あみゃあみゃもっちぇきょいくちょじじい!! 31KB
虐待-普通 制裁 理不尽 自業自得 差別・格差 仲違い 誤解・妬み 自滅 家族崩壊 親子喧嘩 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 現代 虐待人間 独自設定 展開がなんかおかしいですが気にしないで下さい。
・俺設定あり。
・人間がちょっとおかしいです。
・展開がおかしいのはいつもと同じく仕様です。
天然あき
「ん、これは?」
ちょっと山登りでもしようかと箪笥の奥に置きっぱなしにしてあった登山用具を取り出すと、その側に放置されていたビニール袋に詰められていたキーホルダーのような防犯ブザーとスプレー缶を男は発見した。
それは護身用スプレーだった。
そういえば一時期弟が妹達の為に防犯グッズを買い込みまくっていたのを思い出す。
それの残りだろう。
今ドイツにいる家族の事を男は思い出す。
名門大学に進学が決まってたのに妹に悪い虫が付いたらいけないと無理矢理留学という手段でついていった弟…。
「過保護にも程があるよなあいつ…」
お人よしの男も弟の妹に対する溺愛っぷりに辟易する。
まぁそんなのはどうでもいい、と作業を再開する男。
「取り合えずとっとこう」
男はそう言ってスプレーをポケットにしまう。
男は知る由もないがその中には警察が鎮圧用に用いるトウガラシスプレーが入っていた。
明らかに見つかったらヤバイものだ。
一見ただのヘアスプレーに見える分タチが悪い。
男も防犯ブザーとかと一緒にされてなかったら気付かなかったかもしれない。
「そうだ、これもらっとこう」
そう言って男は好みの琴線に触れたぬいぐるみの形したブザーを面白がりポケットに入れ、作業を再開した。
一方その頃、
「ゆっへっへっへ!!ここをまりさたちのおうちにしてやるんだぜ!!」
「ゆゆ~んかっこいいわまりさ~♪」
「おちょうしゃんはとっちぇもゆっきゅちちちぇりゅにぇ!!」
「とっちぇもときゃいはじゃよ!!」
ゆっくりまりさとありすの家族が破壊された窓から侵入してきた。
かつてちぇんが破壊した窓を使って新たにゆっくりまりさ親と合わせて二匹、ありすも親と合わせて三匹の計五匹が侵入してきた。
まだ窓の修理をしていなかったのが失敗だった。
外はいらなくなった粗大ごみ等が放置されているから足場として使えば窓からの侵入は難しくない。
「なかなかゆっくりできそうなへやなんだぜ!」
「きょきょにゃらゆっきゅちちちぇにゃいきゃじぇしゃんみょきょないね!!」
「さすがありすのだーりんね!!」
「あちょはきょのいえにょにんげんをどりぇいにちゅればきゃんぺきだにぇ!!」
「ときゃいはにはどりぇいがひちゅじゅひんにぇ!!」
散々騒ぎ立てるゆっくり一家。
だが男は作業に没頭して気付かない。
結局男がゆっくり達の存在に気付いたのは、
「さっさとじゃまなどあはしぬんだぜ!!」
「ゆゆう、まりしゃみょやりゅよ!!」
「とかいはすぎるのにもほどがあるわまりざぁ!!!」
「ときゃいは!ときゃいは!」
まりさが閉じたドアに体当たりをしだした辺りからだった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「泥棒か…?」
男は物音にようやく気付き、片手に先程入手した護身用スプレーを持ち、もう片方には金属バットを持っていた。
いざ襲い掛かられたらスプレーで行動不能にしてバットでぶっ飛ばすつもりだった。犯罪者には結構容赦ないタイプのようだ。
男はゆっくりとドアを引いて開け、中を伺うと、
「ゆっぐりじねえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ドアに体当たりしようとするまりさとそれに続く赤まりさを見た。
大きさからすると成体だ。
「おわぁッ!!?」
それにびっくりして思わずスプレーを吹き掛ける。
その結果トウガラシスプレーを全身に浴びるまりさと赤まりさ。辛いものや苦いものを苦手とするゆっくり。
トウガラシスプレーを浴びてしまえばどうなるか…。
「ゆごお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
目が飛び出そうな位見開き、大粒の涙を滝のように流す。
そして、口から餡子を滝のように吐き出した。
「ゆぎゅえ゛え゛え゛え゛え゛……」
親であるまりさがこのザマなのだ。
子供である赤まりさ等致死量を何十倍もオーバーしていた。
あっという間にぺらぺらの皮に成り果てた。
「ゆごごごご……!!?」
親であるまりさの餡子の流失も止まらない。
おそらく長くはないだろう。
