そこは研究所の一室。
所員が寝泊りする専用の部屋で、スーツ姿の錦山彰は目を覚ました。
飾り気のない固いベッドに腰掛けて、傍らにあったデイパックを探る。
拳銃と便利そうな道具を確認し終えて、最後に出てきたのは嗜好品だ。

「おいおい、これが支給品かよ」

ジッポーのふたを開けて、咥えた煙草に火をつける。
ゆっくりと、煙を肺に満たすように吸い、斜め上に吐き出す。
それを三度も繰り返しているうちに、ようやく落ち着きを取り戻してきた。

「殺し合い……ねぇ」

錦山は煙草の煙を見つめながら、マナと名乗る少女の発言を思い返そうとした。
あの混沌とした状況で、殺し合いのルール説明を冷静に聞くことができた参加者が、どれだけいるだろうか。
錦山でさえ、あの場では状況を把握するだけで精一杯だった。
かろうじて首輪が爆発することや、放送があることは理解したものの、詳細は覚えていない。
ただ、ある言葉だけが頭から離れないままだ。

――この殺し合いの優勝者は元の場所に帰れる権利と、何でも一つ願いを叶えられる権利が与えられるの。

錦山には野望がある。
それは、関東最大の広域暴力団「東城会」の“頂点”に立つことだ。
もともと堂島組の若衆だった頃から出世欲はあったが、十年前のとある事件がきっかけで自分の組を立ち上げてからは、他者への負の感情を大量に抱え、今では人間不信となり、野望だけが心の支えとなっていた。
マナの発言が真実だとすると、優勝すればその野望を叶えられることになる。

「ふざけやがって……」

しかし、錦山はマナの言葉など少しも信じていない。
殺し合いを強制する狂人の言葉を鵜呑みにするような真似は、到底できないのだ。
巨大な組織の中でのし上がるために、数多の駆け引きをしてきた経験が告げていた。マナを信用するのは危険だと。

とはいえ、やすやすと殺されるつもりもない。
元の場所に帰るために、優勝しなければならないというのなら、人殺しも厭わない。
既に何人もの人間を手にかけて来たのだから、いまさら数十人を殺すことを躊躇う理由もないのだ。
相手が誰であろうと殺す――不意に、錦山の頭にある男の顔が浮かんだ。

錦山は苦虫を噛み潰したような顔で、半分以下になった煙草を捨てた。
桐生一馬。孤児院からの仲で、共に東城会の風間組に拾われた兄弟分だ。
しかし、それも過去の話。
錦山は桐生と十年ぶりに再会した「セレナ」で決別した。
野望を叶えるために必要な東城会の百億円の所在を巡り、桐生と完全に対立することになったのだ。
そんな矢先に、錦山はこの殺し合いに巻き込まれていた。

「……お前は殺し合いなんてしないんだろうな」

マナを取り押さえた桐生の姿を思い出す。
危険な状況にもかかわらず、飛び出していく度胸。結果として制圧は失敗してしまったとはいえ、あの場で反旗を翻す、その行動自体に勇気づけられた参加者は大勢いることが予想できた。
事実、錦山もあの桐生の行動で冷静さを取り戻したのだ。

「桐生を殺す、か……」

口にしてから、その現実味のなさに乾いた笑いが出た。
若くして「堂島の龍」と仇名された男だ。殺しても死にそうにない。
この島においては、マナに向けてそうしたように、殺し合いを破壊しようと動くだろう。
それならば、むしろ殺し合いを破壊するために、一時的に協力した方が賢いのではないか。
そんな考えが頭をよぎる。

「……馬鹿野郎」

即座に頭を押さえた。あまりにも甘い考え方だ。
兄弟の契りを破棄した相手に、どうして協力を持ちかけることができるだろうか。
桐生を都合よく利用しようというだけではない。もう誰も信用しないという意思すらも曲げる行為だ。

「俺は……」

そのとき、外から大きな物音がした。

「っ!?」

泥沼になりかけた錦山の思考は、それにより幸か不幸か断ち切られた。
物音は断続的に聞こえてくる。ガラスが割れる音や、金属が床にばら撒かれる音など。
どうするか。錦山は逡巡することなく、拳銃を懐に忍ばせて部屋を出た。




リト族の英傑リーバルは、暗い海へと勢いよく飛び出した。
人間なら重力に逆らえずに飛沫を上げるところだが、リーバルは人間にはない翼をはためかせて、海面スレスレを滑るように飛んだ。
その速さは草原を駆ける馬より速く、みるみるうちに陸地からの距離は百メートルを越えた。

