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瓦栄(ワロン)
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gensousyusyu
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瓦栄/ワロン
中国の布依(プイ)族における洪水神話の登場人物。
大昔、雷公(らいこう)が大きな雄鶏として下界に降りると、民が犬を使って耕した田に稲がよく育っているのに不満を持ち、稲穂を全てつつき落とした。そこで翁信(ウオンシン)という者が雄鷄を捕まえて家に持ち帰り、大きな木の籠に閉じ込めた。すると彼の子である瓦栄と瓦媛(ワユアン)に見張らせ、水を与えず、触らず、籠から出さないよう言いつけて山に芝刈りに行った。子らが籠の周りで遊んでいると、独楽が籠の中に入ってしまった。雄鶏は彼らに水をくれと言う。子らは父の言いつけを忘れ、汚れた水を1椀渡してしまった。するとその瞬間、雄鶏は木の籠を破り、雷公(らいこう)の姿に戻って天に帰って行ってしまった。その際、助けてくれたお礼に葫蘆(ヒョウタン)の種を与えた。雷公(らいこう)は天の雨の門を開け、3年間大雨を降らせ、葫蘆の中に入って生き延びた瓦栄と瓦媛以外の全ての人間は溺死した。洪水が退くと仙翁・祖密(ズーミー)は2人が結婚するよう助言した。2人は2つの山の上から臼を転がし、箕を投げ、糸と針を投げた。すると臼と箕がぴったり重なり、糸は針の穴に通ったため、2人は結婚を決めた。兄が上流で、妹が下流で体を洗うと妹が懐胎したが、手も足も無い肉塊が産まれた。2人は怒って肉塊を108片に切り刻み、そのうち100を平原や河や谷にばら撒くと100の村に変わり、100種類の姓が出来た。8片は山頂や谷底に撒き、山の峰、樹木、河川になった。こうして再び人間が栄るようになった。
大昔、雷公(らいこう)が大きな雄鶏として下界に降りると、民が犬を使って耕した田に稲がよく育っているのに不満を持ち、稲穂を全てつつき落とした。そこで翁信(ウオンシン)という者が雄鷄を捕まえて家に持ち帰り、大きな木の籠に閉じ込めた。すると彼の子である瓦栄と瓦媛(ワユアン)に見張らせ、水を与えず、触らず、籠から出さないよう言いつけて山に芝刈りに行った。子らが籠の周りで遊んでいると、独楽が籠の中に入ってしまった。雄鶏は彼らに水をくれと言う。子らは父の言いつけを忘れ、汚れた水を1椀渡してしまった。するとその瞬間、雄鶏は木の籠を破り、雷公(らいこう)の姿に戻って天に帰って行ってしまった。その際、助けてくれたお礼に葫蘆(ヒョウタン)の種を与えた。雷公(らいこう)は天の雨の門を開け、3年間大雨を降らせ、葫蘆の中に入って生き延びた瓦栄と瓦媛以外の全ての人間は溺死した。洪水が退くと仙翁・祖密(ズーミー)は2人が結婚するよう助言した。2人は2つの山の上から臼を転がし、箕を投げ、糸と針を投げた。すると臼と箕がぴったり重なり、糸は針の穴に通ったため、2人は結婚を決めた。兄が上流で、妹が下流で体を洗うと妹が懐胎したが、手も足も無い肉塊が産まれた。2人は怒って肉塊を108片に切り刻み、そのうち100を平原や河や谷にばら撒くと100の村に変わり、100種類の姓が出来た。8片は山頂や谷底に撒き、山の峰、樹木、河川になった。こうして再び人間が栄るようになった。
参考文献
- 吉田敦彦,松村一男編著『アジア女神大全』青土社