「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「おちょうちゃんぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
悲痛な叫びが響く。
幸せな家族に訪れた突然の不幸、とでも思っているのだろう。
男は的確にトウガラシスプレーをまりさ達に当てておきながらゆっくりが侵入したと気付かず、親ありすの叫びでようやく侵入者がゆっくりである事に気付いた。
「またやっちゃったよ…」
以前も男に体当たりしようとしたちぇんを無意識に金属バットで防御してちぇん
が顔面から金属バットに突っ込んだ事を思い出す。
それと同時にあいつ等元気にしてるかな…と以前飼ったゆっくり達と一緒に思い浮かべながら外の寒風吹きすさぶ状況を見て心配する。
既にぱちゅりーを除いて全て死んでいるのだが男には知る由もない。
それはさておき目の前には饅頭の中身と皮に器用に分かれた二つのゆっくりの成れの果てと三匹のゆっくりありす。
「よきゅみょおちょうしゃんちょいみょうちょをおおおおおお!!!」
「きょのいにゃきゃみょのおおおおお!!!」
ペチペチと体当たりしてくる子ありす二匹。
このままだと前回のちぇん一家と同じ展開になっただろう。
しかし、
「ご、ごめんね!わざとじゃないんだ!!」
「わざとじゃないがらっでゆるざれるぼのじゃないわ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!はんぜいじでるならあばあばぼっでぎなざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
親ありすが叫んだ。
その言葉に男は反応した。
「わ、わかったよ!ちょっとまっててね!!」
男はそう言って急いで部屋から出て行った。
流石に閉まるドアに体当たりする度胸もなかったのか子ありすは男が出ていくまでは邪魔しなかった…。
「まりざぁ…どうじでぇ…」
男が去った後、親ありすが親まりさの残骸を愛おしそうすーりすーりする。
親まりさはどうやら原形を保てているようだ。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛いだいわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?じぶう゛う゛う゛う゛う゛!!?」
すると突然親ありすが痛みを訴えだす。
親まりさにかかったトウガラシスプレーは親まりさの致死量を多量にオーバーしていた。
つまりはまだトウガラシスプレーは親まりさの残骸に沢山残っている訳だ。
それにすーりすーりすれば傷口に塩を塗り込む行為に等しい。
「いじゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?
どうじでごんなごどずぶのお゛お゛お゛お゛!!!
ありずをゆっぎゅりざぜないいながぼのはじねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!
」
親ありすが叫び声を上げて親まりさの残骸、餡子にのしかかる。
しかしトウガラシパワーはゆっくりにとっては絶大な効果を示す。
つまり、
「ふぎょおおおおおおおおお!!?」
皮を通じて親ありすに強烈な激痛を与えたのだ。
「おきゃあしゃんにゃにちちぇりゅのおおおお!!?」
子ありすの一匹、便宜上子ありすAとする、が叫ぶ。
ありすAからすればいきなり父親である親まりさの残骸を攻撃したように見える。
なんでそんな酷い事するのかわからなかった。
「んぎょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
親ありすにいたっては痛みでそれ所じゃない。
致死量ではないものの、行動不能にする位のダメージを負ってしまった。
そうこうしてる間に、
「はい、お菓子持ってきたよ」
男が再びドアを開けて入って来た。
「はいどうぞ」
男が渡したのは羊羹。
百円程度で買える安物だがゆっくりにとっては身にあまるものだ。
「ときゃいはにたべりゅわ!」
「む~しゃむ~しゃ…ちちちちあわしぇえええええええええ!!?」
野良生活では到底食べられない羊羹に思わず叫ぶ子ありす二匹。
親ありすの事も考えず貪る。
「おちびちゃん…ありすにもたべさせてね…」
唐辛子成分が身体を侵食し、軽い麻痺状態になった親ありすが子ありす達に頼む。
だが、
「おちょうしゃんをいじみぇるいにゃきゃみょのにゃんちぇちりゃいわ!!」
「きょれはぜんぶときゃいはにゃありしゅのみょのよ!!