「さて、どこまでかな」

そう呟いた直後。
リーバルの首輪から、アラームの音が鳴り響いた。
急ブレーキをかけて振り返ると、陸地からはおよそ三百メートル。夜は視界が悪いが、真昼であれば容易に視認できる距離だ。
実際、リーバルの目にもマールディアの金髪がちらちら動いて見えた。

「この辺りが境界か……」

陸地の方向へ数メートル戻ると、アラームはピタリと止んだ。
わずかに息を吐く。もし「首輪のアラームが鳴り始めたら爆発は止められない」設定にされていたなら、リーバルの命はあと数秒だった。
あのマナやウルノーガという小物が、そう簡単に爆発させることはないだろう、という予想に賭けた上での検証だったが、その賭けは成功した。
殺し合いの舞台は、あくまで地図に書かれた範囲まで、ということなのだろう。

「まあ、それは予想通りだけどさ」

空中に浮揚しながら、偉そうに呟いた。
殺し合いにおいて“翼”がどれだけの利点を持つか、リーバルはきちんと理解していた。
英傑の中でも、ゲルド族にもゾーラ族にもゴロン族にも、もちろんハイラル族にもなく、リト族だけにあるのが“翼”だ。
そして、小物が殺し合いの説明をしているときに目にした限りでは、参加者の中にリト族らしい影はなかった。
そうだとすれば、飛ぶことができる参加者は少ないと予想できる。

「遠くを飛んでるだけで優勝できる、なんてことはないようだね。
 小物も対策しているってことか……どうやら、知らない武器もあるようだし」

例えば、ボウガンや弓矢の射程距離は三百メートル以下だ。
参加者への支給品がそうした武器ばかりであれば、飛んでいる限り撃たれる危険性がないリーバルは有利である。
しかし、マールディアから教えられた“銃”という存在は、ボウガンよりも小さい大きさで遠くまで届く性能のものもあるという。
そのような武器が支給されているとしたら、リーバルの優位性は失われることになる。
ゲームとしては公平と言えるだろう。

「さて、次は上方向も試さないと」

リーバルは空を見上げた。
上方向に飛べる範囲も限定されている確信はあった。それがどの程度か確認することには意義がある。
ともかく、ひとまず陸地に戻ろうと、マールディアの金髪を目印にして飛ぶことにした。




研究所は、錦山が想像していたよりもずっと広かった。
どこまで行っても白一色の壁と廊下にうんざりしながら歩くと、ようやく物音がする部屋にたどり着いた。
入り口の陰から室内を覗くと、そこには、何かを探すようにうろうろと歩く男がいた。

「シェ……リィー……」

男の様相を見た錦山は、言いようのない不安に襲われた。
血に濡れた白衣。よろよろとした足取り。途切れがちに誰かを呼ぶ声。
それだけなら、ヤクザやチンピラが跳梁跋扈しており、治安の悪い神室町においては、さほど異常な存在ではない。
喧嘩をして血まみれの男も、クスリの中毒でふらつく男も、日常茶飯事だ。
しかし、それだけではないのだ。

「シェエリイィィィ……」

男の全身の筋肉は、びくびくと不規則に震えていた。
通常、人間は必要なときに必要な筋肉だけを動かせるように出来ている。
ところが目の前の男は、まるで人形のように、本人の意思と無関係に動いているように見えた。

(なんだコイツは?イカレてるのか?)

錦山が困惑していると、不意に男の動きが止まり、静寂が訪れた。
男は錦山に背を向けた状態で、何かブツブツと呟いていた。
その様子は、肩で息をしているようにも、身体全体が脈打つように動いているようにも見えた。

(コイツも参加者なのか……?)

錦山は男に注意を向けていた。
だからこそ、足元が疎かになった。
男の様子をつぶさに観察しようとして、身体をより壁の近くに移動させた、そのとき。
バキリ、とガラスを踏みつけた音が反響した。




森の中を歩きながら、リーバルはマールディアに検証結果を伝えていた。

「そっか、リーバルの言ったとおりだったんだね」
「ああ。僕の予想通りだ。上方向に飛ぶのも限界がある」

陸地に戻り、今度は「リーバルの猛り(リーバルトルネード)」で上空へ飛翔。
やはり地面から数百メートル離れたとき、アラームが鳴り始めた。
そして新たに、空中に長時間浮揚しているだけでも、首輪のアラームが鳴り始めることが判明した。
具体的には、およそ五分。
今回は、たまたま地面に戻る途中で鳴り始めたために爆発は免れたが、今後は注意する必要がある。

