アル=シオン首長国連合 Al-Sion Emirates Union(آل صهيون-الاتحاد الإمارة)
概要
アル=シオン首長国連合は1994年に成立した連合国家である。
中東方面に存在する国家連合体であり、中枢となるツェマク国・タウィール王国・アハマル国の軍備は
ファーニケス連邦の支援もあり陸空軍を中心に非常に高い水準を確保している。
また連合を構成するツェマク周辺のジャミール共和国・ジバール国はリュドスカヤ連邦の支援を受けており、少々旧式ではあるが安価な兵器を多く揃え連合の戦力の一端を担っている。
連合国としての首都はツェマク国のミシュマル。
首長国連合、とあるが構成国の全てが首長国でないことに注意。
国名
ツェマク国に所在する、聖地ともされる小高い丘の名前から。
歴史
古代・中世
全ての宗教始まりの地、とされる現在のツェマク周辺では紀元前より他国との交流が盛んであった。
だがそれ故に人種や宗派の違いによる争乱は数多く起きており、未だに詳細が分かっていないものも数多くあるほどだ。
647年に現在のタウィール王国、ジャミール共和国に当たるヤヒカル帝国がアカトルイス王国に敗北し植民地化するが、1630年に発生したファーニケス侵攻を機に反発。
同様に支配を受けていたアハマル国の加勢もあり、大国の正規軍相手に多くの犠牲を払いながらも戦乱の虚を突き国土の多くを奪回することとなった。
これにより1000年近い支配から解放された中東の国家達はそれぞれ独立して行き、個々に発展を遂げることとなる。
ジバール戦争
1991年にジバールにて政変が勃発し、貧困化・格差の拡大が進む国内の不満を解消すべく「石油利権の独占状態を正す」と大義名分を掲げたジバール軍は8月10日にアハマル国へと侵攻を開始。
かねてよりリュドスカヤ製近代兵器を運用していたジバール軍に対し、アカトルイス製の旧式兵器が戦力のほとんどを占めるアハマル軍は侵攻からわずか16日で指揮系統を壊滅状態にまで追い込まれ敗退、国土の90%を占領された。
石油大国の一つであるアハマルが占領されたことにより石油価格は急激に高騰、世界経済が大きなダメージを受けることとなる。
だがアハマル軍壊滅直後の8月28日、経済大国であり石油関連銘柄の高騰による国内経済への大打撃を受けた
ファーニケス連邦・
アカトルイス連邦を筆頭とする連合軍がジバールへの武力介入を決行する。
その中枢となるファーニケス軍はその凄まじいまでの展開能力を発揮し、陸では現代兵器を用いては初めてとも言える砂漠戦に新型戦車・M1"エイブラムス"戦車を投入しジバール軍主力のリュドスカヤ製T-72M戦車に次々と圧勝。
空でもファーニケス空軍最新鋭のF-117"ナイトホーク"ステルス攻撃機が夜間爆撃を敢行し多大な戦果を上げたのに対し、F-15"イーグル"戦闘機による防空網を突破できたジバール軍機は1機たりとも存在しなかった。
これら連合軍の猛攻でジバール軍は攻撃戦力の6割を損耗、戦線は大きく後退し国境線付近で停滞。翌年1月17日にジバールが停戦協定を申し出、ジバール戦争は終結する。
この戦争を引き起こした首謀者とも言えるジバール大統領ハシム・アル=ラヒールは戦犯として裁かれ、後任には穏健派のラティーフ・ハカム・バッサマン外相が就任することとなった。
終戦後ジバールはファーニケスにより管理される予定だったが、リュドスカヤとの国交に配慮し中止に。それでもこの戦争でファーニケスに反感を抱く者は多く存在し、後にテロへ参加する者も少なくなかった。
連合国家の形成
ジバール戦争終結翌年の1993年、ツェマク国・アハマル国が産油国を中心とした防衛能力の向上・経済政策の共有による経済の活発化を目的として国家連合体の形成を周辺国に促した。
それに対しジャミール共和国・ジバール国・タウィール王国の3カ国が名乗りを上げ、1994年5月4日にアル=シオン首長国連合が生まれることとなる。
これらの国家はそれぞれ独立した政府を持ちながら、連合国家としての政府も持ち各国の交流・親交を深めている。
現在
1994年の連合形成以降は大きな戦争は起きていないが、反政府ゲリラと政府軍による小規模な戦闘が起きている場所も存在する。
