「オノノクス、『りゅうのまい』。ダイケンキ、左から『アクアジェット』。」



目の前に立っている女。
見た目こそ人間そのものだが、腹に開いた穴から覗かせるものは、人間のそれではない。
だとすると、ポケモンということか?
分かるのは、相手が相当の力を持っていること。
激しい戦いを経てなお、整った顔に映る鋭い眼差しが、それを物語っている。
それこそ、あのゲーチスなどとは比べ物にならないくらい。
獅子はウサギを狩るにも全力を尽くすと言われるが、手加減をしたら瞬く間に殺されるだろう。






目の前に立っている男。
それは、圧倒的な力を持った存在だということが伝わった。
帽子の奥から覗かせる獅子のような眼光が、それを物語っている。
自分がケガした相手だと侮って、手加減してくる相手ではなさそうだ。
逃げるか?
いや、そんなものは自分の決意に反するし、逃げた所で生き残れる相手でもなさそうだ。

彼女は、逃げるという道を自ら捨てる。
逃げればまだ、自分の使命を全うできる可能性もあるというのに。



時々色彩感覚が無くなる眼で、相手の男が連れている怪獣を見て、A2は即座に最適解を見出す。
目の前の怪獣2体は、大柄な図体からして速さはそれほどでもない。
恐らく、エンゲルスのように力で押すタイプ
ならば自分がやることは一つ。

かつてヨルハ部隊にいた時から積極的に取り入れていた戦術。
司令部を叩く。

自軍より数や戦力が多い部隊を目にした時どうするか。
わざわざ相手の兵力や戦力に付き合う必要はない。
司令部、コントロール部分の中心を叩けばいいだけだ。
指示を出す部署さえ壊してしまえば、どれだけの大部隊であろうと、いや、大部隊であるほど、戦力が容易に瓦解する。

疾走し始めたてから、いきなりダイケンキと呼ばれた怪獣が襲い掛かる。
「!?」
それは、鈍重そうな水獣とは思えない勢いだった。
水に乗り、名の通りジェットのごとき勢い前足の剣で斬りかかる。





相手が何をするかなんて、分かっている。
大方、オノノクスとダイケンキを無視して、指示を出している自分を攻撃するつもりだろう。
あれほど鋭い目で見つめられれば、余程殺意に鈍感な奴じゃない限り分かる。
ならば、リズムを崩しつつ、両サイドから攻撃を仕掛けるだけだ。
しかし、左からのアクアジェットは、女の剣で止められた。
穴の開いた右の脇腹を攻撃するのは、予測される可能性もあった。
だからウラをかいて左を攻めようとしたのだが。



そのまま力任せに、ダイケンキを押し飛ばす。


「オノノクス、右から『きりさく』。ダイケンキ、上に『ハイドロポンプ』」
だが、A2が再びトウヤめがけて走り始めると、トウヤも次の指示を出す。




「速い!!」
オノノクスと呼ばれた怪獣のキバが、襲い掛かる。
(まさかさっきの踊りに、何かからくりがあるのか?)
地面を蹴り、強引に空中へ逃げる。
アスファルトの地面が、大きくえぐれていたことから、その判断が正しかったと認識する。
しかし、逃げた先でダイケンキからの高圧水が、狙ってくる。
だが、それで終わるわけではない。
体を空中で捻り、致命傷を負ってない部分で水圧を受ける。
敵の攻撃を回避することイコール自分の攻撃を放棄することではないのだ。
ジャンプしたことは、オノノクスの攻撃を躱しただけではなく、そのまま男を守る壁を乗り越えることが出来る。



そのまま強引に体をきりもみ回転させ、重力と遠心力に任せて、トウヤを切り刻もうとする。

だが、トウヤはいち早く刃が届く範囲外まで逃げる。
「避けた!?」

確かにハイドロポンプの邪魔があったり、桐生戦でのダメージを引きずっていたりと、万全な状態ではなかった。
それでも、A2の斬撃を躱したのは、トウヤの反射神経があってのものだろう。




(今のは、ほんの少し危なかったな。)
空中でハイドロポンプの高圧水を受けながら、自分の所に斬りかかるとは予想外だった。
あの男と少女が、血相変えて逃げ出しているのも分かる。
あと少し気付くのが遅かったら、剣のサビにされていた。
だが、二撃目はもう撃たせない。
「ダイケンキ、右からアクアジェット。オノノクス、背中にドラゴンテール。」

