1、概要的理論
魔法・魔術・呪術・魔法陣(魔法円)など全てに呪文は使われる。[出 1]
呪文(じゅもん)は、呪術的な効果を得るために使われる言葉である。[出 2]
呪術の一要素を成す。[出 3]
多くは定式化されている。[出 4]
期待する効果に応じてそれらを使い分ける。[出 5]
呪文のフレーズには直喩・隠喩が多用されたり、擬音語・節回しなどの音声的な工夫がなされたりする。[出 6]
また神秘性によって効力が高まると考え、古語や意味不明な語句を用いたり、
秘密にされたりする場合もある。[出 7]
またはそこから転じて、意味不明な言葉の羅列などを"呪文"と喩える場合もある[出 8]
呪術の要素として、言葉(呪文)があり、行為(呪法)、道具(呪具)が挙げられる。[出 9]
各々を単独で用いるか・組み合わせて用いるか、
またどれを重視するかは文化によって異なる。[出 10]
従って呪文はしばしば儀式と結び付けて用いられる。[出 11]
また呪文を特に尊び、一言一句正確な詠唱を求める文化もあれば、[出 12]
呪法や呪具の効力を認めて、術者による多少の呪文改変を許す文化もある。[出 13]
前者の例としてはポリネシアのマオリ族やトロブリアンド島民がある。[出 14]
アフリカでは後者の例が多い。[出 15]
呪文は言葉そのものとして見ると、様式的かつ一義的解釈が
困難という点で詩歌との共通点がある。[出 16]
実際、呪文が詩歌(特に諷刺詩)の
原型になったと思われる社会は多く見られる。[出 17]
多くは定式化されている。[出 4]
期待する効果に応じてそれらを使い分ける。[出 5]
呪文のフレーズには直喩・隠喩が多用されたり、擬音語・節回しなどの音声的な工夫がなされたりする。[出 6]
また神秘性によって効力が高まると考え、古語や意味不明な語句を用いたり、
秘密にされたりする場合もある。[出 7]
またはそこから転じて、意味不明な言葉の羅列などを"呪文"と喩える場合もある[出 8]
呪術の要素として、言葉(呪文)があり、行為(呪法)、道具(呪具)が挙げられる。[出 9]
各々を単独で用いるか・組み合わせて用いるか、
またどれを重視するかは文化によって異なる。[出 10]
従って呪文はしばしば儀式と結び付けて用いられる。[出 11]
また呪文を特に尊び、一言一句正確な詠唱を求める文化もあれば、[出 12]
呪法や呪具の効力を認めて、術者による多少の呪文改変を許す文化もある。[出 13]
前者の例としてはポリネシアのマオリ族やトロブリアンド島民がある。[出 14]
アフリカでは後者の例が多い。[出 15]
呪文は言葉そのものとして見ると、様式的かつ一義的解釈が
困難という点で詩歌との共通点がある。[出 16]
実際、呪文が詩歌(特に諷刺詩)の
原型になったと思われる社会は多く見られる。[出 17]
呪術とは、「人に対する強い恨みにより身に付ける不思議な力のこと」
特定の人への恨みや妬みなど、強いネガティブな感情により、
人智を超えた現象を引き起こそうとする技術という意味です。[出 18]
「呪術」は、誰か人に対して強い念を送り働きかけることで、
何かの変化や現象を起こし、自分が望む結果に導こうとする行為です。[出 19]
「呪術」は、スピリチュアルな気持ちを前面に押し出し、相手が不幸になる様に、
遠隔で操作をする方法なのです。[出 20]
「呪」は「のろい」とも読み、誰かに対して非常に強い恨みを持ち、
災難が訪れる様に願う気持のことを言います。[出 21]
何かの変化や現象を起こし、自分が望む結果に導こうとする行為です。[出 19]
「呪術」は、スピリチュアルな気持ちを前面に押し出し、相手が不幸になる様に、
遠隔で操作をする方法なのです。[出 20]
「呪」は「のろい」とも読み、誰かに対して非常に強い恨みを持ち、
災難が訪れる様に願う気持のことを言います。[出 21]
魔術とは、「自分の野望を叶える為に、悪魔を崇拝して身に付ける不思議な力」
悪魔を崇拝ることで身に付けると言われる、
人智を超えた現象を引き起こせる力という意味です。[出 22]
「魔術」は、「人を惑わせる術」のことで、
英語では“magic”(マジック)と言います。[出 23]
基本的に自分だけの力ではなく、西洋での
「悪魔」を崇拝して身に付ける不可思議な力のことを言います。[出 24]
魔術には「白魔術」「黒魔術」などがありますが、
いずれもオカルト的な意味合いが強くなります。[出 25]
人に対して恨みを持つというよりも、自分自身の野望や欲望を叶えたいと
思って身に付ける術者が多くなります。[出 26]
昔の権力者は、自分の力を維持する為に側近に「魔術師」を置き、
占いをさせたり、力を借りたりしていました。[出 27]
但し、現在ではゲームのキャラなどに「魔術師」が登場することも多く、
成り立ちなどの解釈も幅広くなっています。[出 28]
英語では“magic”(マジック)と言います。[出 23]
基本的に自分だけの力ではなく、西洋での
「悪魔」を崇拝して身に付ける不可思議な力のことを言います。[出 24]
魔術には「白魔術」「黒魔術」などがありますが、
いずれもオカルト的な意味合いが強くなります。[出 25]
人に対して恨みを持つというよりも、自分自身の野望や欲望を叶えたいと
思って身に付ける術者が多くなります。[出 26]
昔の権力者は、自分の力を維持する為に側近に「魔術師」を置き、
占いをさせたり、力を借りたりしていました。[出 27]
但し、現在ではゲームのキャラなどに「魔術師」が登場することも多く、
成り立ちなどの解釈も幅広くなっています。[出 28]
「呪術」と「魔術」は、目的とするところが違います。[出 29]
どちらもゲームの世界に出てくる言葉で、様々な解釈があります。[出 30]
「魔術」の意味は、「人を惑わす不思議な術」です。[出 31]
「魔」は、誘惑する存在や、その力、作用、誘惑そのものを表しています。[出 32]
「術」は、わざ。学問。技芸という意味があります。[出 33]
例えば、錬金術(卑金属を貴金属の金に変えようとする術)や、
人を蘇らせる薬品を作ったりすることが「魔術」にあたります。 [出 34]
もっと狭い意味では、手品を「魔術」ということもあります。[出 35]
師に原理や法則、技術を学び、きちんと知識を身につけて
魔術を使いこなす人を「魔術師」といいます。[出 36]
「魔術(まじゅつ)」とは、普通の方法では不可解なことを
特別の訓練やトリックによってやってみせる術です。[出 37]
「魔術」の意味は、「人を惑わす不思議な術」です。[出 31]
「魔」は、誘惑する存在や、その力、作用、誘惑そのものを表しています。[出 32]
「術」は、わざ。学問。技芸という意味があります。[出 33]
例えば、錬金術(卑金属を貴金属の金に変えようとする術)や、
人を蘇らせる薬品を作ったりすることが「魔術」にあたります。 [出 34]
もっと狭い意味では、手品を「魔術」ということもあります。[出 35]
師に原理や法則、技術を学び、きちんと知識を身につけて
魔術を使いこなす人を「魔術師」といいます。[出 36]
「魔術(まじゅつ)」とは、普通の方法では不可解なことを
特別の訓練やトリックによってやってみせる術です。[出 37]
魔法とは、普通では考えられないことを起す超常的な力です。[出 38]
魔法は空想を膨らますような意味合いで使われることも多いです。[出 39]
「魔法(まほう)」の意味は、魔力によって
普通では考えられない不思議なことをおこなう術です。[出 40]
「魔法」は先天的に能力をもっている人がその力を借りて
現実では不可解な現象を起すこと。[出 41]
例えば、占いも「魔法」といわれるものの一つです。[出 42]
「魔法(まほう)」の意味は、魔力によって
普通では考えられない不思議なことをおこなう術です。[出 40]
「魔法」は先天的に能力をもっている人がその力を借りて
現実では不可解な現象を起すこと。[出 41]
例えば、占いも「魔法」といわれるものの一つです。[出 42]
「魔法」と「魔術」も英語ではどちらも「magic」です。[出 43]
「魔」は、人をたたると信じられていた「鬼」に、瞑想を妨げるために現れる
といわれていたマーラの音を表す「麻」を組み合わせてできた漢字です。[出 44]
「魔」は、誘惑する存在や、その力、作用、誘惑そのものを表しています。[出 45]
「法」は、「そのものの決まり。法則」という意味がります。[出 46]
例えば、先天的に魔の存在をやどし、その力を借りて
現実では不可解な現象を起す人を「魔法使い」といいます。[出 49]
といわれていたマーラの音を表す「麻」を組み合わせてできた漢字です。[出 44]
「魔」は、誘惑する存在や、その力、作用、誘惑そのものを表しています。[出 45]
「法」は、「そのものの決まり。法則」という意味がります。[出 46]
例えば、先天的に魔の存在をやどし、その力を借りて
現実では不可解な現象を起す人を「魔法使い」といいます。[出 49]
魔法円(まほうえん、英: magic circle)とは、西洋儀式魔術や魔女術に
おいて儀式の際に術者が入る床などに描いた円のこと。[出 50]
魔法円(=魔法陣)の例[出 51]
円の中には五芒星、六芒星、ヘブライ文字、ラテン文字、ギリシア文字、
まれにルーン文字などのさまざまな図形、記号、文字が描かれている。[出 52]
二重の円で構成され、ふたつの円の間の帯状のスペースに神の御名や天使名が記され、内側に六芒星などの魔術的シンボルが配され、円の周囲に4本のろうそくが立てられる、といったものが典型的な魔法円の一例である。[出 53]
伝統的には直径9フィートとされ(実際には状況に応じて大きさは異なる)、
チョークなどで描かれる。[出 54]
ウイッチクラフトではアセイミーという黒柄のナイフで描く。[出 55]
また、紐で輪を作る、魔法円を描いた敷物を用意して広げるなどの方法もある[出 56]
なお、魔法円の別称として魔法陣という言葉も使われているが、
この言葉は、現代日本のフィクションの小説・アニメ・ゲームなどの架空の魔術で
みられる、魔法円を模したガジェットの一般名称としても使われている。[出 57]
まれにルーン文字などのさまざまな図形、記号、文字が描かれている。[出 52]
二重の円で構成され、ふたつの円の間の帯状のスペースに神の御名や天使名が記され、内側に六芒星などの魔術的シンボルが配され、円の周囲に4本のろうそくが立てられる、といったものが典型的な魔法円の一例である。[出 53]
伝統的には直径9フィートとされ(実際には状況に応じて大きさは異なる)、
チョークなどで描かれる。[出 54]
ウイッチクラフトではアセイミーという黒柄のナイフで描く。[出 55]
また、紐で輪を作る、魔法円を描いた敷物を用意して広げるなどの方法もある[出 56]
なお、魔法円の別称として魔法陣という言葉も使われているが、
この言葉は、現代日本のフィクションの小説・アニメ・ゲームなどの架空の魔術で
みられる、魔法円を模したガジェットの一般名称としても使われている。[出 57]
それらのフィクション作品に登場する魔法陣は、それぞれの作中世界において
独自の設定や装飾的役割を与えられていることが多く、必ずしも西洋の魔術伝統に
おける実際の魔法円をそのまま踏襲したものではない[出 58]
2、魔術の分類と魔法
2-1、魔法
魔法(まほう)とは、[出 59]
仏でない存在または教えのこと[出 60]
類義語として外法、対義語として仏法がある[出 61]
様々な西洋のまじないに対する総合的な訳語[出 62]
超自然的な力のこと[出 63]
不思議な事柄、または不思議な事柄に対する比喩[出 64]
一般的には 不思議な事柄、または不思議な事柄に対する比喩の意味で使用されるが、ファンタジー作品などにおいては非現代物理学的なものに対しても使用される[出 65]
類義語として、魔術,呪術,妖術,超能力などがあげられる。[出 66]
魔法とは、普通の人間には使うことのできない能力や不思議な現象を指す。[出 67]
現在使用される日本語としての魔法という単語は、
明治時代に様々な西洋後の和訳として付与された、とされる。[出 68]
同じ漢字圏である中国語でもmagicを魔法と訳し表記する。[出 69]
神話や伝説,伝承やファンタジー作品において、
魔法の使用方法や種類は異なっており、道具や呪文を使うもの、人を助けるもの、