「高く飛ぶことも、遠くへ飛ぶことも、長く飛ぶことも制限されている、ってことだね」

リーバルは怒りを滲ませながら口にした。
飛行能力に長けているリト族を、実質的に飼い慣らしているような仕打ちだ。
誇りを穢されたような気分になっていた。

「でも、飛べるだけでもじゅうぶんスゴイよ?」
「ハァ……そういうことじゃないんだよ、お嬢ちゃん」

マールディアの能天気な発言に、やれやれと肩をすくめて返答する。
しかし、マールディアのお陰で気付いた。小物への怒りで冷静さを欠くなんて馬鹿らしい。
たとえ飛ぶことが制限されていたとしても、リーバルには弓の腕前がある。
小物を前にしてオオワシの弓を手にしていたら、確実に眉間を狙う。そう決意して、リーバルは怒りを飲み込んだ。

「あ、ねぇ!あれ、リーバルが見た研究所じゃない?」
「ん……?ああ、そうだね」

そうして歩いていると、マールディアが嬉しそうな声を上げた。
二人の視線の先にあったのは、リーバルが上空へ飛翔した際に見つけた、白い外壁の研究所だった。




背筋が凍る感覚というものを、錦山は久方ぶりに味わった。
動きを停止した男は、ゆっくりと入り口にいる錦山の方へ振り返る。
そして、手近な場所にあったパイプ椅子を右手で持つと、それを引きずりながら歩いて来た。
その首には、確かに首輪が嵌められていることを、錦山はようやく認識した。

「G-ウイルスは……ワタシの……ものだあぁ!!!」

男は叫んだ。その目は焦点が合っていないが、錦山を認識しているのは間違いなかった。
錦山はやるしかないと、懐から拳銃を取り出した。

「止まれ、撃つぞ!」

錦山が拳銃を構えて威嚇するも、男は全く意に介さずに距離を詰めてくる。
何やら声は発しているが、会話が通じそうとは思えなかった。
そして、その動きはひどく緩慢で、酔っ払いにも似ていた。

「わたさないぞ……ウイルスは!!!」

そのとき、錦山は男の動作が遅いことに油断していた。
しかし次の瞬間、男はパイプ椅子を振りかぶって、投げつけてきた。

「なっ!?」

予期せぬ攻撃に対して、錦山はかろうじて腕を身体の前で交差させて防御した。
それでも、かなりの力で投げられたパイプ椅子の威力を殺しきることはできず、よろめいて廊下の壁に背中がぶつかった。
鈍い痛みが走り、呼吸が乱れる。

「ぐうっ!」

男はゆっくりと、しかし確実に近づいてくる。
そして、あと少しで男の腕が当たるほど近づく、そう感じた直後。
錦山は躊躇うことなく、手にした拳銃のトリガーを引いていた。




リーバルとマールディアは、研究所の玄関で銃声を聞いた。
その音は奇しくも、リーバルがマールディアに説明された銃声に似ていた。

「ねえ、今の……」
「何かが起きているようだね」

何やら不穏な空気を察したのか、小声になるマールディア。
リーバルは冷静に、音がした方向を定めようとした。

「リーバル、壁に地図があるよ」
「へえ、意外と広いんだな。音がしたのは……」

すると、さらに銃声が続けざまに鳴り響いた。
リーバルとマールディアは顔を見合わせて、音のした方向へ走り出す。
廊下を走りながらいくつかの部屋を覗いてみると、荒れた様子の部屋が散見された。
そして、ようやく辿り着いた第四研究室には、一人の男が立ち尽くし、一人の男が倒れ伏していた。

立ち尽くしているスーツの男の手には黒い銃が握られており、倒れ伏している男の衣服は血で汚れていた。
リーバルがそこまで観察し終えたとき、スーツの男が気づいて声を上げた。

「誰だ!」
「それを床に置くんだ!」

リーバルは男に対して冷静に告げた。
男は銃を構えようとするも、ボウガンの存在に気づいて躊躇い、やがて銃を放り投げた。

「これは君がやったのかい?」
「……だったらどうする?」
「この僕、リーバルが、君を止める。殺し合いに乗るようなヤツを放置するわけにはいかない」
「そうか……」

スーツの男は下を向いて、何かを考え込んだ。

「忠告しておくけど、妙な動きはしない方がいい。
 このボウガンが見えるだろ?僕は君をいつでも撃てるんだからね」

リーバルは構えたボウガンをちらつかせた。
すると、スーツの男はしばらく黙り込んでから、こう切り出した。

「俺はこの男に襲われた。だから撃ったんだ。何の問題がある?」
「えっ……!?」
「フン、何とでも言えるね」

マールディアは驚いた声を上げたが、リーバルは鼻で笑った。
死人に口なし。死んだ者は言葉を発することができないのだから、それを嘘と証明することはできない。
それでも、リーバルは男が嘘をついていると半ば確信した。

