幻想郷の夏。
暑い日ざしと涼しい風が吹く、丘の上の向日葵畑。
そこで俺と少女…風見幽香は戦っていた。
「…っく、流石に強いわね」
「当たり前だ。伊達に幻想郷で調教師を営んでいるわけではない」
争いの傷跡が残る向日葵畑。
同じく幽香にも痛々しい傷が少しあるものの、俺には傷一つない。
当然だ……幾度となく仕事のために死地を切り抜けてきたからな。
「そう…ということは、私もあなたに負けたら奴隷になっちゃうのかしら?」
「生憎だが、財政が火の車でな…アンタまで手を出すと、先に破産しちまう」
金が入ったから、と調子に乗って手当たり次第に衝動買いしたのがまずったか…
俺はそういうことをよく後悔する……後の祭りというのはまさにこの事かね。
「まぁ、アンタみたいにプライドの高そうな女…そう簡単に屈服するとも思えないけどな」
幽香は俺の言葉にクスリと笑う。サディスティックなその笑み…まさに俺好みだ。
「ええ…よく分かってるじゃない。最強の妖怪が貴方みたいな人間に屈服するなんてこと、ありえないわ」
俺にはその笑みが強がりに見えた……これは、力の差というものを少し教えてやらないといけないな。
「貴方には…そうね、グロリオサって花がお似合いなんじゃないかしら?」
「悪いが、俺は花なんかに興味はないんでな…」
その言葉を皮切りに、俺と幽香の戦いは再び幕を開けた…
暑い日ざしと涼しい風が吹く、丘の上の向日葵畑。
そこで俺と少女…風見幽香は戦っていた。
「…っく、流石に強いわね」
「当たり前だ。伊達に幻想郷で調教師を営んでいるわけではない」
争いの傷跡が残る向日葵畑。
同じく幽香にも痛々しい傷が少しあるものの、俺には傷一つない。
当然だ……幾度となく仕事のために死地を切り抜けてきたからな。
「そう…ということは、私もあなたに負けたら奴隷になっちゃうのかしら?」
「生憎だが、財政が火の車でな…アンタまで手を出すと、先に破産しちまう」
金が入ったから、と調子に乗って手当たり次第に衝動買いしたのがまずったか…
俺はそういうことをよく後悔する……後の祭りというのはまさにこの事かね。
「まぁ、アンタみたいにプライドの高そうな女…そう簡単に屈服するとも思えないけどな」
幽香は俺の言葉にクスリと笑う。サディスティックなその笑み…まさに俺好みだ。
「ええ…よく分かってるじゃない。最強の妖怪が貴方みたいな人間に屈服するなんてこと、ありえないわ」
俺にはその笑みが強がりに見えた……これは、力の差というものを少し教えてやらないといけないな。
「貴方には…そうね、グロリオサって花がお似合いなんじゃないかしら?」
「悪いが、俺は花なんかに興味はないんでな…」
その言葉を皮切りに、俺と幽香の戦いは再び幕を開けた…
弾幕と弾幕が奏でる爆音の狂想曲。
幽香の撃つ美しい弾と、俺の撃つ漆黒の弾が爆ぜる。
彼女の顔にも、徐々に疲れが見え始めてきた…。
「…これならどうかしら、『デュアルスパーク』ッ!」
前に突き出された幽香の傘から、2つの閃光が迸る。
破壊力の高さ…それは猛スピードで迫る光からも、彼女の性格からも伺える。
だが、所詮そんなものは意味を成さない。
「無駄だ。『ディゾルブスペル』!」
―これ一つあれば、大抵の敵は制圧できる。
2つの閃光は、その魔法によって“なかったこと”にされる。
「…本当に、厄介なものを使うのねぇ…反則じゃないかしら?」
「妨害呪文は基本だと思うぜ…っと!」
「ッ!」
大技を撃った後の隙を逃さず、俺は幽香目掛けて飛ぶ。
幽香は弾幕で迎撃するも、その勢いは止め切れない。
「―ふっ!」
勢いを緩めず、容赦なく掌底による打撃をブチ込む。
「い…ぎっ」
流石に応えただろうか。痛みによろめく幽香に俺は更なる追撃をかけようとする。
「空中での戦いはあんまり好きじゃないんでな…」
「…!?」
幽香の手を掴み、振りかぶる。
目標は……地上!
「ちょっと、場所を変えさせてもらうぜ!」
「―うぁッ!」
落ちていく俺と幽香。だが俺と違って幽香は安定した体勢を取れていない…
「…くっ」
焦って傘を開き、パラシュートのようにして減速を試みているようだが。
「その一瞬の隙こそが最も危険なんだよっ!」
呪術回路を手のひらに圧縮・再構築。目標は補足した…後は撃つだけ!