攻撃するものなど、様々に存在する。[出 70]
類義語として外法、対義語として仏法がある[出 61]
様々な西洋のまじないに対する総合的な訳語[出 62]
超自然的な力のこと[出 63]
不思議な事柄、または不思議な事柄に対する比喩[出 64]
一般的には 不思議な事柄、または不思議な事柄に対する比喩の意味で使用されるが、ファンタジー作品などにおいては非現代物理学的なものに対しても使用される[出 65]
類義語として、魔術,呪術,妖術,超能力などがあげられる。[出 66]
魔法とは、普通の人間には使うことのできない能力や不思議な現象を指す。[出 67]
現在使用される日本語としての魔法という単語は、
明治時代に様々な西洋後の和訳として付与された、とされる。[出 68]
同じ漢字圏である中国語でもmagicを魔法と訳し表記する。[出 69]
神話や伝説,伝承やファンタジー作品において、
魔法の使用方法や種類は異なっており、道具や呪文を使うもの、人を助けるもの、
攻撃するものなど、様々に存在する。[出 70]
現実に信じられた魔法や魔術[出 71]
魔法とは、まあ何という笑わしい言葉であろう。
しかし如何なる国のいつの代にも、魔法というようなことは人の心の中に存在した。
そしてあるいは今でも存在しているかも知れない。
1928年 幸田露伴 「魔法修行者」
現代においてお伽噺に出てくるような魔法の存在が信じられることは少ないが、
古くは魔法を使う者(西洋では魔女など)が広く恐れられ、
魔女狩りのような惨劇の原因になった事もある。[出 72]
魔術において、十九世紀から二十世紀にかけて黄金の夜明け団などの魔術団体が
儀式魔術復興運動を行い、近代西洋儀式魔術が成立した。[出 73]
現代でも魔術結社などは存在し、占い師や霊媒師なども含め、
人によって信じたり信じなかったりする。[出 74]
一方、魔術に似た呪術という概念がある。[出 75]
呪術に関する文化人類学での、未開社会の呪術文献の歴史的集積である、
J.G.フレイザー著『金枝篇』はわりと有名。[出 76]
金枝篇では呪術について、宗教ではなく科学の前段階であり、
神に祈るなどの宗教的な行動というよりは、
現代の科学的医療に近しいと説を唱えている。[出 77]
古くは魔法を使う者(西洋では魔女など)が広く恐れられ、
魔女狩りのような惨劇の原因になった事もある。[出 72]
魔術において、十九世紀から二十世紀にかけて黄金の夜明け団などの魔術団体が
儀式魔術復興運動を行い、近代西洋儀式魔術が成立した。[出 73]
現代でも魔術結社などは存在し、占い師や霊媒師なども含め、
人によって信じたり信じなかったりする。[出 74]
一方、魔術に似た呪術という概念がある。[出 75]
呪術に関する文化人類学での、未開社会の呪術文献の歴史的集積である、
J.G.フレイザー著『金枝篇』はわりと有名。[出 76]
金枝篇では呪術について、宗教ではなく科学の前段階であり、
神に祈るなどの宗教的な行動というよりは、
現代の科学的医療に近しいと説を唱えている。[出 77]
2-2、魔術
超自然的存在や神秘的力能の助けを借りて不思議なことを行う法のこと。[出 78]
ただし、留意しなければならないのは、ギリシア語mageiaを語源とし
英語のマジックmagicに代表される西欧のことばでは
「魔術」と「呪術(じゅじゅつ)」を区別していない。[出 79]
すなわち、超自然的手段を用いて、善悪いずれであれ自分が望むように
この世の現象を操作し変えようとするものがマジックである。[出 80]
ただし、留意しなければならないのは、ギリシア語mageiaを語源とし
英語のマジックmagicに代表される西欧のことばでは
「魔術」と「呪術(じゅじゅつ)」を区別していない。[出 79]
すなわち、超自然的手段を用いて、善悪いずれであれ自分が望むように
この世の現象を操作し変えようとするものがマジックである。[出 80]
よい目的をもつものをホワイト・マジック(白い呪術)、悪い目的をもつものを
ブラック・マジック(黒い呪術)と色の形容詞を用いて性格づけすることはしても、
魔術と呪術を区別していないのである。[出 81]
では両者の差異は何か。[出 82]
東洋では、「魔」とは梵(ぼん)語māraを語源として、
人の善事を妨げ人の心を悩まし乱す悪霊をさす。[出 83]
したがって、妖怪(ようかい)、幽霊、馮(つ)き物、
悪霊を動かす妖術的なものが魔術にあたる。[出 84]
いいかえれば、たとえ善事をなすにせよ、
動かす超自然力が魔的であるわけである。[出 85]
魔術(まじゅつ)は、仮定上の神秘的な作用を介して
不思議のわざを為す営みを概括する用語である。[出 86]
人類学や宗教学の用語では呪術という。[出 87]
魔術の語は手品(奇術)を指すこともある。[出 88]
英語の magic は「魔法」、「魔術」、「呪術」と翻訳される。[出 89]
近代日本において、訳語を創出する必要があった「文化」などの概念とは異なる[出 90]
magic は従来の日本語の語彙で対応しうる言葉であった。[出 91]
魔法は古くから日本語にある。[出 92]
英和の部では magic に「魔法」・「飯綱」・「妖術」が当てられ、
同じく和英の部では「魔法」や「魔術」に magic arts, sorcery 等が当てられた。[出 93]
東洋では、「魔」とは梵(ぼん)語māraを語源として、
人の善事を妨げ人の心を悩まし乱す悪霊をさす。[出 83]
したがって、妖怪(ようかい)、幽霊、馮(つ)き物、
悪霊を動かす妖術的なものが魔術にあたる。[出 84]
いいかえれば、たとえ善事をなすにせよ、
動かす超自然力が魔的であるわけである。[出 85]
魔術(まじゅつ)は、仮定上の神秘的な作用を介して
不思議のわざを為す営みを概括する用語である。[出 86]
人類学や宗教学の用語では呪術という。[出 87]
魔術の語は手品(奇術)を指すこともある。[出 88]
英語の magic は「魔法」、「魔術」、「呪術」と翻訳される。[出 89]
近代日本において、訳語を創出する必要があった「文化」などの概念とは異なる[出 90]
magic は従来の日本語の語彙で対応しうる言葉であった。[出 91]
魔法は古くから日本語にある。[出 92]
英和の部では magic に「魔法」・「飯綱」・「妖術」が当てられ、
同じく和英の部では「魔法」や「魔術」に magic arts, sorcery 等が当てられた。[出 93]
宗教人類学の分野では、この訳語として呪術が定着している 。[出 94]
一方、思想史や西洋史の文脈では魔術の語が用いられることが多い。[出 95]
魔術は西洋神秘思想の一分野の呼称としても用いられる。[出 96]
イヅナ(エヅナ)と呼ばれる霊的な小動物を駆使して託宣や占いなど
さまざまな法術を行う東日本で活動した民間の宗教者。[出 97]
飯綱使いの法術を〈飯綱の法〉といい,近世では邪術の類とみなされていた。[出 98]
飯綱使いの多くは,修験系の男の宗教者であったが,
いたこなどの巫女もこれを用いることがあったらしい。[出 99]
魔術は西洋神秘思想の一分野の呼称としても用いられる。[出 96]
イヅナ(エヅナ)と呼ばれる霊的な小動物を駆使して託宣や占いなど
さまざまな法術を行う東日本で活動した民間の宗教者。[出 97]
飯綱使いの法術を〈飯綱の法〉といい,近世では邪術の類とみなされていた。[出 98]
飯綱使いの多くは,修験系の男の宗教者であったが,
いたこなどの巫女もこれを用いることがあったらしい。[出 99]
呪術
超自然的な存在に訴えることによって、病気治療、降雨、豊作、豊漁などの
望ましいことの実現を目ざした行為。[出 100]
呪術は英語のmagicの訳で、まじない、魔術ともいわれるが、手品師を
魔術師ともいうので、手品と区別するために呪術という語が用いられている[出 101]
magicは、語源的には古代ペルシア語のMagus(占いや呪術を職業としている集団)に
由来し、ギリシア語のmagos(マグス人、呪術師)はその借用語である。[出 102]
この行為の背後には超自然的存在に関する信仰が存することが多いが、
信仰が呪術的行為の前提であるとは限らない[出 103]
J・フレーザーは、呪術が超自然的霊格を統御することによって
目的を達成しようとするのに対して、宗教は霊格に対する懇願である
と述べて、両者を峻別(しゅんべつ)した。[出 104]
しかし、諸民族の宗教体系には両者の区別が明瞭(めいりょう)でないものが多く、
宗教という用語のなかに呪術を含んで使われることが少なくないし、
「呪術・宗教的」という語も用いられる。[出 105]
フレーザーはまた呪術と宗教の関係を発達段階としてとらえ、
呪術のほうが宗教よりもより原始的であると論じたが、
もっとも原始的とされる狩猟採集民においても、
至高神の崇拝をめぐる宗教体系がみられることがしばしばあり、
一概に呪術が古いとはいえない。[出 106]
たとえばアフリカの狩猟民であるサンと
インドネシアのスマトラに住む農耕民ミナンカバウとを比較した場合、
文化的には後者のほうが複雑であるが、
呪術はミナンカバウのほうにいっそう顕著である。[出 107]
長い間日照りが続くと、水をまいたり、太鼓をたたいたりして行う
雨乞(あまご)い儀礼は世界各地の伝統社会にみられるが、水を地面にまき、
太鼓をたたいたりする呪術は、降雨と雷鳴のまねである。[出 108]
このように望ましい現象と似たことを行う呪術を、
フレーザーは「類感呪術」あるいは「模倣呪術」とよんだ。[出 109]
これに対し、日本に、病弱な子供を健康にするために、
じょうぶな子供の着ていた着物の布きれを集め、
それを縫い合わせて着せるという習慣がある。[出 110]
これは、フレーザーが「感染呪術」とよんだもので、
「接触呪術」ともいわれる。[出 111]
他人を病気にさせるために、その人の毛髪、爪(つめ)、排泄(はいせつ)物、
衣服などを火にかけたりする呪術も、感染呪術の一種である。[出 112]
雨乞いとか健康回復を目ざす呪術は、社会や人のために行う呪術として
「白い呪術」ともいわれる。[出 113]
人を苦しめ呪(のろ)い殺すための呪術は「黒い呪術」といい、
「邪術」sorceryともいわれる。[出 114]
望ましいことの実現を目ざした行為。[出 100]
呪術は英語のmagicの訳で、まじない、魔術ともいわれるが、手品師を
魔術師ともいうので、手品と区別するために呪術という語が用いられている[出 101]
magicは、語源的には古代ペルシア語のMagus(占いや呪術を職業としている集団)に
由来し、ギリシア語のmagos(マグス人、呪術師)はその借用語である。[出 102]
この行為の背後には超自然的存在に関する信仰が存することが多いが、
信仰が呪術的行為の前提であるとは限らない[出 103]
J・フレーザーは、呪術が超自然的霊格を統御することによって
目的を達成しようとするのに対して、宗教は霊格に対する懇願である
と述べて、両者を峻別(しゅんべつ)した。[出 104]
しかし、諸民族の宗教体系には両者の区別が明瞭(めいりょう)でないものが多く、
宗教という用語のなかに呪術を含んで使われることが少なくないし、
「呪術・宗教的」という語も用いられる。[出 105]
フレーザーはまた呪術と宗教の関係を発達段階としてとらえ、
呪術のほうが宗教よりもより原始的であると論じたが、
もっとも原始的とされる狩猟採集民においても、
至高神の崇拝をめぐる宗教体系がみられることがしばしばあり、
一概に呪術が古いとはいえない。[出 106]
たとえばアフリカの狩猟民であるサンと
インドネシアのスマトラに住む農耕民ミナンカバウとを比較した場合、
文化的には後者のほうが複雑であるが、
呪術はミナンカバウのほうにいっそう顕著である。[出 107]
長い間日照りが続くと、水をまいたり、太鼓をたたいたりして行う
雨乞(あまご)い儀礼は世界各地の伝統社会にみられるが、水を地面にまき、
太鼓をたたいたりする呪術は、降雨と雷鳴のまねである。[出 108]
このように望ましい現象と似たことを行う呪術を、
フレーザーは「類感呪術」あるいは「模倣呪術」とよんだ。[出 109]
これに対し、日本に、病弱な子供を健康にするために、
じょうぶな子供の着ていた着物の布きれを集め、
それを縫い合わせて着せるという習慣がある。[出 110]
これは、フレーザーが「感染呪術」とよんだもので、
