RX-78GP01
コウ・ウラキが初めて搭乗した
ガンダム。アナハイム内での符丁(愛称)は「ゼフィランサス」。
「ガンダム開発計画」のコンセプトとしては単体での基本性能を追求した機体。(GPシリーズから外されたGP04を入れても)3機のガンダムの中ではRX-78-2のコンセプトを最も継承発展させた機体。だが初出撃時はビームライフルではなくブルパップマシンガンを装備していた。
股間部の前部装甲が短い為、少年っぽい印象を受けるのは素人考えだろうか?
後述するフルボッコ事件の影響により地上限定のガンダムと一時期まで解釈されていたが、実際は陸上において最高性能を発揮できるよう性能をカスタマイズされただけで、決して宇宙で使用不可能という訳では無い(但しその際にはコア・ファイターの換装が必要)。
アナハイム・エレクトロニクス社で宇宙空間用の高機動型外装パーツを装着させた後、空間戦闘用のシステム調整をする予定だったが、シーマ艦隊がアルビオンを襲ってきた際にコウのバカチンが「ガンダムだって第二線くらい張れるのn(ry」等と宣いながら陸戦仕様のまま出撃し、シーマ様の駆る
ゲルググMに弄ばれフルボッコされた挙げ句大破してしまった。とはいえビームマシンガンを何発浴びても爆破しない頑強さもまた見せ付けた。
その後、外周修理も兼ねてGP01Fb「ゼフィランサスフルバーニアン」への換装が行われた。尚、このシーマ艦隊による襲撃が無ければGP01はまた違ったデザイン(一般的には「高機動型ゼフィランサス」等と呼ばれる)となる予定であった。
因みにゲーム内で使用されているREX830型ビームライフルは、CDドラマ『ルンガ沖砲撃戦』にて使用された物。立体物では『GUNDAM FIX FIGURATION #0003 RX-78GP01 ZEPHYRANTHES』に付属している。
余談だが、ガンダム開発計画に於ける各試作機の符丁はGP01Fbを除き、それぞれ花の名前から取られている。
これは開発スタッフに女性が多かったことが理由の一つ。
RX-78GP01Fb
符丁は「フルバーニアン」。
シーマ様にボコボコにされ大破したゼフィランサスを補修も兼ね短期間で宇宙戦仕様にフル改装した機体。地上戦仕様の機体であった時とは外見も性能も殆ど別物と化している。
特徴としてはコアファイターⅡから主翼を廃し、宇宙空間での機動性強化の為、ユニバーサルブーストポッド(UBP)という可動式推進ブースターを搭載している。他にも宇宙空間に於いての機動を最優先にしているので各部にスラスターやバーニアが多数増設されている。
そのせいか後の
ガンダムMk-Ⅱや
Ζガンダム以上の推力を持つ一種の
オーパーツ機体である。
空間戦闘に完全に特化し、四肢を駆使したAMBACよりもバーニアを主体とした姿勢制御の為、加速反転性能は極めて高く、その時代のMSとしては破格のスラスター性能を備えていた。
カタログスペックだけ見れば後のグリプス戦役のMSと対等に戦えるといっても過言では無い。
アナハイム社のスタッフ達の手によって僅か2日という超短期間で改修されたにも関わらず、特にシステムや構造の欠陥や初期故障は見受けられず、コアブロックシステムを使ったウルトラC的戦術で撃破した
ヴァル・ヴァロを初めとして、多数の旧ジオン残党や
デラーズ・フリートの機体を仕留めたが、最終的には生き別れの弟であるサイサリスとの死闘によって爆散。2日という短い期間で生まれたこの機体は同じくごく短い期間でその生涯を閉じたのであった。
劇中シーマ様が剰りの加速力を前に「なんだいありゃ!バッタか!?」と絶叫した為、一部からはバッタガンダムだの更に縮めて単にバッタ等と呼ばれていたりする。
ハイパーボスバトルでこの機体のステージ名が「グラスホッパー」(Grasshopper=バッタ)であるのはそのため。
RGM-79C
ジムの事実上の後継機に当たり、スラスター推力の向上など細部に渡り改修されてるもののジェネレーター出力はジムとほぼ同じ数値。
宇宙専用だが、ゼフィランサスと同じくアポジモーターの反応を宇宙空間で十分対応できる様設定変更した機体で、地上用のジム改と構造が大きく異なったものでは無い。
これは万能型MSの欠点として、作戦場所によりどっちつかずの性能に陥らない為の対応策と考えられる。
そもそもこいつの存在自体がジムと
ジムⅡの中間機という扱いである為、性能や活躍どころか運用期間すらも微妙な印象を受ける。
ジム・カスタムとは違う意味で特徴が無いのも困りものである。
本シリーズではビーム兵器がない分ほかのジムに比べて見劣りするシリーズ。
RGM-79C
主なパイロットはサウス・バニング。
劇中では主人公機と一緒に作戦行動している初めてのジムタイプ
映像媒体での印象がとりわけ薄いジム系機体だが、こいつはバニングが搭乗して
ザメルを相打ちながらも撃破という金星を打ち立てている。
RGM-79
トリントン基地など、連邦軍で運用されているGPシリーズの評価試験機。
ジム改をベースに大型のバックパックや高ジェネレーターの搭載、大型のアブゾーバー等各種試験的な装備を搭載したデータ解析用の高性能テスト機で、オレンジ色のパーツ部分がそれに当たる。膝部のショックアブソーバーユニット等はマッシブなイメージを与える。
が、外観が大きく変化しているにも拘らず(試験機とはいえ)個別の制式ナンバーを与えられなかったのはある意味