「だいいち、襲われたのにそんなに落ち着いていられるかい?」
「職業柄、荒事には慣れててね。それに、そういう性分なんだ」
「おっと!」

喋りながらスーツをまさぐり出した男に、リーバルは制止をかけた。
男はピタリと動きを止めて、こちらに視線を向けた。

「妙な動きをするなと言ったの、もう忘れたかい?」
「煙草を吸うだけだ。許してくれ」
「タバコ?……見せてみなよ」

このとき、リーバルは油断していた。
リーバルと男との距離は、剣や槍では届かないほど遠い。
しかし、ボウガンならば充分に届く。拳銃は床に落ちている。つまり今の時点で距離的な理があるのはこちらだ。
相手は丸腰。まさかガーディアンのように、ビームを発射することができるはずもない。
もし万が一、新たな武器を手にしたなら、即座にボウガンで射抜けばいい。
このような思考が、英傑としての実力の自負が、ほんの僅かな油断を生み出していた。

「コイツだよ」

男は取り出した球体を、真上に投げ上げた。
リーバルがその正体を確かめようとした刹那、その部屋は白に包まれた。
そして、何発目かの銃声が鳴り響いた。




閃光玉とは、モンスターを狩猟する際に用いるアイテムの一種である。
強烈な閃光はモンスターの視覚を奪い、小型モンスターであれば気絶状態、大型モンスターであれば目眩状態にする。
気絶状態は言わずもがな、目眩状態もハンターを見失って単調な行動をする状態であるため、総じて強力なアイテムだ。
ちなみに、ハンター自身にはこれらの効果は及ばない。




研究所が完全に見えなくなる場所まで来た錦山は、足を止めた。
そして、呼吸を落ち着かせるために深く息を吐いた。
白いスーツの下のシャツは、冷汗と全力疾走の汗とが混ざり、じっとりと汗ばんでいた。

「化け物だらけか、この島は……」

気に入らない相手の愚痴をこぼすように、錦山は小さく呟いた。
様子のおかしい狂人に、人語を話す鳥人間リーバル。
前者はまだ頭がおかしい人間として対処できたが、後者は頭が鳥の形なのだから理解が追いつかない。
精巧な人形か、あるいは覆面やマスクの類かとも考えたが、流暢に話す鳥人間は、どこからどう見ても作り物ではなかった。
結果として困惑で埋め尽くされた錦山の脳内は、逃げの一手を選択した。

「これも使いどころを考えた方がいいな」

閃光玉を見ながら、錦山は呟いた。
説明書を読み、スタングレネードのような道具だと理解して使用した閃光玉。
実際は爆音が発生しないため、一般的なスタングレネードと比べると無力化する効果はやや弱いようだ。
また、何度も同じ相手に正面から使える道具ではない。
もし再び鳥人間リーバルと相対することがあっても、まず警戒されて使えないはずだ。
リーバルと、もう一人の少女。追跡はされていないようだが、再び遭遇することは避けたい相手だ。

「再会したくないと言えば、あのイカレてる男もそうだな……」

錦山は煙草に火をつけて、狂人を思い返した。
拳銃の弾丸は、どれも確実に心臓を貫いたはずだ。
それなのに、倒れ伏した男の身体はずっと動いていた。
今にも立ち上がり、襲いかかってきそうな不気味さがあった。
あれは何なのか。煙草を吸い終えるまでに、答えは出なかった。

「まあいい……俺は生き残る。それだけだ」

これまでと同じだ。目的を達成するためには、どんな手段でも使う。
煙草を踏み潰しながら、錦山は決意を新たにした。



【A-5/研究所付近/一日目 黎明】
【錦山彰@龍が如く 極】
[状態]:健康
[装備]:マカロフ(残弾8発)@現実
[道具]:基本支給品、セブンスター@現実、閃光玉×2@MONSTER HUNTER X
[思考・状況]
基本行動方針:人を殺してでも生き残り、元の場所に帰る。
1.ひとまず研究所から遠ざかる。