「『デュアルスパーク』!」
「!?」
それは確かに幽香のスペルカードではあった。
だが、それを俺に放つということは、俺にそれを使わせることを許可する…ということでもある。
「く…っ」
傘で懸命に耐える幽香。だが、それももってあと数分だろう…
俺も力を振り絞り、目の前の少女を制圧にかかる。
こういう自分にプライドがある女を潰し、屈服させ、従属させること…
それが何よりも俺の欲望を満たしてくれる。
「どうした?最強の妖怪いえどもその程度か?」
「……舐めないで、くれるかしら?」
「…おっと」
俺の閃光が、舞い上がった沢山の花びらに包まれると…消滅した。
いや違う…これは…
「花びらに、なった?」
―面白い。まだこれだけの事が出来る力を残していたとは。
「…そうか、まだお前…本気を出していないのか」
「そうね。これは私の力の1割程度。簡単に殺しちゃったらつまらないでしょう?」
「それにしては…さっきのあれは芝居には見えなそうだったからなぁ…騙されたよ」
「あらあら…油断しちゃってたのかしらね」
そう言ったときの幽香の表情…これだ。俺はこれが好きなんだ…
「…訂正しよう」
「はい?」
「俺はお前が気に入った。俺がお前を倒したら、そのときは俺の奴隷になってもらう」
俺は、この少女が気になっていたのかもしれない。
分からないが、従わせたい…屈服させたい…そんな気持ちは、あまりなかったのかもしれない。
幽香は俺の言葉に少し驚き、そしてまた口を開く。
「……あなたは」
「ん?」
「自分の花を咲かせることが、出来てるかしら?」
「…………んあ?」
間の抜けた質問。驚いた俺はまともな答えを返せなかった。
「花を咲かせるには、土の力が必要。“自分だけの花”というのが人生における楽しみ、というのなら」
「土となりうるのは志―自分の信ずる道とでも言うのかしら―それ1つかもしれないわね…」
あまり哲学的な話をこの状況下で話されても困るんだが…
とりあえず、俺は頭をかいて答えを返す。
「俺は、この生き方が俺そのものだと思っている」
「生まれてきたとき…生物は何かしらの命令を受けていると、何かの本で読んだ気がする」
「それが土となるなら…さぞかし俺は汚い花を咲かせることになるんだろうな…」
自分で言ってて可笑しいとも思った。だが幽香は俺に対して笑みを向ける。
それはあの加虐的な笑みではなく、優しい微笑にも見えた。
「汚い花でも、花は花。“花”ゆえの美しさという物はあると思うわ」
「あなたはそれを誇りに思っていいわよ」
「…」
そこで、場はいったん静かになる。
風が吹きぬけ、向日葵がざわめく。
「興が殺がれたな」
ふと、俺はそんなことを言う。
「ええ」
静かに、幽香はそう返す。
「仕方ない。今回ばかりは見逃してやる…次あったときは覚悟しておくんだな」
「私も…次は本気であなたに挑むわ」
俺は向日葵畑の丘から去ろうとする。その背中に、幽香は言った。
「…私の名前は、風見幽香」
「知っている」
そっけなく言ってやった。
「……あなたの名前は何かしら?」
「…俺は」
俺は名前を告げると、その場を去っていった。
幽香の撃つ美しい弾と、俺の撃つ漆黒の弾が爆ぜる。
彼女の顔にも、徐々に疲れが見え始めてきた…。
「…これならどうかしら、『デュアルスパーク』ッ!」
前に突き出された幽香の傘から、2つの閃光が迸る。
破壊力の高さ…それは猛スピードで迫る光からも、彼女の性格からも伺える。
だが、所詮そんなものは意味を成さない。
「無駄だ。『ディゾルブスペル』!」
―これ一つあれば、大抵の敵は制圧できる。
2つの閃光は、その魔法によって“なかったこと”にされる。
「…本当に、厄介なものを使うのねぇ…反則じゃないかしら?」
「妨害呪文は基本だと思うぜ…っと!」
「ッ!」
大技を撃った後の隙を逃さず、俺は幽香目掛けて飛ぶ。
幽香は弾幕で迎撃するも、その勢いは止め切れない。
「―ふっ!」
勢いを緩めず、容赦なく掌底による打撃をブチ込む。
「い…ぎっ」
流石に応えただろうか。痛みによろめく幽香に俺は更なる追撃をかけようとする。
「空中での戦いはあんまり好きじゃないんでな…」
「…!?」
幽香の手を掴み、振りかぶる。
目標は……地上!
「ちょっと、場所を変えさせてもらうぜ!」
「―うぁッ!」
落ちていく俺と幽香。だが俺と違って幽香は安定した体勢を取れていない…
「…くっ」
焦って傘を開き、パラシュートのようにして減速を試みているようだが。
「その一瞬の隙こそが最も危険なんだよっ!」
呪術回路を手のひらに圧縮・再構築。目標は補足した…後は撃つだけ!