ザク・マインレイヤーより悲しい。
バニング大尉配下のディック・アレン中尉がテストパイロットが駆り、
ザクⅡF2との模擬戦で鮮やかな機動を見せその性能の高さを披露している。
しかしながら2号機を奪取したガトー達ジオン軍残党部隊の追撃戦で、アダムスキーが駆る
ドム・トローペンのバズーカを零距離で食らい、中尉も戦死。アレン中尉が死ななかったらゼフィランサスのパイロットであったのはほぼ間違いない。
RGM-79N
主なパイロットはバニング、アルファ・A・ベイト、モンシア。
コウ曰く「特徴が無いのが特徴」というMSだが、ジム改と並ぶ0083年代での連邦軍の主力機。ゴージャス仕様のジムで基本性能は高く、主にエースパイロットが搭乗している。
アレックスをベースにしたいわゆる「オーガスタ系」に分類される機体であり、アレックスとパーツ構成が似ているのも両機とも連邦軍のオーガスタ研究所で生まれた為である。
カタログスペックはガンダムと同等以上を誇り、バニング大尉の技量も相まって劇中では見せ場が多く、シーマ艦隊所属のゲルググ・Mを多数撃墜している。だがバニングはシーマ様のゲルググMを退けつつも、戦闘で受けた機体の損傷により起きた内燃機関の爆発で死亡している。
デラーズ紛争後は連邦軍の生産ラインがジャミトフ一派に移ったため、
ティターンズカラーに機体色が塗り替えられ、若干の改良変更が加わった
ジム・クゥエルが生産されるようになった。
ジム・クゥエルに次いでガンダムに最も近いジムでもあり、プラモ等で頭をガンダム(特にパーツが一部共通のアレックス)に変えてみても全く違和感が無い。だから何だと言われると困るが。
ちなみに劇場版ΖガンダムⅢにもカメオ出演している
チャック・キース及びチャップ・アデルの搭乗機。
一年戦争で運用された
ジム・キャノンの後継機。ジム・カスタムをベース機として背部にビームキャノンを2門装備、防御面に於いてもアレックスの物とほぼ同じチョバム・アーマーを装備。また支援機体ながらビーム・サーベルも装備している等全面的な強化が図られている。
劇中ではキース自体の腕が未熟なこともあって序盤こそ大して活躍できていないが、後半になるにつれてそのキースの成長やチャップの腕前も相まってその性能を存分に発揮したと言える。
ジム・カスタム共々劇場版ΖガンダムⅢにもカメオ出演している。
背部ビームキャノンのコンセプトは
ΖΖガンダムや
Sガンダム、Gキャノン、Vダッシュガンダムなどに継承されている。
さらに言えば他作品の事で恐縮だがSEEDのカラミティ、00のヴァーチェ&セラヴィーなど背中にビームキャノンをつけるのを広めたMSと言える。
RGM-79Q
ジム・カスタムをベースにティターンズ用(対MS戦(コロニー内戦闘を主眼)と暴徒鎮圧が主)として改良されたジム。結成間もない頃のティターンズの主力MSで、機体名称の「Quel」には「鎮圧する」という意味と共に「地球の法と権限を行使する」 (Qualified to Use Earthly Law)という意味が込められているとされる。
ガンダムMk-Ⅱと同じく、ジオン系やアナハイムの技術を介する事無く純粋な連邦系の技術のみで改良を加えられている機体で、ジム・カスタムに比べ量産性や稼働率を向上させると同時に、信頼性を失わない程度の新規技術が投入されている。
雑誌企画の『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』(AOΖ)にて描かれている『ガンダムが敵味方に与える心理的影響』というジオン残党に対する実験に於いてティターンズテストチーム(T3部隊)に配備された内の1機はガンダムヘッドを装備され、ガンダムTR-1[ヘイズル]の予備機として用いられたが、改修を受け新たにRX-121-2の型式番号を得てガンダムTR-1[ヘイズル2号機]となった。
Mk-Ⅱとはまた別のティターンズ内に於けるガンダム開発計画の証左であり、要するにクゥエルとMk-Ⅱを繋ぐミッシングリンク機という訳である。しかし今作はAOΖ自体が未参戦の為、そのプロジェクトの存在や概念を明確に感じ取る事は出来ない。次回作に期待である
実は作中の活躍は全然無く、最終話のバスクが演説しているシーンでハンガーに横たわっているのが確認できる程度であるが、それより前に制作されたTV版『Ζ』では当然存在していないのでグリプス戦役中はどうしていたのか?といった疑問も時折聞かれる。
一応劇場版『Ζ』では警備を行っているシーン等が追加されたり、上記の様に『AofΖ』にて運用されたりしているので疑問もある程度緩和されていると言える。
しかし『Ζ』では戦闘シーン等の絡みは特に無く、『AofΖ』でも直ぐにガンダムヘッドに換装されてヘイズルという全く別個の機体へと変貌してしまう為、(細かい設定が創られている割には)結局あまり活躍の機会が与えられない不遇の機体である。
プラモデルマスターグレードに添付されたインスト掲載のエピソードでは、MSを持ち出した過激な労働組合の闘争行動を瞬時に鎮圧したりもしている。
MS-06F2
一年戦争後、連邦軍に接収されたものがカラーを変えて運用されている。
ジオン兵にとってはやはりザクが連邦に使われているのは忍びないものらしい。
2号機強奪事件時にジオン軍残党部隊を迎撃せんと格納庫を出た直後、ドム・トローペンのヒートソードでバター斬りにされている。
MS-14F
