本経済再生本部」を設置する考えで、司令塔の担当相には腹心の甘利明前政調会長を起用。集団的自衛権の行使容認を視野に、外交政策にも通じる小野寺五典元外務副大臣を防衛相に起用した。環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加が焦点になる農林水産相には政策通の林芳正元政調会長代理、衆院選公約の「国土強靱化」を進める新設の担当相には側近の古屋圭司元経産副大臣を起用した。
官邸主導の要である官房長官には、菅義偉元総務相を起用した。菅は、総裁選に出馬することを当初躊躇していた安倍の背中を押した張本人であったといわれる。無派閥の叩き上げの政治家で、果断な実行力を持つ上に人情の機微にも通じていた。安倍・菅のコンビがこの後の安倍長期政権の道を切り開いていく。
党の新三役には高市早苗元少子化相を党政調会長、野田聖子元消費者行政相を党総務会長と女性2人を充てた。高村正彦副総裁と石破茂幹事長は続投となった。石破の処遇は、安倍にとって悩みのタネであったろう。安倍は当初防衛相に起用しようと考えたが、石破はあくまで幹事長にこだわったといわれる。結局安倍はこれを受け入れたが、高村副総裁に加えて、幹事長代行として清和会トップの細田博之を送り込み、さらに総裁特別補佐に側近の萩生田光一を配して、石破の封じ込めを画した。
2024/10/19記
★2012年