「『デュアルスパーク』!」
「!?」
それは確かに幽香のスペルカードではあった。
だが、それを俺に放つということは、俺にそれを使わせることを許可する…ということでもある。
「く…っ」
傘で懸命に耐える幽香。だが、それももってあと数分だろう…
俺も力を振り絞り、目の前の少女を制圧にかかる。
こういう自分にプライドがある女を潰し、屈服させ、従属させること…
それが何よりも俺の欲望を満たしてくれる。
「どうした?最強の妖怪いえどもその程度か?」
「……舐めないで、くれるかしら?」
「…おっと」
俺の閃光が、舞い上がった沢山の花びらに包まれると…消滅した。
いや違う…これは…
「花びらに、なった?」
―面白い。まだこれだけの事が出来る力を残していたとは。
「…そうか、まだお前…本気を出していないのか」
「そうね。これは私の力の1割程度。簡単に殺しちゃったらつまらないでしょう?」
「それにしては…さっきのあれは芝居には見えなそうだったからなぁ…騙されたよ」
「あらあら…油断しちゃってたのかしらね」
そう言ったときの幽香の表情…これだ。俺はこれが好きなんだ…
「…訂正しよう」
「はい?」
「俺はお前が気に入った。俺がお前を倒したら、そのときは俺の奴隷になってもらう」
俺は、この少女が気になっていたのかもしれない。
分からないが、従わせたい…屈服させたい…そんな気持ちは、あまりなかったのかもしれない。
幽香は俺の言葉に少し驚き、そしてまた口を開く。
「……あなたは」
「ん?」
「自分の花を咲かせることが、出来てるかしら?」
「…………んあ?」
間の抜けた質問。驚いた俺はまともな答えを返せなかった。
「花を咲かせるには、土の力が必要。“自分だけの花”というのが人生における楽しみ、というのなら」
「土となりうるのは志―自分の信ずる道とでも言うのかしら―それ1つかもしれないわね…」
あまり哲学的な話をこの状況下で話されても困るんだが…
とりあえず、俺は頭をかいて答えを返す。
「俺は、この生き方が俺そのものだと思っている」
「生まれてきたとき…生物は何かしらの命令を受けていると、何かの本で読んだ気がする」
「それが土となるなら…さぞかし俺は汚い花を咲かせることになるんだろうな…」
自分で言ってて可笑しいとも思った。だが幽香は俺に対して笑みを向ける。
それはあの加虐的な笑みではなく、優しい微笑にも見えた。
「汚い花でも、花は花。“花”ゆえの美しさという物はあると思うわ」
「あなたはそれを誇りに思っていいわよ」
「…」
そこで、場はいったん静かになる。
風が吹きぬけ、向日葵がざわめく。
「興が殺がれたな」
ふと、俺はそんなことを言う。
「ええ」
静かに、幽香はそう返す。
「仕方ない。今回ばかりは見逃してやる…次あったときは覚悟しておくんだな」
「私も…次は本気であなたに挑むわ」
俺は向日葵畑の丘から去ろうとする。その背中に、幽香は言った。
「…私の名前は、風見幽香」
「知っている」
そっけなく言ってやった。
「……あなたの名前は何かしら?」
「…俺は」
俺は名前を告げると、その場を去っていった。
「久しぶり、幽香…って、どうしたのこの惨状は!」
「ええ、ちょっとね…」
夕刻の向日葵畑の少女と巫女。
あの男の去った後のその風景は、どこか寂しげでもあった。
「ねぇ霊夢…」
「ん、何?」
「グロリオサって花…知ってるかしら?」
「へ?なんだそれ」
「見た目はグロテスクなんだけど…すっごい綺麗な花なのよ」
「ふーん…」
「花屋に置いてあるけど、見に来るかしら?」
「まぁ…あんたの家に用事があったから、そのついでにね」
「あら、そうなの」
2人は向日葵畑から去っていこうとする。
その途中、幽香は歩みを止めた。
(あの男…また来るかしら)
自分を奴隷にしようとした、あの男。
なぜか幽香は、彼のことを気にし始めていた。
そして幽香も去っていく。
「ええ、ちょっとね…」
夕刻の向日葵畑の少女と巫女。
あの男の去った後のその風景は、どこか寂しげでもあった。
「ねぇ霊夢…」
「ん、何?」
「グロリオサって花…知ってるかしら?」
「へ?なんだそれ」
「見た目はグロテスクなんだけど…すっごい綺麗な花なのよ」
「ふーん…」
「花屋に置いてあるけど、見に来るかしら?」
「まぁ…あんたの家に用事があったから、そのついでにね」
「あら、そうなの」
2人は向日葵畑から去っていこうとする。
その途中、幽香は歩みを止めた。
(あの男…また来るかしら)
自分を奴隷にしようとした、あの男。
なぜか幽香は、彼のことを気にし始めていた。
そして幽香も去っていく。
後に残るのは、向日葵畑の傷跡だけ。
ごめんなさい。グダグダです。
なんでこの人たちは戦ったんでしょうか。しかもあなた強すぎです。中二病。
あとグロリオサは実在する花です。そんなに汚くないです。むしろ綺麗。
なんかゆうかりんがMな気がするけどご愛嬌。
駄文・長文。非常にお目汚しですが読んでくだされば幸いです。
なんでこの人たちは戦ったんでしょうか。しかもあなた強すぎです。中二病。
あとグロリオサは実在する花です。そんなに汚くないです。むしろ綺麗。
なんかゆうかりんがMな気がするけどご愛嬌。
駄文・長文。非常にお目汚しですが読んでくだされば幸いです。
- 続編希望ww -- 名無しさん (2013-04-05 13:56:47)