A2の攻撃を躱すとすぐに、トウヤは指示を出す。




(本当にコイツ、人間なのか?)
今のは人間ではなくても、機械生命体なら間違いなく当たったはず。
それに、目の前で刃物を持っていても、躊躇なく怪獣に命令を出す度胸。
あの桐生という男もそうだったが、人間とは誰かに縋らないと生きることすらできない生き物じゃなかったのか。
だが、次は殺す。
あいつの、2Bの決意を果たすためにも、こんな所で死ぬわけにはいかない。
再びダイケンキが水に乗って超速で斬りかかる。
だが、一度見た技だ。いくら速かろうと軌道が分かれば、怖くもなんともない。



「!?」

A2がカウンターで、ダイケンキを串刺しにしようとした瞬間、悪寒が走った。
ダイケンキとの鍔迫り合いをすぐに破棄し、オノノクスの鞭のようにしなる尾を避ける。


作戦通りのはずだった。
オノノクスのしなる尾で、女にトドメを刺すはずだった。
ダイケンキのアクアジェットと、オノノクスのりゅうのまい。
素早さに影響する技を使い分けることで、攻撃のペースをシャッフルし、敵の防御や反撃のタイミングを掴ませないことを第一とした戦略だ。
そして、あえてダイケンキに同じ攻撃をさせ、対処させやすくする。
ダイケンキを倒せると自信付かせた所で、後ろからオノノクスで刺す。
この作戦まで凌ぐとは、やはり人間ではないのだろうか。







手負いの身でポケモン2体を一度に相手にするのは無理だと認識したA2は、双方からの攻撃が届かない位置にまで移動する。


しかし、作戦が失敗してもトウヤは攻撃の指示を止めない。

「オノノクス、りゅうのまい。ダイケンキ、ふぶき」






(本当に容赦ないな、コイツ……)
氷の混じった強風が襲い来る。
吹雪で霞んだ先を見ると、オノノクスが再びあの舞踏を踏んでいる。
まさか、自分の動きを吹雪で鈍らせた所で、さらにスピードと攻撃力を上げて、一気にとどめを刺すつもりだろうか。

地面の瓦礫を思いっきり蹴飛ばすが、吹雪という向かい風の影響により、大した効果はない。
いくつかは外れ、いくつかはオノノクスのキバに弾かれる。

どうやら、怪獣使いを優先して殺す作戦は、悪手だったようだ。
壁となる怪獣は2体だけだが、奴が出す指示が、その二枚の壁を、難攻不落の要塞へと変える。
加えて怪獣使いも、キリュウほどではないが、強者相応の動体視力を備えている。
そして迂闊に攻撃を始めたが最後、躱された挙句二体に挟撃され、手痛いダメージを食らいかねない。

だからどうした。
作戦が失敗したなら、作戦を変えればいいだけのこと。
まだ戦いは始まったばかり。
これしきのことで、死んでしまったら、かつての仲間に詫びようがない。
それに、死ねたのなら論理ウイルスに汚染された21号を撃ち殺した時に、自分も死んでいた。

吹雪の中でも顧みず、再度二体に突撃する。
Bモードを使えば、オーバーヒートの影響で吹雪を吹き飛ばせるかもしれないが、こんな状況でやったら再起不能は免れないだろう。

だが、このままではいつか敗北するのを待つだけだ。
やるなら、相手の予想を上回る攻撃をしなければならない。
確かにこの剣は、非常に使いやすいが、重さが足りない。

怪獣ごと相手を倒せる武器が欲しい。

A2は再びトウヤ達に向かうかと思いきや、カイムの剣を収める。



まだやるつもりか。
いくら戦術を変えた所で無駄だ。
攻撃を立て続けに与え、思うようにヒットできないが、戦いの主導権は自分が握っているはず。
こっちはほとんど無傷、相手は死に体といったところ。
それなのに、コイツはなぜ負けを認めない?
何かのために、戦っているというのか?