「接触呪術」ともいわれる。[出 111]
他人を病気にさせるために、その人の毛髪、爪(つめ)、排泄(はいせつ)物、
衣服などを火にかけたりする呪術も、感染呪術の一種である。[出 112]
雨乞いとか健康回復を目ざす呪術は、社会や人のために行う呪術として
「白い呪術」ともいわれる。[出 113]
人を苦しめ呪(のろ)い殺すための呪術は「黒い呪術」といい、
「邪術」sorceryともいわれる。[出 114]
2-3、魔術の分類
『魔術』とは、呪術、妖術、邪術、託宣、奇跡、仙術などの総称の事で、
人間の意志を森羅万象の事象の理(ことわり)に適用する事によって
何らかの変化を生じさせる事を意図して行われる行為と、
その為の手段である技と術(すべ)の事であり、その技術と知識の体系、
及びそれを巡る文化の事でもあります。[出 115]
現実に存在する宗教哲学や心理学、自然科学の領域に於ける知識であり、
古くから使われて来た術(すべ)です。[出 116]
人間の意志を森羅万象の事象の理(ことわり)に適用する事によって
何らかの変化を生じさせる事を意図して行われる行為と、
その為の手段である技と術(すべ)の事であり、その技術と知識の体系、
及びそれを巡る文化の事でもあります。[出 115]
現実に存在する宗教哲学や心理学、自然科学の領域に於ける知識であり、
古くから使われて来た術(すべ)です。[出 116]
現代の魔術のほとんどは魔術系・呪術系・奇術系の三大魔術である[出 117]
魔術系
現代の魔術の基本の系統である。[出 118]
術式を用いて主に目に見える事象を扱っており、
この系統が及ぼす分野は多岐にわたる。[出 119]
火を放ったり、結界を展開したり、魔導書を扱う
ような魔法使いのイメージはおおよそこれに当たるだろう。[出 120]
魔術回路学がこの系統の根幹をなしている。[出 121]
術式を用いて主に目に見える事象を扱っており、
この系統が及ぼす分野は多岐にわたる。[出 119]
火を放ったり、結界を展開したり、魔導書を扱う
ような魔法使いのイメージはおおよそこれに当たるだろう。[出 120]
魔術回路学がこの系統の根幹をなしている。[出 121]
呪術系
最も古くからある魔法の系統を魔術化したものである。[出 122]
その本質は生物と世界の魔力を操ることで、
魔術とは違って目に見えないものを扱うことが多い。[出 123]
その起源は契約魔法にあり、この魔法の現象が一般に「呪い」と認識され、
この名がついている。[出 124]
特別ただ相手を呪い殺したり、永遠の眠りにつかせたり、
カエルにするものではないことに注意しよう。[出 125]
その本質は生物と世界の魔力を操ることで、
魔術とは違って目に見えないものを扱うことが多い。[出 123]
その起源は契約魔法にあり、この魔法の現象が一般に「呪い」と認識され、
この名がついている。[出 124]
特別ただ相手を呪い殺したり、永遠の眠りにつかせたり、
カエルにするものではないことに注意しよう。[出 125]
奇術系
もっとも新しい系統である。[出 126]
魔術と科学の融合を目指しており、直進性や保存性の高い雷属性の魔力など、
魔力の細分化と共に発展している。[出 127]
科学側、魔術側のどちらか片方から見てはその事象を説明しきれない、
まるで騙すような特徴から奇妙な魔術、「奇術」と呼ばれた。[出 128]
代表的なもので錬金術や、身近なものとなりつつある魔導機械がある。[出 129]
魔術と科学の融合を目指しており、直進性や保存性の高い雷属性の魔力など、
魔力の細分化と共に発展している。[出 127]
科学側、魔術側のどちらか片方から見てはその事象を説明しきれない、
まるで騙すような特徴から奇妙な魔術、「奇術」と呼ばれた。[出 128]
代表的なもので錬金術や、身近なものとなりつつある魔導機械がある。[出 129]
3、古典魔術
魔力の起源を考えた場合一体何故生物にすぎない我々が(ごく一部とはいえ)
大自然の営みを操ることができるのか。[出 130]
その力の源たる魔力とは一体何か。[出 131]
その答えにたどり着くには時間がかかるであろう。[出 132]
魔術に関するもっとも古い書物のひとつ、
『 日が回り、月が満たされる世界で人々の願いを聞き遂げる、
神々の作りし源流たる生きとし生けるもの全てに告げる精霊の言葉 』
の最初の一句があります。[出 133]
直訳して「源流(魔力)とは一体なんだったのであろうか」である。[出 134]
全ての始まりといって過言ではない魔力への疑問。[出 135]
別の認識魔法という分野に繋がることであるが、古典魔術で
「この疑問がなければ今の魔法世界は無かった」とさえ言われている。[出 136]
この疑問には古典魔術の全てが集約されている。[出 137]
古典魔術はすなはち魔法、魔術双方の源流たる魔力を研究する分野である[出 138]
古典魔術と一口にいっても多くの分野に別れている。[出 139]
大自然の営みを操ることができるのか。[出 130]
その力の源たる魔力とは一体何か。[出 131]
その答えにたどり着くには時間がかかるであろう。[出 132]
魔術に関するもっとも古い書物のひとつ、
『 日が回り、月が満たされる世界で人々の願いを聞き遂げる、
神々の作りし源流たる生きとし生けるもの全てに告げる精霊の言葉 』
の最初の一句があります。[出 133]
直訳して「源流(魔力)とは一体なんだったのであろうか」である。[出 134]
全ての始まりといって過言ではない魔力への疑問。[出 135]
別の認識魔法という分野に繋がることであるが、古典魔術で
「この疑問がなければ今の魔法世界は無かった」とさえ言われている。[出 136]
この疑問には古典魔術の全てが集約されている。[出 137]
古典魔術はすなはち魔法、魔術双方の源流たる魔力を研究する分野である[出 138]
古典魔術と一口にいっても多くの分野に別れている。[出 139]
源流学
魔力の起源に迫る学問である。[出 140]
一体魔力はどこから生まれたのか、
何によって作られ消えるのかを研究する。[出 141]
古くからある精霊魔法や神聖魔法と深い関わりを持つ。[出 142]
一体魔力はどこから生まれたのか、
何によって作られ消えるのかを研究する。[出 141]
古くからある精霊魔法や神聖魔法と深い関わりを持つ。[出 142]
元素学
魔力の正体について研究する学問。魔力を細分化し、その正体に迫る。
[出 143]
現代の複雑化した属性魔術にもっとも大きな影響を及ぼした学問である。[出 144]
[出 143]
現代の複雑化した属性魔術にもっとも大きな影響を及ぼした学問である。[出 144]
魔力流動学
比較的新しい古典魔術の一つ。[出 145]
魔力の「流れ」というように、魔力のその動きは流動的であることが知られていが、
その流動性についてより詳しく研究する学問なっている。[出 146]
近年急激な発達を見せている魔導機械や奇術系に多大な影響を及ぼしている[出 147]
魔力の「流れ」というように、魔力のその動きは流動的であることが知られていが、
その流動性についてより詳しく研究する学問なっている。[出 146]
近年急激な発達を見せている魔導機械や奇術系に多大な影響を及ぼしている[出 147]
どれを見ても分かる通り、他の有名魔術に非常に大きな影響を及ぼしたものが多い[出 148]
魔力の研究は魔法、魔術全体の研究だ。[出 149]
常人には想像もつかない次元を深く研究しているが、
もし興味を持った人がいたらこの世界を少しだけ覗いてみたらいかがだろうか[出 150]
きっと魔力というその小さなものの中には大きな世界が広がっているに違いない[出 151]
古典三大魔術[出 152]
魔力の研究は魔法、魔術全体の研究だ。[出 149]
常人には想像もつかない次元を深く研究しているが、
もし興味を持った人がいたらこの世界を少しだけ覗いてみたらいかがだろうか[出 150]
きっと魔力というその小さなものの中には大きな世界が広がっているに違いない[出 151]
古典三大魔術[出 152]
4、契約魔法
人は魔法と共に生きてきたわけだが、魔法を使うには魔力と一種の「対話」を
行う必要があり、それは今も昔も変わらない。[出 153]
無理に従わせるようでは自身が無駄に消耗するだけである。[出 154]
そこで魔力とより深く「対話」するために、
歴史上最も最初に体系化された魔法がある。[出 155]
@呪術系魔術の根幹をなし、多くの魔術を束ねる起源魔法の一つ。[出 156]
その名は契約魔法、太古より続く魔力との取引である。[出 157]
@最古の魔法の一つである降神術は、ある種の契約魔法と分かっている。[出 158]
自身に、もしくはシャーマンに対し魔法使いが契約魔法をかけ、
魔法を使いやすい状態にして(これを降神と称した)[出 159]
様々な奇跡、つまりは魔法を使ったのである。[出 160]
@呪いも起源は古いが、ある意味対称的なこの二つが理論的にはほぼ同じである
ことが分かり、その仕組みが解明されたのはかなり後のことである。[出 161]
@人は誰でも血管のように、体内に魔力回路を持っている。[出 162]
@血管と違うのは比較的容易にその形が変異できるという点だ。[出 163]
時の精神状態によって末端部分が僅かに、長年の習慣によって
幹から大きく変容し、時に身体に大きな影響を及ぼす。[出 164]
魔術や魔法の出力等に個人差や波があるのはこれが原因だ。[出 165]
契約魔法はこれを利用している。[出 166]
@末端部分に術式を仕掛け、なにかをトリガーとして術式を展開、
連鎖的に魔術回路に作用する。[出 167]
@「契約」を交わし、「条件」を満たしたとき、契約内容が「執行」される、
契約魔法の三原則、三段階である。[出 168]
その影響は時に魔術回路の幹や、生物的身体構造にまで達する。[出 169]
@降神術はまだ魔力を扱いきれず、魔力効率が今より遥かに悪かった時代に
無理矢理魔力を引き出すために使われた。[出 170]
「条件」、代償の多くは命、寿命であったと見られる。[出 171]
そしてその力は時に憎い相手に使われた、いわゆる「呪い」である。[出 172]
呪いの多くが相手の髪の毛などを必要とするのは、
相手の魔術回路の末端を知るためである。[出 173]
もちろん現在では契約魔法が降神術として使われることはほとんどない。[出 174]
契約魔法はそれ自身、魔法として残りながらその後発生した魔法に
その特徴が受け継がれた。[出 175]
契約魔法の影響が色濃く残っているものとしては、
精霊魔法、魔導書記魔術、回復魔法を含む変異系魔法等がある。[出 176]
契約魔法は多くの魔法、特に呪術系の起源なのだ。[出 177]
行う必要があり、それは今も昔も変わらない。[出 153]
無理に従わせるようでは自身が無駄に消耗するだけである。[出 154]
そこで魔力とより深く「対話」するために、
歴史上最も最初に体系化された魔法がある。[出 155]
@呪術系魔術の根幹をなし、多くの魔術を束ねる起源魔法の一つ。[出 156]
その名は契約魔法、太古より続く魔力との取引である。[出 157]
@最古の魔法の一つである降神術は、ある種の契約魔法と分かっている。[出 158]
自身に、もしくはシャーマンに対し魔法使いが契約魔法をかけ、
魔法を使いやすい状態にして(これを降神と称した)[出 159]
様々な奇跡、つまりは魔法を使ったのである。[出 160]
@呪いも起源は古いが、ある意味対称的なこの二つが理論的にはほぼ同じである
ことが分かり、その仕組みが解明されたのはかなり後のことである。[出 161]
@人は誰でも血管のように、体内に魔力回路を持っている。[出 162]
@血管と違うのは比較的容易にその形が変異できるという点だ。[出 163]
時の精神状態によって末端部分が僅かに、長年の習慣によって
幹から大きく変容し、時に身体に大きな影響を及ぼす。[出 164]
魔術や魔法の出力等に個人差や波があるのはこれが原因だ。[出 165]
契約魔法はこれを利用している。[出 166]
@末端部分に術式を仕掛け、なにかをトリガーとして術式を展開、
連鎖的に魔術回路に作用する。[出 167]
@「契約」を交わし、「条件」を満たしたとき、契約内容が「執行」される、
契約魔法の三原則、三段階である。[出 168]
その影響は時に魔術回路の幹や、生物的身体構造にまで達する。[出 169]