いにゃきゃみょののびゃびゃあににゃんちぇあげにゃいわ!!」
「どうちてぞんなごといぶのおおおおおお!!?とがいはじゃないわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
さっきの行動で親ありすの威厳と信頼は失墜したようだ。
自分達の事しか考えなくなった結果子ありす達はすぐに全部食べ切ってしまう。
そうなれば当然、
「きょんにゃんじゃじぇんじぇんたりにゃいわ!!」
「はやきゅあちゃらしいにょもっちぇきなしゃいきょのいにゃきゃみょの!!」
男にすき放題言い放ち始める。
流石にこんな暴言放たれれば温厚な人でもビキィとくるがこの男の怒りゲージの容量はこの程度じゃMAXには程遠い。
「まだ何かあったかな…?」
男はそう言って再び探しに行った。
男が部屋を出てくのを見て、
「にゃきゃにゃきゃいにゃきゃみょのにちちぇはちゅきゃえりゅにんげんにぇ!!」
「そうにぇ!!しぇいじぇいきょちちゅきゃってあげにゃいちょね!!」
ゆっくり出来るお家と都合のいい奴隷を手に入れた喜びに湧く二匹。
「どうぢでごんなごどずぶのおおおおおお!!?おかあざんはとがいはなのよおおおおおおお!!!だがらだいじにじないどいげないのよおおおおおおおお!!!」
どうやら羊羹が食べられなかった事がショックだったようだ。
ゆっくり家族を殺すにゃ刃物はいらぬ。あまあま少し与えりゃそれでいいって事である。
ゆっくりの家族なぞあまあまを少しくれてやれば勝手に奪い合って自滅か、舌が
肥えて、子供が餌を食わなくなって親が子供が食える餌を探して過労か駆除され子供も飢えて自滅かの二つに一つだ。
赤ありす二匹はもう野良では生きていけないだろう。
そんな事にも気付きもせず親ありすを二匹は見下していた。
「ぶっきゅっきゅ。あんにゃのときゃいはだっちぇ」
「あみゃあみゃみょたべりぇないくちぇになにえらちょうにちちぇりゅんだが…おお、おびゃきゃおびゃきゃ」
どうやらあまあま食えるか食えないかでこいつ等にとっては格別な違いがあるらしい。
あまあま食べられる自分達=とかいは=特権階級。
あまあま食べられない親ありす=いなかもの=ゆっくりできないクズ。
男=奴隷=奴隷。
と言った感じになっているようだ。
何とも素敵な思考をするゆっくり達だ。
「ゆぎぎぎいいいいいい!!!ありずはどがいはなのよ!!!だがらやざじぐじなざい゛い゛い゛い゛い゛!!!じゃないどぜいっざいずるわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
親ありすも親ありすで都会派としてのプライドが親としての愛情を上回ったようだ。
怒りをあらわにして実の子供に敵意丸出しで叫ぶ。
「ぷっきゅっきゅっきゅ!うぎょけにゃいくちぇににゃにいっちぇりゅんだきゃ!!」
「きちゃにゃいおちょうしゃんちゃちにふりぇちゃきゃらくちゃっちゃんだにぇ!」
ゆっくりの思い上がりに歯止めはない。
いつの間にか大切な家族であったまりさ達まで底辺の存在と認識している。
「ゆぎぎぎぎいいいいい!!!」
「ぷきゅきゅきゅ!!ゆっきゅりできにゃいきゅじゅがきょっちみちぇるよ!!」
「みちゃらめぎゃくちゃるきゃらあっちいきょうね!!」
男が来るまでの間、二匹は心置きなく親ありすを侮辱していたのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「う~んあったかなお菓子?」
男は戸棚を漁るが菓子らしきものは何処にもない。
男の一人暮らしのこの家は友人達のたまり場になりやすいので菓子とかはよく備蓄するのだが親から見合いの話しとかされるとここに逃げてくる従姉妹が大量の人参とトレードしていく事がある為よく枯渇するのだ。
「頼むから人参ばっか送るのやめてくれ、送ってもらってる分際で言うのもなんだが違ったもん送ってくれって言ったら高麗人参をクール便で送り付けてきやがって…どうやってこんな大量に仕入れたんだ?」
男は従姉妹に対して愚痴を漏らすが赤ありす二匹にやるあまあまは一向に見つからない。
「そういえば…!!」
すると男に天啓が閃く。
大体この場合ロクな事にならない。
男はそんなジンクスに気付きもせず、冷蔵庫にあるものを取り出した。
「これで大丈夫だな」
男はそう言って赤ありす達がいる部屋に戻って行った。
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「ゆっきゅりししゅぎよきょのいにゃきゃみょの!!!」
「おみゃえみちゃいないなきゃみょのがゆっきゅりしゅりゅちきゃきゅなんちぇありゅちょおみょっちぇるの?ばきゃにゃの?しにゅの?」
部屋に戻って来た男に対して相変わらずすき放題は言い続ける二匹。
しかし男はそんな言葉気にもしない。
「ゴメンね。はい、お菓子」
そう言って男は皿の上に乗せたあまあまを見せる。
「ゆゆう!とっちぇもときゃいはでおいししょうだわあ!!?」
「どりぇいのくちぇににゃきゃにゃきゃいいみょのだしゅじゃない!!」
皿の上に乗せられたぷるぷると揺れるあまあまに子ありす二匹はよだれをだらだら垂らしている。
「後はこれを…とあれ?」
男はそこで気付いた。
そのあまあまを食べる上で必要なものが無い事を。
「ゆ、みょうぎゃみゃんできにゃいわあああああ!!!」
子ありす二匹の内の一匹、子ありすAがそのあまあまを食べようとする。
だが、
「ちょっとまってね!!」
男がそれを止めた。
「ぷぎゅう゛う゛!!?」
赤ありすが進路方向に出した男の手に顔面から突っ込む。
「ゆ゛う゛う゛う゛!!?どりぇいのくちぇににゃにちちぇりゅんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
子ありすBが叫ぶ。
「ごめんねちょっと待っててね。これじゃこれは食べられないんだよ!!すぐ食べられるようにするからちょっと我慢しててね!!」
男はそう言って部屋から出て行った。
「ゆぴい゛ぃ…いぢゃいわぁ…」
「ゆゆ、だいじょうぶ!?