ザクⅡF2と同じく機体色をサンドブラウンに変えられ連邦軍で運用されているゲルググM。
元々は海兵隊仕様機だが、連邦軍においてもそのような形で使われているのであろうか。
敵の機体を使用するのは余りにも連邦軍として誇りがないと思われるが、これは兵法の「敵を知り、己を知らば以て師たるべし」という格言に沿ったもので、敵機の癖を体感的に把握できれば、敵として対決した時も対応しやすい。
最も、次から次へと真新しいMSを打ち出してくるスペースノイドに対しては、後手の対応と言えよう。
最終話にキースが乗り込んでちょっとだけ登場している。
RX-78GP03
符丁は「デンドロビウム」。花言葉は「我儘な美女」とされており、ハイパーボスバトルのステージタイトルはこれに由来する。
MSを核とした高機動小型巡洋艦のような外観の機体で、ウエポンユニットである全長140mのアームドベース「オーキス」とそのコアユニットとなるガンダム試作3号機 RX-78GP03S「ステイメン」がドッキングし、この巨大MSとなる(0083年当時の連邦軍の機体コードにはMAという分類が存在しなかった)。
念の為記しておくが、「GP『-』03『D』」や「デンドロビウムステイメン」では無い(RX-78GP03 デンドロビウムが正しい)。
通常の防衛兵器(ソーラ・レイやソーラシステム等)とコンセプトが異なるのは、機動兵器であるMSの性能を活かしてやって来た敵を迎撃するのでは無く、自ら敵の方へ赴いて殲滅するという意味の「能動的拠点防衛」を主眼とした設計思想の元造られている点である。その構想に違わず劇中に於いても搭載された圧倒的な火力を以てデラーズ軍のMSや艦艇を多数撃破したが、複雑な火器管制システムのせいで操縦者に極度の負担を強いる為、特定の処方による投薬すら推奨されていたらしい(劇中でも補給中にコウが注射を打っているシーンがある)。本作品での使いづらさはこの辺の設定を再現したものなのだろうか。
当時の連邦軍には対機動兵器としてのMAという概念が存在しておらず、本機は1対多の広域制圧戦を主眼として開発されている。その為、武装も大火力を広範囲へ投射する事を第一として設計されており、近接戦闘は余り重要視されていない。平たく言うと、大火力&高防御力&大推力を組み合わせた対「艦隊」兵器であり、ジオン製MAの様な対機動戦闘は考慮されていない。
対する
ノイエ・ジールは対機動戦闘をも視野に入れて開発されたMAであり、単純な火力では劣るものの機動近接戦闘も考慮されている為、対峙した本機が劣勢に追い込まれたのも当然の結果と言えよう。
単体のMSとしては珍しい個々の兵器同士の合体を前提にした運用システム、大艦巨砲主義を貫いた漢の象徴メガビームカノン、ビーム兵器を弾く巨大Iフィールドジェネレーター、敵味方の混戦状態では絶対に使用できない凄まじい弾数のコンテナミサイル、直撃したらMSの部位を(欠損させる)持ち去る対艦用4連大型ミサイル、ヴァル・ヴァロも圧倒する巨大なクローアーム、ムサイ級戦艦の艦橋をぶった切る巨大なビームサーベル、小型宇宙艦艇並の推力を持つスラスター性能と、メカニックデザイナー・カトキハジメの
Sガンダムのバリエーションのひとつであるディープストライカーと並ぶ狂気の産物。機体デザイン担当として完全にやらかしやがったこいつと当時評判?になったりしたが、最も話題を振りまいたのは
こんなのが出た時であろう。
こんなものの存在を閲覧者の貴方は信じるだろうか?いや受け容れるしか無いのである。
機体のコアであるステイメン単体の方も人気が高く、プラモデルマスターグレードでは本来の全天周囲モニター搭載モデル以外にもカトキデザインによる「Pスペック」と称されたオリジナルのコア・ファイター仕様の機体がMGにて策定される等している。
ちなみにステイメンが装備するビームライフルやバズーカ等もコンテナに入っている。
劇中でのステイメン単機での登場シーンは少なく、補給中に現れた敵MS隊に対しステイメンで出撃したがすぐにシーンが変わってしまったため、戦闘シーンはほぼOP映像のみ。
人気が高すぎてガンダムVSガンダムには1号機よりも先に出てしまうほど。(1号機はPSP版で初登場。AC版へはガンダムVSガンダムNEXTより追加
劇中で戦闘シーンがなかったからってあれはやりすぎだろ、ってアクションを連発しまくる姿は必見。
また『0083』本編より少し前を描いたフルCG作品『Gumdam Evole 4』では、アナハイム内で建造、テスト運用されていたPスペック型ステイメンとオーキスが登場する。こちらはステイメンとドッキング、デンドロビウムとなった後、クローアームでゲルググMを掴んで縦に横にと振り回した挙げ句、爆破というエゲツない攻撃を見せたり、全武装一斉射撃の文字通り「
汚い花火大会」と化している。尚、クロー上でMSを爆破してもクロー自体には損傷が見られないのでフレーム強度に関しても破格である一端を垣間見れる。その後機体はオーバーヒートして機能停止、生き残りの
ゲルググJのライフルを保持していたゲルググMに狙撃されコックピット部は消失、コックピット部はコア・ブロック・システムを廃止して全天モニター式に改装された。
RB-79C
ボールの改修型。本編ではソーラ・システムⅡの展開作業に従事していたため、戦闘をしていない。
後にUC133年頃もボール系は使用されている。
(゚д゚)ボールモアイシテッ!