@降神術はまだ魔力を扱いきれず、魔力効率が今より遥かに悪かった時代に
無理矢理魔力を引き出すために使われた。[出 170]
「条件」、代償の多くは命、寿命であったと見られる。[出 171]
そしてその力は時に憎い相手に使われた、いわゆる「呪い」である。[出 172]
呪いの多くが相手の髪の毛などを必要とするのは、
相手の魔術回路の末端を知るためである。[出 173]
もちろん現在では契約魔法が降神術として使われることはほとんどない。[出 174]
契約魔法はそれ自身、魔法として残りながらその後発生した魔法に
その特徴が受け継がれた。[出 175]
契約魔法の影響が色濃く残っているものとしては、
精霊魔法、魔導書記魔術、回復魔法を含む変異系魔法等がある。[出 176]
契約魔法は多くの魔法、特に呪術系の起源なのだ。[出 177]
純粋な契約魔法として残っている魔術
(1)回路補助魔術[出 178]
多くの大規模な魔術に組み込まれた魔術式である。[出 179]
@「契約」は体内の魔術回路の最適化。[出 180]
魔力消費の「条件」のもと、魔術回路を最適化することで
契約を「執行」、魔術を高効率化する。[出 181]
一時的とはいえ魔術回路を組み替えるため体に負担がかかり、
他の魔術の効率は下がるなどデメリットもあるが、
魔力を大量消費する大規模魔術の急展開では必須の魔術である。[出 182]
精霊魔法から発想を得た技術でその仕組みは似ている。[出 183]
@「契約」は体内の魔術回路の最適化。[出 180]
魔力消費の「条件」のもと、魔術回路を最適化することで
契約を「執行」、魔術を高効率化する。[出 181]
一時的とはいえ魔術回路を組み替えるため体に負担がかかり、
他の魔術の効率は下がるなどデメリットもあるが、
魔力を大量消費する大規模魔術の急展開では必須の魔術である。[出 182]
精霊魔法から発想を得た技術でその仕組みは似ている。[出 183]
(2)相互契約[出 189]
比較的古くからある二者間の契約魔法である。[出 190]
自身と相手の双方に「契約」をかける。[出 191]
互いに設定された同じ「条件」のもと契約内容が「執行」される。[出 192]
この魔法は、互いに嘘をつく度に罰を課せたり、
決闘の場から逃げれなくするなどの使われ方がされてきた。[出 193]
応用すれば多人数間でも使用が可能である。[出 194]
この魔法が呪詛魔法とは違い、正常に機能するには契約者双方に
この魔法が認識される必要があり(認識魔法の章を参照)そのため相手に
何らかの手段で「契約」の説明しなくてはいけない特徴がある。[出 195]
交互契約の影響の受けやすさには大きな個人差があり、
時には全く受け付けない者もいる。[出 196]
自身と相手の双方に「契約」をかける。[出 191]
互いに設定された同じ「条件」のもと契約内容が「執行」される。[出 192]
この魔法は、互いに嘘をつく度に罰を課せたり、
決闘の場から逃げれなくするなどの使われ方がされてきた。[出 193]
応用すれば多人数間でも使用が可能である。[出 194]
この魔法が呪詛魔法とは違い、正常に機能するには契約者双方に
この魔法が認識される必要があり(認識魔法の章を参照)そのため相手に
何らかの手段で「契約」の説明しなくてはいけない特徴がある。[出 195]
交互契約の影響の受けやすさには大きな個人差があり、
時には全く受け付けない者もいる。[出 196]
(3)制約魔法[出 197]
自身に制約をかけ、その制約の重さに応じた恩恵を受ける魔法である。[出 198]
「契約」は魔術回路の変質。[出 199]
自身が何らかの制約を遵守する「条件」のもと、
それに応じて術者が恩恵を受ける形で「執行」される。[出 200]
人が持つ魔術回路は膨大だが、そのほとんど全てが既に生きる上で利用され、
新たに活用できる量はごく僅かだ。[出 201]
そこで自身の何らかの行動を制限し、
魔術回路の余剰を作り出すのがこの魔法である。[出 202]
有名なもので眼を失う代わりに膨大な魔力を得る『ミーミルの泉』、[出 203]
腕を失う代わりに術式なしで魔術を使う『見えざる手』、[出 204]
命を糧に獄炎を呼び出す『ダルヴァザ』等、[出 205]
穏やかで無いものが多いがある種の魔法使用を制限し
別の魔法の能率あげるなど有用なものも多い。[出 206]
無論、魔術回路を強制的に組み直し固定するので制約の解除は簡単ではなく、
時には実質解除できないこともある。[出 207]
また、魔法をかけられるのは基本的に自身に対してのみで、
制約に完全な強制力を持たせる束縛制と、
自身の意思で制約に反することはできるが
それに応じてペナルティがつく宣誓制がある。[出 208]
習得自体は比較的容易だが、望んだ利益をそれにみあった
代償で得れるかは術者の力量や適性による。[出 209]
これらは純粋な契約魔法ではあるが、他の分野に応用できるものが多い。[出 210]
また、もとは契約魔法でありながら、その特徴を非常に強く残しつつ、
一つの魔術形態として体系化されるというのはよくあることだ。[出 211]
契約魔法は今や基礎学問となっている。[出 212]
魔法や魔術を学ぶ者であれば一度は足を踏み入れる分野でありながら、
それ自体が非常に完成され、尚且つ未だ研究の余地がある
魔術の登竜門であるといえる。[出 213]
「契約」は魔術回路の変質。[出 199]
自身が何らかの制約を遵守する「条件」のもと、
それに応じて術者が恩恵を受ける形で「執行」される。[出 200]
人が持つ魔術回路は膨大だが、そのほとんど全てが既に生きる上で利用され、
新たに活用できる量はごく僅かだ。[出 201]
そこで自身の何らかの行動を制限し、
魔術回路の余剰を作り出すのがこの魔法である。[出 202]
有名なもので眼を失う代わりに膨大な魔力を得る『ミーミルの泉』、[出 203]
腕を失う代わりに術式なしで魔術を使う『見えざる手』、[出 204]
命を糧に獄炎を呼び出す『ダルヴァザ』等、[出 205]
穏やかで無いものが多いがある種の魔法使用を制限し
別の魔法の能率あげるなど有用なものも多い。[出 206]
無論、魔術回路を強制的に組み直し固定するので制約の解除は簡単ではなく、
時には実質解除できないこともある。[出 207]
また、魔法をかけられるのは基本的に自身に対してのみで、
制約に完全な強制力を持たせる束縛制と、
自身の意思で制約に反することはできるが
それに応じてペナルティがつく宣誓制がある。[出 208]
習得自体は比較的容易だが、望んだ利益をそれにみあった
代償で得れるかは術者の力量や適性による。[出 209]
これらは純粋な契約魔法ではあるが、他の分野に応用できるものが多い。[出 210]
また、もとは契約魔法でありながら、その特徴を非常に強く残しつつ、
一つの魔術形態として体系化されるというのはよくあることだ。[出 211]
契約魔法は今や基礎学問となっている。[出 212]
魔法や魔術を学ぶ者であれば一度は足を踏み入れる分野でありながら、
それ自体が非常に完成され、尚且つ未だ研究の余地がある
魔術の登竜門であるといえる。[出 213]
4、認識魔法学
君の後ろには今何があるだろうか、後ろを向かずに考えてほしい。[出 214]
解がでたなら後ろを向いて答え合わせしよう。[出 215]
今、君は後ろにある物を予想したわけだが、あると予想しなかったもの、
その存在を忘れていたものがあるだろう。[出 216]
はたしてそれは、君がその目で確かめるまで存在していたのだろうか。[出 217]
そこにあるものはある、ないものはない、
確かめようが確かめなかろうがそれは変わらないと思うだろう。[出 218]
しかし魔法に至ってはその限りではないのだ。[出 219]
魔法において、未だその全容のほとんどを解明しきれていない関係がある。[出 220]
認識と魔法、この二つには確かに大きな関係がある。[出 221]
この関係性は契約魔法系において最も顕著である。[出 222]
対象から認識されていない契約魔法や術者が相手、
またはその効果を完全に捉えきれていない呪詛魔法は
その効果が全くと言って良いほど発揮されないのだ。[出 223]
故に契約魔法は相手への説明が、呪詛魔法は儀式が必要である。[出 224]
これは一体何に原因があるのか。[出 225]
現代の魔術ではそれに対して「認識」という答えを出した。[出 226]
体内の魔術回路が精神状態に影響されるように、思考つまりは認識によって
魔術回路に影響が出るのでは、という考え方である。[出 227]
この考え方は様々な方面からのアプローチによって
おおよそ合っていると答えが出ている。[出 228]
しかし、なぜ認識によってここまで大きな差がでるのか、
一度認識するだけで魔術が効果を発揮するようになるのか、
これらの問題に解は出ていない。[出 229]
人体の魔力回路の完全なトレース技術が確立していない今、
確認しきれないのだ。[出 230]
認識魔法学では、人の認識が及ぼす人自身や魔力への影響を
様々な方面からの研究している。[出 231]
これらの研究はいずれ、
人の使うあらゆる魔術へ大きな影響を及ぼすだろう。[出 232]
解がでたなら後ろを向いて答え合わせしよう。[出 215]
今、君は後ろにある物を予想したわけだが、あると予想しなかったもの、
その存在を忘れていたものがあるだろう。[出 216]
はたしてそれは、君がその目で確かめるまで存在していたのだろうか。[出 217]
そこにあるものはある、ないものはない、
確かめようが確かめなかろうがそれは変わらないと思うだろう。[出 218]
しかし魔法に至ってはその限りではないのだ。[出 219]
魔法において、未だその全容のほとんどを解明しきれていない関係がある。[出 220]
認識と魔法、この二つには確かに大きな関係がある。[出 221]
この関係性は契約魔法系において最も顕著である。[出 222]
対象から認識されていない契約魔法や術者が相手、
またはその効果を完全に捉えきれていない呪詛魔法は
その効果が全くと言って良いほど発揮されないのだ。[出 223]
故に契約魔法は相手への説明が、呪詛魔法は儀式が必要である。[出 224]
これは一体何に原因があるのか。[出 225]
現代の魔術ではそれに対して「認識」という答えを出した。[出 226]
体内の魔術回路が精神状態に影響されるように、思考つまりは認識によって
魔術回路に影響が出るのでは、という考え方である。[出 227]
この考え方は様々な方面からのアプローチによって
おおよそ合っていると答えが出ている。[出 228]
しかし、なぜ認識によってここまで大きな差がでるのか、
一度認識するだけで魔術が効果を発揮するようになるのか、
これらの問題に解は出ていない。[出 229]
人体の魔力回路の完全なトレース技術が確立していない今、
確認しきれないのだ。[出 230]
認識魔法学では、人の認識が及ぼす人自身や魔力への影響を
様々な方面からの研究している。[出 231]
これらの研究はいずれ、
人の使うあらゆる魔術へ大きな影響を及ぼすだろう。[出 232]
5、魔術回路学
魔術にとって最も必要なものは何か。[出 233]
それは才能でも余りある魔力でもない。[出 234]
勿論使用するという点では、ある程度の適正は必要だ。[出 235]
しかしそれだけでは知恵を持つ人間の特権たる魔術は到底扱えない。[出 236]
知識、知能、知性、これに尽きる。[出 237]
ここで、そんな人の持つ知能を魔術に導いてくれる学問、
魔術回路学について論じることが必要である。[出 238]
魔術回路学は魔術系の根幹をなす分野だ。[出 239]
魔力には様々な特性があるが、
それらを活用するには正しく導かなくてはならない。[出 240]
そこで必要なのが魔術回路だ。[出 241]
魔術と聞いて、魔方陣を思い浮かべる人は多いだろう。[出 242]
あれは魔術回路の最も原始的な形で、
目に見える形で回路を描きその上を魔力でなぞるというものだ。[出 243]
地面に書く魔方陣程度でできるのは、数種類の魔力の合成や分離程度であるが、
現代ではそこから大きな進歩を遂げた。[出 244]
それは才能でも余りある魔力でもない。[出 234]
勿論使用するという点では、ある程度の適正は必要だ。[出 235]
しかしそれだけでは知恵を持つ人間の特権たる魔術は到底扱えない。[出 236]