ゆっきゅりなおっちぇね!」
男の手にぶつかった子ありすAを子ありすBがぺーろぺーろする。
「ゆぴぃ…いちゃきゃっちゃよ…」
その甲斐あってか何とか持ち直したようだ。
「あにょじじい!きゃえっちぇきちゃらしぇいっしゃいちちぇやりゅわああ!!!」
怒りに燃える子ありすB。
「しょうね!いみゃはきょのあみゃあみゃをたべちぇゆっきゅちちましょう!!」
「じじいぎゃじゃみゃちちゃけじょしょせんじじいじゃときゃいはなありしゅにはかちぇにゃいわ!!」
どうやら男を自分達で懲らしめたとカスタード脳は記憶を改ざんしたようだ。
「しょれにしちぇもこりぇはにゃんにゃのきゃしりゃ?」
「きっちょしゃっきちょおにゃじあみゃあみゃよ!!いりょぎゃしょっきゅりじゃしときゃいはしゃなありしゅのきゃんしゃつぎゃんはいっきゅうひんよ!!」
男のまだ駄目だという言葉を忘れて…いや最初から頭に入っていなかったのだろう、子ありす二匹は皿の上に置かれたあまあまに対してよだれをダラダラ垂らして食べようとする。
「まっべね!!とがいはなありずにもたべざぜでね!!!」
あそこまで我が子に拒絶させられても浅ましくねだる親ありす。
野良ゆっくりにとってあまあまはそれだけ魅力的だったのだろう。
「ゆ?にゃんじゃきゃみにきゅいきょえぎゃききょえりゅわ!?」
「きっちょどきょかのいにゃきゃみょのぎゃときゃいはにゃありしゅたちをしっちょしちぇるんだわ!!」
「「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」」
「ゆぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?わらう゛な゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
親ありすを侮蔑し、嘲笑する子ありす二匹に、それに対して怒りを露にする親ありす。
ゆっくりは家族崩壊しやすいナマモノなのだ。
「いただきまーしゅ!」
「む~しゃむ~しゃ…」
男の言葉をカケラも守らずそのあまあまを食べ出す子ありす二匹。
その結果…、
「「ゆげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」」
口から大量のカスタードを吐き出し始める。
「にぎゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」
あまりの苦味に苦しみにのたうちだす子ありす二匹。
子ありす二匹が食べたあまあま、それはミルクをかける前のコーヒーゼリーだった。
男はミルクを持って来るのを忘れてしまい、それを取りに行っていたのだ。
ミルクのかかっていないコーヒーゼリーは子ゆっくりにとってあまあまではなくむしろゆっくり出来ない猛毒だった。
成体であれば苦さに苦しむだけなのだが、
「ゆげげ…もっちょ…ゆっきゅり…」
子ゆっくりにとっては死に至る程危険なものであった。
本来ならば子ゆっくりであろうとも一口で致死量になる程食べはしないのだが、子ゆっくり達は男をかなり見下しており、尚且つ先に出されたあまあま、羊羹とコーヒーゼリーを同じと思ってしまったのだ。
何処をどおしたら間違えるのかわからないが、それ程までに子ゆっくりの目は節穴だったという事で納得するしかない。
「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛…」
子ありすAが痙攣しだす。ここまで来るともう助からない。
「ゴメンゴメン今食べさせてあげるからね!!」
男がミルク片手に部屋に戻ったのはその直後の事だった。
「何が起きたんだ…?」
男が帰ってくるとそこには死にかけの赤ゆっくり二匹。
まさかコーヒーゼリーで死にかけるなんて夢にも思っていなかった男は訳が分からなかった。
「も゛…ぢょ…ゆ…」
そうしている間に子ありすAは息絶えてしまった。
死因はコーヒーゼリーの拒絶反応。
「きょの…じじい…」
死んだ子ありすAに比べてまだダメージが軽微な子ありすB…もう区別する必要がないから子ありすとだけ表記しよう、は恨めしげに男を睨む。
子ありすからすれば毒を盛られたようなものだった。
男が止めたとかそういう自分にとって都合の悪い部分は忘却している。
「こりぇ…あみゃあみゃじ…にゃい…」
「え、まさかそのまま食べたのかい?」
コーヒーゼリーミルク無しは正直男も辛い。
それをまさかしてしまうとは思いもしなかった。
「ちょっちょっと待っててね!!今治せるもの持って来るから待っててね!!」
こんな状態になってしまったコーヒーゼリーを食べさせる訳もいかず、男は再び台所へと駆けていった。
中途半端にゆっくりの知識がある男はオレンジジュースがあれば回復するという事を知っていたのだ…。
「ゆぎ…い゛い゛…」
そして取り残される子ありす。
苦しげに嗚咽を漏らす。
すると、
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」
汚い笑い声が響き渡る。
子ありすでなければ該当するのは一匹しかいない。
「いいきみね!!とかいはなありすになんのことわりもなくたべるからこうなるのよ!!いいきみね!!ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」
親である成体ありすだ。
もっとも…親子の縁なんてとっくの昔に切れているが…。
「ゆぎゅ…ぎゅ…」
子ありすは親ありすの罵倒に歯を食いしばる。
あまあまも食べられないクズに罵倒されるのは子ありすのプライドが許さないのだ。
だが今の子ありすは動く事もままならない。
それは親ありすも同じなのだが喋る余裕があるだけでまるで勝者のように高笑いする。
「いいきみね!!いなかものはせいぜいじめんにはいつくばっているのがおにあいよおおおおおおおおお!!!」
我が世の春が来たとばかりに喜び、罵倒する親ありす。
そこに親子の情なんてものは微塵もない。あるのはただあまあまを食われた怨みだけだ。
「ゆぎィ…」
歯を食いしばるしか出来ない子ありす。
さっきの仕返しとばかりに罵倒し続ける親ありす。
男が戻ってくるまでその状態は続いたのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「確かここにじいちゃんとばあちゃんが送ってくれたオレンジジュースが…」
男が再び台所に来てあまあまではなくオレンジジュースを探す。
治療にはオレンジジュースを使うのがいいという知識は持ち合わせているようだ。
段ボールの中にオレンジジュースが入ってるのでそれを使おうと男は考えた。
その結果…、
【オレンジジュースは俺が有り難く頂いてやった、むせび泣いて感謝しろ。お前の親愛なる従姉妹様より.┓┏.
