リダスタ家


概要

港町 リナウェスタの郊外に広大な土地を構える魔道士一族。ヴィダスタヴォルスもその一人。
一族の歴史は千年以上にもおよび、蓄積された魔法関連の知識と研究は膨大な量にのぼる。(その中には非人道的な研究も多い)
終戦間近にどのような方法を使ったのか定かでないが敵陣営のブラストランド側から土地をもらい、
以来貴族としての地位も得ている。
しかしこの経緯や後述の研究におけるトラブルから黒い噂も絶えない。

その大半は偏屈と研究者にありがちな性格をしており、引きこもり。
だから研究の成果や魔法の知識はなかなか外部に漏れない。
本当はブラストランドなんて目じゃない技術力を持っているが、それを広めたところで
面倒なことになるぐらいはわかっているので、聞かれない限り教えない。
それどころか失敗作は敷地外に出ても放置するため、それらが引き起こすトラブルから研究に関する信頼度は低い。

何人かは作家や芸術家として魔法とは無関係の分野で活動もしているが、実家に住んでいないのはヴィダスタのみ。


土地

海の見える小高い丘一帯が私有地。
結界を張っているため外からは普通の草原に見えるが実際は密林状態になっており、
研究成果(あるいは失敗作)の合成獣や世界各地の生物や植物が闊歩する危険な土地。


私有地の南側にドーンと構えている建物。リダスタの血縁関係者が漏れなく全員住んでいるのでバカみたいにでかい。
家も結界を張っているため外からは普通の豪邸に見えるが、真の姿は増改築を繰り返しすぎた趣味の悪い奇妙な城。
もとはただの大きな屋敷だったはずだが、もはや城。
家の中も張りかけの魔法やトラップ、カラクリだらけで家の中ですら合成獣やゴーレムがわんさかいる。
10年に1人は行方不明者が出て少し騒ぎになる。ってか10年位しないと失踪したことに気づいてもらえない。
今も研究や近道と称して建物や空間の増改築を繰り返しているため、
誰も(家を無傷で歩きまわれる管理者すら)家の間取りを全部把握していない。

1人1室持っている研究室には、その周辺の区画にも近づかないほうがいい。


当主

家主ともいう。リダスタ家のトップ。
しかし例にもれず研究や趣味に没頭し、滅多に姿を見せない。
リダスタ家代表として公の場に出るのが主な仕事。

血縁に関係なく一族全員から「父上」と畏怖されている。


管理者

大昔のリダスタ家当主に造られた人工生命体。
リダスタ一族から提供される魔力によって存在し、特定の姿を持たない。実体があるかも謎。
屋敷内で同時に2体以上存在しているときもある。
また個性など人格は持たず、機械的。
人前に現れるときは目の前の人と同じ姿形をとるか、自分が今まで見てきた生命体にランダムに姿を変える。
家の中をトラブルなく自由に動ける稀有な存在。
リダスタ家の存続を第一に考えて行動し、家の中の魔力と空間を管理、調節する。
または家人の召使いとして働くのが主な仕事。

リダスタ家が襲撃された時は真っ先に応戦するようになっている。
そこに野次馬根性や暇をもてあました一族の誰かが便乗するといった具合である。



円陣魔法

陣図魔法とも言う。リダスタ家で主流な魔法。
円を描いてそれを器とし、円の中に式や座標を描くなどして存在を指定、最後に陣の名前を唱えることによって魔法を発動する。
という理論のもとに使われる魔法。
リダスタ家に伝わる魔法であることから一族の中でもその研究は盛んで、その極みは円陣魔法のみで森羅万象を描く事を目的とする。

円をPCなどのハード、式や記号がソースコード、陣を描くことをプログラミングに例えるとわかりやすいかもしれない。
その組み立てたプログラムを現実に作用させるのが円陣魔法。

管理者はその研究成果の一つ。

研究者の中には既存の事象を陣図として読み取って「書き換える」ことで干渉できる人もいる。


メンテナンス

円陣魔法を使いこなす上で、必要不可欠とされる技術。
森羅万象の全てを円陣魔法で再現するのは難しいが、すでにあるものを円陣魔法に置き換えることは簡単にできる。つまり、生き物ですら三次元の数式と記号の羅列として表示できる。
それを自分の体に施し、健康体へ微調整することをメンテナンスと呼ぶ。
このメンテナンスが自分でできて初めて円陣魔法を習得したと認められる。
みんな年に一回はメンテナンスをする。

メンテナンスをする際、その時の自分の生体情報をバックアップとして家に記録しておくこともできる。


三次元魔法陣

普通のよりも更に高度で複雑な円陣魔法。その使用する魔力量と式量から、図式が円に収まりきらずに球体の形を取る。
当然、発動するにはかなりの日数をかけて慎重に構築していき、技名とは別に詠唱も必要になってくる。
研究に使うだけならともかく、実用的ではない。
しかし、上記のメンテナンスができるようになれば、「自分を陣図と見立てた時の式」を再現することで三次元魔法陣の構築式を短時間で組み上げることができる。