デラーズ・フリート
RX-78GP02A
符丁は「サイサリス」。花言葉は「偽り」。設定上、いわゆる「Ζ顔」の元祖といえる顔付きをしている。
宇宙世紀を見渡しても
珍しい(というか危険極まりない)核兵器を扱う「いけない(ヤバい)ガンダム」であり、GPシリーズの中では戦局(戦略的に)を一変させる攻撃手段を備えた機体。 「2号機」や形式番号に「2」が付く機体の宿命か、やはり敵軍に奪取される。
至近距離での核兵器使用を念頭に造られており、比質量の高い核弾頭なので重心を保ちやすいバックバックに装着、主推力機関は両肩部のフレキシブル・スラスターバインダーに依存している。GPシリーズ(というよりも0083に出た主な機体)全てにも言える事だが、一年戦争より3年後の機体にしてスペックはそれから4年後のグリプス戦役の標準機に近い。
一年戦争の戦時条約である南極条約が解消されたとはいえ、核兵器をガンダムに載せた辺り、計画責任者のコーウェン中将が単なるハト派では無い事を伺わせる。
言わずもがなだが、アトミックバズーカに核弾頭は一発しか装填出来ず、ゲームのような連続使用はできない。更に左腕に持つ大型冷却シールドで、自機が放った核発動後の衝撃波から機体を冷却保護していたが、その衝撃を抑える左腕が耐え切れず機能不全に陥っており、並のMS以上に堅牢といえども本機が核弾頭を運用させるにはギリギリの性能だった事実が伺える(とはいえ南極条約締結以前の一年戦争初期に於いて、ジオン軍はザクのバズーカに核弾頭を装填して使ってたらしいが…ザク&パイロットは大丈夫だったのだろうか…?)。
劇中では重力下運用試験のためにトリントン基地に搬入され、Mk-82核弾頭を搭載された所をアナベル・ガトーにより本機ごと強奪された。基地からの必死の追撃の手を振り切り、そのままアフリカ方面へ逃亡する。キンバライド基地周辺でのアルビオンとの戦闘の際にはHLVに積まれていた為、本機は戦闘に参加する事はなかった。
結論から言えばこの機体に搭載されていた核弾頭は、デラーズ・フリートの「星の屑作戦」の一環として連邦領コンペイトウ(旧ソロモン)宙域で、連邦艦隊の一大ページェントである観艦式の祭典にて行使される事となった。
式典の開会宣言の演説を公共電波で謳い、ガトーを憤怒させたグリーン・ワイアット大将自身が乗る旗艦バーミンガムに狙いを定め集結していた連邦軍艦隊の3分の2、実質的に連邦軍艦隊の半数以上を核の爆光により撃沈・航行不能に陥らせた(当然だが、この際に見物に来ていた民間人、特に民間の報道陣をも巻き添えにしたのは言うまでもない。この結果、後の北米地区へのコロニー落しを含めて多くの民間人を大量虐殺せしめたデラーズ・フリートの蛮行はジオンの残党狩りを目的にしたティターンズが結成されたのは至極当然の結果である)。
この時、コンペイトウという要塞の形状から採ったであろう名前に変更されていた古巣ソロモンに向けて「ソロモンの悪夢」と呼ばれた男、アナベル・ガトーが言い放った「ソロモンよ、私は帰ってきたぁぁぁ!」という雄叫びは、ガンダムの歴史に残る屈指の名台詞として有名。あまりにも有名すぎて初登場した『クロニクル』に於いてはイベントのスキップすら許されないという程の再現度であった。
核攻撃終了後、帰投途中に追撃してきたフルバーニアンを駆るコウとの一騎討ちに突入。右手は対MS用の射撃武器を持たず、おまけに前述の機能不全に陥っていた本機は、宇宙空間用に改造されフルスペックのフルウエポンなフルバーニアン相手にかなりのハンデ戦を強いられる。しかし激しい白兵戦の末、ガトーの技能差が両者相打ちという結果を残し、核発射の本懐を遂げた本機は、「兄」であるGP01と互いに抱き合うように爆散消失した。
因みに今ゲームで通常兵装として使用されているビームバズーカであるが、これは元々0083本編の企画書に登場した「アトミックバズーカ使用後にビームバズーカを換装された試作2号機」(GP02B)というボツ案が紆余曲折を経て、半公式の設定となったもの。ハーモニー・オブ・ガンダムで策定されたMLRS搭載型など数種の武装を搭載している本機の論拠やコンセプト的な案ともいえる。しかし今作ではどちらも完全再現には至っていない。今後に期待。
余談だがこの機体のガンプラはシールドの大きさのおかげで非常にバランスが悪くなる(SDのBB戦士は安定)。
少しの衝撃でバランスを崩すので転落し破損させた人は多いはず。
MS-06F2
ザクⅡ(F型)の後期生産型。ちなみに『0080』に出た最終生産型の