追伸俺はバヤリースみたいなタイプの方が好きだから次はそっちを用意しておけ。】
段ボールの中には空になった幾つもの空き瓶と一枚の書き置きが置いてあった。
「……あんのクソボケエエエエエエエエエエ!!!?」
段ボールに入っていたオレンジジュースを全て飲んでおくという地味に辛い嫌がらせに男は憤慨する。
というか六本入り一つ1リットルを嫌がらせで飲み干す方もどうかと思う。
だが今は怒っている場合ではないと男は思い直す。
そして思い出した。
従姉妹が持って来たあまあまがあるという事を…。
「最初はこんなに貰っても使い道ねえよと思ったが仕方ない!無いよりはマシだ!!」
男はそれを担いでありす達のいる部屋へ急いで戻るのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「お待たせ!!」
男が勢いよくドアを開く。
「おぞいわよごのいながぼの!!!」
親ありすが男を罵倒する。散々子ありすを罵倒して増長したようだ。
「ごの…いながぼの…」
そして子ありすの方も溜まった鬱憤を男に向けている。だが男はそんな悪意を気にもせず子ありすに駆け寄る。
「はい、あまあまだよ」
男は純粋無垢を絵に描いたような満面の笑みである物をスプーンを使って子ありすに食べさせる。
期待させた場合は申し訳ないが、今回子ありすに食べさせたのは蜂蜜だった。
かつて男が「次人参持って来たら物理的に殺す」と従姉妹に宣言したら従姉妹が業務用の大型サイズの瓶にたっぷりと入った蜂蜜片手に窓から侵入して来た。風呂場の窓は格子があるからって油断して閉めるのを忘れてたのが失敗だった。
折角鍵変えたのも無駄になってしまったと後悔した事が男にはあった。
それはさておき、蜂蜜というゆっくりにとっては最上級のレベルに位置するあまあまを食べた子ありすはみるみる内に元の状態まで快復していった。
「ゆふううううん!!!」
鼻が無いのに鼻息荒げる子ありす。
「ごのいながぼの!!はやぐありずにぼぞのあばあばよごじなざい!!!」
身動きの取れない親ありすが男に命令する。
だが、
「駄目だよ。子供に先を譲ってあげないと」
と男は一蹴した。
「いいがらざっざとぼっでごい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
男の話を一切聞かず叫ぶ親ありす。
「ぷっきゅっきゅ!いいじゃみゃにぇ!!」
それを嘲笑う子ありす。
悪態をつける程には回復したようだ。
すると回復した分子ありすは元の傲慢さを取り戻して男に命令する。
「きょんにゃんじゃじぇんじぇんたりにゃいわ!!もっちょたきゅしゃん、あびりゅほぢょもっちぇきにゃしゃい!!!」
子ありすは「ふふん」と誇らしげに命令した。
すごく踏み潰したくなる姿だが男は気にも留めていない。
「浴びる程…」
むしろ子ありす自身が都会派な言い回しだと心の中で自画自賛していた「浴びる程持って来い」に反応していた。
「よし、わかった」
そう男は意を決したように呟くと自分の背後に置いておいた業務用の瓶に入った蜂蜜を見せた。
「ゆあああああああああ!!?」
さっきのあまあまが食べきれない位の量あると知った子ありすの目が見開かれる。
「はやきゅ!!はやきゅたべしゃしぇなしゃい!!!」
目を輝かせ、よだれだっらだらにしてうれし~し~を漏らした子ありすは男に要求する。
「たべざぜろおおおおおおお!!!そのあばあばはありずのだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
親ありすも子ありすの反応からとてつもない美味しいあまあまだと考え、叫ぶ。
しかし子ありすはそれを嘲笑う。
「なにいっちぇりゅの!!きょりぇはじぇんびゅありしゅにょみょにょだよ!!!いにゃきゃみょのにあげりゅびゅんにゃんちぇどきょにみょにゃいわ!!!」
子ありすはどうやらみかんサイズの自分の数倍はある蜂蜜を全て食べるつもりのようだ。
「しゃっしゃとたべしゃしぇにゃしゃいきょのきゅじゅ!!!」
子ありすは待ちきれないとばかりに男に命令する。
「わかったよ」
男はそう答えると子ありすを掴んだ。
「ゆ?にゃにしちぇりゅのお゛!!?どきゃいはにゃありしゅにきやずぐざわりゅんじゃにゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「少し我慢してねー♪」
男は子ありすの罵倒に笑みで返す。
そして、瓶の蓋を開け、その中に子ありすを押し込み始めた。
「ゆぎょお゛お゛お゛お゛お゛!!?なにずびゅのおおおおおおお!!?」
子ありす自体のサイズはみかん程度だ。
それに対して蜂蜜の瓶のサイズは電柱くらいの直径がある。
そんな中に沈められてしまえばまず行きてはいられない。
「浴びる程って言ったよね。遠慮しないでたっぷり食べてね」
男は満面の笑みで子ありすに告げる。
「なびいっべぶにょお゛!!?ばきゃにゃきょちょちにゃいじぇしゃっしゃちょあみゃあみゃよきょちにゃちゃい!!!」