これら反政府ゲリラに対処するため、構成国の陸上装備には携行兵器対策のための追加装甲が施されている場合が多い。
周辺国との関係は比較的良好。ファーニケス、リュドスカヤという東西の大国、そして"エポニックの獅子"フルシアを相手に兵器の売買で友好的に関わっている他、北側の国境を接しているアカトルイスとも交流が深い。
更に産油国を擁しているために多くの先進国とは関わりがあり、その繋がりから石油だけではなく技術的・人的資源の取引も盛んに行われている。
軍事
アル=シオン首長国連合軍は構成各国の陸軍・空軍・海軍からなり、有事の際は各国政府からアル=シオン政府へと権限が移される。
軍備そのものに関しては各国政府に一任しているため東西兵器が混在しており、共同作戦時に補給品の融通が利かないのではないかと懸念されているのだが、大国相手故にそう簡単に打ちきれないのが現状だ。
またツェマク国には各種兵器製造を行っているTMI(Tsemakh Military Industries)、TAI(Tsemakh Aerospace Industries)が存在しており、主に他国兵器の改良品であるが自国製兵器の生産・供給も多く行われている。
そして構成5カ国の中で唯一国民皆兵制度を採っているのもツェマク国である。
陸軍
TMI製のメルカバ戦車シリーズを筆頭としながらも、リュドスカヤ製のT-80・T-90戦車も多く配備されておりそれぞれ弾薬の共通化改造が施されている。また、アハマル陸軍はジバール戦争での戦訓から当時最新鋭のフルシア製ルクレール戦車とファーニケス製M1A1戦車を採用しており、加盟国中最大の陸上戦力を保持している。
また、軍の管轄下には無いが情報機関内の"ツェザレヤ"と呼ばれる執行部が有り、世界でも一、二を争う工作活動機関として有名である。
空軍
アル=シオン三軍の中で近年最も力を入れられている。こちらは完全な自国製兵器が少なく、ファーニケス製のF-15・F-16戦闘機を主に運用しているがMiG-29やSu-27・MiG-31等のリュドスカヤ製兵器も少なくない数が運用されている。
またかつてツェマクがフルシアより軍用機を多く導入していたためにミラージュシリーズなどのフルシア製小型戦闘機も未だ現役で運用中である。
常日頃から対ゲリラ戦闘を行っている場所なだけに、各国メーカーも「テスト」色の濃い兵器を投入する事がある。
また自国領を防衛できればそれで構わないため、戦略爆撃機の類は運用していない。地上目標に対してはF-15やF-16、Su-30に対地攻撃能力を持たせた機体で対処しているようだ。
海軍
構成5カ国の中で海に面しているアハマル軍及びジバール軍が海軍戦力を保有している。
アハマル海軍はフルシア領で建造され運用されていたラファエル・ヨーク級航空母艦"ラファエル・ヨーク"を中古ながらも購入、これを旗艦に据えた艦隊を組成し有事に備えている。
ラファエル・ヨークはアハマル海軍での運用に際し"カハール"と改名され、各部に改良を施した後に納入。JTF109での合同作戦に参加している姿がしばしば確認できる。
主力艦艇はこの空母カハールの他にも大型ミサイル巡洋艦を5隻、ミサイル駆逐艦を12隻保有しており、中東における海路の保安に活躍している。
一方ジバール海軍はジバール戦争においてほとんどの大型艦船をファーニケス軍に撃破されてしまったため、現在はミサイル駆逐艦等の比較的小型な艦船が多く運用されている。
とは言うものの大型艦艇が全く残っていないわけではなく、ジバール戦争をほとんど無傷で生き延び「奇跡の艦」とまで呼ばれたインバラトゥール級ミサイル巡洋艦2番艦"アル=ネシャート"を旗艦とし、
アル=ネシャートの僚艦として付き従ったシャムス級ミサイル駆逐艦4番艦"アルド"・5番艦"マールス"、戦時中改修のためドックに留置されていたために難を逃れたイクリール級ミサイル駆逐艦2番艦"ケルシュ"の計4隻が未だ交戦可能状態で有事の際に備えている。
だが数の上では沿岸部を守るミサイル艇が主力となっており、リュドスカヤより購入したコルベットだけでゆうに20隻近い数を保有しているとの事。
最終更新:2021年06月20日 21:58