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公共事業:絵付きコラム(夜の楽しみ) - (2008/06/15 (日) 02:07:55) の編集履歴(バックアップ)


〜夜の楽しみ@越前藩国〜


ー夏は夜
月のころはさらなり
やみもなほ
蛍の多く飛びちがひたる
また ただ一つ二つなど
ほのかにうち光て行くも をかし
雨など降るも をかしー 〜枕草子〜


古の人々は、移ろいゆく自然の変化を繊細に感じ、それを愛でていた。

ここ越前藩国にも四季がある。
春夏秋冬ー季節によって自然はその姿を変える。
また、人々もその季節の気候にあった衣服や家のしつらえを変えて生活をする。
気温や湿度の変化が激しい土地に住むのは少々大変な面もあるが、その不便さと引き換えにとても美しい風景を見ることができる。
我々の先祖は、そういった四季の作り出す風景を愛でるために、あえてこの土地に居着いたのではないか…時折そんなことを思ってしまうほど、この越前藩国の国土は美しい。

…前段が長くなってしまったが、今回はそんな越前藩国の、特に夏の夜の楽しみを紹介しよう。



まず遊んでいた子供たちが静かになる。

静かになった子供たちが、その一角に集まる。

その様子に気づいた大人が、子供たちの頭の上から覗き込む。

子供の一人が好奇心に負けて、それに指を触れようとする。

大人がそれを優しい言葉でたしなめる。

日が沈んでからもなおぬるい空気の中を、淡い光が明滅する。

ホタルの飛来によって、不意に催される光の宴は、この季節の夜の、ちょっとした楽しみ。


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