「うん、だからあげるよあまあま。浴びる程ね」
子ありすはその笑みを見て男がマジだと理解した。
「はなしぇえええええ!!?」
子ありすは必死に男が蜂蜜の中に押し付けようとするのに抵抗する。
しかし、そんな事しても男との力の差は圧倒的で全く抵抗等無いに等しいものだった。
「どうちちぇ!!?いにゃきゃみょののどりぇいのくちぇにいいいいい!!?」
子ありすは男をせいっさいしたりしたという記憶の改竄があった為にこんな事になるのは全く思ってなかった。
それこそ、生殺与奪は子ありすにあると思い込んでいた。だが実際は男の行動に何の抵抗も出来ない。
生殺与奪があるのが子ありすではなく男であったのを認めるしかない状況だ。
もっとも、そこまで子ありすは潔くなかったが…。
「やべびょぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛………!!?」
抵抗空しく子ありすはそのまま蜂蜜の中に沈んで行く。
あまあまを食べさせられたスプーンでさらに奥深くに沈み込んで、姿が見えなくなっていった…。
「…………………」
親ありすはそれを呆然と見つめていた。
まさか男がこんな事するとは予想だにしなかったのだ。
親子の情なんてものは微塵も残ってはいないが、それでも見下していた男にされるがままになるとは思いもしなかったのだ。
そしてその結果を…、
「やっぱりいなかぼのはぶざまね!!!」
男が強いのではなく子ありすが弱いという結論となるのがゆっくりの特徴だろう。
こうして、子ありすは誰にも鑑みられる事もなく、蜂蜜を文字通り浴びる事が出来たのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
子ありすには何が起きたかわからなかった。
沈み込んだ蜂蜜に包まれた瞬間口一杯に広がるあまあまの味。
それと同時に襲い来る全く呼吸が出来ない苦しみ。
最初の一瞬のみ幸せであったがその直後から粘度の高い液体が口、目、まむまむやあにゃるを浸蝕していく。
『ゆごぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?』
あまりの苦しさに子ありすは中身のカスタードを吐き出す。
だがそのすぐ後に蜂蜜が子ありすの出した分の隙間へ入り込む。
子ありすの身体はそれをあまあまと認識し、吸収して新たなカスタードに変換していく。
『ごばいでえ゛え゛え゛え゛え゛!!?』
子ありすはこうして、野良生活では決して手に入らない山のようなあまあまに包まれながら死ぬまで蜂蜜を味わい続けたのだった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ざっざとありずにあばあばよごじなざいごのいながぼのおおおお!!!」
親ありすが偉そうに男に命令する。
自分以外の家族全てがこの男に殺されたようなものなのによくもまあそこまで偉そうに出来るものだ。
「あ、そうだったね。えっとミルクミルクっと…」
男はありすに子ありすの入っている蜂蜜を渡す訳にもいかず、ミルクをかければコーヒーゼリーでも大丈夫じゃないかと考え、ポケットに入れっぱなしだったミルクを取り出そうとする。しかし、
「あれ、どっちに入れたかな?」
男はポケットをまさぐってミルクを探す。
その際ポケットからあるものが落ちたのだが男はそれに気付かなかった。
男はようやくミルクを見つけ、コーヒーゼリーへ注ぐ。
そしてスプーンでそれを掬い、
「はいどうぞ」
親ありすに食べさせた。
「ちょっ!?まちなざいぞれはゆっぐりでぎな…」
親ありすが何か言ったようだが男は気にせず食べさせる。
「むぎゅぎゅぎゅ…じ、じじじあわぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ミルクがたっぷりかかったコーヒーゼリーに舌鼓を打つ親ありす。
まだ子ありすは死んでないので親ありすと表記する、はむかつくヘブン状態の顔となる。
虐待お兄さんだったら迷う事なく顔面に拳を叩き込むだろう表情に男は嬉しそうに笑う。
ミルクかければ大丈夫だという考えが確信となったので全部食べさせる事に男はした。
「まだまだあるからたくさん食べてね」
「いわれなくてもたべるわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
そう叫びながら親ありすはコーヒーゼリーを貪っていく。その光景は醜い事この上ないが、男は気にもしない。
子ありすには致命的となる親ありすにはミルクの助力もあってか全然平気のようだ。
「げふ~、なかなかとかいはだったわ」
都会派のかけらもないゲップをしながら親ありすは一息ついた。
ふと見てみると男がまだいたので、
「ゆ、まだいたの?ここはありすのおうちよ!!きょかなくありすのおうちにはいっだみにくいじじいはめざわりだからさっさときえなさい!!!」
とあんまりな言葉を言い放った。