知識、知能、知性、これに尽きる。[出 237]
ここで、そんな人の持つ知能を魔術に導いてくれる学問、
魔術回路学について論じることが必要である。[出 238]
魔術回路学は魔術系の根幹をなす分野だ。[出 239]
魔力には様々な特性があるが、
それらを活用するには正しく導かなくてはならない。[出 240]
そこで必要なのが魔術回路だ。[出 241]
魔術と聞いて、魔方陣を思い浮かべる人は多いだろう。[出 242]
あれは魔術回路の最も原始的な形で、
目に見える形で回路を描きその上を魔力でなぞるというものだ。[出 243]
地面に書く魔方陣程度でできるのは、数種類の魔力の合成や分離程度であるが、
現代ではそこから大きな進歩を遂げた。[出 244]
5-1、自走回路
魔術回路を魔力で描く技術だ。[出 245]
これによって魔術回路は飛躍的に発展した。[出 246]
今までは魔方陣を見て、それに沿うように魔力を扱った。[出 247]
実は当時、これは非常に難しい作業で、
魔法に対して魔術が大きく遅れをとっていた原因でもある。[出 248]
そこで産み出されたのが、例えるなら魔力をパイプのように
設置してそこに魔力を流すような技術だ。[出 249]
これを基礎に魔術はさらに大きく発展した。[出 250]
これによって魔術回路は飛躍的に発展した。[出 246]
今までは魔方陣を見て、それに沿うように魔力を扱った。[出 247]
実は当時、これは非常に難しい作業で、
魔法に対して魔術が大きく遅れをとっていた原因でもある。[出 248]
そこで産み出されたのが、例えるなら魔力をパイプのように
設置してそこに魔力を流すような技術だ。[出 249]
これを基礎に魔術はさらに大きく発展した。[出 250]
5-2、空間回路
今までは平面に書いていた魔方陣が、
自由度の高い魔力での形成に変わったためできた技術である。[出 251]
平面上の魔方陣では、いくつもの経路が重なると混乱し
うまく機能しないことも多かった。[出 252]
そこで空間に魔術回路を重ねるように描くことで、
魔術回路はより複雑化、高度化した。[出 253]
この技術の登場により複雑化した魔術回路の書記形態が規格化され、
現代もその規格をもとに魔術回路が筆記されている。[出 254]
自由度の高い魔力での形成に変わったためできた技術である。[出 251]
平面上の魔方陣では、いくつもの経路が重なると混乱し
うまく機能しないことも多かった。[出 252]
そこで空間に魔術回路を重ねるように描くことで、
魔術回路はより複雑化、高度化した。[出 253]
この技術の登場により複雑化した魔術回路の書記形態が規格化され、
現代もその規格をもとに魔術回路が筆記されている。[出 254]
5-3、回路接続
人体の魔力回路の研究が進んだ結果、
それと魔術回路を接続することが可能となった。[出 255]
これにより適正魔力の分配、回路の臨機応変な個人調整、
魔力制御の単純化に成功し、魔術の高効率化に成功した。[出 256]
それと魔術回路を接続することが可能となった。[出 255]
これにより適正魔力の分配、回路の臨機応変な個人調整、
魔力制御の単純化に成功し、魔術の高効率化に成功した。[出 256]
5-4、制御導体回路
自走回路に続き第二の革新と呼ばれる。[出 257]
回路内で魔力の動きを制御する回路技術。[出 258]
例えば魔力を一定時間止めたいとき、それまでは長い回路の中に
通して時間を稼ぐ必要があった。[出 259]
複雑化した回路内で、魔力の動きを
完全に制御できる人間は僅であったからだ。[出 260]
制御導体は高い水準での魔力制御を可能にした。[出 261]
魔力の停滞、加速、一時保存、
更には周波という概念も登場し魔術は多様化した。[出 262]
回路内で魔力の動きを制御する回路技術。[出 258]
例えば魔力を一定時間止めたいとき、それまでは長い回路の中に
通して時間を稼ぐ必要があった。[出 259]
複雑化した回路内で、魔力の動きを
完全に制御できる人間は僅であったからだ。[出 260]
制御導体は高い水準での魔力制御を可能にした。[出 261]
魔力の停滞、加速、一時保存、
更には周波という概念も登場し魔術は多様化した。[出 262]
その他
これらの応用的なもの[出 263]
集積回路
複合螺旋回路
回路一体型魔術
再生回路
これらは専門性が増し、その技術の量も膨大になる。[出 264]
魔術回路を制するものは魔術を制する。[出 265]
人類の英知の結晶であるそこには、魔術の全てがつまっている。[出 266]
魔術回路を制するものは魔術を制する。[出 265]
人類の英知の結晶であるそこには、魔術の全てがつまっている。[出 266]
6、結界魔術
魔法は時に人に猛威を奮うことがある。[出 267]
それは高位の生物からであったり、自然からであったり、
はたまた同じ人間からであったりする。[出 268]
雨風を凌ぐには家が必要だが、魔法を凌ぐのにもまた壁が必要だ。[出 269]
それは高位の生物からであったり、自然からであったり、
はたまた同じ人間からであったりする。[出 268]
雨風を凌ぐには家が必要だが、魔法を凌ぐのにもまた壁が必要だ。[出 269]
魔法の奔流から人間の命と安寧を護るもの、それが結界魔術だ。[出 270]
魔法は魔力によって構成されており、
したがって同じく魔力で構成された結界で相殺する事ができる。[出 271]
魔法でなくても魔力は火や衝撃などによる外傷を和らげることはできる。[出 272]
魔力を持つ者なら、すなわち人であれば誰でも結界を纏っているといえる。[出 273]
しかし、それは鍛練を積んだ者でなければ布を纏っているようなもので、
高温の火や攻撃魔法、斬撃などの前では無力に等しい。[出 274]
そこで魔術では魔力を用いて壁を築いた。[出 275]
適した魔力を選びとり、強固な形に整える、
それだけで魔力の布は石のように堅くなるのだ。[出 276]
結界は「形を整えるほど堅くなる」という点で魔術と非常に相性が良い。[出 277]
式を用いて高精度で魔力扱う魔術は、
精度こそ強さである結界において魔法を遥かに凌駕する。[出 278]
結界こそ魔術の真骨頂といっても過言でないだろう。[出 279]
今でも結界は様々な魔術を取り込み、進化を続けている。[出 280]
これといって特徴的な属性を持たない結界魔術は他の魔術を拒絶せず、
その要素を受け入れやすいからだ。[出 281]
結界魔術が多様化した現在でも、その種類は大きく三つに分ける事ができる[出 282]
したがって同じく魔力で構成された結界で相殺する事ができる。[出 271]
魔法でなくても魔力は火や衝撃などによる外傷を和らげることはできる。[出 272]
魔力を持つ者なら、すなわち人であれば誰でも結界を纏っているといえる。[出 273]
しかし、それは鍛練を積んだ者でなければ布を纏っているようなもので、
高温の火や攻撃魔法、斬撃などの前では無力に等しい。[出 274]
そこで魔術では魔力を用いて壁を築いた。[出 275]
適した魔力を選びとり、強固な形に整える、
それだけで魔力の布は石のように堅くなるのだ。[出 276]
結界は「形を整えるほど堅くなる」という点で魔術と非常に相性が良い。[出 277]
式を用いて高精度で魔力扱う魔術は、
精度こそ強さである結界において魔法を遥かに凌駕する。[出 278]
結界こそ魔術の真骨頂といっても過言でないだろう。[出 279]
今でも結界は様々な魔術を取り込み、進化を続けている。[出 280]
これといって特徴的な属性を持たない結界魔術は他の魔術を拒絶せず、
その要素を受け入れやすいからだ。[出 281]
結界魔術が多様化した現在でも、その種類は大きく三つに分ける事ができる[出 282]
1、障壁結界
主な目的は「魔法的、物理的現象の遮断」である。[出 283]
強固な多角結界と変型が容易な曲面結界に大分される。[出 284]
多角結界では最も簡単な三点結界や正方結界の他、
中心の一点を基準点とする円形結界、多角結界の中で
最も安定な六角結界などが使われることが多い。[出 285]
強固な多角結界と変型が容易な曲面結界に大分される。[出 284]
多角結界では最も簡単な三点結界や正方結界の他、
中心の一点を基準点とする円形結界、多角結界の中で
最も安定な六角結界などが使われることが多い。[出 285]
2、拘束結界
外側へ現象を拒む障壁結界に対して、
これは「内側に魔法的、物理的現象を閉じ込める」ことを目的としている。[出 286]
障壁結界を箱状にする基本的な形の他、
物理的なものでは障壁結界を組み合わせ拘束具を作る鎖状結界や、
魔力のみを結晶化して閉じ込める封入結界がある。[出 287]
これは「内側に魔法的、物理的現象を閉じ込める」ことを目的としている。[出 286]
障壁結界を箱状にする基本的な形の他、
物理的なものでは障壁結界を組み合わせ拘束具を作る鎖状結界や、
魔力のみを結晶化して閉じ込める封入結界がある。[出 287]
3、複合結界
障壁結界や拘束結界と他の魔術を合わせたもの。[出 288]
空間固定など結界内で他の魔術を発動するもの
や結界に属性を付与したりできる。[出 289]
結界内では魔力の損失を大きく抑えることを利用して、衝撃や魔力の吸収、分散、
反射などの魔術を効率よく用いて結界に大きな幅を持たせる。[出 290]
純粋な障壁結界とそれで構成された拘束結界以外はこれに相当する。[出 291]
空間固定など結界内で他の魔術を発動するもの
や結界に属性を付与したりできる。[出 289]
結界内では魔力の損失を大きく抑えることを利用して、衝撃や魔力の吸収、分散、
反射などの魔術を効率よく用いて結界に大きな幅を持たせる。[出 290]
純粋な障壁結界とそれで構成された拘束結界以外はこれに相当する。[出 291]
その他
結界はその種類や用途が極めて多い。[出 292]
有名なものでは、複数の結界を重ねて強化したり
全く新しい性能を引き出す多重結界、魔力の遮断性能が極めて高い鏡面結界、
解離魔術との複合結界において最高効率を誇る円球結界、六角結界を連続的に
組み合わせた強固なハニカム式結界、エンチャントや結界の補強などに
用いられる線状結界などがある。[出 293]
他にも障壁結界では乱面鏡結界、拘束結界ではプリズン系やピラー系、
封入結界ではブリリアント系やスクエアー系など非常に多くの形式がある。[出 294]
それぞれの複合結界も含めると膨大な数になる。[出 295]
結界魔術は魔術式を用いて、
考え、組合せるもっとも魔術らしいといえる存在だ。[出 296]
有名なものでは、複数の結界を重ねて強化したり
全く新しい性能を引き出す多重結界、魔力の遮断性能が極めて高い鏡面結界、
解離魔術との複合結界において最高効率を誇る円球結界、六角結界を連続的に
組み合わせた強固なハニカム式結界、エンチャントや結界の補強などに
用いられる線状結界などがある。[出 293]
他にも障壁結界では乱面鏡結界、拘束結界ではプリズン系やピラー系、
封入結界ではブリリアント系やスクエアー系など非常に多くの形式がある。[出 294]
それぞれの複合結界も含めると膨大な数になる。[出 295]
結界魔術は魔術式を用いて、
考え、組合せるもっとも魔術らしいといえる存在だ。[出 296]
7、精霊魔法
極めて純度の高い魔力的存在であり、時に人に恩恵を与え時に牙を剥く、思考する
自然とも言える存在、それが精霊だ。[出 297]
余程高位の存在でなければ人の言葉での対話は難しいが
魔法を介した使役や取引は可能である。[出 298]
魔術をもってしても超えられない自然、それを味方に
つける魔法が精霊魔法だ。[出 299]
精霊魔法で主に扱う魔力精霊は自然そのものであり、
どこにでも存在するがどこにもいない、
そんな本来使役することなどできない存在だ。[出 300]
しかし太古に生み出された精霊魔法はそれを可能にする。[出 301]
その原理は契約魔法に由来し、現在でもそれは変わっていない。[出 302]
自然とも言える存在、それが精霊だ。[出 297]
余程高位の存在でなければ人の言葉での対話は難しいが
魔法を介した使役や取引は可能である。[出 298]
魔術をもってしても超えられない自然、それを味方に
つける魔法が精霊魔法だ。[出 299]
精霊魔法で主に扱う魔力精霊は自然そのものであり、
どこにでも存在するがどこにもいない、