「オノノクス、ダイケンキ、下がれ。」
だが、念には念を入れて、後方に下がらせる。

その判断が正しかったと、すぐに実感する。






A2は、折れかけていた街灯をへし折り、新たな武器にした。

「食らえッ!!」
街灯がブン、と音を立てて横なぎに一閃。
しかし前もって下がらせていた二体には当たらない。
壊れたのは、市街地の壁だけだ。

だが、人間離れした力で振り回される街灯は、安易に敵を近寄らせない。
しかも攻撃範囲が広いため、多少のずれもカバーできる。
まさに、攻撃は最大の防御。

そのまま街灯を振り回しながら、近づく。





これは予想外だった。
折れた街灯を振り回すなんて戦術、聞いたことがない。
2体を下げておいて、正解だった。
あれがまともに当たれば、自分は勿論、オノノクスやダイケンキもただじゃすまないだろう。
しかも、自分の方に街灯が壊したもの、そして街灯の破片が降り注ぐ。

「ダイケンキ、街灯に『ふぶき』!!オノノクスはそのまま『りゅうのまい』」
止む無く、女ではなく、街灯とその二次災害に目を向ける。
吹雪の力で、降り注ぐ瓦礫を吹き飛ばし、さらに街灯を凍らせることで、脆くする。
元々戦いの影響で、壊れかけていた街灯は、壁にぶつかったことで、先端が砕ける。


「今だ!!オノノクス、街灯に『きりさく』!!」
先端が砕けた街灯が、パワーアップしたオノノクスの攻撃を受けて、さらに先端2/3ほどが無くなる

(いない?)

だが、その街灯の先にいるはずの持ち主はいなかった。





(もう少し持ってほしかったが、まあいい。)
単純に長い武器を使ったのは威力と、自分の力をフルに生かせるからではない。
少しでも自分以外の存在に、数百分の一秒でも、意識を向けて欲しかったからだ。

怪獣が放ったふぶきによって、視界が悪くなっていたこともあり、一瞬だけでも意識を自分から逸らすことが出来た。


一瞬、怪獣使いと怪獣たちの視界から逃れた時間を有効活用し、死角から攻撃した。
「シュバアアアア!!」

折れた街灯でダイケンキを刺す。
さらに間髪入れず剣を抜き、オノノクスを斬り付ける。

「ガアアア!!」
悲鳴からして、ダメージがあったようだ。

「オノノクス、『きりさく』!!ダイケンキ、『シザークロス』!!」
しかし、反撃とばかりに、怪獣二体が襲い掛かる。

カイムの剣で、牙を防ぐ。続いて、ダイケンキの斬撃。
一撃は防ぐが、二撃目は、後ろによけるしかなかった。
致命傷こそ与えられなかったが、初めて相手にダメージを与えた。
まだやれる。

「へえ……久しぶりですよ。俺のポケモンにダメージを与えたなんて、これは楽しめそうだ。」

怪獣使いが、帽子の裏からニヤリと笑った。
「楽しむ……だと?」

決死の一撃さえ、娯楽として扱われてしまうなんて、正直笑い話にならない。


「ええ。俺を楽しませるヤツは、前の世界に誰一人としていなかったんです。
けれどこの世界では、予想以上に楽しめそうですね。」

(クソッタレが……)


A2はオノノクスとダイケンキの攻撃を、一発一発躱し続ける。
時には横に、時には上に、時には剣で受け流し。
もう何度攻撃をやり過ごしたか覚えていない。
多分相手も、覚えていないんじゃないのか。
隙を見て、反撃をしたいところだが、どうにもその時間が巡ってこない。
流石に、街灯を使った攻撃も、二度は通用しないだろう。
辺りを観察し、反撃の糸口になりそうなものを探す時間も与えてくれない。



トウヤは休むことなく、波状攻撃を加える。
だが、まともに当たったことは、一度もない。
勿論、ワンパターンではなく、攻撃のリズムを崩しながら、攻め立てる。
3段階攻撃力と素早さが上がったオノノクスと、ダイケンキ。
一度でも当たれば勝機は見える。
だが、その当たる機会が、どうにも見えてこない。

(ここまで時間がかかった戦いも、いつ以来だろうな。)

しかし、時間のかかる戦いこそ、強者と弱者を分ける機会の一つ。
いくら持久戦に持ち込まれたといっても、簡単に崩れたりはしない。

守り続けていれば、おのずと攻撃のチャンスは出来る。
まさに、防御は最大の攻撃。



A2の狙いも同じだった。
迂闊な攻撃をせず、自分の身を守ることを中心にしながら、少しずつ相手を疲弊させていき、チャンスが来たら一気に攻める。

ボロボロの状態で持久戦を広げるなんて愚かしいとしか言いようがないし、自分もそうだと思う。
だが、愚かでもいい。
みじめでもいい。
自分の決意を、通すためだ。
汚れ仕事を引き受けるなんて、昔からやってきたことだ。