「そっか、邪魔だったみたいだね」
だが男はそんな物言いを気にもせずコーヒーゼリーが乗ってた皿を片手に持って出ていった。
子ありすを蜂蜜の中に放置したまま…後で取り出そうとでも男は考えたのだろう。
結局パタンとドアは閉まり、親ありすだけがその場に残る。
「ゆっふっふっふ…わがよのはるがきたわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
男が去った後、今の所風邪が吹き込まない安全なお家とあまあまを持ってくる奴隷を手に入れた親ありすは歓喜の叫びを上げる。
飼いゆっくりから生まれ、その日の内に捨てられ、僅か1時間の飼いゆっくりだった経緯のあるありすからすれば夢心地だう。
「さぁとかいはなこーでぃねーとをするわよ!!!」
ありす種によくある無駄な装飾を親ありすは行うつもりのようだ。
だがここにあるのはカーペットの床と親まりさと子まりさと子ありすの遺骸、そして今現在蜂蜜浴びを敢行中の子ありすが入った蜂蜜の瓶程度だ。
親ありすが材料にするような物は何処にも無い。
いや、
「あれはなかなかとかいはね!」
どうやら一つだけあったようだ。
それは男のポケットから落ちたぬいぐるみの形をしたキーホルダー型の防犯ブザーだった。
「とかいはなありすにふさわしいいっぴんね!!」
親ありすはその防犯ブザーを口にくわえて拾い、
「ゆ、そうね!あそこにおくのがとかいはね!!」
と防犯ブザーを壁に投げ付けた。
何処らへんが都会派なのかわからない。だが問題はそこではなかった。
その防犯ブザーはどうやら結構老朽しており、尚且つ親ありすが投げ付けた時の壁の当たり具合がいい感じになったようだ。
まるで運命が親ありす達を殺そうとしているかのように…。
その直後けたたましい音を鳴らす防犯ブザー。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
それに驚き悲鳴を上げる親ありす。
隣家が空き家で無かったら苦情が来ていたろう。
一方、男の方は居間に戻り、コタツに入ると同時に寝落ちしてしまった為気付く様子はない。
つくづくタイミングがいい。ビービー鳴り響く防犯ブザー。親ありすには耳障りな音が突然鳴り響いたとしかわからない。
「ひぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?うるざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!な゛にごれ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」
親ありすは泣き叫び、のたうちまわる。
いきなり襲い掛かる騒音。
耳がなく皮が振動をキャッチする事で音を認識するゆっくりには音というのは殊の外効果的であるのだ。
親ありすには何が起きたかさっぱりわからない。
だから、
「あ゛の゛ぐぞじじい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
いつの間にか男の仕業と親ありすの中で確定していた。
確かに防犯ブザーを持って来たのは男だがそれを起動させたのは親ありす自身だ。
端から見れば滑稽だが当の親ありすには大真面目以外の何物でもない。
親ありすは防犯ブザーの音をBGMに不格好なダンスを踊り続けていた。
「ゆぎょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
跳ね回って何とかブザーの音から逃げようとする親ありす。
そして辺り構わず跳ね回る親ありすはそのまま元つがい、現生ゴミと化した親まりさに顔面から突っ込んで行った。
ここで思い出してほしい。
親まりさの皮には踏み潰そうと触れただけで行動不能になる程のヤバめの辛みが付着していた。
そしてそれに顔面から突っ込んだ。
一体それがどんな結果を出すかというと…。
「ほぴょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!?」
防犯ブザーのそう音に勝るとも劣らない叫び声を上げる親ありす。
一瞬にして眼の機能は破壊され、親ありすの顔面にとんでもない激痛が走る。
「ぽぴょおおお!!?ぱひょほおおおおおお!!?」
親ありすは顔の激痛、更に騒音から逃れる為に跳ね回る。
壁にぶつかり、我が子を踏み潰しても止まらない。
そしてそんな事をしても苦しみからは決して逃れられない。
そしてまるでタイミングを見計らったかのように更なる追い討ちが親ありすに襲い掛かる。
「ゆびるぶう゛う゛う゛う゛!!?」
奇声を上げて親ありすは口からカスタードを吐き出す。親ありすには訳がわからなかった。自分を苦しめるものがなんなのかを…。
それは親ありすの子供である子ありすを殺したコーヒーゼリーだった。
だがそれは子ありすだから起こった事で、成長した親ありすにはコーヒーゼリーが致命的なものにはならない筈だった。