ザクⅡ改(FZ型)のほうが生産時期は後。
基本的にやられ役で、やられる以外の目立った活躍はないのが哀愁を誘う。
ドラッツェの胴体と腕部はこの機体の流用。
MS-06F2
砂漠地域や山肌の目立つ地域で運用されているパターン。
キンバライト基地では3年に及ぶ潜伏活動の為、部品が不足。動かなくなった機体から使えるパーツを再利用した結果、砂漠塗装ながら、脚や肩等一部分だけ通常色のパーツを流用して緑というパッチワーク(貧乏臭いとも言う)的な機体も登場した。
MS-06F2S/NB
キンバライド基地司令、ノイエン・ビッター少将の専用機。物資が底を尽きかける中、3年もの間ジオンの決起を信じ耐え続けた石の上にも三年な人物である。
ザクでも連邦軍の最新鋭機と対等に戦えるよう背部バックパックをロケットブースターに換装する等機動性を高めており、劇中でもそれを駆使して活躍した。
ゲーム中でもSPAでロケットブースターを活かした特攻パンチを見せてくれる。
発動した途端に物凄い加速で突進し、激突する様は非常に爽快。
地球脱出最後の手段であるHLVをガトーと2号機の為に提供し、HLV発射の時間稼ぎの為基地に残存する最後のMS達でアルビオンに突撃する。
最期は「我々の意地を見よ!」とアルビオンのブリッジに特攻をかけ撃沈寸前というところにまで追い詰めた闘将。
出撃する際にガトーに基地で採掘されたブルーダイヤモンドとキンバライド基地の志を託した。
MS-09F/TROP
砂漠・熱帯用として開発された
ドムの改良型。設定が定まらない事で定評のある機体ドム・フュンフの局地戦仕様という扱いらしいが、やはり確定していない。
余談だが0083冒頭のア・バオア・クーにて、撤退命令を無視してガトーが本機らしき機体に乗ろうとするシーンが確認されているが、「トローペン」(Tropen)は「トロピカル」(Tropical)に相当するドイツ語、つまり「熱帯仕様」の意であり、地上用である機体がグワデンに配備されているのは明らかに設定ミスとして小説版及び後の公式設定では、デラーズ専用(試作型)
リック・ドム「だったこと」になっている。
の、筈なのだがしかし、『C.D.A
若き彗星の肖像』に於いてはMS-09F ドム・フュンフとして堂々と
宇宙空間で戦いを繰り広げている。
MS-09F/TROP
サンド・ブラウンなどとも呼称されるカラーリング。主に砂漠地帯などで使用される塗装パターンである。
こちらはデラーズ・フリートでは無くキンバライド基地に配備されていた機体。ザクⅡF2と共に、残り少ない可動可能な状態で残されていた。
劇中ガトーとサイサリスを載せたHLVを無事に打ち上げる為に出撃、アルビオン隊と交戦中全機撃破された。
YMS-16M
最近、『MS IGLOO』に登場する試作モビルタンクのヒルドルブの系譜としての位置づけが確立した重砲撃用MS。ザメル自身未だ試作機ではあるが「大口径砲に因る重砲撃制圧」を主眼とした機体のMS的な到達点であるとも言える。
劇中でも索敵圏外からの遠距離砲撃でトリントン基地司令部を見事破壊している。大艦巨砲主義は連邦の専売特許では無いのである。
ドム系列と同じ熱核ジェットエンジンを採用しているため中々すばやい。
元々、近距離戦闘は想定されていない機体だが、それでも格闘戦に於いては設定上ビームサーベルを使えるらしい。が、実際にはその質量を生かした体当たり攻撃でベテランのバニングが乗るジム改を翻弄した。「何であるのに使わないのん?」と聞かれても知らないのだが、その時には装備されていなかった、もしくは取り回しが悪く使用されなかったと思われる。
まあ実際にはこんな巨体と無骨な攻撃手段を持つMSが近接格闘の攻撃手段をビームサーベルに頼るなど、戦術的にはともかくビジュアル的にはギャップが激しくて相当難があるのではなかろうかと愚考してみたりする。
設定段階での名称は「メルザ・ウン・カノーネ」であった。
MS-14F
ゲルググの豚鼻にそれ以上のトサカ頭を持つという相当キテいるビジュアルを持つ海兵隊仕様機。
ルックスはアレだが、性能は高機動型ゲルググ(MS-14B)と
ゲルググJ(MS-14J)の中間というバランスの良さを誇る。
生産性もJ型より優れていた為、結構な数が量産されたという。
通常の