※セレナにて桐生一馬と十年ぶりに再会し、決別した直後からの参戦です。




「クッ、油断した!」

まだ霞む目を抑えながら、リーバルは吐き捨てた。
閃光玉による身体的なダメージはない。しかし、スーツの男に逃げられたことは、リーバルのプライドを傷つけていた。

「大丈夫?リーバル……」
「ああ。お嬢ちゃんこそ、その腕の傷は平気なのかい?」
「平気だよ、かすっただけだから。自分でケアルもかけたし」
「そうかい」

平気そうに答えるマールディアだが、その様子は今までと異なっていた。
かすり傷とはいえ、男に撃たれた事実は残る。ここが殺し合いなのだと実感して不安がっているのだろう、とリーバルは予測した。
何か慰めの言葉をかけるべきかとも考えたが、リーバルには思いつかない。
そんなことを考えていると、マールディアが何かに気づいたような声を上げた。

「ねえ、あの人……動いてない?」
「ん?」

マールディアが指差した先には、白衣の男が倒れている。
リーバルとマールディアが来たときからずっと、倒れ伏していた男だ。
銃で撃たれたと思われる場所からは、いまだに血が流れていた。

「そんなはずがないだろう。ピクリともしていな……!?」

そこでリーバルは言葉を止め、息を飲んだ。
男の身体が大きく脈打つように動いたと思うと、ゆっくりと起き上がったのだ。




男の身体が震える間隔は、次第に短くなる。
まるで身体全体が鼓動していて、ドクンドクンと音が聞こえるかのようだ。
あるいは実際に聞こえていたのかもしれない。

ふと、男の右腕の筋肉が膨張し始めた。
その勢いで、衣服の右半身の部分が弾け飛んだ。
右腕は元の腕より二回り以上も大きくなり、異常に太い血管や神経が浮き出て、激しく脈打ち始める。
右手の爪は大きく鋭く、ナイフのように変化していく。
やがて肥大化した右腕の肩の部分に、頭部ほどの大きさの眼球が出現した。
そして、ぎょろりと動いた眼球が、室内にいる二人を捉えた。

G-ウイルスにより変異した男の名はウィリアム・バーキン。
この島にいる殆どの人間は、彼の名前も素性も知らない。
そして、彼が自らの身体に注入したG-ウイルスの危険性もまた、誰も知らない。


【A-5/研究所内/一日目 黎明】
【リーバル@ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド】
[状態]:健康、動揺
[装備]:アイアンボウガン@クロノトリガー
[道具]:基本支給品 召喚マテリア・イフリート@FF7 木の矢×10 炎の矢×10@ブレスオブザワイルド
[思考・状況]
基本行動方針:オオワシの弓@ブレスオブザワイルドを探す。
0.目の前の化け物(ウィリアム・バーキン)に対してどうする?
1.マールと共に、弓の持ち主を探す。
2.首輪を外せる者を探す。
3.ゼルダやリンク、他の英傑も参加しているかどうか知りたい。

※神獣ヴァ・メドーに挑む前の参戦です。


【マールディア@クロノトリガー】
[状態]:腕にかすり傷、動揺
[装備]:ハリセン@現実
[道具]:基本支給品、リンゴ×3@ブレスオブザワイルド
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いの破壊。
0.目の前の化け物(ウィリアム・バーキン)に対してどうする?
1.リーバルと共に行動する。
2.クロノを探す。
3.何で私の支給品がハリセンなのよ!!

※ED No.01 "時の向こうへ"後からの参戦です。


【ウィリアム・バーキン@BIOHAZARD 2】
[状態]:G生物第1形態
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:本能に従い生きる。
0.目の前の二人(リーバル・マールディア)に対してどうする?

※身体にG-ウイルスを注射した直後からの参戦でした。現在は融合を続けています。


※ウィリアム・バーキンの支給品一式が、研究所内のどこかに放置されています。

【セブンスター@現実】
錦山彰に支給された煙草。日本で長年人気の銘柄で、桐生一馬が愛飲している。ジッポー付き。

【マカロフ@現実】
錦山彰に支給された武器。装弾数8発。予備の弾倉一つも共に支給。

【閃光玉×3@MONSTER HUNTER X】
錦山彰に支給されたアイテム。
狩猟を補助する手投げ玉系アイテムの一つ。強烈な閃光をモンスターの視界に入れることで、モンスターの行動を制限する。

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029:みなさんご存知のハズレ リーバル
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最終更新:2019年09月18日 17:34