そんな本来使役することなどできない存在だ。[出 300]
しかし太古に生み出された精霊魔法はそれを可能にする。[出 301]
その原理は契約魔法に由来し、現在でもそれは変わっていない。[出 302]
その原理の使用手順とは
精霊魔法にはまず準備が必要だ。[出 303]
何より最初に行われるのは魔力回路に精霊を
受け入れる為の「刻印」を刻むこと、いわば契約だ。[出 304]
これは精霊の系統毎に必要で、個人の資質や才能によって刻印を
刻むことのできる数や種類はある程度決まっている。[出 305]
刻印による契約が終了すれば次にすることは睡眠だ。[出 306]
刻印を定着させると共に事前詠唱を行う為で[出 307]
起床後に事前詠唱、俗にいう祈祷を行う。[出 308]
精霊魔法の秘密はここにある。[出 309]
本来操作できない精霊を使役するために魔力回路を
刻印に合わせて一時的に固定するのだ。[出 310]
これが契約魔法に由来すると言われる理由で、
これにより精霊の使役が可能となる。[出 311]
事前詠唱の文言は長く、その回数によってその日に使える
魔法の回数も変わるのでよく考えてその日に使役する精霊を選択する。[出 312]
以上の準備を済ませたらようやく使用できる状況になる。[出 313]
しかし精霊魔法の魅力はその効率だ。[出 314]
低級精霊なら自身の魔力消費はほぼゼロ、
上級でも同じ規模の魔術の半分以下と桁違いの効率だ。[出 315]
他にも自身の魔力回復や、維持のための魔力無しで長時間効果が持続するなど、
複雑な準備をする価値のあるものばかりだ。[出 316]
ただし事前詠唱によって使える回数に制限があり、
自然の力を使うという性質上乾燥した砂漠で水の精霊を使役したり、
海上で土系の精霊を使役することはできない。[出 317]
また最上位種以外での複雑な操作は不可能で魔術との相性は悪い。[出 318]
それでも、いとも簡単に竜巻や雷を起こすことのできる
精霊魔法は魅力的といえる。[出 319]
精霊のなかでも最上位種と呼ばれる高位の精霊は自分の気に入った
魔法使いを選び契約を交わすという。[出 320]
最上位種との契約を目的に世界を旅する魔法使いも少なくない。[出 321]
さらにその上には神格精霊が存在するのだが、これを読んでいる人の中に
彼らと契約を結ぶことのできる人はいるだろうか。[出 322]
自分が自然に気に入られているか、旅をして確かめてみてはどうだろうか。[出 323]
何より最初に行われるのは魔力回路に精霊を
受け入れる為の「刻印」を刻むこと、いわば契約だ。[出 304]
これは精霊の系統毎に必要で、個人の資質や才能によって刻印を
刻むことのできる数や種類はある程度決まっている。[出 305]
刻印による契約が終了すれば次にすることは睡眠だ。[出 306]
刻印を定着させると共に事前詠唱を行う為で[出 307]
起床後に事前詠唱、俗にいう祈祷を行う。[出 308]
精霊魔法の秘密はここにある。[出 309]
本来操作できない精霊を使役するために魔力回路を
刻印に合わせて一時的に固定するのだ。[出 310]
これが契約魔法に由来すると言われる理由で、
これにより精霊の使役が可能となる。[出 311]
事前詠唱の文言は長く、その回数によってその日に使える
魔法の回数も変わるのでよく考えてその日に使役する精霊を選択する。[出 312]
以上の準備を済ませたらようやく使用できる状況になる。[出 313]
しかし精霊魔法の魅力はその効率だ。[出 314]
低級精霊なら自身の魔力消費はほぼゼロ、
上級でも同じ規模の魔術の半分以下と桁違いの効率だ。[出 315]
他にも自身の魔力回復や、維持のための魔力無しで長時間効果が持続するなど、
複雑な準備をする価値のあるものばかりだ。[出 316]
ただし事前詠唱によって使える回数に制限があり、
自然の力を使うという性質上乾燥した砂漠で水の精霊を使役したり、
海上で土系の精霊を使役することはできない。[出 317]
また最上位種以外での複雑な操作は不可能で魔術との相性は悪い。[出 318]
それでも、いとも簡単に竜巻や雷を起こすことのできる
精霊魔法は魅力的といえる。[出 319]
精霊のなかでも最上位種と呼ばれる高位の精霊は自分の気に入った
魔法使いを選び契約を交わすという。[出 320]
最上位種との契約を目的に世界を旅する魔法使いも少なくない。[出 321]
さらにその上には神格精霊が存在するのだが、これを読んでいる人の中に
彼らと契約を結ぶことのできる人はいるだろうか。[出 322]
自分が自然に気に入られているか、旅をして確かめてみてはどうだろうか。[出 323]
8、呪詛魔術
呪いというものがある。おとぎ話の魔女が使うそれである。[出 324]
恨みを種に生まれ恐怖を糧に育った、人に危害を与えることを
目的とした悪しき魔法の象徴だ。[出 325]
時代は移り、呪いとしてではなく
魔術として発展したがその本質は変わっていない。[出 326]
合意無き一方的契約による支配、それが呪詛魔術の本質だ。[出 327]
呪詛魔術は契約魔法と同じ、魔力回路の操作に関する魔術だ。[出 328]
契約魔法と違うのは、契約魔法が術者自身を含んだ範囲を
対象とするのに対して、呪詛魔術は自身を効果の対象としないことが多い。[出 329]
そしてなにより呪詛魔術は対象に認識されることなく
魔力回路に作用することができる点だ。[出 330]
契約魔法における重要なプロセスの一つである
「魔法の存在が認識される」ことが必要になる。[出 331]
呪詛魔術はそのプロセス無しに効果を発揮する。[出 332]
そもそも契約魔法が効果を発揮するために認知される必要があるとされているのは
認識魔法学の考え方に基づいて契約魔法が発展したことが背景にある。[出 333]
認識魔法学を基に契約魔法は、対象に認識された結果生じる
魔力回路の変化を魔法の過程に上手く組み込み、その汎用性と効率を上げた。[出 334]
対して呪詛魔術はそのプロセス無しに契約魔法と同等以上の効果を導く必要があり、
契約魔法より幾分か高級な魔術といえる。[出 335]
呪詛魔術には直接投影と遠隔干渉の二種類がある。[出 336]
前者は対象に対する体内に物を入れる(飲食させる、刺す等)、触る、知覚などの
動作によって魔術を仕掛けるもので、この三つは順に体内射影、接触射影、
感覚射影と呼ばれ呪詛魔術の基本的な発動形体だ。[出 337]
知覚投射は対象に物理的接触をすることなしに発動するもので、
個人と場所の特定及び体毛など体の一部を入手した上で
やや大がかりな儀式が必要になり、魔術自体の難易度も高い。[出 338]
対象に魔術を仕掛けた後の発動原理は契約魔術と同じである。[出 339]
現在ではアンチマジックアイテムの登場や法整備によって
呪詛魔術の使用が制限され、術式解析によって呪詛魔術の術者を
逆探知できるようになった。とはいえ、呪いによる被害は決して減っていない。[出 340]
そんな人に被害を及ぼす呪詛魔術に対向する手段として
もっとも有効なものは同じ呪詛魔術だ。[出 341]
魔術に同じ系統の魔術で対向するカウンターマジックと呼ばれる考え方で、
呪詛魔術に関しては古くから呪い返しと呼ばれている。[出 342]
呪詛魔術の解除や被害を受ける前に防ぐ手段としてとしてかなり有効で、
現在の呪詛魔術の研究は主にこのカウンターマジックの為に行われている。[出 343]
物は使いようである。[出 344]
呪詛魔術は公的に犯罪者の拘束などにも使われている。[出 345]
人を守るか人を傷つけるかは術者に依る。[出 346]
それは呪詛魔術に限らず魔術全般にいえることである。[出 347]
恨みを種に生まれ恐怖を糧に育った、人に危害を与えることを
目的とした悪しき魔法の象徴だ。[出 325]
時代は移り、呪いとしてではなく
魔術として発展したがその本質は変わっていない。[出 326]
合意無き一方的契約による支配、それが呪詛魔術の本質だ。[出 327]
呪詛魔術は契約魔法と同じ、魔力回路の操作に関する魔術だ。[出 328]
契約魔法と違うのは、契約魔法が術者自身を含んだ範囲を
対象とするのに対して、呪詛魔術は自身を効果の対象としないことが多い。[出 329]
そしてなにより呪詛魔術は対象に認識されることなく
魔力回路に作用することができる点だ。[出 330]
契約魔法における重要なプロセスの一つである
「魔法の存在が認識される」ことが必要になる。[出 331]
呪詛魔術はそのプロセス無しに効果を発揮する。[出 332]
そもそも契約魔法が効果を発揮するために認知される必要があるとされているのは
認識魔法学の考え方に基づいて契約魔法が発展したことが背景にある。[出 333]
認識魔法学を基に契約魔法は、対象に認識された結果生じる
魔力回路の変化を魔法の過程に上手く組み込み、その汎用性と効率を上げた。[出 334]
対して呪詛魔術はそのプロセス無しに契約魔法と同等以上の効果を導く必要があり、
契約魔法より幾分か高級な魔術といえる。[出 335]
呪詛魔術には直接投影と遠隔干渉の二種類がある。[出 336]
前者は対象に対する体内に物を入れる(飲食させる、刺す等)、触る、知覚などの
動作によって魔術を仕掛けるもので、この三つは順に体内射影、接触射影、
感覚射影と呼ばれ呪詛魔術の基本的な発動形体だ。[出 337]
知覚投射は対象に物理的接触をすることなしに発動するもので、
個人と場所の特定及び体毛など体の一部を入手した上で
やや大がかりな儀式が必要になり、魔術自体の難易度も高い。[出 338]
対象に魔術を仕掛けた後の発動原理は契約魔術と同じである。[出 339]
現在ではアンチマジックアイテムの登場や法整備によって
呪詛魔術の使用が制限され、術式解析によって呪詛魔術の術者を
逆探知できるようになった。とはいえ、呪いによる被害は決して減っていない。[出 340]
そんな人に被害を及ぼす呪詛魔術に対向する手段として
もっとも有効なものは同じ呪詛魔術だ。[出 341]
魔術に同じ系統の魔術で対向するカウンターマジックと呼ばれる考え方で、
呪詛魔術に関しては古くから呪い返しと呼ばれている。[出 342]
呪詛魔術の解除や被害を受ける前に防ぐ手段としてとしてかなり有効で、
現在の呪詛魔術の研究は主にこのカウンターマジックの為に行われている。[出 343]
物は使いようである。[出 344]
呪詛魔術は公的に犯罪者の拘束などにも使われている。[出 345]
人を守るか人を傷つけるかは術者に依る。[出 346]
それは呪詛魔術に限らず魔術全般にいえることである。[出 347]
9、召喚魔法
召喚魔法には大きく二つの種類がある。[出 348]
転移型と創造型だ。[出 349]
どちらも必要な才覚は違うが両立は可能である。[出 350]
転移型は使い魔を遠方から術者の元に呼び出すものだ。[出 351]
魔力の消費は召喚と返還の時のみで、使い魔の種類によっては特殊な転移方法を使用できたり、使い魔と折半で魔力を消費して空間転移を行うことも多い。[出 352]
一度呼び出せば、魔力の消費なしでいくらでも共に活動できることが魅力的である。[出 353]
だが、使い魔の種類や活動場所との相性等によっては
召喚中も魔力やその他サポートが必要であるから注意が必要だ。[出 354]
他にも召喚に使う転移魔法のために、魔力回路の一部が
独占されてしまうという点にも気を付けなくてはならない。[出 355]
転移魔法は実はかなり高度な魔法で、召喚魔法においては
双方の意思疏通と魔術回路の同期があって初めてなりたつのだ。[出 356]
故に多すぎる使い魔との契約は自身の魔術的キャパシティを
大きく失うことになるので避けるべきだ。[出 357]
しかし自身はほとんど他の魔法を使わない召喚魔法の専門家もいる。[出 358]
その場合は特に「召喚士」と呼ばれる。[出 359]
創造型は技術的観点では転移型より高級だ。[出 360]
なぜなら創造型は、ホムンクルスやゴーレムに代表される人工生命体に
近い「擬似的生物」を作り出し、尚且つそれを使役する必要があるからだ。[出 361]
この「擬似的生物」は一般にサモンと呼ばれる。[出 362]
サモンにはある程度の定型がある。[出 363]
実在する生物の体を模した動物タイプ。[出 364]
能力は低いものの、高い自動性と効率が特徴だ。[出 365]
体は土などで構成するか、結界などの技術で形を維持する。[出 366]