量産型よりアポジモーターの数が増え、より緻密な動作が可能である。またゲルググ系列は本来ジェネレーター出力的にビーム兵器を充分ドライブ出来る性能なのだが、こいつは劇中ではカスタム機を除き全機90mmマシンガンを携帯している。尚且つ盾がザクの肩にあるスパイクシールド(ナックルシールド)を転用したボンビラスな物となっているのは、潜伏活動の長期化に伴う物資不足から来るもので高価なビーム兵器を大量調達できないデラーズの竈事情にも寄るが、出力をビームライフルにサプライすると運動性が若干低下する為、実弾兵装を充実させた方が生産性を含めて軍事力のプライオリティを確保できると判断したとも言われている。ビームナギナタは装備されておらず、腰部に埋設したビームサーベルを2本内臓している。
『Gundam Evolve 4』では所属不明のラビアンローズ進撃編隊部隊として登場。
ガンダム開発計画の一機GP03Sを破壊すべく作戦活動を展開し、逆に破壊殲滅されるという典型的なヤムチャっぷりを披露している。尚、この編隊の中の数機に、ゲルググJのビームマシンガンを携帯しているものも少なからず見られる。ちなみにそのライフルで3号機を・・・・・・
MS-14Fs/CG
ゲルググM指揮官機のカスタム機。 その内本機はデラーズ軍反逆の策士にして、かの有名な
カテ公と並ぶ毒婦(独身婦女の略では無い)というイメージがあるが、帰るべき場所もなく(故郷のコロニーのマハルはソーラ・レイにされたため実家等はもうない)、ジオンに裏切られ(ブリティッシュ作戦に於ける毒ガス散布は作戦前に睡眠ガスだと教えられていた)、味方には白い目で見られ、おまけに荒くれ者だらけの男所帯な海兵隊をその細腕で一手に取り仕切らざるを得ない
宇宙世紀きっての苦労人、シーマ・ガラハウ中佐(シーマ様)の専 用 機。ゲルググの豚鼻にそれ以上のトサカ頭に加えて、シーマ様のパーソナルカラー(カーキ&パープル)でペインティングという常人のセンスを完璧に超越した外見をしている。人によっては稀に「ガルバルディ(α)っぽく見える」という意見もある。
外見は最早語るまいだが、デラーズ・フリート内でも数少ないビームマシンガンと専用シールドを装備。宇宙用にカスタマイズしてなかったとはいえ、シーマ様の腕前と相まってゼフィランサスをフルボッコにして大破させた上に、アルビオンのエース、バニングの乗ったジム・カスタムと互角の戦いを繰り広げる等鬼性能を見せつけた。
後に乗り換える
ガーベラ・テトラもビームガトリングを装備しているので、シーマ様自身がビームガトリングを好み自らの専用機に優先装備させていたものと推測する。但し、劇中ではガトリングというよりも明らかにビームライフルとしての射撃描写であった。
AGX-04G
幻のガンダム試作4号機にして、宇宙の蜉蝣シーマ・ガラハウ最後の乗機。移譲前の符丁は「ガーベラ」。花言葉は「神秘」。
元々はガンダム開発計画の4号機、RX-78GP04Gとして開発されていた物を、シーマ様が「今しがたマシなMSを分けて貰えないか?」とアナハイム社のオサリバン常務を牽制し、裏取引で入手した機体。その後ジオン風の外装に艤装し直してガンダムと似つかぬ姿に変更された上でデラーズ軍の一翼を担っている。
機体名の「テトラ」とはギリシャ語で「4」を意味するτετρα(Tetra)の事であり、即ち「ガーベラ・テトラ」=「4番目のガンダム」という事を暗に示している訳である。
劇中では阻止限界点での攻防戦にてデンドロビウムと交戦、デンドロビウムの主砲メガビームカノンの砲身牙突で串刺しにされ両腕が千切れ飛んだ上、零距離からの接射で粉微塵になるという惨い最期を遂げている。
何の因果かGPシリーズの奇数番号はGPシリーズの偶数番号と戦う宿命がある様だ。
GP04Gは本来、突撃・強襲・白兵戦用の機体を目指し製作されたのだが、GP01とコンセプトが被っている部分が多かった為にGPナンバーから外されてしまった。
特徴としては、爆発的な一点集中推力に依る強襲機動を目的としたバックパックブースターユニットの、シュツルムブースター(推進剤が底を着いた後はパージ可能)を背部に搭載している点で、本来のガーベラと艤装されたテトラとではフォルムがかなり異なる。
近年は擬装前の外見であるガーベラが公式化したり、自身も「シーマ様がカスタムするならこんな感じだろう」という形に改良されたモデルが策定されるなど、先述の悲惨な最期とは裏腹の展開を見せている。
因みに、試作4号機の初立体商品化モデルである『GUNDAM FIX FIGURATION #0010 RX-78GP04G GERBELA』はコンパチキットとして『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』等に登場した件の改良された設定の機体であるガーベラ・テトラ改の、リファインデザインモデルに換装可能となっている。