しかし、唐辛子スプレーを満遍なく浴びた親まりさに顔面から体当たりしたのだ。
その弱った状態となった為に本来なら耐えられるコーヒーゼリーの苦味に耐え切れなくなってしまったのだ。
親ありすの中に駆け巡る猛烈な苦みと辛み。ゆっくりにとっては猛毒でしかないその双方に親ありすは苦しむ。
『どおじでどがいばなありずがごんなべに゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?』
都会派な自分がこんな目にあうなんて間違っている。早くあのクソ奴隷は都会派なありすを助けに来い。
それが奴隷の役目だろうがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!と親ありすは本心から思っていた。
コーヒーゼリーの苦味。トウガラシスプレーの辛さ。そして防犯ブザーの騒音の見事な三点セット。
この騒音から親ありすが解放されるのはほぼ不可能。
『あげ!!!じゃまなどあはざっざどじねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!』
ここから逃げ出そうと親ありすは壁に何度も体当たりする。
目が見えない為体当たりしている場所がドアではなく壁だという事も気付かない。
だが、何時までもそうしてはいられなかった。
『ゆぴょぴょぴょおおおおおおおおおおおお!!?』
どうやら親ありすの中枢餡にまで辛みと苦みが侵食したようだ。
口から泡の混じったカスタードを吐き出していく。
使えなくなった目を見開き、大口を開けて「げちょぷへぽらぼぎぃい゛い゛い゛い゛!!!」と奇声を上げて濁流のように吐き出すその姿はとても都会派と言える代物ではなかった…。
だがそれが自称“とかいは”の親ありすの最期の姿だった…。
こうして男の住む家に侵入して来たまりさとありすの一家はあっさりと全滅したのだった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「何があったんだろうか…?」
男はうたた寝から目を覚まし、親ありす達のいる部屋に行ってみるとゆっくりが全滅していた。
急いで蜂蜜に沈んでいた子ありすを回収したのだが既に手遅れになっていた。
しょうがなく今までのゆっくりと同じように庭に埋葬した。手向けとして子ありすの入っていた蜂蜜を掛けてやった。
「さてと…これでよし」
男は埋葬を終え、ありす一家が荒らした部屋の清掃を完了する。
「さて、と…今日中に見つけないとな…」
男はそう呟き本来の目的である登山道具の捜索を再開しようとした。
だがその時…玄関のドアが突然開いた。
そしてそこから…、
「ゆっふっふっふ!ここをまりさのおうちにするんだぜ!!」
「ここならゆっきりできないかぜもこないね!!」
通常よりも遥かに大きいサイズのまりさとれいむが姿を表したのだった…。
通常以上ドス未満のサイズの二匹。
場合によっては大人でも危険なゆっくり。
だがそれでも、この男と対峙した時点で命運は決まってしまった…。
男は突然の来訪者に驚きはしたものの笑みを浮かべ、
「こんにちは…何か用かな?」
穏やかな声で尋ねたのだった…。
END
あとがき
忘れた頃にやって来る!
忘れてなくてもやって来る!
天然あき名前の由来でもある天然お兄さん。
最近書いてなかったので久々に出してみました。いかがでしょうか?
前に書いた作品「あまあまおいてさっさとでてってね!!」と展開が似ているのは作者の意見が多くてうざいという感想が多かったのでもう一回作り直してみたからです。なので決して手抜きとかじゃありませんので許して下さい。
それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。
過去に作ったSS
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- ↓埋められた時点で半死に状態だったのにまだ息があったとは -- 2012-07-27 10:17:24
- あの埋められぱちゅりーってまだ生きて?たんだ?
ゲスの終わりざまが愉快、おお無様、無様
赤ゆのセリフ読みにくい・・ -- 2011-10-11 22:40:28
- ゆっくりって窒息死しないんだから、あのチビは某ボスと同じで死ねないんじゃ・・・ -- 2011-07-14 00:19:06
- しかしタイトルだけでこんなにもQNQNするなんて、くやしい… -- 2010-08-30 10:17:46
- まぁ、確かに甘い、と言うかヘタレ過ぎ・・・
ゆっくり如きに下手って・・・それもこんな絵に描いた様なゲスに・・・
でも、ゲスの死に様が滑稽なので楽しめたよ -- 2010-07-27 05:31:57
- この人…仕事や人づきあいもこんな感じなんだろうか…
そのうち、社会不適応者の烙印を押されるジャネーノ? -- 2010-06-22 12:55:25
最終更新:2010年03月31日 16:30