どちらにしろ実体を持っている。[出 367]
魔力体のみで構成された精霊タイプ。[出 368]
召喚に多くの魔力が必要で、不安定なため自動性はほとんどなく、
常に術者操作する必要がある。[出 369]
空気のように実体を持たないので物理的損傷による術の解除が起きず、
多くの魔力を保持しながら術者自身と遜色ない精度でそれを利用できる。[出 370]
そして多くのサモンの定型はこの二つのタイプを織り混ぜて作られている。[出 371]
どのようなサモンが術者に合うかは好みと適正によるところである。[出 372]
上級者となれば定型にとらわれずオリジナルのサモンを作ることも可能だ[出 373]
転移型よりも難易度が高く、魔力を消費し続けるが
危険な命令も遂行させることができる。[出 374]
使い魔は意思のある一固体の魔物であるのに対して、
サモン自体には意思がないからだ。[出 375]
サモンの行動は術者の命令とあらかじめ術に
組み込まれた行動パターンに依る。[出 376]
ここではその紹介を省くが一言に魔物といっても極めて多くの種類がいて、
その生態や性格も様々だ。[出 377]
契約方法も直接会って契約を交わしたり、魔導書などを介して行ったりと多様だ。[出 378]
サモンについても同じで、一定の形式があるものの術者個人の素質や性格等を
色濃く反映し、時には大きな変化をもたらす。[出 379]
最高位のドラゴンと契約した召喚士や、それに匹敵するようなサモンを
作り出した者もいるという。[出 380]
だとすればとても夢のある話ではないだろう。[出 381]
転移型と創造型だ。[出 349]
どちらも必要な才覚は違うが両立は可能である。[出 350]
転移型は使い魔を遠方から術者の元に呼び出すものだ。[出 351]
魔力の消費は召喚と返還の時のみで、使い魔の種類によっては特殊な転移方法を使用できたり、使い魔と折半で魔力を消費して空間転移を行うことも多い。[出 352]
一度呼び出せば、魔力の消費なしでいくらでも共に活動できることが魅力的である。[出 353]
だが、使い魔の種類や活動場所との相性等によっては
召喚中も魔力やその他サポートが必要であるから注意が必要だ。[出 354]
他にも召喚に使う転移魔法のために、魔力回路の一部が
独占されてしまうという点にも気を付けなくてはならない。[出 355]
転移魔法は実はかなり高度な魔法で、召喚魔法においては
双方の意思疏通と魔術回路の同期があって初めてなりたつのだ。[出 356]
故に多すぎる使い魔との契約は自身の魔術的キャパシティを
大きく失うことになるので避けるべきだ。[出 357]
しかし自身はほとんど他の魔法を使わない召喚魔法の専門家もいる。[出 358]
その場合は特に「召喚士」と呼ばれる。[出 359]
創造型は技術的観点では転移型より高級だ。[出 360]
なぜなら創造型は、ホムンクルスやゴーレムに代表される人工生命体に
近い「擬似的生物」を作り出し、尚且つそれを使役する必要があるからだ。[出 361]
この「擬似的生物」は一般にサモンと呼ばれる。[出 362]
サモンにはある程度の定型がある。[出 363]
実在する生物の体を模した動物タイプ。[出 364]
能力は低いものの、高い自動性と効率が特徴だ。[出 365]
体は土などで構成するか、結界などの技術で形を維持する。[出 366]
どちらにしろ実体を持っている。[出 367]
魔力体のみで構成された精霊タイプ。[出 368]
召喚に多くの魔力が必要で、不安定なため自動性はほとんどなく、
常に術者操作する必要がある。[出 369]
空気のように実体を持たないので物理的損傷による術の解除が起きず、
多くの魔力を保持しながら術者自身と遜色ない精度でそれを利用できる。[出 370]
そして多くのサモンの定型はこの二つのタイプを織り混ぜて作られている。[出 371]
どのようなサモンが術者に合うかは好みと適正によるところである。[出 372]
上級者となれば定型にとらわれずオリジナルのサモンを作ることも可能だ[出 373]
転移型よりも難易度が高く、魔力を消費し続けるが
危険な命令も遂行させることができる。[出 374]
使い魔は意思のある一固体の魔物であるのに対して、
サモン自体には意思がないからだ。[出 375]
サモンの行動は術者の命令とあらかじめ術に
組み込まれた行動パターンに依る。[出 376]
ここではその紹介を省くが一言に魔物といっても極めて多くの種類がいて、
その生態や性格も様々だ。[出 377]
契約方法も直接会って契約を交わしたり、魔導書などを介して行ったりと多様だ。[出 378]
サモンについても同じで、一定の形式があるものの術者個人の素質や性格等を
色濃く反映し、時には大きな変化をもたらす。[出 379]
最高位のドラゴンと契約した召喚士や、それに匹敵するようなサモンを
作り出した者もいるという。[出 380]
だとすればとても夢のある話ではないだろう。[出 381]
10、元素魔法
太古の昔、世界は無であった。[出 382]
やがて光がうまれると同時にそれを影が包み、世界には正と負ができた。[出 383]
光の中心には激しい火が灯り、影のなかを静かに水が流れた。[出 384]
これらの間を風が吹き荒れ、そこに土が積もった。[出 385]
我々は今、そこに立っている。『西洋魔法大全集 序文より』[出 386]
元素魔法とは太古から伝わる、全ての始まりの言葉である。[出 387]
元素魔法は「世界は火、水、土、風の四元素に分けることができる」という
考え方を元にした、世界最古の魔法形態の一つに数えられる魔法だ。[出 388]
この世界観を魔力概念の基礎とし、常に混じりあってる
魔力を単一元素に純化する「原始」の技術と、混成することで
属性を操作する「混沌」の技術を魔力操作の基礎とする。[出 389]
最古の魔法形態の一つといわれるだけあって、紀元前の遺跡などからも
元素魔法を表しているような記述がいくらか見られる。[出 390]
しかしその起源は定かではなく、
世界各地の遺跡からその存在を確認できる。[出 391]
この魔法の二つの基本技術は現代の魔術においても重要な技術で、
これなくして魔術や魔法の習得はあり得ないだろう。[出 392]
それほど基本的なものではあるが、それ故にこの技術を
疎かにするのとしないのでは天と地ほどの差が出る。[出 393]
元素魔法は自身の魔力を外に出して使用する放出系の魔法だ。[出 394]
しかし体内の魔力は混じり合い、互いに属性を
打ち消し合うことで安定している。[出 395]
それを放出したところで魔力が打ち消し合い、
すぐに霧散してしまうので用途は限られる。[出 396]
原始の技術は、その体内の魔力をある属性に極度に偏らせることで
魔力の放出を意味のあるものにしている。[出 397]
純度の高い単属性の魔力は、他の属性と
混じりにくくなるので扱いやすくなるのだ。[出 398]
対して混沌の技術は、原始の技術によって純化された魔力を混ぜることで
属性を引き立てたり、全く別の属性性質を引き出すものだ。[出 399]
他系統の魔術で主属性とされる属性も、混沌の技術によって
元素魔法体系においても得ることができる。[出 400]
魔法と魔術の双方を学ぶ上で、元素魔法はしばしば重要視される。[出 401]
魔法はともかく、人工の魔術回路を多用する魔術が
重要視してるのは魔力の体感である。[出 402]
体外の魔術回路を使用するといっても、結局利用するのは魔力である。[出 403]
一度でも魔力の純化、混成そしてその流れを体内で
体験するだけで魔術回路をイメージしやすくなる。[出 404]
魔術や魔法、基礎研究が複雑化した現在では元素魔法が
注目されることは少なくなった。[出 405]
その古代魔術としては極めて優れた属性操作力は、
西洋魔術など次の世代の魔法へ受け継がれていった。[出 406]
しかし元素魔法は常に属性魔法形態の基礎である。[出 407]
自分の力に限界を感じたとき、初心に帰るのは大事だ。[出 408]
元素魔法はきっと、魔法世界での身の振り方を教えてくれる。[出 409]
やがて光がうまれると同時にそれを影が包み、世界には正と負ができた。[出 383]
光の中心には激しい火が灯り、影のなかを静かに水が流れた。[出 384]
これらの間を風が吹き荒れ、そこに土が積もった。[出 385]
我々は今、そこに立っている。『西洋魔法大全集 序文より』[出 386]
元素魔法とは太古から伝わる、全ての始まりの言葉である。[出 387]
元素魔法は「世界は火、水、土、風の四元素に分けることができる」という
考え方を元にした、世界最古の魔法形態の一つに数えられる魔法だ。[出 388]
この世界観を魔力概念の基礎とし、常に混じりあってる
魔力を単一元素に純化する「原始」の技術と、混成することで
属性を操作する「混沌」の技術を魔力操作の基礎とする。[出 389]
最古の魔法形態の一つといわれるだけあって、紀元前の遺跡などからも
元素魔法を表しているような記述がいくらか見られる。[出 390]
しかしその起源は定かではなく、
世界各地の遺跡からその存在を確認できる。[出 391]
この魔法の二つの基本技術は現代の魔術においても重要な技術で、
これなくして魔術や魔法の習得はあり得ないだろう。[出 392]
それほど基本的なものではあるが、それ故にこの技術を
疎かにするのとしないのでは天と地ほどの差が出る。[出 393]
元素魔法は自身の魔力を外に出して使用する放出系の魔法だ。[出 394]
しかし体内の魔力は混じり合い、互いに属性を
打ち消し合うことで安定している。[出 395]
それを放出したところで魔力が打ち消し合い、
すぐに霧散してしまうので用途は限られる。[出 396]
原始の技術は、その体内の魔力をある属性に極度に偏らせることで
魔力の放出を意味のあるものにしている。[出 397]
純度の高い単属性の魔力は、他の属性と
混じりにくくなるので扱いやすくなるのだ。[出 398]
対して混沌の技術は、原始の技術によって純化された魔力を混ぜることで
属性を引き立てたり、全く別の属性性質を引き出すものだ。[出 399]
他系統の魔術で主属性とされる属性も、混沌の技術によって
元素魔法体系においても得ることができる。[出 400]
魔法と魔術の双方を学ぶ上で、元素魔法はしばしば重要視される。[出 401]
魔法はともかく、人工の魔術回路を多用する魔術が
重要視してるのは魔力の体感である。[出 402]
体外の魔術回路を使用するといっても、結局利用するのは魔力である。[出 403]
一度でも魔力の純化、混成そしてその流れを体内で
体験するだけで魔術回路をイメージしやすくなる。[出 404]
魔術や魔法、基礎研究が複雑化した現在では元素魔法が
注目されることは少なくなった。[出 405]
その古代魔術としては極めて優れた属性操作力は、
西洋魔術など次の世代の魔法へ受け継がれていった。[出 406]
しかし元素魔法は常に属性魔法形態の基礎である。[出 407]
自分の力に限界を感じたとき、初心に帰るのは大事だ。[出 408]
元素魔法はきっと、魔法世界での身の振り方を教えてくれる。[出 409]
11、西洋魔術
魔力の属性に注目しそれを操る、所謂属性魔法は世界中に存在している。[出 410]
それぞれ特徴があり、基本属性などに多少の差異がある。[出 411]
どれが最も優れているとは一概には言えないが、
最も普及し研究されているものはこの魔術だろう。[出 412]
元素魔法の特性を継承し、属性の操作性に
優れた世界初の魔術系、西洋魔術だ。[出 413]
元素魔法では火、水、風、土の四代元素を としていた。[出 414]
元素魔法での魔力の混成で得られた属性の中でも最も独特で強い特徴を示したもの、
すなわち雷と木を新たに基本属性に加える考え方が広まった。[出 415]
それと同時に、魔力に正負があるという考えが生まれた。[出 416]
しかしこの魔力概念をもとにした魔法は当時の魔術師には複雑すぎた。[出 417]
そこで考案されたのが魔術回路学である。[出 418]
魔術回路を体外に作り可視化することで、今まで感覚的に扱ってきた
魔力の流れを論理的に考えることができるようになった。[出 419]
そうして世界で最初の魔術がうまれたのだ。[出 420]
とはいっても体内の魔力回路は複雑でそれを完全に再現する、もしくは代替することは不可能であったので、魔術の性能は魔法系に比べて非常に劣るものであった。[出 421]