MS-21C
貧乏軍団デラーズ・フリートの象徴。その日のメシにも事欠いていたであろうデラーズ軍がザクⅡF2の上半身とガトルのスラスターやプロペラントタンクを組み合わせて造ったリサイクル機体で、見るものの憐憫を誘う「一杯のかけそば」的MS。一応リサイクル品ながら、デラーズ軍唯一の新規開発MSでもあり、形式番号も「MS-21C」とジオン系MS伝統の連番を与えられている。その唯一無二のデザインからコアなファンが多い。が、設定ではジェネレーター出力が1.000kwを下回り、脚部も再利用したガトルのスラスターなので作戦領域は宇宙に限定される。腕部の40mmバルカンはガンダムの
頭部60mmバルカンより小口径の代物(
ガンダムEz-8より
5mmほど大口径なのがせめてもの慰め)で、攻撃力は雀、というか蚊の涙。既定の専用シールドが無くコロニーの外壁等を加工してそれぞれ取り付けられている為、機体により形状や防御力はまちまちである。いくら何でもここまでとんでもない機体もそうは居ないであろう。阻止限界点の攻防では無く思わずこんな処で刻の涙を流しそうである。
出自通り本作での性能も糞状態だが、とはいえ、スペック的には低出力とはいえビームサーベルを1本ドライブ出来たりスラスター化した脚部もAMBAC制御こそ期待出来ないものの、加速性能は標準MS機より高く、
リック・ドム並というかなりの機動性を誇るなど、単純には侮れない。機体の色も紺色を基調とした宇宙迷彩で、モノアイの構造もガーベラ・テトラや
ゾックや
ザクキャノンの様に後方展開出来るので広域を視角認識可能な構造となっており、その設計思想に関しては評価が高い。はっきり言って
宇宙に於ける運動性と機動性だけは当時の連邦軍の最新鋭MSにもひけを取らなかった。
劇場版ΖガンダムⅢでは
アクシズ軍の駐留部隊中に灰色にペインティングされた哨戒中の本機がカメオ出演している。そういう意味ではジム・クゥエルと対になっていて面白い。
MA-06
隻腕の元ジオン兵、不屈の男ケリィ・レズナー大尉(ケリィさん)操る試作MA。元々はジオン軍の試作MAだが、一年戦争中は試作機が3機作られた程度の情報しか残っておらず、どうも実戦投入はされなかった様である。
劇中に出たこいつは片腕でも操縦できるようにキチンと改造されている。アルビオン艦長シナプス大佐曰く「
酔狂な敵」。実際、機体自体も酔ったような紅い色をしている。
運用コンセプトは完全に
ビグロの発展機だが、開発系譜の位置付けとしてはビグロではなくそれを元にした水中用MAである
グラブロが直系という愛の子、もとい、合いの子的発想の機体である。高推力を持つバーニアと高出力のメガ粒子砲を搭載、大型クローアームに加えてプラズマリーダーに見られるトリッキーな武器も装備され、単体としての戦闘能力は極めて高い。流石にIフィールドジェネレーターは搭載されていないが、前面からの被弾を無効化しやすい斜角流線型の構造故、ザクⅡのマシンガンを弾きフルバーニアン(以下、バッタ)の遠距離ビームライフルの直撃すらも無効に出来る。
ケリィさん本人は戦友であるガトーの要請に応じてこのヴァル・ヴァロと共にデラーズ・フリートに参加するつもりだったが、求められていたのは自分では無く機体のみという事実に憤慨。アルビオンに対してガンダムとの一騎討ちを要求した上で突撃開始。機首からカニ光線(鋼鉄の咆哮より)、もといメガ粒子砲を射出しバッタの盾を掠めただけで溶解するほどの高威力で翻弄。更にプラズマリーダーのトラップでバッタをスタン、そのままクローでバッタの下半身を鷲つかみ鹵獲するなど終盤まで圧倒したが、鹵獲されたバッタがコアブロックシステムを使って上半身を脱出させるという想定外の分離攻撃を仕掛け、更にクローでバッタを挟んでいたことが仇となり、容易に懐に入り込まれてしまいサーベルで機関部を突き刺されてしまった。
コウが軍逃亡中、この機体の整備に携わってただけあって、機体のどこを刺せば急所かは把握していたのであろう。パイロットとしての技量ではケリィさんには及ばずとも、情報戦ではコウが一歩上手であった様だ。
ガトーと並ぶ漢臭さを持つケリィさんの精神を象徴したかの如く、脱出装置の類は搭載されてなかった様で、「脱出してください!ケリィさん!」というコウの呼びかけに対しても「このヴァル・ヴァロには脱出機構は搭載されてないんだよ」「俺は後悔していない」と言い遺し、潔くバッタに下半身をお返しして、月面上で散った。その生き様はコウに強い影響を与えた。