「なッ!?」
しかし、膠着していたと思われた時間が、予想外なまでに早く訪れる。
A2のぽっかり空いて機械の部分が見える部位から、放電の音が聞こえる。
ダメージを過剰に負った状態で、体が限界を迎えたのだ。
その瞬間、体が電子頭脳の指示についていかなくなった。

「く……くそ!!」

その瞬間を見逃す相手ではない。
「オノノクス、ドラゴンテール。ダイケンキ、アクアジェット。」

波状攻撃を抵抗することも出来ず、壁に叩きつけられる。

動け。
動けって言っているだろ。
こんな所で終わってどうする。こんな死に方、死んでいった仲間が満足すると思っているのか。
だが決意も空しく、膝が砕け、脚がもつれ、崩れ落ちる。
このまま勝負を続けていても勝てない、と思ったA2は、最後の賭けに出る。


「勝負、ありましたね。」
最早負ける要素は残されていないと確信し、ポケモンの攻撃を止めるトウヤ。

(何……勝った気でいる……)

だが、彼女は一瞬のチャンスを待っていた。
オノノクスと、ダイケンキの間に出来たスキマから、まっすぐにトウヤが見える瞬間を待っていた。


「でやああああ!!!!!」
「何!?」

その隙間を通して、一直線に剣を投げつける。
しかし、投げた瞬間、A2の体が悲鳴を上げ、スーパーリングを付けた指が砕ける。

「ガアア!!」
オノノクスが尻尾で弾こうとするが、もう遅い。
剣は、まっすぐにトウヤの額を狙っていた。





「……流石ですね。久々に、ヒヤっとしました。」
「失敗……か。」
遠くの方に、カイムの剣が刺さっている。
トウヤの帽子を付けて。
指が砕けた瞬間、狙いが僅かにぶれ、当たることはなかった。

最後の賭けも失敗だった。
万策尽きたと言っても過言ではない。


恐らく自分は死ぬのだろう。
何度も仲間を失うことを目の当たりにしてきた原因か、はたまた自分がアンドロイドだからか、不思議と恐怖はない。

自分が万全の状態で挑めていたら
さっき剣を投げた時に、自分の体にガタが来なかったら。

不思議とそういう言い訳をする気にもならない。


「あなたは強かった。俺と一緒に戦いませんか?
勿論、近くの家で応急処置ぐらいはしてあげますよ。」

怪獣使いは手を差し伸べる。
どうやら、殺すつもりはないらしい。


(コイツ、戦いは超一流だが、交渉は三流のようだな……。)
まだ、仲間にならないか、だったら承諾していたかもしれない。
だが、自分の目の前の二体の怪獣のような扱われ方は、断る。
そんな形で渡された命など、かつて自分達を捨石にするつもりだった司令官の下にあった命と同じだ。

たとえ、自分に残された使命を全うできる可能性が、数千分の一%ほど上がっても。

「質問を質問で返すのは野暮だと承知で聞く。
オマエのこの世界での目的は何だ?」

深くかぶっていた帽子が脱げ、よく見えるようになった冷たい瞳で怪獣使いは答える。

「オレはただ生きたいんです。それ以上でも、それ以下でもありません。」



これは傑作だ。
目の前の怪獣使いは、桐生のように固い決意があるのかと思っていたら、何もないからこそ、冷酷な戦いが出来ていたとは。
命のないアンドロイドと、命のない怪獣使いと、その命令にしか動けない怪獣の戦い。
この戦いを、滑稽と言わずして、どう形容しようか。

2Bやローズ、桐生のような、固い決意を持った奴らは次々死んでいった。
次に死んでいくのは、私のように中途半端な決意を持った奴。
生き残るのは、こいつのように命がない奴だけなのか。

相も変わらず悔しさはこみ上げてこないが、滑稽さが何故か湧き出てくる。


理解している。
自分のここでの決意は、誰かの決意を粉微塵に砕くことであるくらい。
どうせ死ぬなら、どんな目的でも自分より固い決意の相手に殺されたかった。


否。
我々アンドロイドの命など、自分の脇腹から零れているネジより軽い。
死に場所や死ぬ相手を選別するなんて、贅沢もいい所だろう。
それに、決意を持って死ぬこと、決意がないまま生きること。どちらが良いかなんて自分にも、誰も決める権利はない。


それでも、ただ一つだけ、言いたいことがある。
今にも壊れ行く体が、再び紅蓮に包まれる。

「私が生きるのは、託してくれた仲間のためだけだ!!」
私が死ぬはずだった時に死んでいった仲間は、誰一人望んでいないだろう。
司令官のような、命無き者に従うなど。

(!?)