メンテナンスで習得できる三次元魔法陣は一人一種類で、二つと同じものはない。
また、他人が真似て発動することもできない。


マテリアルクラッシュ
ヴォルスが習得している三次元魔法陣。
手の平に乗るほどの小さな球状をしており、中は複雑な式がぎっしり詰まっている。

  • 陣図を発動後、触れた対象を(生き物であれば魂ごと)粉々に分解する
  • 手の平サイズで魔力消費が少ない
  • 複数回発動可能

と効果は凶悪だが、

  • 必ず手の平の上で陣図を構築しなければならない
  • 式量が大きすぎてゴーレムに搭載できない
  • 単体破壊しかできない(つまり、服や防具、障壁で防がれてしまったらそれだけ分解して消える。地面に落とした場合、陣図に最初に触れた砂粒が分解されるだけである)

など欠点も多い。
身体能力が常人以下のヴォルスはマテリアルクラッシュを投げてぶつける芸当もできないため、使用頻度は少ない。
ただ、研究・改良は怠っておらず、目的に合わせて陣図を多少いじることができる。


マテリアルクラフト
ヴィダスタが習得している三次元魔法陣。
ヴィダスタを中心に展開するため、見た目は陣図が地上をドーム状に覆っている。
効果は、

  • 陣図内にいる生物を、欠損部位を再生させるレベルで回復
  • 死者でも死亡直後なら蘇生可能
  • 障壁ではないが、魔法攻撃は吸収される。物理攻撃を受けた場合も、陣図内に留まっていられたら即時回復
  • 広い範囲をカバーできる

要するに、チートレベルの防護壁。ただし、

  • 消費魔力が多く、一回の発動で残存する魔力を全て消費してしまう
  • 発動した陣は移動できない
  • 敵味方識別ももちろんない
  • 回復量は、回復される側の意思も関わってくる
 (※要は怪我人が『怪我』と認識している部位を治すため、古傷は治せない。
   同様に、混乱など直接的な怪我とならない状態異常も治せない。
   死体に関しては、時間が経つと本人の『生きる意志』がなくなるので陣図の効果は得られない。
   瀕死の場合でも、死ぬことを受け入れている場合は陣図の効果が見込めない)

など発動した後のヴィダスタのリスクは大きく、決して万能ではない。
そのため、ここぞという時に発動させるヴィダスタのとっておきとなっている。


創世神話
マテリアルクラフトをもとに、チェダーヴォルスが共同で開発した巨大三次元魔法陣。
ヴィダスタを蘇生し、ヴォルスが理想とするミニチュアガーデンを造るためだけに組まれたもので、SS++レベルの途方もない膨大な魔力と
それを操る高度な魔法技術を要する。
とても少人数で発動できるような代物ではないが、チェダーはコアの耐久性を無視してこれを発動させるように強いられていた。


転生陣

円陣魔法研究の成果のひとつ。陣図を体内に埋め込み、死後も記憶を持ったまま幽霊として存在する事ができる。
他人の死体、もしくは胎児を使って新たに生まれ変わるが、それができるのはリダスタ家の敷地内のみである。
この性質は陣を描かなくてもリダスタ一族全員に遺伝するほど定着している。
よって記憶を持ったまま何回も人生を送るため、一族は人生を「一周目、二周目」と数えるなど、価値観と倫理観が壊滅している。
このためリダスタ家には実質「死」というものがなく、新生児も産む必要がないためいない。
子どもがいたとしてもそれは転生した一族の誰かか管理者である。

ただ、幽霊のまま生まれ変わるのをめんどくさがった人が長い間生きすぎたために精神が磨耗し、
自我をなくして霊体が魔力に分解して消えてしまったという報告例がある。
よってこれが一応、彼らの「死」であると思われる。
しかし生物にはもともと生存本能があり、ましてや人間には自我があるため消えるのに何年かかるかわかったもんじゃない。

理論上、転生陣に込められている魔力を上回る魔力をぶつければ陣図を崩すことができる。
が、物理的魔封じでも陣図を無効化できることが判明した。


家訓

なんか家の廊下に、いろいろと決まりごとが書かれている一画がある。
好き勝手に書き足されたり事故に巻き込まれて消えたりしているため、週に1回管理者が正しいものに書き換える。

  • 一族は全員収入または自身の魔力の3割を毎月家に納めること。
  • 他人の研究を盗まないこと。
  • 実験中は邪魔をしないこと。
  • 研究成果および研究材料は責任を持って管理すること。
  • 貴族の常識は別にいいが、貴族の立ち振る舞いやマナーは覚えておくこと。

このほか「UMA(未確認生物)にロマンを感じること」、「すべてのぬこは私のものとする」など色々書かれているが無視されている。
最終更新:2012年10月08日 17:43