この様に単巻のOVAではバッタの初陣やその死闘、コウの成長など見所満載の戦闘だが劇場版『ジオンの残光』では戦闘シーンが完全に削除されデッキで修理中の姿しか現れない。哀れ。
が…ガニニィ…
AMX-002/AMA-X2/AMX-002
デラーズ・フリートを陰ながら援助する為、同じジオン残党であるアクシズ側から提供された巨大MA。一見で評せばウグイス色のコウモリとでも言える妙な外見(デザイナー曰くアゲハチョウ)だが、ジオン軍のマークを元に機体の外観がデザインされているらしく、「ジオンの精神が形になった様だ」とガトー少佐に評される。よく見るとガトーのヘルメット前部に似たような装飾がついている。
つまりガトーにとっての「ジオンの精神」とは、ジオン・ズム・ダイクンが唱えた宇宙へ飛び立つ人の革新といった観念的な理想より、ハーケンクロイツを崇拝するナチズムとそれほどの差異はないと解釈できる。まさに狂信者なのである。
同じ様なコンセプトの連邦側MAであるデンドロビウムと比しても推力では劣るものの、運動性はこちらの方が勝っている。また左右の有線式クローアームにより、ニュータイプで無くともオールレンジ攻撃を行えるのが最大の特徴。更にデンドロビウムと違いIフィールドジェネレーターは内臓している為、外部からの攻撃による被弾の確率も大幅に低い。
劇中ではライバルのデンドロビウムと3ラウンド戦を展開。初戦はミサイルによる弾幕をメインに攻撃してきたデンドロビウムに押されたものの、続くラウンド2では逆にデンドロビウムのIフィールドジェネレーターを潰したりクローアームを破壊、とうとう撃墜直前まで追い込んだりと、終始デンドロビウムを圧倒していた。これはデンドロビウムの欄でも書かれているのだが、「MA」という兵器概念が無い連邦製のデンドロビウムは基本的に対艦対拠点攻撃用の大型巨砲兵器でしかなく、MAの本家筋で対機動兵器戦を最初から意識して開発されているジオン製のノイエ・ジールとではコンセプトの時点で差を付けられていたという感がどうしても大きい。
他にもコンペイ島から出てきた連邦軍の追撃艦隊を奇襲し、戦艦を次々に撃沈。その際、連邦軍が地球へ落着せんと向かうコロニーを焼き尽くすために稼動準備を進めていたソーラ・システムⅡのコントロール母艦を稼動直後に撃破し、作動不能に陥らせるなど縦横無尽に暴れ回っている。
最終的にコロニーの軌道修正を無事終え、律儀にもデンドロビウムと3ラウンドの最終戦を挑む。勝つことは勝ったが何故かとどめは刺さず、デラーズ軍残存部隊と共にアクシズに帰還しようとするも、間を挟む連邦艦隊の砲撃の渦中を突破することは叶わず、最期はサラミス級に特攻をかけ爆散。ガトー共々多くの英霊の御霊が漂う宇宙の光となった。
こいつの1/144プラモデルは流石に存在しない。しかしデンドロビウムがHGUCで登場しちゃったので、いつかは作ってしまいそうなのがバンダイの怖いところである。まあ作ったところで脚部も無い様なこれだけの大きさの物体をよりにもよって直立状態でディスプレイ保管するにはかなり危険さが伴うであろう。かもしれない。でも作って欲しいと思うのが人情である。やっぱ欲しいよね。
また『C.D.A. 若き彗星の肖像』では本機の原型になったと言えるMA、ゼロ・ジ・アールが登場。『
逆襲のシャア』の
α・アジールと併せると系譜上、ゼロ・ジ・アールとα・アジールの中間に位置する事になる。つまりこのタイプの空間戦闘用MAはゼロ・ジ・アール→ノイエ・ジール→ノイエ・ジールⅡ→α・アジールという形で辿って行った様である。
因みに、ゲームオリジナル(初出はGジェネ無印)でシャア専用として開発されたノイエ・ジールⅡというMAもいる。 機体のペインティングは赤紫の様な色合いとなり、ニュータイプであるシャアの為に有線クローアームがファンネルに換装されて本当のオールレンジ攻撃が可能となった。
Gジェネではさらに遺棄されたα・アジールをブッホ・ジャンク社(後のクロスボーン・バンガードの母体の廃品回収業者)が極秘裏に
ジャンク(粗大ゴミ)と称して回収し
ラフレシアの技術と掛け合わせて「エビル・ドーガ」という機体まで作り上げている
因みにGジェネでの設計(
ビグ・ザム+
ジオング)でも解る通りジオンの大型MAにサイコミュの技術を導入した機体である。それが40年以上も改良を加えながらも使われ続けていた技術がいかに優れていたかを聡明な視聴者は知るのである。
最終更新:2010年03月11日 19:13