しかし魔術回路を用いることで魔術の共同開発や伝承が容易になり、
西洋魔術が広まると同時のその性能は高められていった。[出 422]
西洋魔法の基本属性は火、水、風、土、雷、木の六大属性だ。[出 423]
それぞれの属性が熱、冷却、流動性、重さ、直進この魔術は人々の想像よりも深く広い。[出 431]性、生命力などといった要素
様々な要素を持ち、そのバランスを調整することで魔法的事象を引き起こす。[出 424]
魔力の属性を細分化したことにより、元素魔法に比べてその魔力の組み合わせは
広がり、より細かい操作が可能となっている。[出 425]
よって西洋魔術やそれと同レベルの魔術の使用者は全ての属性の特性を踏まえた上で、魔術回路に対する十分な理解と魔力の繊細な操作技術が必要になる。[出 426]
西洋魔術はその拡大と共に他の魔術や魔法と組合わさり
様々な魔術形態を産み出した。[出 427]
それと同時に西洋魔術自体も発展している。[出 428]
西洋魔術は基本的な魔術であるが故に長年研究され、
汎用性が非常に高くなっている。[出 429]
西洋魔術なくして魔術は在らず。[出 430]
それぞれ特徴があり、基本属性などに多少の差異がある。[出 411]
どれが最も優れているとは一概には言えないが、
最も普及し研究されているものはこの魔術だろう。[出 412]
元素魔法の特性を継承し、属性の操作性に
優れた世界初の魔術系、西洋魔術だ。[出 413]
元素魔法では火、水、風、土の四代元素を としていた。[出 414]
元素魔法での魔力の混成で得られた属性の中でも最も独特で強い特徴を示したもの、
すなわち雷と木を新たに基本属性に加える考え方が広まった。[出 415]
それと同時に、魔力に正負があるという考えが生まれた。[出 416]
しかしこの魔力概念をもとにした魔法は当時の魔術師には複雑すぎた。[出 417]
そこで考案されたのが魔術回路学である。[出 418]
魔術回路を体外に作り可視化することで、今まで感覚的に扱ってきた
魔力の流れを論理的に考えることができるようになった。[出 419]
そうして世界で最初の魔術がうまれたのだ。[出 420]
とはいっても体内の魔力回路は複雑でそれを完全に再現する、もしくは代替することは不可能であったので、魔術の性能は魔法系に比べて非常に劣るものであった。[出 421]
しかし魔術回路を用いることで魔術の共同開発や伝承が容易になり、
西洋魔術が広まると同時のその性能は高められていった。[出 422]
西洋魔法の基本属性は火、水、風、土、雷、木の六大属性だ。[出 423]
それぞれの属性が熱、冷却、流動性、重さ、直進この魔術は人々の想像よりも深く広い。[出 431]性、生命力などといった要素
様々な要素を持ち、そのバランスを調整することで魔法的事象を引き起こす。[出 424]
魔力の属性を細分化したことにより、元素魔法に比べてその魔力の組み合わせは
広がり、より細かい操作が可能となっている。[出 425]
よって西洋魔術やそれと同レベルの魔術の使用者は全ての属性の特性を踏まえた上で、魔術回路に対する十分な理解と魔力の繊細な操作技術が必要になる。[出 426]
西洋魔術はその拡大と共に他の魔術や魔法と組合わさり
様々な魔術形態を産み出した。[出 427]
それと同時に西洋魔術自体も発展している。[出 428]
西洋魔術は基本的な魔術であるが故に長年研究され、
汎用性が非常に高くなっている。[出 429]
西洋魔術なくして魔術は在らず。[出 430]
12、神聖魔法
宗教と魔法には深い繋がりがある。[出 431]
古くから続く宗教の多くは魔力を神からの
贈り物と考え、魔法を奇跡と呼んだ。[出 432]
魔力の研究が進み、魔術系によって多くの人々がこれを行使できるようになった
現在では、この宗教的考え方はやや古臭いと思われるかもしれない。[出 433]
しかし、宗教によって一部の魔法が大きく発展
してきたことは決して否定できない。[出 434]
信仰は力となり信じる者の手を取った。[出 435]
大きな歴史によって支えられ、多くの信者に
信仰される魔法、それが神聖魔法だ。[出 436]
神聖魔法とは、広義には宗教から発生した魔法全般のことで、
狭義にはハシーユ教の魔法を指すことが多い。[出 437]
かなり早い時期に光の属性を認識し利用している稀有な魔法で、治癒などの
生体に干渉するものや結界などを得意とする。[出 438]
魔法を使える者が少なかった時代では、魔法を使えるというだけで
神聖視され、聖職者となることが少なくなかった。[出 439]
やがて信仰の場は人々を保護する場も兼ねるようになり、病や怪我を治す
治癒魔法や実体のない魔物を退ける結界魔法が聖職者のもとで
発達したといわれる。[出 440]
結界魔法や治癒魔法は他の魔法系統にも存在するが、
神聖魔法のそれは極めて性能が高い。[出 441]
結界魔法は対魔力に優れ、結界魔術の鏡面結界の元になっている。[出 442]
治癒魔法に至っては効率がよく、高位の術者だと
条件が揃えば蘇生も可能だ。[出 443]
完全な形での蘇生魔法は世界を探しても非常に少ない。[出 444]
勿論損傷の激しい死体や、死後何時間も経過したもの、
老衰などからは蘇生できないがまさに奇跡といって過言ではない魔法だ。[出 445]
信じるものは救われる。[出 446]
神聖魔法はその言葉を体現したような魔法だ。[出 447]
今やこの魔法は聖職者だけのものではなくなり、一部は一般的な結界、
治癒魔法として普及しているが、神聖魔法の地位は揺らいでいない。[出 448]
その影には信仰とそれに応える宗教の存在があるのだ。[出 449]
古くから続く宗教の多くは魔力を神からの
贈り物と考え、魔法を奇跡と呼んだ。[出 432]
魔力の研究が進み、魔術系によって多くの人々がこれを行使できるようになった
現在では、この宗教的考え方はやや古臭いと思われるかもしれない。[出 433]
しかし、宗教によって一部の魔法が大きく発展
してきたことは決して否定できない。[出 434]
信仰は力となり信じる者の手を取った。[出 435]
大きな歴史によって支えられ、多くの信者に
信仰される魔法、それが神聖魔法だ。[出 436]
神聖魔法とは、広義には宗教から発生した魔法全般のことで、
狭義にはハシーユ教の魔法を指すことが多い。[出 437]
かなり早い時期に光の属性を認識し利用している稀有な魔法で、治癒などの
生体に干渉するものや結界などを得意とする。[出 438]
魔法を使える者が少なかった時代では、魔法を使えるというだけで
神聖視され、聖職者となることが少なくなかった。[出 439]
やがて信仰の場は人々を保護する場も兼ねるようになり、病や怪我を治す
治癒魔法や実体のない魔物を退ける結界魔法が聖職者のもとで
発達したといわれる。[出 440]
結界魔法や治癒魔法は他の魔法系統にも存在するが、
神聖魔法のそれは極めて性能が高い。[出 441]
結界魔法は対魔力に優れ、結界魔術の鏡面結界の元になっている。[出 442]
治癒魔法に至っては効率がよく、高位の術者だと
条件が揃えば蘇生も可能だ。[出 443]
完全な形での蘇生魔法は世界を探しても非常に少ない。[出 444]
勿論損傷の激しい死体や、死後何時間も経過したもの、
老衰などからは蘇生できないがまさに奇跡といって過言ではない魔法だ。[出 445]
信じるものは救われる。[出 446]
神聖魔法はその言葉を体現したような魔法だ。[出 447]
今やこの魔法は聖職者だけのものではなくなり、一部は一般的な結界、
治癒魔法として普及しているが、神聖魔法の地位は揺らいでいない。[出 448]
その影には信仰とそれに応える宗教の存在があるのだ。[出 449]
13、錬金術
あなたは身の回りの物が一体何でできているのか
考えたことはあるだろうか。[出 450]
木や金属、石など素材の話ではない。[出 451]
もっと根本的な世界の話だ。[出 452]
数種類の魔力の組み合わせで膨大な魔法が編み出されるように、
もし世界が数種類の粒の組み合わせてたような物質が作られていたなら、
好きなものを好きなように作れるのではないだろうか。[出 453]
世界を崩し、組み立てる、それが錬金術だ。[出 454]
元素魔法は「世界は火、水、土、風からできている」という魔力概念を持つが、
これはもともと魔力のみならずあらゆる物質に適用される考え方であった。[出 455]
ここから発展して魔術的に物質を変成させる錬金術が生まれた。[出 456]
しかし実際はそんな単純なものではなく、一時期盛んに行われた卑金属を貴金属に
変成させる研究や賢者の石の生成などはことごとく失敗に終わった。[出 457]
だがこの失敗は後世に大きな遺産を残した。[出 458]
多様な魔術機器の開発、新たな魔法金属、
結晶の発見とそれの精錬、加工技術の発展だ。[出 459]
現在の錬金術は魔法物質の精錬技術と
その研究学門という二つの面を持っている。[出 460]
魔術的性質を持つ鉱石は物質的な結合だけではなく魔力による結合を持つので、
通常の精錬技術では十分に純度の高い金属を得て、
されにそれらを加工することは難しかった。[出 461]
錬金術は従来までの精錬技術に加え、魔術的な技術を取り入れることで
それを比較的容易にした。[出 462]
錬金術による物質を変える試みは失敗したが、
そこから「では物質は一体何でできているのか?」という疑問が発生した。[出 463]
世界には様々な性質をもつ物質があるが、その差異はどこから生まれるものなのか、
物質を細分化するとどこへ行きつくのか。[出 464]
そういった疑問を研究するのもまた錬金術の分野だ。[出 465]
現在の錬金術は以前のそれに比べて些か地味なものとなった。[出 466]
しかし侮るべからず。[出 467]
近年の魔術はその複雑さから魔術的な器具の仕様が必須になりつつある。[出 468]
その素材精錬や加工技術を持つ錬金術の重要性は増すばかりだ。[出 469]
錬金術はこれからの魔術研究の要となる存在であることは間違いないだろう[出 470]
考えたことはあるだろうか。[出 450]
木や金属、石など素材の話ではない。[出 451]
もっと根本的な世界の話だ。[出 452]
数種類の魔力の組み合わせで膨大な魔法が編み出されるように、
もし世界が数種類の粒の組み合わせてたような物質が作られていたなら、
好きなものを好きなように作れるのではないだろうか。[出 453]
世界を崩し、組み立てる、それが錬金術だ。[出 454]
元素魔法は「世界は火、水、土、風からできている」という魔力概念を持つが、
これはもともと魔力のみならずあらゆる物質に適用される考え方であった。[出 455]
ここから発展して魔術的に物質を変成させる錬金術が生まれた。[出 456]
しかし実際はそんな単純なものではなく、一時期盛んに行われた卑金属を貴金属に
変成させる研究や賢者の石の生成などはことごとく失敗に終わった。[出 457]
だがこの失敗は後世に大きな遺産を残した。[出 458]
多様な魔術機器の開発、新たな魔法金属、
結晶の発見とそれの精錬、加工技術の発展だ。[出 459]
現在の錬金術は魔法物質の精錬技術と
その研究学門という二つの面を持っている。[出 460]
魔術的性質を持つ鉱石は物質的な結合だけではなく魔力による結合を持つので、
通常の精錬技術では十分に純度の高い金属を得て、
されにそれらを加工することは難しかった。[出 461]
錬金術は従来までの精錬技術に加え、魔術的な技術を取り入れることで
それを比較的容易にした。[出 462]
錬金術による物質を変える試みは失敗したが、
そこから「では物質は一体何でできているのか?」という疑問が発生した。[出 463]
世界には様々な性質をもつ物質があるが、その差異はどこから生まれるものなのか、
物質を細分化するとどこへ行きつくのか。[出 464]
そういった疑問を研究するのもまた錬金術の分野だ。[出 465]
現在の錬金術は以前のそれに比べて些か地味なものとなった。[出 466]
しかし侮るべからず。[出 467]
近年の魔術はその複雑さから魔術的な器具の仕様が必須になりつつある。[出 468]
その素材精錬や加工技術を持つ錬金術の重要性は増すばかりだ。[出 469]
錬金術はこれからの魔術研究の要となる存在であることは間違いないだろう[出 470]