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E124祭企画-7-1

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だれでも歓迎! 編集

麦茶2008夏 1回戦

水遊び、川遊びにはよい季節でございます。越前に流れる天野河。
豊かなる水の恵み、豊穣の川でございますねえ。

ええ、わたくしも幼いころはよくあそこで遊びましてね。
よく、女性からお誘いを受けたもんでございますわ。
髪が長くて、色白で、腰から下が無いんです。

まあ、やっぱり日が暮れますとね、ちょいと街からはずれたあたりは暗いんですよ。
だから、日が沈みきらないうちに友人たちと早足で歩くんです。
そんで歩いてますとね、顔見知りと会うわけですよ。
「あ、どうもこんばんはー」
なんてご挨拶してね。
そしたら友人の一人が言うんですよ。
「ムギちゃん、今、誰にご挨拶したの?」
って。
そしたらわたくしが答えるわけですよ、
「ああ、顔なじみのお姉さんでね。もう5~6年、あそこで自縛霊やってるかなあ」
なんつって。

え、怖くない?

わたくしの顔のほうがよっぽど怖い?

それはこんな顔だったかい、ってのは有名なのっぺらぼうの話でございますがね。

そうそう、藩王様のお住まいで騒ぎが起こったことがありましてね。
女性の藩士がパックしてるの見てのっぺらぼうだって?
いえいえ違いますよ。

のっぺらぼうの正体はマスクをはずした藩王様だった?
いえいえ、それも違うんです。
ってか、のっぺらぼうの話じゃござんせんって。

ほんの数ヶ月前、ちょいと事件がありましてね。
お館に忍び込んだ賊がいたわけですよ。
その賊ってのが他国からの流れモンだったらしくて、越前の藩王様を知らなかったんです。いやですねえ、イナカモンは。
ええ、それで、これなら顔が見えないだろうってんで、鉄のマスクと、レンズのあつーい眼鏡をかけたわけです。
越前の方なら、もうわかりましたでしょう?
まあ、あんなマスクしてたって越前の藩王様のほうがいい男ですがね。

ままま、それで賊に気づいた藩士の方々が、下手に騒ぎ立てちゃあ危ないってんで、機転を利かしましてね。その賊を藩王様扱いして、うまく言いくるめてお邸の外へおんだしちゃった。

そのアイデアの出どころが摂政様だというのでね、藩王様が摂政様に何かちょっとしたご褒美でもとおっしゃられた。
ところがとうの摂政様、話を聞いてもきょとんとしてらっしゃる。
「わたしはずっと地下で文殊の作業をしておりました。賊の話なぞ存じません」
とね。
そしたら藩王様はじめ、藩士の皆様方が言うわけですよ。
「あれは摂政様でした」
と。
「なぜそれがわたしだと断定できるのだ」
摂政様がお訪ねになられますとね
「だって、あんな青白い顔してフラフラしてて、その上人魂背負ってるなんて、摂政様以外に誰がいるんですか」

おあとがよろしいようで。


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