「なぜ!?」

もう出来ることはないと思っていたが、自分の決意に呼応して、体がBモードに入ってくれたようだ。
神などを信じるつもりはさらさらないが、何かがそうさせてくれたというなら、その『何か』に感謝しよう。


「うおおおあああああああああああっ!!!!!!」
もう目は見えない。だが、相手の呼吸を感じ取り、位置を察知する。
もう脚は動かない。だが、左手で思いっきり地面を殴って跳躍する。
もう剣は持ってない。だが、指もない切り株のような手を振り上げる。


「ダイケンキ、アクアジェット!!オノノクス、きりさく!!」

ダイケンキが水に乗って斬りかかる。
だが、炎を纏った拳は、アシガタナを貫き、ダイケンキの心臓を貫いた。
死ぬことを予想していなかったらしいダイケンキは悲鳴も上げずに、崩れ落ちる。


しかし、それ以降動くことはなかった。
自分も、ダイケンキも。
もう数センチ拳を動かせば、怪獣使いにも命中しただろう。
だが、もう数ミリほども動かすことは出来ない。
オノノクスのキバが、自分の脇腹を貫く。
文字通り、体を斬り裂かれ、抗うことすらできず、地面に崩れ落ちていく。


ああ、これが最期か。
仲間の願いを叶えることも、自分の決意を通すことも出来ず、馬鹿みたいにあっけなく終わりを告げられた。
多くの敵味方の死を目の当たりにしてきたが、こんなものだったとは。
本当に、くだらない。


【ヨルハA型二号@Nier Automata 死亡確認】
【ダイケンキ@ポケットモンスター ブラック・ホワイト 死亡確認】
【残り62名】








「くそ……ダイケンキ!!動けるか!?」
瀕死状態なら、まだ治療の目途があるが、最早治療の施しようがない。

「オノノクス……戻れ。」
わずかとはいえ、久々に熱くなれた戦いだった。

今度は、相手が万全の状態で戦いたかった。
命まで取るつもりはなかった。

あの状況では、オノノクスにトドメを刺す命令を下さなければ、もっと被害が及んでいた。


建物の壁に刺さっていた帽子と、そしてたった今自分が倒した敵の剣、それに相手が付けていた金色の指輪を手に取る。
これらの道具を使うつもりはないが、まだ名前も、人間かどうかも分からなかった相手を忘れないために。

だが、この戦いは期待が出来そうだ。
少し休憩し、次の戦いの為にダイケンキに代わるポケモンを探しに行こう。
バイバニラの治療も行いたい。

丁度のその時、市街地を朝日が照らした。
血のように真っ赤な朝日は、更なる戦いを告げるかのようだった。



【トウヤ@ポケットモンスター ブラック・ホワイト】
[状態]:虚無感(僅かに回復) 疲労(小) 帽子に穴
[装備]:モンスターボール(オノノクス)@ポケットモンスター ブラック・ホワイト、チタン製レンチ@ペルソナ4  
[道具]:基本支給品、モンスターボール(バイバニラ)@ポケットモンスター ブラック・ホワイト  カラのモンスターボール カイムの剣@ドラッグ・オン・ドラグーン、 煙草@METAL GEAR SOLID 2 スーパーリング@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[思考・状況]
基本行動方針:満足できるまで楽しむ。
1.ひとまず休憩
2.自分を満たしてくれる存在を探す。
3.ポケモンを手に入れたい。強奪も視野に。
4.バイバニラを回復させたい。

※チャンピオン撃破後からの参戦です。
※全てのポケモンの急所、弱点、癖、技を熟知しています。


【ポケモン状態表】
【オノノクス ♀】
[状態]:HP3/5
[特性]:かたやぶり
[持ち物]:なし
[わざ]:りゅうのまい、きりさく、ダメおし、ドラゴンテール
[思考・状況]
基本行動方針:トウヤに従う。
1.トウヤに従い、バトルをする。

【バイバニラ ♂】
[状態]:ひんし、左の顔の左目失明
[特性]:アイスボディ
[持ち物]:なし
[わざ]:ふぶき、ラスターカノン、とける、ひかりのかべ
[思考・状況]
基本行動方針:???
1.……。


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037:破壊という名の何か 時系列順 047:優しいだけじゃ守れないものがある
044:6つの『B』 投下順 046:Day of the future
040:その男、龍が如く(前編) ヨルハA型二号 GAME OVER
トウヤ 070:新たなる好敵手

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最終更新:2019年11月08日 13:36